
販路開拓・提案・調達・受注対応を標準化し、
人事評価制度で社員の改善行動を促進。
売上4,000万円・利益2,500万円増加につながった事例
ブランディング戦略立案の仕事は、企業ごとに課題や方向性が異なるため、高度な提案力や企画力が求められます。
製造業の営業と調達の属人化を解消し、安定した売上と利益を生み出す組織づくり
製造業やモノづくり企業では、製品力や技術力だけでなく、「必要な資材や加工先を安定して確保する力」と「新しい取引先を継続的に開拓する営業力」が、会社の成長を大きく左右します。
ところが、
・新規顧客を獲得できるのはベテラン営業だけ
・顧客ごとに提案方法が違う
・仕入先や協力会社の情報を一部の社員しか知らない
・社長や特定社員の人脈に営業が依存している
という状態になると、社員を増やしても売上を伸ばしにくくなります。
今回は、東京都で製造業向けに販路開拓、販売代行、資材調達、部品加工、設備商材の紹介などを行う企業が、人事評価制度を活用して営業・調達・受注業務の属人化解消に取り組んだ事例をご紹介します。
約2年間の取り組みにより社員の意識と行動が変化し、会社の課題改善が進んだ結果、売上4,000万円、利益2,500万円の増加につながりました。
お客様の課題
東京都で、製造業やモノづくり企業を対象に、販路開拓、販売代行、資材調達、部品加工、設備商材の紹介などを幅広く提供している従業員17名の企業です。
顧客ごとの困りごとに合わせて柔軟な提案ができることが強みである一方、その柔軟性ゆえに営業や提案、調達などのノウハウが担当者個人に蓄積されやすいという課題がありました。
具体的には、・営業方法が担当者の経験や人脈に依存している・顧客や商材によって提案手順が異なる・新規顧客開拓が紹介やパートナーに偏っている・調達先や協力会社に関する情報が個人に蓄積されている・受注後の対応方法にばらつきがある・成功した営業方法が他の社員に共有されていない、といった状態です。
そこで、新規開拓から提案、調達、受注、案件管理までの流れを整理し、再現できる仕組みをつくることを会社の重要課題としました。
製造業の営業・調達で属人化が起こる理由
製造業では、お客様から求められる製品、部品、加工方法、納期、価格などが案件ごとに異なるため、どうしても経験豊富な社員へ仕事が集中しやすくなります。
特に営業や調達では、「あのお客様ならこの提案」「この加工ならあの会社」といった個人の経験や人脈が大きな力になります。
これは会社の強みでもあります。
しかし、その知識が会社の共有財産にならなければ、その社員が忙しくなっただけで仕事が止まったり、退職によってノウハウそのものが失われたりする可能性があります。
「できる社員がいる会社」から「誰が担当しても一定の成果を出せる会社」へ変えていくことが、事業拡大には重要です。
製造業で属人化すると起こりやすい10の問題
営業や調達、受注対応の属人化を放置すると、次のような問題につながりやすくなります。
・新規顧客の獲得が一部の営業担当者に依存する
・商談や提案の品質に差が出る
・見積りや受注までに時間がかかる
・調達先・協力会社の情報が共有されない
・顧客情報が担当者だけに蓄積される
・成功した営業方法を他の社員が再現できない
・新人営業担当者の育成に時間がかかる
・特定社員へ仕事が集中する
・案件数が増えるほど対応スピードが低下する
・売上を増やしても利益が残りにくくなる
特に注意したいのは、「優秀な社員が頑張っているから問題が見えにくい」というケースです。
今は業務が回っていても、受注量が増えたり担当者が退職したりしたときに、一気に問題が表面化することがあります。
属人化解消の第一歩は「営業できる人を増やす」ことではありません
属人化というと、「営業担当者を増やせばいい」「マニュアルを作ればいい」と考えられがちです。
しかし、それだけでは十分ではありません。
成果を出している人の行動を見える化する
まず重要なのは、成果を出している社員が「何をしているのか」を具体的にすることです。
例えば、
・どこから見込み顧客を探しているのか
・最初に何を聞いているのか
・どのような順序で提案しているのか
・どのタイミングで見積りを出しているのか
・どの協力会社へ相談しているのか
・失注した案件をどう振り返っているのか
といった行動を整理します。
個人の「勘」や「経験」を、会社の「仕組み」に変えていくわけです。
営業から受注までを標準化する
今回の企業では、新規顧客の開拓から受注までの営業プロセスを整理しました。
例えば、
見込み顧客の発掘
↓
初回アプローチ
↓
ヒアリング
↓
課題整理
↓
商品・加工・調達方法の検討
↓
提案
↓
見積り
↓
商談
↓
受注
↓
社内・協力会社への引き継ぎ
というように、営業活動を工程として見えるようにします。
これによって、「誰が売ったか」だけを見るのではなく、「どの工程に課題があるのか」を会社として考えられるようになります。
販路開拓を紹介や人脈だけに依存させない
今回の課題の一つが、新規顧客開拓を既存の紹介やパートナーだけに依存しない営業体制をつくることでした。
そこで、ターゲットとなる業種や商材を整理し、それぞれに適した新規開拓方法を検討しました。
例えば、
・既存顧客からの紹介
・協力会社やパートナーからの紹介
・過去顧客への再提案
・ターゲット企業への直接提案
・Webからの問い合わせ獲得
・展示会や交流会からの商談化
など、複数の入口を持つ考え方です。
一つの営業チャネルだけに頼らないことで、新規案件を継続的に獲得できる営業体制を目指しました。
調達・部品加工・設備商材のノウハウも会社の財産にする
製造業支援では、営業力だけでなく「どこへ頼めば解決できるか」という調達力も重要です。
今回の企業は、販路開拓だけではなく、資材調達、部品加工、設備商材など、モノづくり企業の幅広い相談に対応できることが強みでした。
そこで、
・仕入先
・加工会社
・設備会社
