
担当者によって異なる査定・収益確認・買い手への提案を
会社の仕組みに変える案件評価の標準化と営業ノウハウの共有、
人事評価の連動で売上1億円・利益5,000万円増加につながった事例
ブランディング戦略立案の仕事は、企業ごとに課題や方向性が異なるため、高度な提案力や企画力が求められます。
太陽光発電所の売買仲介で営業の属人化を減らし、成約につなげる組織づくり
中古の太陽光発電所を扱う売買仲介では、一つひとつの物件について収益性や設備状況、保守履歴などを確認し、売り手と買い手の双方に必要な情報を整理することが大切です。
ところが、物件ごとに条件が異なるため、
「物件の評価方法が担当者によって違う」
「経験豊富な社員でなければ査定が難しい」
「買い手への提案方法が営業担当者に依存している」
「成約できた理由が社内で共有されていない」
「買い手に合う物件を探すまでに時間がかかる」
という属人化が起こることがあります。
今回ご紹介するのは、東京都で中古低圧太陽光発電所の売買仲介を行う従業員39名の企業で、営業・査定・案件評価の進め方を見直した事例です。
目指したのは、すべての物件を同じ基準だけで判断することではありません。
物件ごとの違いを大切にしながら、共通して確認できる情報や営業の進め方を整理し、特定社員の経験を会社全体で活用できる組織づくりを進めました。
お客様が抱えていた課題
今回のお客様は、東京都で中古低圧太陽光発電所の売買仲介を行う従業員39名の企業です。
大きな課題となっていたのは、物件ごとに収益性や保守履歴などが異なり、営業・査定・案件評価に担当社員の経験が大きく影響していたことでした。
【お客様の課題】
物件ごとに条件が異なり、
査定方法が担当者の経験に依存している。
収益性を確認する方法や見るポイントが、
社員によって異なっている。
保守履歴などの重要な情報が、
案件ごとに整理されていないことがある。
買い手へどの物件を提案するかが、
営業担当者の経験に左右されやすい。
成約につながった営業方法や判断理由が、
他の社員へ十分に共有されていない。
最適な買い手と物件を結びつけるまでに、
時間と営業工数がかかっている。
この状態では、案件数を増やしても、それに伴って確認や営業に必要な時間も増えてしまいます。
また、成約率が物件や担当社員によって変わりやすく、事業を拡大するときの再現性にも課題が生じます。
そこで、
「経験豊富な営業担当者を増やす」
ことだけではなく、
「経験豊富な社員が何を見て、どのように判断しているのかを会社の知識にする」
という方向から仕組みを見直しました。
なぜ太陽光発電所の売買仲介では営業が属人化しやすいのか
中古の太陽光発電所は、同じように見える物件でも条件が異なります。
そのため、売買仲介では物件ごとの情報を確認しながら、買い手に必要な情報を整理することになります。
経験を積んだ社員ほど、
「この案件では何を確認した方がよいか」
「どの情報を買い手へ伝える必要があるか」
「どのような買い手に提案すると話が進みやすいか」
といった判断ができるようになります。
この経験そのものは、会社にとって大きな財産です。
問題になるのは、
「なぜその物件を評価したのか」
「なぜその買い手へ提案したのか」
「なぜ成約につながったのか」
が担当者の頭の中だけに残ることです。
物件ごとの個別判断と属人化は別の問題
物件によって条件が異なる以上、最終的な判断まで完全に統一する必要はありません。
一方で、
物件情報を受け取る
必要な情報を確認する
収益性を確認する
保守履歴などを確認する
案件を評価する
買い手の希望条件を確認する
提案する物件を検討する
商談する
結果を記録する
といった基本的な流れは整理できます。
つまり、
「物件ごとに判断を変えること」
と、
「判断の進め方まで担当者任せにすること」
は別です。
共通化できる部分を会社の仕組みにすることで、社員が物件ごとの重要な判断に集中しやすくなります。
売買仲介で起こりやすい10の属人化・営業課題
自社に次のような状態がないか確認してみてください。
1.物件の査定方法が担当社員によって違う
2.収益性を確認する項目や順番が統一されていない
3.保守履歴などの確認方法が担当者任せになっている
4.案件を評価するときの判断理由が残っていない
5.買い手の希望条件が十分に共有されていない
6.どの買い手へどの物件を提案するかが個人の経験に依存している
7.成果を出している営業担当者の方法が共有されていない
8.過去に成約した案件を次の営業へ活かせていない
9.物件と買い手のマッチングに時間がかかっている
10.案件が増えるほど営業・確認業務の負担も増えている
複数当てはまる場合には、
「営業社員を増やす」
だけでなく、
「査定・案件評価・営業の判断方法を、会社全体で活用できる状態になっているか」
