
担当者に依存する営業・提案・導入支援を会社の仕組みに変える
営業プロセスの標準化と成功事例の共有、人事評価の連動で
売上7,000万円・利益3,000万円増加につながった事例
ブランディング戦略立案の仕事は、企業ごとに課題や方向性が異なるため、高度な提案力や企画力が求められます。
システム開発会社の属人化を減らし、営業と導入を安定させる組織づくり
中小企業向けのシステム開発では、お客様ごとに業務内容や課題が異なるため、営業から提案、導入まで個別対応が必要になることがあります。
その一方で、
「営業の進め方が担当者によって違う」
「受注できる社員とできない社員の差が大きい」
「受注後の導入方法が担当者任せになっている」
「過去の成功事例が次の営業に活かされていない」
「案件が増えるほど社員の負担も増えてしまう」
という状態になると、売上を伸ばすために案件を増やしても、営業や導入を担う社員の負担が増え、事業拡大が難しくなることがあります。
今回ご紹介するのは、東京都で中小企業向けのシステム開発を行う従業員26名の企業で、営業から導入、導入後の活用支援までを見直した事例です。
目指したのは、お客様ごとの個別対応をなくすことではありません。
お客様に合わせる部分は残しながら、成果につながった営業・導入ノウハウを会社全体で共有し、誰か一人の経験だけに頼らない組織づくりを進めました。
お客様が抱えていた課題
今回のお客様は、東京都で中小企業向けのシステム開発を行う従業員26名の企業です。
大きな課題となっていたのは、営業・導入プロセスが受注した担当者の経験や個別対応に依存しやすいことでした。
成果を出している社員は、それぞれの経験を活かして営業や導入を進められます。
しかし、その方法が会社の仕組みとして整理されていなければ、社員や案件を増やしたときに同じような成果を再現することが難しくなります。
【お客様の課題】
営業の進め方が、
担当社員の経験に依存している。
商談で何を確認するかが、
担当社員によって異なっている。
提案内容や提案の順番が、
個人の判断に偏りやすい。
受注後の導入方法が、
案件や担当社員によって異なっている。
導入時に得られたノウハウが、
次の案件へ十分に活用されていない。
既存顧客への活用支援や成功事例が、
新しい営業活動へ十分につながっていない。
この状態で案件を増やすと、
受注増加
↓
個別対応の増加
↓
社員の業務負荷増加
↓
営業へ使える時間の減少
↓
新規受注の伸び悩み
という状況につながる可能性があります。
そこで、営業と導入を別々に考えるのではなく、
「営業→受注→導入→活用支援→成功事例→次の営業」
という一連の流れとして仕組みを見直しました。
なぜシステム開発会社では営業と導入が属人化しやすいのか
システム開発では、お客様によって解決したい課題が違います。
業種
会社規模
現在の業務
使用しているシステム
業務上の問題
必要な機能
予算
導入時期
などを確認しながら、提案内容を考える必要があります。
そのため経験豊富な社員ほど、
「このお客様には、この順番で聞いた方がよい」
「本当の課題は別のところにありそうだ」
「この機能より先に業務の流れを整理した方がよい」
といった判断ができるようになります。
問題は、その判断が本人の経験の中だけに残ることです。
個別対応と属人化は同じではない
システム開発では、お客様ごとに提案内容や仕様を変える必要があります。
しかし、
初回商談で何を確認するか
顧客の課題をどう整理するか
提案前に何を確認するか
受注後に営業から何を引き継ぐか
導入時に何を確認するか
導入後に何を振り返るか
といった基本的な仕事の流れは共有できます。
つまり、
「お客様に合わせてシステムを変えること」
と、
「仕事の進め方や判断基準まで担当者任せにすること」
は分けて考える必要があります。
標準化できる仕事を会社の仕組みにすることで、社員はお客様ごとの課題を考える仕事に、より多くの時間を使えるようになります。
システム開発会社で起こりやすい10の属人化課題
自社に次のような状態がないか確認してみてください。
1.営業の進め方が担当社員によって違う
2.成果を出している営業担当者の方法が共有されていない
3.初回商談で確認する内容が人によって違う
4.提案書や見積りを案件ごとに一から作っている
5.受注後の営業から導入担当への引き継ぎ方法が決まっていない
6.導入の進め方や確認項目が担当社員によって違う
7.導入時に発生した問題や解決方法が会社に蓄積されていない
