
担当者によって異なる営業・提案・制作・運用を会社の仕組みに
変える業務プロセスの標準化とノウハウ共有、人事評価の連動で
売上5,000万円・利益2,600万円増加につながった事例
ブランディング戦略立案の仕事は、企業ごとに課題や方向性が異なるため、高度な提案力や企画力が求められます。
Web制作会社の属人化を減らし、営業・制作の品質と利益を安定させる組織づくり
法人向けのWebサイト制作では、お客様ごとに目的や課題が異なるため、営業担当者の提案力や、制作・開発担当者の経験が大きな強みになります。
一方で、
「営業のやり方が担当者によって違う」
「案件化できる人とできない人の差が大きい」
「制作方法が担当者の経験に依存している」
「担当者によって納期や品質にばらつきがある」
「案件が増えても利益が思うように増えない」
という課題が生まれることがあります。
今回ご紹介するのは、北海道で法人向けWebサイト制作を行う従業員20名の企業で、営業から制作・開発・運用までの仕事を見直した事例です。
目指したのは、Web制作を画一的にすることではありません。
お客様ごとの課題に合わせた企画やデザイン、技術的な判断は大切にしながら、共通化できる営業・制作プロセスとノウハウを会社の仕組みに変えていきました。
お客様が抱えていた課題
今回のお客様は、北海道で法人向けWebサイト制作を行う従業員20名の企業です。
大きな課題となっていたのは、営業・案件化の再現性が低いことに加え、制作・開発・運用のノウハウが社員個人のスキルや経験に依存していたことでした。
【お客様の課題】
営業活動の進め方が担当者によって異なり、
案件化できる人とできない人の差がある。
顧客へのヒアリングや提案方法が、
営業担当者の経験に依存している。
制作・開発の進め方についても、
担当社員ごとの経験やスキルに頼る部分が多い。
案件ごとのノウハウが十分に整理されず、
過去の経験を次の案件へ活かしにくい。
社員の経験によって作業時間に差があり、
納期や品質にも影響が出やすい。
案件が増えるほど人的リソースが必要になり、
工数増加によって利益率が圧迫されやすい。
この状態では、新しい案件を獲得できても、その分だけ社員の業務量が増えてしまいます。
さらに、
受注増加
↓
制作・開発工数の増加
↓
経験豊富な社員への業務集中
↓
納期・品質への影響
↓
利益率の低下
という問題が起こる可能性があります。
そこで「さらに多くの案件を取る」だけではなく、「一度経験した仕事を次の案件で活用できる会社にする」という方向から改善を進めました。
なぜWeb制作会社では営業・制作が属人化しやすいのか
Webサイト制作では、お客様ごとに求められるものが違います。
例えば、
企業の事業内容
Webサイトを作る目的
顧客層
必要な機能
デザイン
予算
納期
公開後の運用
などを確認しながら、提案内容や制作方法を決めていきます。
そのため経験豊富な社員ほど、
「この会社にはこの提案が合いそうだ」
「この段階で確認しておかないと後で修正が増える」
「この機能ならこの方法で進めた方がよい」
といった判断ができるようになります。
これは会社にとって大切な財産です。
問題は、その判断方法が個人の中だけに残ることです。
Web制作の個性と属人化は分けて考える
Web制作会社が標準化するのは、デザインや企画そのものではありません。
お客様に合わせて変えるべき部分は残します。
一方で、
初回相談で確認する項目
ヒアリング方法
提案までの流れ
見積り前の確認
制作開始時の情報共有
顧客確認のタイミング
修正依頼の管理
公開前の確認
納品後の対応
など、案件に共通する部分は整理できます。
「お客様ごとに違うWebサイトを作ること」と「仕事の進め方まで毎回違うこと」は分けて考えることが大切です。
Web制作会社で起こりやすい10の属人化・利益課題
自社に次のような状態がないか確認してみてください。
1.営業方法が担当社員によって大きく異なる
2.案件化率が一部の営業担当者だけ高い
3.顧客へのヒアリング内容が統一されていない
4.見積りや必要工数の判断がベテラン社員に集中している
5.制作・開発方法が担当社員の経験に依存している
6.顧客からの修正依頼で手戻りが多く発生している
7.過去案件の成功・失敗事例が共有されていない
8.新人や経験の浅い社員へ仕事を任せにくい
9.担当者によって納期や品質にばらつきがある
10.売上を増やすと工数も増え、利益率が上がりにくい
複数当てはまる場合には、
「もっと営業する」
「制作社員を増やす」
だけでなく、
「現在持っている営業・制作ノウハウを会社全体で使える状態になっているか」
を確認することが大切です。
営業・制作の属人化を減らす10の取り組み