・得意分野
・対応可能な加工
・納期
・過去の対応事例
などの情報を組織で共有できるようにすることも重要な課題としました。
担当者の頭の中にある情報を会社のナレッジとして蓄積することで、別の社員でもお客様の相談に対応しやすくなります。
人事評価制度を使って属人化解消を社員の目標にする
ここが今回の取り組みで大切なポイントです。
会社が「属人化をなくそう」と呼びかけるだけでは、日々の忙しい業務の中で改善活動が後回しになることがあります。
そこで、会社が解決したい課題そのものを、社員一人ひとりの目標に設定しました。
属人化解消につながる行動を評価する
例えば、
・営業プロセスを標準化する
・成功した提案方法を共有する
・新しい営業チャネルを開拓する
・商材別の提案方法を整理する
・調達先情報を共有する
・業務マニュアルを作成・改善する
・受注後の引き継ぎ方法を改善する
・後輩へ営業ノウハウを教える
・業務時間を削減する
・会社全体の利益につながる改善提案を行う
といった内容です。
そして、それぞれの目標について達成度を確認し、その結果を賞与へ反映する人事評価制度を運用しました。
単に「売上を上げた人を評価する」のではなく、「会社が抱えている課題を解決した人を評価する」という考え方です。
人事評価と賞与を連動させることで社員の意識を変える
属人化の大きな原因の一つは、社員にとって「自分のノウハウを会社へ共有するメリット」が見えにくいことです。
自分だけが知っている営業方法や取引先情報を共有しても、自分の評価が変わらなければ、日々の仕事を優先してしまうのも自然なことです。
そこで、
「会社の課題解決に貢献する」
↓
「その行動を評価する」
↓
「達成度を賞与へ反映する」
という流れをつくりました。
これにより、社員自身が属人化解消を「会社から言われた仕事」ではなく、「自分自身の目標」として取り組みやすくなります。
約2年間の取り組みで得られた成果
約2年間、人事評価制度を活用しながら会社の課題解決に取り組んだ結果、社員の属人化解消に対する意識が高まりました。
営業や調達、受注対応などを「自分だけができればよい」のではなく、「他の社員でも再現できるようにする」という考え方へ変えていったことが大きなポイントです。
その結果、
・売上4,000万円増加
・利益2,500万円増加
につながりました。
売上だけではなく利益の増加につながったことからも、単純に営業量を増やすだけではなく、業務の効率化や受注プロセスの改善を同時に進めることの重要性が分かります。
この仕組みは製造業だけでなく、属人化に悩む企業に活用できます
今回の考え方は、製造業向けサービス会社だけに限定されるものではありません。
例えば、
・製造業
・機械加工会社
・部品メーカー
・専門商社
・建設会社
・IT企業
・Web制作会社
・営業会社
・コンサルティング会社
・その他、営業や技術を持つ中小企業
などにも応用できます。
共通しているのは、
「この仕事は○○さんにしか分からない」
という業務が会社の中に存在していることです。
特定の社員が持っている経験、技術、営業方法、人脈、顧客情報などを会社の仕組みに変え、それを人事評価と連動させることで、社員が主体的に属人化解消へ取り組む組織を目指すことができます。
会社の成長を止める「属人化」を人事評価制度で解決する
社員数が増えているのに社長の仕事が減らない。
優秀な社員に仕事が集中している。
営業担当者によって売上に大きな差がある。
ベテラン社員が退職すると困る。
マニュアルを作っても活用されない。
こうした問題の背景には、「人」ではなく「仕組み」の問題が隠れている場合があります。
大切なのは、単に人事評価制度を導入することではありません。
「会社が今、一番解決したい課題は何か」を明確にし、その課題解決を社員の目標に落とし込み、達成度を評価・賞与へつなげることです。
そうすることで、人事評価制度を「社員を評価するための制度」から「会社の課題を社員全員で解決するための仕組み」へ変えることができます。
営業や調達、技術、顧客対応などの属人化にお悩みの企業様には、現在どこに属人化が発生しているのかを整理するところから、丁寧にお手伝いいたします。
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よくあるご質問 FAQ
製造業の属人化とは、営業方法、顧客情報、技術、調達先、見積り方法、製造ノウハウなどが特定の社員に集中し、その社員がいなければ業務を円滑に進められない状態です。業務を可視化・標準化し、ノウハウを組織で共有することが属人化解消の第一歩です。
成果を上げている営業担当者の行動を分解し、見込み顧客の発掘、ヒアリング、提案、見積り、商談、受注、フォローまでの営業プロセスを標準化します。成功事例や提案方法を共有することで、個人の営業力を組織の営業力へ変えていきます。
マニュアル作成、ノウハウ共有、後輩育成、業務改善など、属人化解消につながる行動を社員の目標として設定し、その達成度を評価や賞与に反映できるためです。会社の課題解決と社員自身の評価を結びつけることで、改善活動を継続しやすくなります。
人事評価制度を導入するだけで売上や利益が増えるわけではありません。重要なのは、会社の経営課題を明確にし、その解決につながる具体的な行動を社員の目標に設定することです。今回の事例では約2年間継続して取り組み、売上4,000万円、利益2,500万円の増加につながりました。
はい。営業、技術、制作、顧客対応、管理業務などが特定の社員に依存している企業であれば、業種を問わず活用できます。会社ごとの課題を明確にし、標準化・ノウハウ共有・人材育成などを社員の目標と人事評価へ結びつけることがポイントです。
この記事を書いた人

土山 誠
経営アドバイザー合同会社 代表
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