8.既存顧客がシステムをどのように活用しているか共有されていない
9.成功事例が次の営業や提案に十分活かされていない
10.案件が増えるほど社員の負担も増え、営業効率や利益率が低下する
複数当てはまる場合には、
「営業担当者を増やす」
「開発担当者を増やす」
ことだけでなく、
「今ある営業・導入ノウハウを他の社員が再現できる状態になっているか」
という視点で業務を確認することが大切です。
営業・導入の属人化を減らすために行った10の取り組み
今回の支援では、営業と導入の基本的なプロセスを整理するとともに、既存顧客への活用支援と成功事例の共有を進めました。
1.見込み顧客から受注までの営業導線を見える化する
問い合わせから商談、提案、見積り、受注までの流れを整理しました。
2.初回商談の基本的な確認項目を整理する
顧客の事業、現在の業務、課題、システム環境など、基本的に確認する項目を共有しました。
3.課題整理の考え方を共有する
顧客から言われた要望だけを見るのではなく、その背景にある業務課題まで確認できるようにしました。
4.提案の基本構成を整える
現状、課題、改善方法、導入内容など、提案時に共通して使える基本構成を整理しました。
5.営業から導入担当への引き継ぎを標準化する
商談で確認した情報や提案内容を、導入担当者が理解できる状態にしました。
6.導入時の基本的な確認項目を整理する
導入準備、顧客確認、利用開始までに必要な確認事項を共有しました。
7.導入時の問題と解決方法を蓄積する
発生した問題だけでなく、その原因と対応方法も記録しました。
8.既存顧客の活用状況を確認する
導入して終わりではなく、実際にどのように使われ、どのような課題が残っているかを確認します。
9.成功事例を次の営業へ活用する
導入企業の課題、提案内容、導入方法、活用状況などを整理し、次の営業や提案で活用できるようにしました。
10.標準化とノウハウ共有を人事評価につなげる
営業方法の共有、導入業務の改善、成功事例の整理、後輩育成などを社員目標に設定し、その達成度を賞与へ反映しました。
営業から導入・活用支援までを一つの流れにする
再現性のある営業をつくるためには、「受注するまで」だけを改善するのではなく、導入後までを見ることが大切です。
例えば、
見込み顧客との接点
↓
問い合わせ・相談
↓
初回ヒアリング
↓
現在の業務の確認
↓
経営・業務課題の整理
↓
システムで改善できる範囲の検討
↓
提案内容の整理
↓
提案・見積り
↓
受注
↓
営業から導入担当への引き継ぎ
↓
導入準備
↓
顧客との確認
↓
導入・設定
↓
利用方法の説明
↓
利用開始
↓
活用状況の確認
↓
新しい課題の確認
↓
改善・追加支援
↓
成果の振り返り
↓
成功事例の整理
という流れです。
この一連の流れを見える化すると、
商談は多いのに受注につながらない
受注後の引き継ぎに時間がかかる
導入時に毎回同じような問題が起きる
導入後の顧客状況を把握できていない
成功事例が営業担当者へ戻ってこない
といった問題を発見しやすくなります。
営業と導入を分断しない
営業担当者が受注したら仕事が終わり、導入担当者へ任せるだけでは、導入現場で得られた知識が営業へ戻りにくくなります。
そこで、
「営業で何を約束したのか」
「実際の導入では何が課題になったのか」
「顧客はどのように活用しているのか」
「何が評価されたのか」
を営業側にも共有します。
営業→導入→活用支援→営業
という循環をつくることで、案件を経験するほど営業や提案の質を高めやすくなります。
既存顧客の成功事例を次の受注につながる会社の知識にする
システム開発会社にとって、既存顧客は非常に重要な情報を持っています。
導入したシステムが、
どの業務で使われているのか
導入前にどのような問題があったのか
導入後に何が変わったのか
どの機能がよく使われているのか
どこに使いにくさがあるのか
新しくどのような課題が生まれたのか
を確認します。
成功事例は「何を導入したか」だけでは不十分
例えば、
「A社へ業務システムを導入した」
だけでは、次の営業担当者は活用しにくい情報です。
そこで、
顧客の業種
導入前の業務
抱えていた課題
なぜ相談されたのか
どのような方法を検討したか
なぜその提案を選んだのか
導入時に発生した問題
どのように改善したのか
導入後の活用状況
まで整理します。
これによって成功事例が、
「実績紹介」
だけではなく、
「次の社員が提案を考えるための教材」
