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AI・IT企業の社員の属人化の解決方法

AI・IT企業では、優れた技術やサービスを持っていても、それだけで継続的に売上が伸びるとは限りません。

会社が成長するにつれて、

・新規顧客を開拓できる社員が限られている
・大手企業との商談を進められる人が決まっている
・営業担当者によって成約率に大きな差がある
・協業パートナーとの関係が特定社員に集中している
・成果を上げている営業担当者のノウハウが共有されていない

といった問題が起こることがあります。

これは「営業の属人化」です。

特に成長期のAI・IT企業では、優秀な営業担当者が売上を伸ばす一方、その人に仕事や顧客情報、営業ノウハウが集中することで、かえって会社の成長を妨げる場合があります。

今回ご紹介するのは、東京都で事業を展開する従業員385名のAI×IT企業です。

新規顧客の獲得、大手企業へのアプローチ、協業パートナーとの連携、商談から成約までの営業プロセスを会社として再現できる仕組みにすることを目標とし、その達成度を賞与へ反映する人事評価制度を提供しました。

社員が会社の課題解決や属人化解消を自分自身の目標として意識するようになり、課題改善が進んだ結果、売上11億円、利益3億6,000万円の増加につながりました。

東京都でAIとITを活用した事業を展開する従業員385名の企業です。

会社が成長する一方で、新規顧客を継続的に獲得する営業チャネルの拡大や、大手企業へのアプローチ、協業パートナーを通じた顧客開拓が経営上の重要な課題となっていました。

また、商談取得から提案、成約までの進め方が営業担当者個人の経験や能力に依存しやすく、成果を上げている社員の営業方法を他の社員が十分に再現できない状態も課題でした。

そこで、営業担当者個人の能力だけに頼るのではなく、新規開拓から商談、提案、成約までの流れを組織として共有し、再現性のある営業体制をつくることを重要な目標としました。

AI・IT企業では、サービス内容が専門的で、お客様によって課題やニーズも大きく異なります。

そのため営業担当者には、単純な商品説明だけではなく、

・お客様の経営課題を理解する力
・技術やサービスを分かりやすく説明する力
・相手企業に合わせた提案力
・社内の技術者と連携する力
・商談を成約へ導く力

などが求められます。

経験を積んだ営業担当者ほど、自分なりの営業方法を身につけていきます。

これは会社にとって大切な財産です。

しかし、その営業方法が本人の経験や感覚だけに残ってしまうと、

「この大手企業への営業は○○さんしかできない」

「この案件は△△さんに任せないと成約できない」

という状態になってしまいます。

大切なのは優秀な営業担当者への依存を否定することではなく、その人が持っている優れた営業ノウハウを会社全体の財産へ変えていくことです。

1.新規顧客の獲得が一部の営業担当者に集中する
2.営業担当者によって商談数や成約率に差が出る
3.大手企業への営業方法を他の社員が再現できない
4.顧客との関係が担当者個人に依存する
5.協業パートナーとの人脈が個人に集中する
6.成功した営業方法が社内で共有されない
7.新人営業担当者の育成に時間がかかる
8.優秀な営業担当者へ仕事が集中する
9.営業担当者が増えても売上が比例して伸びない
10.優秀な営業担当者の異動や退職が業績へ大きな影響を与える

特に注意したいのが、「優秀な社員が売ってくれているため、営業の属人化が経営課題として見えにくい」という状態です。

現在は売上が伸びていても、その人に依存した状態では、会社の規模が大きくなるにつれて成長の限界が見えてくる場合があります。

営業の属人化を解消するために、すぐに営業マニュアルを作ればよいとは限りません。

まず取り組みたいのは、

「成果を出している社員は、他の社員と何が違うのか」

を明らかにすることです。

例えば、

・どのような企業を営業対象にしているのか
・どこから見込み顧客を探しているのか
・最初の接点をどのようにつくっているのか
・商談でどのような質問をしているのか
・お客様の課題をどのように整理しているのか
・どのタイミングで提案しているのか
・どのような提案が成約につながっているのか
・失注した場合に何を振り返っているのか

