
見積り・企画・制作・納品の進め方を仕組み
に変え、人事評価と連動して業務改善を促進。
売上4,000万円・利益2,300万円増加につながった事例
ブランディング戦略立案の仕事は、企業ごとに課題や方向性が異なるため、高度な提案力や企画力が求められます。
制作会社の属人化を解消し、案件が増えても利益を残せる組織をつくる方法コンサル会社の属人化を解消し、社員が増えてもサービス品質を保つ方法
「案件は増えているのに、思ったほど利益が残らない」
「仕事のできる社員に案件が集中している」
「担当者によって制作の進め方が違う」
「見積りの精度や制作時間にばらつきがある」
「忙しくなるほど納期管理が大変になる」
映像制作や動画制作など、お客様ごとに異なる作品をつくる制作会社では、このようなお悩みが起こりやすくなります。
一つひとつのお客様に合わせた企画や表現ができることは、制作会社にとって大きな強みです。
しかし、企画、見積り、撮影、編集、顧客対応などの進め方が特定の社員の経験に依存すると、「この案件は○○さんでなければできない」という仕事が増えていきます。
その結果、案件が増えるほど優秀な社員へ仕事が集中し、売上は増えているのに利益が思うように残らないという問題につながることがあります。
今回ご紹介するのは、東京都で縦型ショートドラマなどの企画・制作を手掛ける従業員13名の企業です。
案件ごとのカスタマイズが多いため、制作業務が担当者の経験に依存しやすく、作業プロセスの再現性が低いことが利益率を圧迫していました。
さらに、見積りから制作、納品までの標準化が十分ではなく、同じような工程を案件ごとに繰り返すことで工数が増え、別の案件を受注できない機会損失や納期遅延のリスクも課題となっていました。
そこで、制作工程の標準化、ノウハウの共有、受注案件のパターン分類などを社員の目標に設定し、その達成度を人事評価と賞与へ反映する仕組みを提供しました。
その結果、社員の属人化解消に対する意識が高まり、会社の課題改善が進み、売上4,000万円、利益2,300万円の増加につながりました。
お客様の課題
東京都で、縦型ショートドラマなどの企画・制作を中心とした受注型の制作サービスを提供する従業員13名の企業です。
お客様の目的や要望に合わせて作品を企画・制作できることが強みである一方、案件ごとのカスタマイズが多いため、業務が担当社員の経験や能力に依存しやすい状態になっていました。
具体的には、
・担当者によって企画や制作の進め方が異なる
・見積りに必要な時間や判断基準に差がある
・過去案件の制作ノウハウが十分に共有されていない
・似た案件でも毎回ゼロから考える作業が発生する
・仕事のできる社員に難しい案件が集中する
・案件によって想定以上に制作工数が増える
・案件が重なると納期管理が難しくなる
・社員が忙しく、新しい案件を受けにくくなる
・案件数が増えても利益が比例して増えにくい
という問題がありました。
そこで、お客様ごとの個別性や作品の創造性は大切にしながら、「毎回変える必要がある仕事」と「会社として共通化できる仕事」を分けることから改善を進めました。
制作会社の属人化で起こりやすい10の問題
制作会社では社員の経験や感性が大切だからこそ、属人化が進んでいることに気づきにくい場合があります。
代表的な問題として、次の10項目があります。
1.優秀な社員に重要案件が集中する
2.担当者によって制作工程や品質に差が出る
3.見積りに必要な時間や判断基準が異なる
4.似た案件でも毎回ゼロから企画してしまう
5.過去の成功事例や失敗事例が共有されない
6.新人が一人で案件を担当するまで時間がかかる
7.修正や手戻りによって制作工数が増える
8.案件が集中すると納期遅延のリスクが高まる
9.忙しくて新しい案件を受注できない
10.売上が増えても利益が思うように増えない
特に注意したいのは、
「忙しいから売上は順調」
と考えてしまうことです。
社員が忙しいことと、会社の利益が増えていることは必ずしも同じではありません。
