
担当者の経験に頼る支援から、会社として再現できる
仕組みへ。サービスの標準化と人事評価を連動させ、
売上4,500万円・利益3,000万円増加につながった事例
ブランディング戦略立案の仕事は、企業ごとに課題や方向性が異なるため、高度な提案力や企画力が求められます。
コンサル会社の属人化を解消し、社員が増えてもサービス品質を保つ方法
「優秀なコンサルタントに仕事が集中している」
「担当者によって支援内容や品質に差がある」
「お客様ごとに対応が違い、想定以上に時間がかかる」
「社員を増やしても、なかなか売上や利益が増えない」
「経験豊富な社員がいないと、お客様への対応が難しい」
コンサルティング、コーチング、人材育成、組織開発など、専門的な知識や経験を提供する会社では、このようなお悩みが起こりやすくなります。
一人ひとりのお客様に合わせた丁寧な対応は、大きな強みです。
しかし、その強みが特定の社員の経験や判断力だけに依存してしまうと、会社が成長するほど一部の社員へ仕事が集中しやすくなります。
今回ご紹介するのは、東京都で組織変革・人材育成を軸に、経営者やチーム向けのコーチング、組織開発支援などを行う従業員14名の企業です。
顧客ごとに支援内容や深さが異なるため、サービスの標準化が進みにくく、提供に必要な工数が増えやすいことが経営上の課題となっていました。
そこで、サービスの中心となる内容を整理して標準化し、お客様への支援開始から成果確認までの流れを明確にしました。
さらに、こうした会社の課題解決を社員一人ひとりの目標へ落とし込み、達成度を人事評価と賞与へ反映する仕組みを提供しました。
その結果、社員の属人化解消や業務改善に対する意識が高まり、会社の課題改善が進み、売上4,500万円、利益3,000万円の増加につながりました。
お客様の課題
東京都で、企業の組織変革や人材育成を中心に、経営者・管理職・チームなどへのコーチングや組織開発支援を行う従業員14名の企業です。
高い専門性を持ち、お客様それぞれの状況に合わせて丁寧な支援ができることが強みでした。
一方で、お客様ごとに課題や組織の状況が異なるため、担当する社員の経験や判断に依存しやすくなっていました。
具体的には、
・担当者によって支援方法が異なる
・顧客ごとにサービス内容が大きく変わる
・経験豊富な社員ほど難しい案件を抱える
・支援に必要な時間を事前に予測しにくい
・成果を出している社員のノウハウが共有されにくい
・新人を育成するまでに時間がかかる
・社員を増やしてもサービス品質を一定に保ちにくい
・顧客対応の工数が増え、利益を圧迫しやすい
といった問題がありました。
そこで、「優秀な社員の能力に頼って会社を成長させる」のではなく、「優秀な社員が持っている知識や経験を会社全体で活用できる仕組みに変える」ことを重要な課題としました。
コンサル会社で属人化が起こると生じやすい10の問題
専門性の高いサービスを提供する会社では、社員の能力が競争力になります。
しかし、その能力が個人だけに蓄積されると、次のような問題が起こりやすくなります。
1.優秀な社員に難しい案件が集中する
2.担当者によってサービス品質に差が生まれる
3.顧客ごとに必要以上の個別対応が増える
4.支援に必要な時間や工数を予測しにくくなる
5.成功した支援方法が社内で共有されない
6.新人が一人で顧客を担当するまで時間がかかる
7.担当社員の退職とともにノウハウが失われる
8.売上が増えるほど社員の負担も増える
9.社員数を増やしても利益が比例して増えない
10.会社を拡大するとサービス品質にばらつきが生じる
特に注意したいのが、「優秀な社員が頑張っているから会社が回っている」という状態です。
現在は問題がなくても、案件の急増や社員の退職などをきっかけに、一気に問題が表面化する場合があります。
属人化を解消する目的は、優秀な社員の個性をなくすことではありません。
その人が持つ優れた経験や判断方法を「会社の財産」に変えていくことです。