を確認することが大切です。
営業・査定の属人化を減らすために行った10の取り組み
今回の支援では、査定・収益確認・案件評価・営業の進め方を整理し、社員の経験を会社の知識として蓄積する仕組みづくりを進めました。
1.物件情報の確認項目を整理する
案件を受けたときに、最初にどのような情報を確認するのかを整理しました。
2.査定の基本プロセスを見える化する
経験豊富な社員がどのような順番で情報を確認しているのかを共有しました。
3.収益確認の基本的な考え方を整理する
案件ごとに確認すべき情報を整理し、担当者による確認のばらつきを減らしました。
4.保守履歴などの物件情報を共有する
営業担当者だけが把握するのではなく、必要な社員が確認できる状態を整えました。
5.案件評価の判断理由を記録する
評価結果だけではなく、「なぜそのように判断したのか」まで残すようにしました。
6.買い手の希望条件を整理する
希望する条件などを共有し、物件を提案するときに活用できるようにしました。
7.物件と買い手を結びつける基本的な流れを整理する
担当者の記憶だけに頼らず、条件を確認しながら提案先を検討できる状態を目指しました。
8.成約事例を会社の知識として蓄積する
物件情報、買い手の希望、提案方法、成約につながった理由を振り返りました。
9.成約しなかった案件も振り返る
成功事例だけでなく、商談が進まなかった理由も共有し、次の営業へ活かしました。
10.標準化・ノウハウ共有を人事評価につなげる
査定方法の共有、営業事例の蓄積、業務改善、後輩育成などを社員目標に設定し、達成度を賞与へ反映しました。
物件の査定から成約までの営業プロセスを見える化する
営業の再現性を高めるには、成約だけを見るのではなく、物件情報を受け取ってから売買に至るまでを一つの流れとして捉えることが大切です。
例えば、
売却相談・物件情報の受付
↓
基本情報の確認
↓
必要資料の確認
↓
収益性に関する情報の確認
↓
保守履歴などの確認
↓
案件評価
↓
売り手との条件確認
↓
買い手の希望条件との照合
↓
提案候補の検討
↓
買い手への物件提案
↓
質問・追加情報への対応
↓
条件調整
↓
成約
↓
案件の振り返り
↓
成約理由・判断理由の共有
という流れです。
この流れを見える化すると、
どこで案件が止まっているのか
どの確認に時間がかかっているのか
どこで担当者の経験に依存しているのか
成約率に差が生まれる理由は何か
どの情報を共有すれば営業しやすくなるのか
を確認しやすくなります。
査定結果だけでなく「判断の過程」を残す
例えば、
「この物件は○○と評価した」
という結果だけを残しても、他の社員は同じ判断を再現しにくいものです。
そこで、
どの情報を確認したのか
何を重要だと考えたのか
どこに注意したのか
どのような点を買い手へ説明したのか
何が成約の決め手になったのか
まで振り返ります。
これによって、ベテラン社員の経験が若手社員の教材になります。
物件と買い手のマッチングを会社の知識で支える
売買仲介では、物件情報だけを整理しても営業の効率化には十分でない場合があります。
もう一方の「買い手が何を求めているのか」も整理することが大切です。
買い手の希望条件を共有する
例えば、
どのような条件を重視しているか
過去にどのような物件を検討したか
どの提案に関心を示したか
どのような理由で見送ったか
といった営業情報を会社で共有します。
すると、新しい物件情報が入ったときに、
「この物件ならAさんへ提案できるかもしれない」
という判断を、担当者個人の記憶だけに頼らず行いやすくなります。
成約事例を「次の営業」で使える形にする
成約した案件について、
物件にはどのような特徴があったか
買い手は何を求めていたか
営業担当者は何を説明したか
どのような不安や質問があったか
どのように対応したか
なぜ最終的に成約したのか
を整理します。
これを蓄積すると、
「売れた物件の一覧」
ではなく、
「どのような買い手に、どのような物件を、どのように提案すると話が進みやすかったか」
という営業ノウハウになります。
案件を経験するほど会社の営業力が蓄積される状態を目指します。
会社の課題を社員目標と人事評価につなげる
査定や営業の仕組みを整えても、社員が日常的に活用し、改善し続けなければ定着しません。
そこで今回の支援では、
会社の経営課題
↓
社員の具体的な目標
↓
日々の行動
↓
達成度の確認
↓
人事評価
↓
賞与への反映
という流れを整えました。
例えば、
「査定が担当者に依存している」
という課題なら、
「担当した案件について、確認項目・判断内容・注意点を月1件共有する」
という目標にできます。
「買い手情報が営業担当者に集中している」
という課題なら、
「商談後に買い手の希望条件・質問・見送り理由などを記録する」