案件ごとの売上だけではなく、「その売上をつくるために何時間使ったのか」「どれだけの人員や外注費が必要だったのか」まで確認することが大切です。
属人化解消は制作工程の見える化から始める
制作会社の属人化を解消するために、すべての仕事を細かくマニュアル化する必要はありません。
まずは、問い合わせから納品までの流れを見えるようにします。
見積りから納品までを工程に分ける
例えば、
問い合わせ・紹介
↓
ヒアリング
↓
企画
↓
見積り
↓
提案
↓
受注
↓
制作準備
↓
撮影・素材制作
↓
編集
↓
社内確認
↓
顧客確認
↓
修正
↓
納品
↓
振り返り
という形です。
工程を整理すると、
「どこで時間がかかっているのか」
「どこで手戻りが多いのか」
「誰に仕事が集中しているのか」
「どの工程なら他の社員でも担当できるのか」
が見えやすくなります。
感覚的に「忙しい」と考えるのではなく、忙しさの原因を工程単位で見つけることが重要です。
制作工程を標準化し「毎回ゼロから」を減らす
映像やドラマなどの制作では、作品そのものを完全に標準化することはできませんし、その必要もありません。
標準化したいのは、創造性ではなく、繰り返し発生する業務です。
共通業務をテンプレート化する
例えば、
・初回ヒアリングシート
・企画時の確認項目
・見積書
・制作スケジュール
・撮影準備表
・必要素材一覧
・顧客確認事項
・編集時の確認項目
・修正依頼の管理方法
・納品前チェックリスト
・案件終了後の振り返りシート
などは共通化できます。
毎回ゼロから考える仕事を減らし、
「基本形+案件ごとの個別対応」
へ変えていきます。
これにより、制作会社ならではの創造性を残しながら、無駄な作業時間を減らしやすくなります。
受注案件をパターン分けすると利益を残しやすくなる
もう一つ重要なのが、過去の案件を分類することです。
例えば、
・短期間で制作できる案件
・企画から必要な案件
・撮影を伴う案件
・編集中心の案件
・修正回数が多くなりやすい案件
・継続受注につながりやすい案件
などに分けます。
さらに案件ごとに、
・売上
・見積り工数
・実際の工数
・外注費
・修正回数
・納期
・最終利益
などを振り返ります。
すると、
「売上は大きいけれど利益率が低い案件」
「売上はそれほど大きくないけれど効率よく利益を残せる案件」
といった違いも見えてきます。
営業段階から受注パターンを意識できれば、単に案件数を増やすのではなく、会社に利益を残しやすい仕事を増やすという考え方ができるようになります。
成功した制作ノウハウを「個人の経験」から「会社の財産」へ変える
制作会社にとって、社員が積み重ねた経験は大切な財産です。
例えば、
「この条件なら、このくらいの制作時間が必要」
「この段階で確認しないと後から大きな修正が発生する」
「このタイプのお客様には、最初にここまで確認した方がよい」
といった知識は、経験を重ねることで身につきます。
問題は、その知識が本人の頭の中にしかない状態です。
案件終了後に、
・何がうまくいったか
・何に時間がかかったか
・どの工程で問題が発生したか
・どのように解決したか
・修正が発生した原因は何か
・利益はどの程度残ったか
・次回は何を変えるか
を短時間でも共有します。
一つの案件が終わるたびに担当社員だけが成長するのではなく、会社全体にノウハウが蓄積される状態を目指します。
人事評価で「会社を良くする仕事」を社員の目標にする
今回の取り組みで大切なのは、業務改善を社員の善意だけに任せなかったことです。
経営者が、
「もっと効率化してほしい」
「ノウハウを共有してほしい」
「若手を育ててほしい」
と言っても、社員が日々の制作案件で忙しければ、改善活動は後回しになってしまいます。
そこで、会社が解決したい課題を社員一人ひとりの目標へ落とし込みます。
制作会社の課題解決につながる10の目標例
1.制作工程を標準化する
2.ヒアリング項目を共通化する
3.見積り方法を改善する
4.制作テンプレートを整備する
5.過去案件の成功事例を共有する
6.修正・手戻りを減らす
