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クリエイティブ会社の社員の属人化の解決方法

クリエイティブ会社では、社員一人ひとりの発想力や専門性が大きな強みになります。

その一方で、

「案件ごとに仕事の進め方が違う」

「同じような案件でも毎回ゼロから考えている」

「仕事のできる社員に案件が集中している」

「過去の成功事例が次の営業や制作に活かされていない」

「担当者が退職すると、その人のノウハウまで失われてしまう」

といった悩みが起こることがあります。

今回ご紹介するのは、東京都のクリエイティブ会社(従業員25名)の事例です。

この企業では、案件ごとに受注から納品までのプロセスをその都度組み立てていたため、過去の成功パターンを次の営業や制作へ十分に活かせていませんでした。

また、制作の進め方やノウハウが個人やチームの経験に依存しており、担当者が変わると同じ方法を再現することが難しい状態でした。

そこで、

・受注から納品までのプロセスの標準化
・制作ノウハウの共有
・成功事例の蓄積
・制作手順の見える化
・過去案件を営業へ活かす仕組みづくり

などを社員一人ひとりの目標として設定し、その達成度を賞与へ反映する人事評価制度を導入しました。

その結果、社員の属人化解消に対する意識が高まり、会社全体の課題改善が進み、

・売上6,000万円増加
・利益3,000万円増加

という成果につながりました。

クリエイティブな仕事では、お客様の目的や要望に合わせて、一つひとつ異なる提案や制作を行います。

そのため、

「前回とは違う案件だから」

「お客様によって求められるものが違うから」

という理由で、案件ごとに仕事の進め方まで一から考えてしまうことがあります。

しかし、完成する制作物は異なっていても、

・お客様へのヒアリング
・課題の整理
・企画
・提案
・見積り
・制作準備
・制作
・確認と修正
・納品
・案件終了後の振り返り

など、仕事の基本的な流れには共通する部分があります。

この共通部分が整理されていないと、社員一人ひとりが毎回、自分の経験を頼りに仕事を進めることになります。

結果として、優秀な社員ほど多くの案件を任され、その社員の頭の中にさらに多くのノウハウが蓄積されるという循環が生まれます。

大切なのは、クリエイティブな発想を標準化することではありません。

成果を出している社員の「考え方」「進め方」「判断方法」を、他の社員も活用できる会社の財産へ変えていくことです。

属人化が進んでいるクリエイティブ会社では、次のような課題が起こりやすくなります。

1.案件ごとに受注から納品までの流れを作り直している
2.担当者によって制作の進め方が異なる
3.成功した案件のノウハウが共有されない
4.過去の成功事例を営業へ十分に活かせない
5.同じような仕事でも毎回ゼロから考えている
6.優秀な社員や特定チームへ仕事が集中する
7.新人や経験の浅い社員の育成に時間がかかる
8.担当者が変わると制作品質や仕事の進め方が変わる
9.退職や異動によって重要なノウハウが失われる
10.案件が増えても組織全体の生産性や利益が伸びにくい

特に経営上のリスクになりやすいのが、

「○○さんがいないと、この仕事は分からない」

という状態です。

その社員が在籍している間は大きな問題に見えないかもしれません。

しかし、退職や長期休暇、異動などが発生すると、本人だけでなく、その社員が長年蓄積してきた知識や経験まで会社から失われる可能性があります。

社員の頭の中にある知識を会社に残す仕組みをつくることは、人材育成だけでなく事業継続の面からも重要です。

今回の改善で大切にしたのは、制作物を画一化することではなく、「共通化できる仕事」と「個性や専門性を活かす仕事」を分けることでした。

1.受注から納品までの流れを見える化する

問い合わせ、ヒアリング、提案、見積り、受注、制作、確認、修正、納品までの基本的な流れを整理します。

2.ヒアリング内容を整理する

案件開始時に確認すべき目的、ターゲット、予算、納期、成果目標などを共有します。

3.提案の基本形をつくる

提案そのものを同じにするのではなく、提案時に整理すべき内容や順序を共通化します。

4.制作プロセスを標準化する

案件に共通する制作工程を整理し、担当者による進め方の違いを減らします。

5.成功事例を蓄積する

成果が出た案件について、制作物だけではなく「なぜ成功したのか」まで記録します。

6.失敗事例も共有する

修正が多かった案件や工数が膨らんだ案件についても原因を整理し、同じ失敗を繰り返さないようにします。

7.過去案件を検索・再利用できるようにする

過去の提案資料、制作方法、見積り、成果などを、必要な社員が確認できる状態にします。

8.成功事例を営業活動へ活用する

過去の成功案件を顧客の課題別・業種別などに整理し、新しい提案や商談へ活かします。

9.ノウハウを社員から会社へ移す

担当者だけが知っている判断方法や注意点を、マニュアルや事例として会社へ残します。

10.属人化解消への貢献を人事評価へ反映する

標準化、ノウハウ共有、後輩育成、成功事例の蓄積などを正式な評価対象にします。

「案件ごとに内容が違うので標準化できない」

「仕組み化するとクリエイティブの質が下がるのではないか」

という疑問が出ることがあります。

しかし、標準化するのはクリエイティブそのものではありません。

例えば、

問い合わせ
↓
ヒアリング
↓
課題整理
↓
企画
↓
提案
↓
見積り
↓
受注
↓
制作
↓
確認・修正
↓
納品
↓
振り返り

という基本プロセスは、多くの案件で共通化できます。

また、

・何をヒアリングするか
・どの段階で何を確認するか
・見積りでは何を確認するか
・制作前に何を決めるか
・どのような失敗が起こりやすいか
・納品後に何を振り返るか