属人化を解消する第一歩は「できる社員の仕事」を見える化すること
最初から分厚いマニュアルを作る必要はありません。
まず、
「成果を出している社員は、何をしているのか」
を具体的に整理します。
優秀な社員の判断を具体的な行動へ分解する
例えば、
・最初の面談で何を質問しているか
・お客様の課題をどのように整理しているか
・どのような順番で支援しているか
・どのタイミングで経営者と確認しているか
・どのような資料を使用しているか
・問題が起きたときに何を確認しているか
・成果をどのように測定しているか
・次の提案へどうつなげているか
などです。
「○○さんだからできる」で終わらせず、
「○○さんは、なぜ成果を出せているのか」
まで掘り下げることで、個人の経験を他の社員も学べるようになります。
サービスを標準化しても「お客様に合わせる良さ」は失わなくてよい
コンサルティングやコーチングでは、
「お客様によって状況が違うので標準化できない」
と思われることがあります。
しかし、すべてを同じにする必要はありません。
大切なのは「共通する部分」と「個別対応する部分」を分けることです。
共通部分を基本形にする
例えば、
初回相談
↓
現状把握
↓
課題整理
↓
目標設定
↓
支援計画作成
↓
サービス提供
↓
進捗確認
↓
成果確認
↓
改善提案
↓
継続支援
という基本的な流れを整理します。
さらに、
・初回ヒアリングシート
・課題分析シート
・提案書
・支援計画書
・面談記録
・進捗確認表
・成果確認シート
・終了後の振り返り
なども共通化できます。
こうすることで、社員の個性や専門性を活かしながら、会社として一定のサービス品質を保ちやすくなります。
人事評価で「会社の仕組みをつくる人」を評価する
ここが今回の取り組みの重要なポイントです。
経営者が、
「ノウハウを共有してください」
「後輩を育ててください」
「仕事を標準化してください」
とお願いするだけでは、社員はどうしても目の前のお客様への対応を優先します。
そこで、会社が解決したい課題そのものを社員の目標へ落とし込みます。
属人化解消につながる10の行動を目標にする
例えば、
1.成功した支援方法を共有する
2.ヒアリング方法を標準化する
3.提案書をテンプレート化する
4.サービス提供の流れを整理する
5.顧客対応の工数を削減する
6.新人でも担当できる業務を増やす
7.社内研修を実施する
8.成果指標を明確にする
9.継続支援につながる仕組みをつくる
10.会社全体の利益につながる改善を行う
といった内容です。
そして、その達成度を人事評価で確認し、賞与へ反映します。
「自分自身がたくさん仕事をした人」だけではなく、
「他の社員も成果を出せる仕組みをつくった人」
も評価する考え方です。
これにより、ノウハウ共有や後輩育成も社員にとって正式な仕事として位置づけやすくなります。
売上4,500万円・利益3,000万円増加につながった取り組み
今回の企業では、サービスの中心となる内容を整理し、提供プロセスの標準化を進めました。
さらに、お客様への支援開始から成果確認までの流れを整え、社員個人の経験だけに依存しない提供体制づくりを進めました。
そして、こうした会社の課題解決を社員一人ひとりの目標とし、その達成度を人事評価と賞与へ反映しました。
その結果、社員の属人化解消に対する意識が高まり、会社の課題改善が進み、
・売上4,500万円増加
・利益3,000万円増加
につながりました。
重要なのは、社員に単純に「もっと売上を上げてください」と求めたのではないことです。
「どうすれば自分の経験を他の社員も活用できるのか」
「どうすれば同じ品質のサービスを、より効率よく提供できるのか」
「どうすれば社員が増えても品質を落とさず会社を成長させられるのか」
という経営課題を、社員自身が解決する仕組みにしたことがポイントです。
この仕組みが向いている企業
今回の考え方は、コーチング会社や組織開発会社だけに限りません。