7.制作時間を短縮する
8.若手社員が担当できる業務を増やす
9.案件ごとの利益率を改善する
10.自分のノウハウを他の社員が使える形にする
そして、それぞれの目標に対する達成度を人事評価で確認し、賞与へ反映します。
これによって、
「たくさん案件をこなした社員」
だけではなく、
「会社全体が効率よく仕事をできる仕組みをつくった社員」
も評価できるようになります。
取り組みにより売上4,000万円・利益2,300万円増加
今回の企業では、制作工程の標準化とノウハウの共有を進め、さらに受注案件をパターン別に整理することで、共通化できる業務を増やしました。
そして、属人化解消や業務改善につながる取り組みを社員一人ひとりの目標として設定し、その達成度を人事評価と賞与へ反映しました。
その結果、社員の属人化解消に対する意識が高まり、会社の課題改善が進み、
・売上4,000万円増加
・利益2,300万円増加
につながりました。
ポイントは、単純に社員へ、
「もっとたくさん制作してください」
「もっと案件を受注してください」
と求めたわけではないことです。
「どうすれば同じ仕事をもっと効率よくできるのか」
「どうすれば自分のノウハウを他の社員も使えるようにできるのか」
「どうすれば売上だけではなく利益を残せるのか」
という会社の経営課題を、社員自身が考えて改善する仕組みにしたことです。
この考え方は、映像制作会社だけではありません。
Web制作会社、広告会社、デザイン会社、システム開発会社、イベント会社、コンサルティング会社など、「案件ごとの個別対応」が多い企業にも活用できます。
ご相談・お問い合わせ
「案件が増えているのに利益が残らない」
「優秀な社員ばかり忙しくなっている」
「担当者によって制作時間や品質に差がある」
「制作ノウハウが社員個人の頭の中にある」
「社員を増やしても会社がなかなか楽にならない」
「人事評価制度を会社の業績向上につなげたい」
このようなお悩みがございましたら、まずは現在の業務について、
「どの仕事が、誰に、どの程度集中しているのか」
「どの工程に時間がかかっているのか」
「どのノウハウを会社全体で共有すればよいのか」
を整理するところから、丁寧にお手伝いいたします。
制作会社だけでなく、営業や制作、技術などのノウハウが属人化している全国の企業に対応できます。
ご相談はこちらからお送りいただけます。
よくあるご質問 FAQ
企画、見積り、制作、編集、顧客対応などの仕事が特定の社員の経験や判断に依存し、その社員がいなければ同じ品質やスピードで仕事を進めにくい状態です。優秀な社員に案件が集中している会社では、属人化が進んでいないか確認することが大切です。
作品そのものを同じにする必要はありません。ヒアリング、見積り、スケジュール管理、顧客確認、修正管理、納品前確認など、案件に共通する工程を標準化します。「共通部分+案件ごとの個別対応」に分けることで、創造性を保ちながら効率化できます。
まず案件ごとに売上だけでなく、実際にかかった制作時間、外注費、修正回数、追加作業などを確認することが重要です。利益が残りやすい案件と工数が膨らみやすい案件を把握し、見積りや制作工程の改善につなげます。
属人化解消につながる具体的な行動を社員の目標にする方法があります。例えば、制作工程の標準化、テンプレート作成、ノウハウ共有、若手育成、制作時間短縮などを目標とし、その達成度を人事評価や賞与へ反映することで、業務改善を正式な仕事として進めやすくなります。
利用できます。Web制作、広告、デザイン、システム開発、イベント、コンサルティングなど、案件ごとに個別対応が必要で、社員の経験や技術に仕事が依存しやすい企業にも応用できます。
この記事を書いた人

土山 誠
経営アドバイザー合同会社 代表
エンジニア個人に集中する開発ノウハウを
会社の仕組みに変え、人事評価で改善を促進。
売上1億1,000万円・利益6,000万円増加につながった事例
ブランディング戦略立案の仕事は、企業ごとに課題や方向性が異なるため、高度な提案力や企画力が求められます。