といった内容も共有できます。

つまり、

「全員が同じものを作る」

のではなく、

「毎回ゼロから考えなくてもよい部分を増やす」

という考え方です。

属人化の解消は、制作効率を高めるだけではありません。

営業力の向上にもつながります。

例えば過去案件について、

・どのようなお客様だったのか
・どのような課題があったのか
・どのような提案をしたのか
・どのような制作を行ったのか
・なぜその方法を選んだのか
・どのような成果につながったのか

を整理しておけば、類似する課題を持つ新しいお客様への提案に活用できます。

「以前、同じような課題を持つ企業では、このような方法で改善しました」

と説明できれば、提案の説得力も高まります。

つまり、制作案件を一件終わらせるたびに、その経験を次の案件へ活かすことができます。

案件数が増えるほど会社のノウハウも増え、それが営業力と制作力の両方を高める。

この循環をつくることが、属人化解消の大きな目的です。

経営者が、

「ノウハウを共有してください」

「成功事例を残してください」

「後輩を育ててください」

と伝えても、日々の案件が忙しければ、どうしても後回しになりがちです。

そこで、会社が解決したい課題を社員一人ひとりの目標へ落とし込みました。

例えば、

・受注から納品までのプロセスを標準化する
・制作手順をマニュアル化する
・成功事例を共有する
・失敗事例と改善策を共有する
・過去案件を再利用できる状態にする
・営業へ活用できる事例を整理する
・制作工数を削減する
・後輩を育成する
・特定社員しかできない業務を減らす
・会社全体の利益率を高める

といった目標です。

その達成度を人事評価で確認し、賞与へ反映しました。

評価するのは、単に「自分がどれだけ良い仕事をしたか」だけではありません。

「自分が持っているノウハウを、どれだけ会社の財産へ変えたか」

という貢献も評価します。

これによって、

「自分の案件で成果を出す」

という考え方から、

「自分の成功方法を共有し、会社全体で成果を出す」

という考え方へ社員の意識を広げやすくなります。

今回の東京都のクリエイティブ会社では、案件ごとに異なっていた受注から納品までのプロセスを整理しました。

さらに、制作の進め方や成功事例、ノウハウを会社全体で共有し、再利用できる仕組みづくりを進めました。

こうした属人化解消への取り組みを社員一人ひとりの目標に設定し、その達成度を人事評価と賞与へ反映しました。

その結果、社員の属人化解消への意識が高まり、会社全体の課題改善が進み、

・売上6,000万円増加
・利益3,000万円増加

という成果につながりました。

重要なのは、

「もっと多くの案件を受注してください」

「もっと早く制作してください」

と求めただけではないことです。

「なぜ同じような案件でも毎回ゼロから考えているのか」

「過去の成功事例を次の営業に活かせないか」

「優秀な社員のノウハウを他の社員も利用できないか」

「担当者が退職してもノウハウが会社に残る状態をつくれないか」

という会社の経営課題そのものを、社員が改善する仕組みにしました。

これにより、社員の成長と会社の成長を同じ方向へつなげることができます。

人事評価制度は、社員の売上や制作件数だけを見るための制度ではありません。

会社が現在抱えている経営課題を社員一人ひとりの目標へ落とし込み、その改善行動を評価することで、

・制作業務の属人化解消
・受注から納品までの標準化
・成功事例の共有
・制作ノウハウの蓄積
・営業活動への事例活用
・制作工数の削減
・新人教育の効率化
・退職によるノウハウ喪失の防止
・組織全体の生産性向上
・利益率の改善

を同じ方向へつなげることができます。

「優秀な社員に仕事が集中している」

「案件ごとに毎回ゼロから考えている」

「過去の成功事例が営業に活かされていない」

「社員が退職するとノウハウまで失われてしまう」

「人事評価制度を会社の業績向上につなげたい」

このようなお悩みがございましたら、まずは「どの仕事が誰に依存しているのか」「どの成功パターンを会社の仕組みにできるのか」を整理するところから、丁寧にお手伝いいたします。

全国の企業に対応しております。

ご相談はこちらからお送りいただけます。

Q
クリエイティブ会社で属人化が起こる原因は何ですか?
A

案件ごとに内容が異なり、企画や制作の進め方、判断基準などが担当者個人の経験に蓄積されやすいためです。受注から納品までの共通プロセスと、成功につながった判断方法を整理して共有することが属人化解消の第一歩です。

Q
クリエイティブな仕事でも標準化できますか?
A

できます。企画やデザインなどの創造性そのものを標準化するのではなく、ヒアリング、提案、見積り、制作準備、確認、納品、振り返りなどの共通工程を標準化します。これにより、個性を活かしながら業務効率を高めることができます。

Q
社員が退職したときのノウハウ喪失を防ぐにはどうすればよいですか?
A

特定社員だけが持っている制作手順、判断基準、成功事例、失敗事例、顧客対応方法などを日頃から記録し、会社全体で検索・利用できる状態にすることが重要です。退職時だけ引き継ぐのではなく、普段から知識を会社へ蓄積する仕組みをつくります。

Q
過去の制作事例を営業活動へ活用できますか?
A

活用できます。過去案件を顧客の業種や課題、提案内容、制作方法、成果などで整理すると、似た課題を持つ新規顧客への提案材料になります。成功事例を制作部門だけでなく営業部門でも共有することで、営業の再現性向上にもつながります。

Q
人事評価制度で属人化を解消できますか?
A

人事評価制度だけで属人化が自動的になくなるわけではありません。しかし、制作プロセスの標準化、成功事例の共有、マニュアル作成、後輩育成、工数削減などを正式な目標に設定し、その達成度を評価や賞与へ反映することで、属人化解消のための行動を継続しやすくなります。

土山 誠
経営アドバイザー合同会社 代表

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