
見積り・企画・制作・納品の進め方を仕組み
に変え、人事評価と連動して業務改善を促進。
売上4,000万円・利益2,300万円増加につながった事例
ブランディング戦略立案の仕事は、企業ごとに課題や方向性が異なるため、高度な提案力や企画力が求められます。
制作会社の属人化を解消し、案件が増えても利益を残せる組織をつくる方法コンサル会社の属人化を解消し、社員が増えてもサービス品質を保つ方法
「案件は増えているのに、思ったほど利益が残らない」
「仕事のできる社員に案件が集中している」
「担当者によって制作の進め方が違う」
「見積りの精度や制作時間にばらつきがある」
「忙しくなるほど納期管理が大変になる」
映像制作や動画制作など、お客様ごとに異なる作品をつくる制作会社では、このようなお悩みが起こりやすくなります。
一つひとつのお客様に合わせた企画や表現ができることは、制作会社にとって大きな強みです。
しかし、企画、見積り、撮影、編集、顧客対応などの進め方が特定の社員の経験に依存すると、「この案件は○○さんでなければできない」という仕事が増えていきます。
その結果、案件が増えるほど優秀な社員へ仕事が集中し、売上は増えているのに利益が思うように残らないという問題につながることがあります。
今回ご紹介するのは、東京都で縦型ショートドラマなどの企画・制作を手掛ける従業員13名の企業です。
案件ごとのカスタマイズが多いため、制作業務が担当者の経験に依存しやすく、作業プロセスの再現性が低いことが利益率を圧迫していました。
さらに、見積りから制作、納品までの標準化が十分ではなく、同じような工程を案件ごとに繰り返すことで工数が増え、別の案件を受注できない機会損失や納期遅延のリスクも課題となっていました。
そこで、制作工程の標準化、ノウハウの共有、受注案件のパターン分類などを社員の目標に設定し、その達成度を人事評価と賞与へ反映する仕組みを提供しました。
その結果、社員の属人化解消に対する意識が高まり、会社の課題改善が進み、売上4,000万円、利益2,300万円の増加につながりました。
お客様の課題
東京都で、縦型ショートドラマなどの企画・制作を中心とした受注型の制作サービスを提供する従業員13名の企業です。
お客様の目的や要望に合わせて作品を企画・制作できることが強みである一方、案件ごとのカスタマイズが多いため、業務が担当社員の経験や能力に依存しやすい状態になっていました。
具体的には、
・担当者によって企画や制作の進め方が異なる
・見積りに必要な時間や判断基準に差がある
・過去案件の制作ノウハウが十分に共有されていない
・似た案件でも毎回ゼロから考える作業が発生する
・仕事のできる社員に難しい案件が集中する
・案件によって想定以上に制作工数が増える
・案件が重なると納期管理が難しくなる
・社員が忙しく、新しい案件を受けにくくなる
・案件数が増えても利益が比例して増えにくい
という問題がありました。
そこで、お客様ごとの個別性や作品の創造性は大切にしながら、「毎回変える必要がある仕事」と「会社として共通化できる仕事」を分けることから改善を進めました。
制作会社の属人化で起こりやすい10の問題
制作会社では社員の経験や感性が大切だからこそ、属人化が進んでいることに気づきにくい場合があります。
代表的な問題として、次の10項目があります。
1.優秀な社員に重要案件が集中する
2.担当者によって制作工程や品質に差が出る
3.見積りに必要な時間や判断基準が異なる
4.似た案件でも毎回ゼロから企画してしまう
5.過去の成功事例や失敗事例が共有されない
6.新人が一人で案件を担当するまで時間がかかる
7.修正や手戻りによって制作工数が増える
8.案件が集中すると納期遅延のリスクが高まる
9.忙しくて新しい案件を受注できない
10.売上が増えても利益が思うように増えない
特に注意したいのは、
「忙しいから売上は順調」
と考えてしまうことです。
社員が忙しいことと、会社の利益が増えていることは必ずしも同じではありません。