受託開発会社の属人化を解消し、案件が増えても成長できる組織をつくる方法
「案件の相談は増えているのに、開発できる人が足りない」
「優秀なエンジニアに難しい案件が集中している」
「案件ごとに仕様が違うため、毎回ゼロから開発している」
「社員を増やしても、なかなか開発能力が上がらない」
「売上は伸びているけれど、受託開発中心なので将来の売上が安定しない」
受託開発を行う会社では、このようなお悩みが起こることがあります。
特に専門性の高いシステム開発では、優秀なエンジニアが持つ知識や経験は会社にとって大切な財産です。
しかし、その知識が個人の中だけに蓄積されてしまうと、
「この案件は○○さんでなければできない」
「この技術については△△さんに聞かないと分からない」
という仕事が増えていきます。
その結果、案件の相談が増えているのに開発リソースが足りず、せっかくの受注機会を逃してしまうこともあります。
今回ご紹介するのは、東京都で受託開発と自社サービスの開発を行う従業員42名の企業です。
自治体や大手企業の大型案件から新しいサービスの検証まで幅広く手掛けていましたが、案件ごとのカスタマイズが多く、開発工数や仕様が大きく変わるため、開発の標準化や再現性に課題がありました。
そこで、過去の開発で得られた知識や仕組みを再利用できるようにし、受託案件の標準化、開発リソースの最適化、外部パートナーの活用、継続収益につながるサービスづくりなどを社員の目標として設定。その達成度を人事評価と賞与へ反映しました。
取り組みの結果、社員の属人化解消や会社の課題解決に対する意識が高まり、
・売上1億1,000万円増加
・利益6,000万円増加
につながりました。
お客様の課題
東京都で、AIを中核とした受託開発と自社サービス開発を行う従業員42名の企業です。
要件定義から開発、運用まで一貫して提供し、自治体や大手企業の大型案件からスタートアップ企業のサービス検証まで、幅広い案件に対応していました。
一方、受託開発ではお客様ごとに要件や仕様が異なるため、案件ごとのカスタマイズ負荷が高く、開発工数も大きく変動していました。
具体的には、・案件ごとに開発方法が変わる・優秀なエンジニアへ難しい仕事が集中する・過去の開発ノウハウが十分に再利用されない・開発リソース不足によって受注機会を逃す・案件が増えるほどエンジニアの負担が増える・受託案件中心のため継続的な収益をつくりにくい、といった課題です。
そこで、個人に蓄積されていた開発ノウハウを会社全体で利用できる仕組みに変え、受託開発の生産性と再現性を高めることを重要な経営課題としました。
受託開発会社で属人化が起こりやすい理由
受託開発では、お客様によって求められるものが異なります。
例えば、
・解決したい経営課題
・必要となる機能
・既存システムとの連携
・納期
・予算
・セキュリティ要件
・運用方法
など、一つとして同じ案件はありません。
そのため、経験豊富なエンジニアほど、
「この要件なら、この方法で設計したほうがよい」
「この部分は後で問題になりやすい」
「以前の案件で使った仕組みを応用できる」
といった判断ができるようになります。
これは会社にとって大きな財産です。
ところが、その知識が本人の頭の中だけにあると、案件が増えるほど優秀な社員に仕事が集中します。
属人化を解消するとは、エンジニアの専門性をなくすことではありません。
優秀な社員が持っている知識や経験を、他の社員も利用できる「会社の財産」へ変えていくことです。
受託開発会社の属人化で起こりやすい10の問題
受託開発会社で属人化が進むと、次のような問題が起こりやすくなります。
1.難易度の高い案件が特定のエンジニアに集中する
2.案件ごとに開発方法や工数が大きく異なる
3.過去に開発した仕組みを十分に再利用できない
4.担当者によって成果物の品質に差が生まれる
5.新人エンジニアの育成に時間がかかる
6.案件が増えるほど一部の社員が忙しくなる
7.優秀な社員が退職するとノウハウまで失われる