今回の支援では、営業・案件化から制作・開発・運用までの業務を整理し、社員個人の経験を会社の知識に変える仕組みづくりを進めました。
1.営業から納品までの業務を見える化する
問い合わせから提案、受注、制作、公開、運用までの流れを整理しました。
2.顧客ヒアリングの基本項目を整理する
Webサイトを作る目的や課題など、提案前に確認する基本項目を共有しました。
3.案件化につながった営業方法を共有する
成功した営業について、顧客の課題、提案内容、案件化した理由を振り返りました。
4.見積りと工数算定の判断材料を蓄積する
過去案件の実績を活用し、特定社員の経験だけに頼らない状態を目指しました。
5.制作開始時の情報共有を標準化する
営業から制作へ何を引き継ぐのかを明確にし、認識のずれを減らしました。
6.制作・開発の基本プロセスを整理する
案件ごとに共通する制作・開発・確認の流れを見える化しました。
7.修正や手戻りの原因を記録する
修正が発生した理由を振り返り、次の案件の事前確認へ活かしました。
8.成功・失敗事例を会社の知識として蓄積する
「何をしたか」だけでなく、「なぜその判断をしたのか」まで共有しました。
9.業務マニュアルを新人育成にも活用する
マニュアルを作るだけで終わらせず、他の社員が実際に仕事を担当できる状態を目指しました。
10.標準化・ノウハウ共有を人事評価につなげる
業務改善、事例共有、マニュアル化、後輩育成などを社員目標に設定し、達成度を賞与へ反映しました。
営業から制作・公開までを一つのプロセスとして整える
Web制作会社では、営業と制作を別々に改善するだけでは、全体の効率が上がらないことがあります。
例えば、
問い合わせ・相談
↓
顧客の事業内容を確認
↓
Webサイトの目的・課題を確認
↓
必要な内容・機能を整理
↓
企画・提案
↓
見積り
↓
受注
↓
営業から制作への引き継ぎ
↓
制作スケジュールの共有
↓
設計・構成
↓
デザイン
↓
制作・開発
↓
顧客確認
↓
修正
↓
公開前確認
↓
公開・納品
↓
運用・改善
↓
案件の振り返り
という一連の流れで考えます。
この流れを見える化すると、
どこで仕事が止まっているのか
どこで手戻りが発生しているのか
どこにベテラン社員の判断が必要なのか
どの仕事を他の社員へ移せるのか
どの工程に時間がかかっているのか
を確認しやすくなります。
営業と制作の間にある「引き継ぎ」を見直す
Web制作では、営業担当者が聞いた顧客の要望が制作担当者へ十分に伝わっていないと、後から修正が増えることがあります。
そこで、
顧客が抱えている課題
Webサイトを作る目的
重視していること
提案した内容
必要な機能
予算・納期
顧客との打ち合わせで決まったこと
など、制作側へ引き継ぐ情報を整理します。
制作段階の問題だけではなく、その前の営業・ヒアリング段階から見直すことで、手戻りを減らしやすくなります。
制作ノウハウを会社に残し、品質と工数を安定させる
Web制作では、社員によってデザイン、開発、顧客対応などの得意分野が異なります。
その個性をなくす必要はありません。
大切なのは、優秀な社員が持っている経験から「他の社員も活用できる部分」を取り出すことです。
例えば案件終了後に、
どのような課題があったか
どのような方法で解決したか
想定以上に時間がかかった工程は何か
どのような修正が発生したか
事前に確認しておけば防げたことは何か
顧客から評価された点は何か
を振り返ります。
「制作物」だけでなく「判断理由」を残す
完成したWebサイトだけを見ても、
「なぜこの構成にしたのか」
「なぜこの方法で開発したのか」
「なぜこのタイミングで顧客確認をしたのか」
までは分かりません。
そこで、成果物だけでなく判断の理由も残します。
これによって過去案件が、次の社員が学ぶための教材になります。
標準化するのはクリエイティブそのものではない
標準化するのは、
確認項目
情報共有
制作手順
チェック方法
顧客確認
修正管理
公開前確認
など、繰り返し発生する仕事です。
共通業務を仕組みにすることで、社員は企画、デザイン、顧客への提案など、人の力を活かしたい仕事へ時間を使いやすくなります。
会社の課題を社員目標と人事評価につなげる
仕組みを作るだけでは、属人化はなかなか解消されません。
「忙しいから後でマニュアルにする」
「自分でやった方が早い」
「成功事例を共有する時間がない」
となりやすいためです。
そこで今回の支援では、
会社の経営課題
↓
社員の具体的な目標
↓
日々の改善行動
↓
達成度の確認
↓
人事評価
↓
賞与への反映
という流れを整えました。
例えば、
「営業方法が属人化している」
という課題なら、
「受注案件について、顧客課題・提案内容・受注理由を月1件共有する」
という目標にできます。
「制作の手戻りが多い」
という課題なら、