などを整理します。

これまで「営業センス」と呼ばれていたものを、一つひとつ具体的な行動へ分解していきます。

そうすることで、個人の経験を他の社員も学べる営業ノウハウへ変えていくことができます。

今回の企業における重要な課題の一つが、新規顧客を獲得するチャネルの拡大でした。

会社が成長するほど、一つの営業方法だけに依存するリスクは大きくなります。

そこで、

・既存顧客からの紹介
・大手企業への直接アプローチ
・協業パートナーからの紹介
・既存ネットワークの活用
・Webからの問い合わせ
・セミナーやイベント
・過去に接点を持った企業への再提案
・パートナー企業との共同提案

など、複数の顧客獲得経路を考えます。

重要なのは、単に営業手法を増やすことではありません。

「どのチャネルから、どれだけ商談が生まれ、どれだけ成約したのか」を確認できるようにすることです。

これによって、会社として再現性の高い顧客獲得方法を見つけやすくなります。

新規顧客を増やしても、商談から成約までが営業担当者任せでは、安定した売上にはつながりません。

そこで営業活動を工程として整理します。

例えば、

見込み顧客の発掘

初回アプローチ

商談設定

ヒアリング

顧客課題の整理

社内の技術部門との連携

提案内容の設計

提案

条件調整

成約

という流れです。

営業プロセスを見える化すると、

「営業担当者Aは成約するのに、営業担当者Bはなぜ成約しないのか」

という問題についても、単に「営業力の差」で終わらせず、

「どの工程に違いがあるのか」

を考えられるようになります。

大手企業への営業では、担当者との関係づくりや提案内容、社内決裁への対応など、中小企業への営業とは異なる力が必要になる場合があります。

そのため、経験豊富な営業担当者へ依存しやすくなります。

そこで、

・どの部署へアプローチするのか
・最初の接点をどのようにつくるのか
・どのような課題を確認するのか
・誰が意思決定に関わるのか
・どのような資料を準備するのか
・どのタイミングで次の提案をするのか

など、成功した営業活動を整理します。

「○○さんだから大手企業を開拓できる」から、

「○○さんが成功した方法を、他の社員も活用できる」

という状態へ変えていくことが、営業組織の成長につながります。

AI・IT企業では、自社だけですべてを提供するのではなく、他社との協業によって大きな案件につながるケースがあります。

しかし、パートナーとの関係が特定社員だけに依存すると、その社員が異動・退職した際に関係まで弱くなる可能性があります。

そこで、

・どの企業と連携しているか
・どのような分野で協業できるか
・過去にどのような案件を紹介し合ったか
・どの担当者と関係を持っているか
・どのような顧客に共同提案できるか

などを組織として共有します。

個人の人脈を奪うのではなく、個人が築いた素晴らしい関係を会社としてさらに育てていく考え方です。

ここが今回の取り組みで重要なポイントです。

経営者が、

「営業ノウハウを共有してほしい」

「新人を育ててほしい」

「新しい営業方法を考えてほしい」

と言っても、日々の仕事が忙しければ後回しになりがちです。

そこで、会社が解決したい経営課題そのものを社員の目標へ落とし込みました。

例えば、

・新規顧客獲得チャネルを開拓する
・営業プロセスを標準化する
・商談方法を共有する
・成功事例を社内へ展開する
・提案資料を標準化する
・大手企業への営業方法を共有する
・協業パートナーとの連携方法を仕組み化する
・営業担当者を育成する
・成約率を改善する
・営業活動の改善提案を行う