という目標にできます。
「成約ノウハウが共有されていない」
という課題なら、
「成約案件について、物件の特徴・買い手の希望・提案内容・成約理由を毎月1件共有する」
という目標にできます。
「マッチングに時間がかかる」
という課題なら、
「買い手情報の整理方法を改善し、他の営業担当者も提案候補を探せる状態にする」
という目標にできます。
評価するのは、
「自分が成約した」
という個人の成果だけではありません。
「自分の成功方法を他の社員へ共有した」
「査定や営業の判断理由を会社へ残した」
「他の社員が使える仕組みをつくった」
「後輩が担当できる仕事を増やした」
という組織への貢献も評価します。
「自分が成果を出す」から「会社全体が成果を出しやすくする」へ。
個人の能力を会社の能力へ変えていくことが、人事評価を連動させる目的です。
より具体的な解決方法についての無料セミナーを開催しています
取り組みによって生まれた変化|売上1億円・利益5,000万円増加につながった事例とご相談
今回の東京都・従業員39名の中古低圧太陽光発電所の売買仲介会社では、
物件情報の確認項目の整理
査定プロセスの見える化
収益確認方法の整理
保守履歴などの情報共有
案件評価の判断理由の記録
買い手の希望条件の整理
物件と買い手のマッチング方法の見直し
成約・未成約事例の共有
営業ノウハウの蓄積
人事評価と賞与への連動
などに取り組みました。
その結果、
・社員の属人化解消に対する意識が高まった
・査定や案件評価の考え方を共有しやすくなった
・営業ノウハウを他の社員へ展開しやすくなった
・物件と買い手を結びつける営業活動を見直しやすくなった
・過去の成約事例を次の営業へ活用しやすくなった
・会社が抱えていた課題の改善につながった
という変化が生まれました。
結果として、
売上は1億円増加、
利益は5,000万円増加
につながりました。
ただし、同じ取り組みを行えば、すべての企業で同じ売上・利益の増加が実現するという意味ではありません。
成果は、案件数、物件価格、顧客数、社員数、市場環境などによって異なります。
今回の事例で重要なのは、
「すべての物件を同じ方法で評価する」
ことではありません。
物件ごとの違いを踏まえながら、
「毎回一から考える必要がない部分」
を会社の仕組みに変えることです。
この考え方は太陽光発電所の売買仲介だけでなく、
不動産仲介
法人営業
営業代行
人材紹介
設備・機械販売
Web制作
システム開発
コンサルティング
製造業
建設業
など、営業・査定・提案・技術のノウハウが特定社員に集中している企業にも応用できます。
全国のあらゆる業種の企業に対応できます。
「営業担当者によって成約率に差がある」
「査定や見積りをベテラン社員に頼っている」
「顧客情報が担当者の頭の中にある」
「過去の成約事例を次の営業に活かせていない」
「案件が増えるほど営業の負担も増える」
「売上を伸ばしたいが、現在の営業方法では限界を感じる」
このようなお悩みがある場合には、
「さらに営業社員を増やすにはどうするか」
だけではなく、
「成果を出している社員は何を見て、どのように判断しているのか」
という視点から営業の仕組みを見直してみる方法があります。
ご相談はこちらからお送りいただけます。
よくあるご質問 FAQ
物件ごとに収益性や保守履歴などの条件が異なり、査定・案件評価・買い手への提案で担当者の経験が必要になりやすいためです。確認項目や営業プロセス、判断理由を共有することで属人化を減らせます。
すべての物件を同じ評価にする必要はありません。物件情報の収集、必要資料の確認、収益性や保守履歴の確認、案件評価など、共通する確認プロセスを整理することで、担当者によるばらつきを減らせます。
成約した案件について、物件の特徴、買い手の希望条件、提案内容、質問への対応、成約理由などを記録し、営業チームで共有することが重要です。未成約案件についても理由を振り返ることで、次の営業改善に活かせます。
物件情報だけでなく、買い手の希望条件、過去の検討内容、関心を示した条件、見送り理由などを整理し、営業担当者間で共有します。担当者個人の記憶に頼らない状態をつくることがポイントです。
個人の売上や成約件数だけでなく、査定ノウハウの共有、成約事例の蓄積、買い手情報の共有、業務改善、後輩育成などを具体的な社員目標に設定する方法があります。個人の経験を会社全体で活用できる状態にした行動も評価することがポイントです。
この記事を書いた人

土山 誠
経営アドバイザー合同会社 代表
ブランディング戦略立案の仕事は、企業ごとに課題や方向性が異なるため、高度な提案力や企画力が求められます。
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