案件ごとの売上だけではなく、「その売上をつくるために何時間使ったのか」「どれだけの人員や外注費が必要だったのか」まで確認することが大切です。
属人化解消は制作工程の見える化から始める
制作会社の属人化を解消するために、すべての仕事を細かくマニュアル化する必要はありません。
まずは、問い合わせから納品までの流れを見えるようにします。
見積りから納品までを工程に分ける
例えば、
問い合わせ・紹介
↓
ヒアリング
↓
企画
↓
見積り
↓
提案
↓
受注
↓
制作準備
↓
撮影・素材制作
↓
編集
↓
社内確認
↓
顧客確認
↓
修正
↓
納品
↓
振り返り
という形です。
工程を整理すると、
「どこで時間がかかっているのか」
「どこで手戻りが多いのか」
「誰に仕事が集中しているのか」
「どの工程なら他の社員でも担当できるのか」
が見えやすくなります。
感覚的に「忙しい」と考えるのではなく、忙しさの原因を工程単位で見つけることが重要です。
制作工程を標準化し「毎回ゼロから」を減らす
映像やドラマなどの制作では、作品そのものを完全に標準化することはできませんし、その必要もありません。
標準化したいのは、創造性ではなく、繰り返し発生する業務です。
共通業務をテンプレート化する
例えば、
・初回ヒアリングシート
・企画時の確認項目
・見積書
・制作スケジュール
・撮影準備表
・必要素材一覧
・顧客確認事項
・編集時の確認項目
・修正依頼の管理方法
・納品前チェックリスト
・案件終了後の振り返りシート
などは共通化できます。
毎回ゼロから考える仕事を減らし、
「基本形+案件ごとの個別対応」
へ変えていきます。
これにより、制作会社ならではの創造性を残しながら、無駄な作業時間を減らしやすくなります。
受注案件をパターン分けすると利益を残しやすくなる
もう一つ重要なのが、過去の案件を分類することです。
例えば、
・短期間で制作できる案件
・企画から必要な案件
・撮影を伴う案件
・編集中心の案件
・修正回数が多くなりやすい案件
・継続受注につながりやすい案件
などに分けます。
さらに案件ごとに、
・売上
・見積り工数
・実際の工数
・外注費
・修正回数
・納期
・最終利益
などを振り返ります。
すると、
「売上は大きいけれど利益率が低い案件」
「売上はそれほど大きくないけれど効率よく利益を残せる案件」
といった違いも見えてきます。
営業段階から受注パターンを意識できれば、単に案件数を増やすのではなく、会社に利益を残しやすい仕事を増やすという考え方ができるようになります。
成功した制作ノウハウを「個人の経験」から「会社の財産」へ変える
制作会社にとって、社員が積み重ねた経験は大切な財産です。
例えば、
「この条件なら、このくらいの制作時間が必要」
「この段階で確認しないと後から大きな修正が発生する」
「このタイプのお客様には、最初にここまで確認した方がよい」
といった知識は、経験を重ねることで身につきます。
問題は、その知識が本人の頭の中にしかない状態です。
案件終了後に、
・何がうまくいったか
・何に時間がかかったか
・どの工程で問題が発生したか
・どのように解決したか
・修正が発生した原因は何か
・利益はどの程度残ったか
・次回は何を変えるか
を短時間でも共有します。
一つの案件が終わるたびに担当社員だけが成長するのではなく、会社全体にノウハウが蓄積される状態を目指します。
人事評価で「会社を良くする仕事」を社員の目標にする
今回の取り組みで大切なのは、業務改善を社員の善意だけに任せなかったことです。
経営者が、
「もっと効率化してほしい」
「ノウハウを共有してほしい」
「若手を育ててほしい」
と言っても、社員が日々の制作案件で忙しければ、改善活動は後回しになってしまいます。
そこで、会社が解決したい課題を社員一人ひとりの目標へ落とし込みます。
制作会社の課題解決につながる10の目標例
1.制作工程を標準化する
2.ヒアリング項目を共通化する
3.見積り方法を改善する
4.制作テンプレートを整備する
5.過去案件の成功事例を共有する