8.開発リソース不足によって受注機会を逃す
9.売上が増えても人件費や外注費が増え、利益が残りにくい
10.受託案件への依存が高く、安定した収益基盤をつくりにくい
特に経営者が注意したいのが、
「案件が取れているから経営は順調」
と考えてしまうことです。
受注できる案件が増えていても、それを処理できるエンジニアが不足していれば、やがて成長の限界が訪れます。
「もっと案件を取る」だけでなく、「同じ人数でも、より多くの価値を提供できる会社にする」という視点が重要です。
属人化解消の第一歩は、優秀なエンジニアの仕事を見える化すること
いきなり詳細な開発マニュアルを作る必要はありません。
まず、
「成果を出しているエンジニアは、どのように仕事をしているのか」
を整理します。
個人の知識を会社の開発ノウハウへ変える
例えば、
・要件定義で何を確認しているのか
・設計するときに何を重視しているのか
・過去のどのような仕組みを再利用しているのか
・問題が発生する可能性をどう予測しているのか
・開発期間を短縮するために何をしているのか
・品質を保つために何を確認しているのか
・顧客との認識違いをどう防いでいるのか
などを整理します。
「○○さんは優秀だから」で終わらせず、
「なぜ○○さんは短期間で高品質な仕事ができるのか」
まで分解することがポイントです。
過去の開発資産を再利用し、毎回ゼロからつくらない
受託開発では、お客様ごとに要件が異なります。
しかし、案件が違っても共通して利用できる部分はあります。
例えば、
・共通機能
・設計パターン
・開発部品
・仕様書
・要件定義シート
・テスト項目
・チェックリスト
・プロジェクト管理方法
・顧客への説明資料
・過去のトラブルと解決方法
などです。
過去に開発したものを次の案件でも活用できれば、毎回ゼロから考える必要がなくなります。
「案件を受注するたびに忙しくなる会社」から、
「案件を経験するほど会社に知識と資産が蓄積される会社」
へ変えていくことが大切です。
受注から運用までの開発プロセスを標準化する
案件ごとの違いを残しながら、共通する工程を整理します。
例えば、
問い合わせ・紹介
↓
ヒアリング
↓
要件整理
↓
提案
↓
見積り
↓
受注
↓
要件定義
↓
設計
↓
開発
↓
テスト
↓
納品
↓
運用
↓
改善提案
という流れです。
プロセスを見える化すると、
「どこで工数が増えているのか」
「どこで手戻りが発生しているのか」
「どの工程が特定社員に依存しているのか」
「どの案件は利益が残り、どの案件は残らないのか」
を分析しやすくなります。
すべての案件を同じにするのではなく、「標準化できる部分」と「お客様に合わせる部分」を分けることが重要です。
開発リソース不足による機会損失を減らす
「案件はある。でも、対応できるエンジニアがいない」
これは受託開発会社にとって非常にもったいない状態です。
そこで、社員を増やすことだけでなく、
・誰に仕事が集中しているか
・どの工程に時間がかかっているか
・社内でなければできない仕事は何か
・他の社員へ移管できる仕事は何か
・外部パートナーへ依頼できる仕事は何か
・過去の仕組みを再利用できる部分は何か
を整理します。
重要なのは、「エンジニアが足りない」という人数だけの問題にしないことです。
開発の標準化や再利用が進めば、同じ人数でも対応できる案件を増やせる可能性があります。
外部パートナーを活用できる仕事の仕組みをつくる
開発リソースを増やす方法は、正社員採用だけではありません。
外部の開発会社や専門人材との協力も選択肢になります。
ただし、業務が属人化したまま外部へ依頼すると、
「説明するだけで時間がかかる」
「品質が安定しない」
「結局、社内の優秀な社員が修正する」
ということになりかねません。
そこで、
・依頼する業務の範囲
・仕様
・品質基準
・納期
・確認方法
・報告方法
・責任範囲
などを明確にします。
社内の仕事を標準化することは、外部パートナーを活用しやすい会社づくりにもつながります。
受託だけに頼らず、継続的な収益をつくる