コンサルティング会社、研修会社、IT企業、Web制作会社、広告会社、設計会社、士業事務所、システム開発会社など、社員の知識や経験がお客様への提供価値になる企業にも応用できます。
特に、
「仕事のできる社員ばかり忙しい」
「担当者によってサービス品質が違う」
「社員を増やしても利益が増えない」
「新人が一人前になるまで時間がかかる」
「社長やベテラン社員しか対応できない仕事が多い」
という会社では、一度「どの仕事が、誰に依存しているのか」を確認してみることをおすすめします。
社員の能力を「会社の仕組み」に変えることが成長につながる
専門サービス会社にとって、社員一人ひとりの知識や経験は大切な財産です。
だからこそ、その能力を個人だけのものにしておくのは、もったいないことでもあります。
優秀な社員の経験
↓
仕事の見える化
↓
成功方法の共有
↓
サービスの標準化
↓
若手社員の成長
↓
業務負担の軽減
↓
サービス品質の安定
↓
利益の改善
↓
会社の成長
という好循環をつくることが大切です。
人事評価制度も、単に社員へ点数をつけるためのものではありません。
「会社が解決したい課題」と「社員が取り組む目標」をつなぎ、その成果をきちんと評価する仕組みにすることで、会社の成長に活用できます。
より具体的な解決方法についての無料セミナーを開催しています
ご相談・お問い合わせ
「社長や一部の社員しか営業できない」
「営業担当者によって受注率に大きな差がある」
「提案資料を案件ごとに一から作っている」
「営業から開発への引き継ぎで手戻りが発生している」
「案件は増えているのに利益が思うように残らない」
「人事評価制度を会社の売上・利益向上につなげたい」
このようなお悩みがございましたら、まず、
「誰に、どの営業・顧客・技術・判断・ノウハウが集中しているのか」
を整理するところから、丁寧にお手伝いいたします。
全国の企業に対応しています。
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よくあるご質問 FAQ
IT会社の営業の属人化とは、新規顧客開拓、ヒアリング、提案、見積り、商談などの方法が特定社員の経験や能力に依存し、「その社員でなければ受注できない」状態になることです。成果を出している社員の行動を見える化し、営業プロセスや提案方法として共有することが属人化解消の基本です。
すべての案件を同じ内容にする必要はありません。問い合わせ、ヒアリング、課題整理、提案、見積り、受注、要件確認、開発への引き継ぎ、進捗管理など、案件に共通する部分は標準化できます。「共通する基本形+顧客ごとの個別対応」にすることで、柔軟性を維持しながら仕事の再現性を高めやすくなります。
まず営業活動を、見込み顧客の発掘、初回接点、商談、ヒアリング、提案、見積り、フォロー、受注といった工程に分けます。そのうえで、成果を出している社員と他の社員の行動を比較します。どの工程に違いがあるのかを確認することで、「営業力が違う」という曖昧な問題を具体的な改善課題へ変えられます。
顧客が解決したい課題、今回の契約範囲、納期、予算、顧客との約束事項、注意点など、開発開始前に必ず共有する項目を決めます。営業担当者の記憶や口頭説明だけに頼らず、共通の引き継ぎ方法を整えることで、認識違いや手戻り、追加工数を減らしやすくなります。
人事評価制度を導入するだけで属人化が自動的になくなるわけではありません。しかし、営業方法の標準化、提案テンプレートの作成、成功事例の共有、営業から開発への引き継ぎ改善、後輩育成、案件工数の削減などを社員の具体的な目標に設定し、その達成度を評価や賞与へ反映することで、「自分だけが成果を出す」だけではなく「会社全体が成果を出せる仕組みをつくる」という行動を促しやすくなります。
この記事を書いた人

土山 誠
経営アドバイザー合同会社 代表
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