といった行動を目標として設定します。

そして、その達成度を人事評価で確認し、賞与へ反映します。

つまり、

「売上を上げた社員だけを評価する」

のではなく、

「会社が抱えている課題を解決し、他の社員も成果を出せる仕組みをつくった人を評価する」

という考え方です。

属人化解消で難しいのは、成果を出している社員に自分のノウハウを共有してもらうことです。

本人からすると、

「自分で営業したほうが早い」

「人に教える時間がない」

ということもあるでしょう。

そこで、

会社が解決したい課題を明確にする

部署の目標にする

社員一人ひとりの目標へ落とし込む

改善行動を評価する

達成度を賞与へ反映する

という流れをつくります。

これによって、ノウハウ共有や後輩育成、営業の仕組み化を「通常業務とは別の仕事」にせず、本人の正式な目標として位置づけます。

個人が成果を出すだけではなく、

「自分の成功を会社全体の成功につなげる」

という行動も評価される組織を目指します。

人事評価制度を活用し、営業の属人化解消や会社の課題改善を社員一人ひとりの目標へ落とし込みました。

その結果、社員が会社の課題解決を自分自身の仕事として考える意識が高まり、特定社員だけに依存していた営業ノウハウを組織として活用する方向へ改善が進みました。

そして会社の課題改善が進んだ結果、

・売上11億円増加
・利益3億6,000万円増加

につながりました。

ここで重要なのは、単純に社員へ、

「もっと売ってください」

と求めたわけではないことです。

会社の売上や利益の拡大を妨げている課題を明確にし、

「会社の課題」

「部署の課題」

「個人の目標」

へ落とし込んだことがポイントです。

今回の考え方は、AI・IT企業だけに限定されるものではありません。

・システム開発会社
・ITコンサルティング会社
・SES企業
・Web制作会社
・広告会社
・コンサルティング会社
・製造業
・建設業
・専門商社
・営業会社

など、「優秀な社員に仕事やノウハウが集中している企業」で応用できます。

特に、

「営業担当者によって売上に大きな差がある」

「社長や一部の社員しか新規顧客を獲得できない」

「優秀な社員が辞めたら顧客まで失いそう」

「社員数は増えているのに、思うように売上や利益が伸びない」

という会社では、営業の属人化が成長を妨げていないか、一度確認してみることが大切です。

営業の属人化そのものが悪いわけではありません。

優秀な社員が経験を積み、高い営業力を身につけることは会社にとって大切な財産です。

問題なのは、その財産が「その人だけのもの」になってしまうことです。

「○○さんだから売れる」

という状態から、

「○○さんが培った優れた営業方法を、他の社員も活用できる」

という状態へ変えていく。

そのためには、営業マニュアルを作るだけではなく、

会社の経営課題

部署の課題

社員一人ひとりの目標

具体的な改善行動

人事評価

賞与

までをつなげることが重要です。

人事評価制度を「社員に点数をつける制度」ではなく、「会社の課題を社員全員で解決する仕組み」として活用することで、営業の属人化解消と業績向上を同時に目指すことができます。

「一部の営業担当者に売上が集中している」
「営業ノウハウを組織に残したい」
「新規顧客の獲得を安定させたい」
「大手企業への営業を仕組み化したい」
「人事評価制度を会社の業績向上につなげたい」

このようなお悩みがございましたら、まずは「どの業務が、誰に、どの程度依存しているのか」を整理するところから、丁寧にお手伝いいたします。

経営・組織づくりのご相談フォーム

ご相談はこちらからお問い合わせください。

Q
営業の属人化とは何ですか?
A

営業の属人化とは、新規顧客の開拓方法、商談の進め方、提案方法、顧客情報、人脈などが特定の営業担当者に集中し、その人がいなければ同じ営業活動を再現できない状態です。優秀な社員の営業ノウハウを見える化し、組織で共有できる仕組みに変えることが属人化解消のポイントです。

Q
営業の属人化を解消するには、何から始めればよいですか?
A

最初に、成果を出している営業担当者が「誰に、どのようにアプローチし、商談で何を聞き、どのように提案して成約しているのか」を見える化します。そのうえで営業プロセスを標準化し、成功事例や提案方法を組織で共有できる状態をつくります。

Q
人事評価制度で営業の属人化を解消できますか?
A

人事評価制度を活用して、営業ノウハウの共有、新人育成、営業プロセスの標準化、新規チャネル開拓などを社員の目標に設定する方法があります。さらに達成度を評価や賞与へ反映することで、属人化解消を社員自身の正式な仕事として位置づけやすくなります。

Q
社員数が多い会社でも営業の属人化は起こりますか?
A

起こる可能性があります。社員数が多くても、大手顧客との関係、新規開拓、重要商談、提案ノウハウなどが一部の社員へ集中していれば属人化は発生します。むしろ会社の規模が大きくなるほど、個人の成功ノウハウを組織全体で再現できる仕組みづくりが重要になります。

Q
営業の属人化を解消すると、どのような効果が期待できますか?
A

営業ノウハウを組織で共有することで、新人育成の効率化、商談品質の安定、新規顧客獲得の再現性向上、特定社員への負担集中の軽減などが期待できます。さらに、会社の課題解決を人事評価と連動させることで、社員一人ひとりが業務改善やノウハウ共有へ主体的に取り組みやすい組織づくりにつながります。

土山 誠
経営アドバイザー合同会社 代表

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