「担当案件で発生した修正について原因を記録し、次回の事前確認項目へ反映する」
という目標にできます。
「開発ノウハウが個人に集中している」
という課題なら、
「担当案件で得た技術的な解決方法を月1件社内共有する」
という目標にできます。
「新人が育ちにくい」
という課題なら、
「自分が担当している業務の一部を後輩へ指導し、一人で実施できる状態にする」
という目標にできます。
評価するのは、
「自分の案件を納品した」
という個人の成果だけではありません。
「成功方法を他の社員へ共有した」
「手戻りを減らす仕組みをつくった」
「自分のノウハウを会社へ残した」
「後輩が担当できる仕事を増やした」
という組織への貢献も評価します。
「自分ができる」から「人をできるようにする」へ。
個人の能力を会社の能力へ変えていくことがポイントです。
より具体的な解決方法についての無料セミナーを開催しています
取り組みによって生まれた変化|売上5,000万円・利益2,600万円増加につながった事例とご相談
今回の北海道・従業員20名の法人向けWebサイト制作会社では、
営業プロセスの見える化
顧客ヒアリング項目の整理
案件化した営業事例の共有
見積り・工数判断の整理
営業から制作への引き継ぎ改善
制作・開発プロセスの標準化
修正・手戻りの原因共有
成功・失敗事例の蓄積
新人教育への活用
人事評価と賞与への連動
などに取り組みました。
その結果、
・社員の属人化解消に対する意識が高まった
・営業・案件化のノウハウを共有しやすくなった
・制作・開発の知識を会社に蓄積しやすくなった
・納期や品質に影響する要因を見直しやすくなった
・業務工数や利益率の改善につながった
・会社が抱えていた課題の改善につながった
という変化が生まれました。
結果として、
売上は5,000万円増加、
利益は2,600万円増加
につながりました。
ただし、同じ取り組みを行えば、すべての企業で同じ売上・利益の増加が実現するという意味ではありません。
成果は、案件数、案件単価、社員数、制作内容、顧客構成、市場環境などによって異なります。
今回の事例で大切なのは、
「すべての社員に同じWebサイトを作らせる」
ことではありません。
社員それぞれの専門性や強みを活かしながら、
「毎回一から考えなくてもよい仕事」
を会社の仕組みにすることです。
この考え方はWeb制作会社だけでなく、
システム開発
広告・マーケティング
動画制作
デザイン
ITサービス
営業支援
コンサルティング
製造業
建設業
その他の専門サービス
など、営業・制作・開発・技術のノウハウが特定社員に集中している企業にも応用できます。
全国のあらゆる業種の企業に対応できます。
「営業担当者によって案件化率に差がある」
「制作や開発がベテラン社員に集中している」
「案件が増えると納期が厳しくなる」
「修正や手戻りが多く利益を圧迫している」
「新人が育つまで時間がかかる」
「売上を増やしても利益が思うように増えない」
このようなお悩みがある場合には、
「さらに人を増やすにはどうするか」
だけではなく、
「今いる社員が持っている経験を、会社全体でどれだけ活用できているか」
という視点から仕事の仕組みを見直してみる方法があります。
ご相談はこちらからお送りいただけます。
よくあるご質問 FAQ
顧客ごとに目的や要望が異なり、営業・企画・デザイン・開発などで社員の経験や専門性が必要になりやすいためです。個別対応は残しながら、共通する営業・制作プロセスや判断方法を共有することで属人化を減らせます。
顧客ヒアリング、提案までの流れ、見積り前の確認、営業から制作への引き継ぎ、制作工程、顧客確認、修正管理、公開前チェックなど、案件に共通する業務を標準化できます。
デザインや企画そのものを統一する必要はありません。標準化するのは確認項目、情報共有、制作手順、チェックなどの共通業務です。繰り返し業務を仕組みにすることで、企画やデザインなど専門性を活かす仕事へ時間を使いやすくなります。
受注額だけでなく、見積りと実際の工数の差、修正・手戻りが発生した工程、特定社員への業務集中などを確認します。営業から納品までの流れを見える化すると、工数が増えている原因を見つけやすくなります。
個人の売上や納品実績だけでなく、営業事例の共有、制作ノウハウの蓄積、業務改善、マニュアル化、後輩育成などを具体的な社員目標に設定する方法があります。個人の経験を他の社員も活用できる状態にした行動を評価することがポイントです。
この記事を書いた人

土山 誠
経営アドバイザー合同会社 代表
ブランディング戦略立案の仕事は、企業ごとに課題や方向性が異なるため、高度な提案力や企画力が求められます。
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