受託開発では、一つの案件が終了すると、その売上も一度区切られます。
そのため、新しい案件を継続的に受注しなければなりません。
一方、納品後にもお客様にはさまざまな課題が発生します。
例えば、
・システムの保守
・運用支援
・機能追加
・改善
・利用状況の分析
・新しい業務への展開
などです。
そこで、
納品
↓
運用
↓
効果確認
↓
課題発見
↓
改善提案
↓
継続支援
という流れをつくります。
一度の開発で終わるのではなく、お客様の事業成長に継続して関わることができれば、顧客との関係も深まり、収益の安定化にもつながります。
受託開発で得た知識を新しいサービスへ変える
複数のお客様から同じような相談を受けている場合、その中に新しい事業の種が隠れていることがあります。
例えば、
「多くのお客様が同じ機能を必要としている」
「毎回似たようなシステムを開発している」
のであれば、その共通部分を整理してサービス化できる可能性があります。
受託開発
↓
知識が蓄積される
↓
共通する顧客課題を発見する
↓
共通機能を整理する
↓
再利用できる形にする
↓
新しいサービスへ発展させる
という流れです。
受託開発を「その案件だけの仕事」で終わらせず、次の案件や新しいサービスにつながる会社の資産として蓄積していきます。
人事評価制度で「属人化解消」を社員の目標にする
ここが今回の取り組みの大切なポイントです。
経営者が、
「ノウハウを共有してください」
「もっと効率よく開発してください」
「若手を育ててください」
と伝えても、忙しいエンジニアにとって、目の前の案件が優先されるのは自然なことです。
そこで、会社が解決したい経営課題そのものを社員の目標へ落とし込みます。
会社の成長につながる改善行動を評価する
例えば、
・開発工程を標準化する
・再利用できる開発資産を増やす
・過去のノウハウを共有する
・開発工数を削減する
・手戻りを減らす
・若手エンジニアを育成する
・外部パートナーでも対応できる業務を増やす
・案件の利益率を改善する
・保守・運用などの継続サービスを増やす
・新しいサービスにつながる仕組みをつくる
といった目標です。
そして、その達成度を人事評価で確認し、賞与へ反映します。
単に、
「たくさん開発した社員」
だけを評価するのではありません。
「自分の知識を会社へ残した社員」
「他の社員も成果を出せる仕組みをつくった社員」
「会社の将来の利益につながる改善をした社員」
も評価する仕組みにします。
人事評価と賞与を連動させ、改善を続けられる会社にする
属人化解消が進みにくい理由の一つは、
「自分でやったほうが早い」
という問題です。
確かに、短期的には優秀な社員が自分で仕事をしたほうが早いこともあります。
しかし、それを繰り返していると、その社員へ仕事が集中し続けます。
そこで、
会社の課題
↓
部署の課題
↓
社員一人ひとりの目標
↓
具体的な改善行動
↓
人事評価
↓
賞与
までをつなげます。
ノウハウ共有や標準化、若手育成などを「時間があればやる仕事」ではなく、会社が正式に評価する仕事へ変える考え方です。
取り組みにより売上1億1,000万円・利益6,000万円増加
今回の企業では、受託開発の属人化や開発リソース不足など、会社の成長を妨げている課題を整理しました。
そして、開発ノウハウの再利用、受託業務の標準化、リソース配分の改善、外部パートナーの活用、継続収益につながるサービスの強化などを社員の目標へ落とし込み、その達成度を人事評価と賞与へ反映しました。
その結果、社員が属人化の解消や会社の課題解決を自分自身の仕事として考える意識が高まり、課題改善が進み、
・売上1億1,000万円増加
・利益6,000万円増加
につながりました。
重要なのは、社員へ単純に、
「もっと多くの案件をこなしてください」
と求めたことではありません。
「どうすれば同じ人数でも多くの案件に対応できるのか」
「どうすれば自分の知識を他の社員も活用できるのか」
「どうすれば受託した仕事を会社の次の資産にできるのか」