6.修正・手戻りを減らす
7.制作時間を短縮する
8.若手社員が担当できる業務を増やす
9.案件ごとの利益率を改善する
10.自分のノウハウを他の社員が使える形にする
そして、それぞれの目標に対する達成度を人事評価で確認し、賞与へ反映します。
これによって、
「たくさん案件をこなした社員」
だけではなく、
「会社全体が効率よく仕事をできる仕組みをつくった社員」
も評価できるようになります。
取り組みにより売上4,000万円・利益2,300万円増加
今回の企業では、制作工程の標準化とノウハウの共有を進め、さらに受注案件をパターン別に整理することで、共通化できる業務を増やしました。
そして、属人化解消や業務改善につながる取り組みを社員一人ひとりの目標として設定し、その達成度を人事評価と賞与へ反映しました。
その結果、社員の属人化解消に対する意識が高まり、会社の課題改善が進み、
・売上4,000万円増加
・利益2,300万円増加
につながりました。
ポイントは、単純に社員へ、
「もっとたくさん制作してください」
「もっと案件を受注してください」
と求めたわけではないことです。
「どうすれば同じ仕事をもっと効率よくできるのか」
「どうすれば自分のノウハウを他の社員も使えるようにできるのか」
「どうすれば売上だけではなく利益を残せるのか」
という会社の経営課題を、社員自身が考えて改善する仕組みにしたことです。
この考え方は、映像制作会社だけではありません。
Web制作会社、広告会社、デザイン会社、システム開発会社、イベント会社、コンサルティング会社など、「案件ごとの個別対応」が多い企業にも活用できます。
より具体的な解決方法についての無料セミナーを開催しています
ご相談・お問い合わせ
「案件が増えているのに利益が残らない」
「優秀な社員ばかり忙しくなっている」
「担当者によって制作時間や品質に差がある」
「制作ノウハウが社員個人の頭の中にある」
「社員を増やしても会社がなかなか楽にならない」
「人事評価制度を会社の業績向上につなげたい」
このようなお悩みがございましたら、まずは現在の業務について、
「どの仕事が、誰に、どの程度集中しているのか」
「どの工程に時間がかかっているのか」
「どのノウハウを会社全体で共有すればよいのか」
を整理するところから、丁寧にお手伝いいたします。
制作会社だけでなく、営業や制作、技術などのノウハウが属人化している全国の企業に対応できます。
ご相談はこちらからお送りいただけます。
よくあるご質問 FAQ
企画、見積り、制作、編集、顧客対応などの仕事が特定の社員の経験や判断に依存し、その社員がいなければ同じ品質やスピードで仕事を進めにくい状態です。優秀な社員に案件が集中している会社では、属人化が進んでいないか確認することが大切です。
作品そのものを同じにする必要はありません。ヒアリング、見積り、スケジュール管理、顧客確認、修正管理、納品前確認など、案件に共通する工程を標準化します。「共通部分+案件ごとの個別対応」に分けることで、創造性を保ちながら効率化できます。
まず案件ごとに売上だけでなく、実際にかかった制作時間、外注費、修正回数、追加作業などを確認することが重要です。利益が残りやすい案件と工数が膨らみやすい案件を把握し、見積りや制作工程の改善につなげます。
属人化解消につながる具体的な行動を社員の目標にする方法があります。例えば、制作工程の標準化、テンプレート作成、ノウハウ共有、若手育成、制作時間短縮などを目標とし、その達成度を人事評価や賞与へ反映することで、業務改善を正式な仕事として進めやすくなります。
利用できます。Web制作、広告、デザイン、システム開発、イベント、コンサルティングなど、案件ごとに個別対応が必要で、社員の経験や技術に仕事が依存しやすい企業にも応用できます。
この記事を書いた人

土山 誠
経営アドバイザー合同会社 代表
-
前の記事
コンサル会社の社員の属人化の解決方法
-
次の記事
IT企業の社員の属人化の解決方法
課題解決事例 キーワード検索