という会社の課題そのものを、社員の目標にしたことがポイントです。
この仕組みは受託開発会社以外にも活用できます
今回の考え方は、AIを活用した開発会社だけに限定されるものではありません。
・システム開発会社
・Web制作会社
・映像制作会社
・広告会社
・デザイン会社
・コンサルティング会社
・建設会社
・設計会社
・専門サービス会社
・案件ごとの個別対応が多い企業
などにも応用できます。
特に、
「優秀な社員に仕事が集中している」
「受注したい案件はあるのに人手が足りない」
「社員を増やしても生産性が上がらない」
「担当者が辞めるとノウハウまで失われる」
「売上は伸びているのに利益が思ったほど残らない」
という会社では、会社の成長を属人化が妨げていないか確認することが大切です。
受託開発会社が成長するには「案件を増やす」だけではなく「再現できる仕組み」をつくる
受託開発会社では、
案件が増える
↓
優秀な社員に仕事が集中する
↓
社員が忙しくなる
↓
採用・外注を増やす
↓
人件費や外注費が増える
↓
利益率が下がる
という状態になることがあります。
これでは、売上が増えても経営者や社員の負担が大きくなってしまいます。
目指したいのは、
開発ノウハウの共有
↓
業務の標準化
↓
過去の開発資産の再利用
↓
開発工数の削減
↓
対応できる案件の増加
↓
社員の負担軽減
↓
案件利益の改善
↓
継続収益の拡大
↓
会社の成長
という好循環です。
人事評価制度を「社員に点数をつける制度」ではなく、「会社が抱えている課題を社員全員で解決する仕組み」として活用することで、社員の成長と会社の業績向上を一緒に目指すことができます。
「案件の依頼はあるのにエンジニアが足りない」
「優秀なエンジニアに仕事が集中している」
「開発ノウハウが社員個人に蓄積されている」
「受託中心から継続的な収益も増やしていきたい」
「人事評価を会社の業績向上につなげたい」
このようなお悩みがございましたら、まずは現在の仕事の中で「誰に、どの仕事やノウハウが集中しているのか」を整理するところから、丁寧にお手伝いいたします。
ご相談・お問い合わせ
「優秀な社員に仕事が集中している」
「担当者によってサービス品質が変わる」
「社員を増やしても利益が思うように増えない」
「社員が持っているノウハウを会社に残したい」
「人事評価制度を会社の業績向上につなげたい」
このようなお悩みがございましたら、まず現在の会社の中で「どの仕事が、誰に、どの程度依存しているのか」を整理するところから、丁寧にお手伝いいたします。
全国の企業に対応しています。
ご相談はこちらからお問い合わせください。
よくあるご質問 FAQ
顧客対応、提案、コンサルティング、問題解決などの方法が、特定の社員の経験や能力に依存している状態です。担当者が不在になると同じ品質で対応できない場合は、属人化が進んでいる可能性があります。
すべてを同じ方法にする必要はありません。ヒアリング、課題整理、提案、進捗確認、成果確認など、共通する部分を標準化し、お客様ごとに必要な部分だけ個別対応する方法があります。
強みをなくすことが目的ではありません。優秀な社員が持っている知識、経験、判断方法を見える化し、他の社員も活用できる会社の財産へ変えていくことが目的です。
ノウハウ共有、業務の標準化、後輩育成、テンプレート作成、業務時間の短縮など、会社が解決したい課題を社員の具体的な目標にします。その達成度を人事評価や賞与へ反映することで、改善活動を正式な仕事として位置づけやすくなります。
コンサルティング、コーチング、研修、IT、Web制作、システム開発、士業など、社員個人の知識や経験によってサービス品質や売上が左右されやすい企業に活用しやすい仕組みです。特に「できる社員に仕事が集中している」という企業では、属人化の見直しが会社の成長につながる可能性があります。
この記事を書いた人

土山 誠
経営アドバイザー合同会社 代表
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