になります。
導入後の活用支援が新しい課題の発見につながる
システムは導入して終わりとは限りません。
利用を続ける中で、
「この業務も改善したい」
「別の部署でも使いたい」
「現在の機能をもっと活用したい」
といった新しい課題が見つかることがあります。
定期的に活用状況を確認することは、顧客にとってより使いやすい環境を考える機会になるとともに、追加支援を検討するきっかけにもなります。
新規顧客だけを追い続けるのではなく、既存顧客の成功を会社全体で学ぶ仕組みをつくることが大切です。
会社の課題を社員目標と人事評価につなげる
営業や導入の仕組みを作っても、それを社員が使い、改善し続けなければ形だけの仕組みになってしまいます。
そこで今回の支援では、
会社の経営課題
↓
社員の具体的な目標
↓
日々の行動
↓
達成度の確認
↓
人事評価
↓
賞与への反映
という流れを整えました。
例えば、
「営業方法が担当者によって違う」
という課題なら、
「受注案件について、顧客課題・提案内容・受注理由を毎月1件共有する」
という目標にできます。
「営業から導入への引き継ぎが属人化している」
という課題なら、
「受注案件について、顧客課題・提案内容・注意事項を所定の形式で共有する」
という目標にできます。
「導入ノウハウが蓄積されていない」
という課題なら、
「導入時に発生した問題と解決方法を毎月1件共有する」
という目標にできます。
「成功事例が営業に活かされていない」
という課題なら、
「既存顧客の活用状況を確認し、営業・提案で活用できる事例を四半期に1件整理する」
という目標にできます。
評価するのは、
「自分が受注した」
「自分が開発・導入した」
という個人の成果だけではありません。
「自分の成功方法を他の社員へ共有した」
「導入ノウハウを会社へ残した」
「他の社員が成果を出せる仕組みをつくった」
「既存顧客の成功を次の営業へ活かした」
という組織への貢献も評価します。
「自分ができる」から「他の社員もできる」へ。
さらに「案件を経験するほど会社全体が強くなる」状態を目指します。
より具体的な解決方法についての無料セミナーを開催しています
取り組みによって生まれた変化|売上7,000万円・利益3,000万円増加につながった事例とご相談
今回の東京都・従業員26名のシステム開発会社では、
営業導線の見える化
初回ヒアリング項目の整理
顧客課題の整理方法の共有
提案の基本構成の整備
営業から導入担当への引き継ぎ改善
導入プロセスの標準化
導入時の問題・解決方法の蓄積
既存顧客への活用支援
成功事例の体系化
人事評価と賞与への連動
などに取り組みました。
その結果、
・社員の属人化解消に対する意識が高まった
・営業から導入までの進め方を共有しやすくなった
・既存顧客で得られた知識を次の案件へ活用しやすくなった
・成功事例を営業・提案に活かしやすくなった
・会社が抱えていた課題の改善につながった
という変化が生まれました。
結果として、
売上は7,000万円増加、
利益は3,000万円増加
につながりました。
ただし、同じ取り組みを行えば、すべての企業で同じ売上・利益の増加が実現するという意味ではありません。
成果は、顧客数、案件単価、サービス内容、社員数、市場環境などによって異なります。
今回の事例で重要なのは、
「すべてのお客様へ同じシステムを提案する」
ことではありません。
お客様ごとに変えるべき部分は変えながら、
「毎回一から考える必要がない仕事」
を会社の仕組みにすることです。
この考え方はシステム開発会社だけでなく、
Web制作
広告・マーケティング
営業支援
人材・採用支援
動画制作
コンサルティング
製造業
建設業
その他の専門サービス
など、営業・制作・技術・提案のノウハウが特定社員に集中している企業にも応用できます。
全国のあらゆる業種の企業に対応できます。
「営業担当者によって成約率に差がある」
「受注後の仕事が担当者任せになっている」
「案件ごとに同じようなことを一から考えている」
「成功事例が営業に活かされていない」
「案件を増やすと社員の負担も増えてしまう」
「売上を伸ばしたいが、現在の方法では事業拡大に限界を感じる」
このようなお悩みがある場合には、
「さらに営業人数を増やすにはどうするか」
だけではなく、
「今ある営業・導入ノウハウを、他の社員が再現できる状態になっているか」
という視点で組織を見直してみる方法があります。
ご相談はこちらからお送りいただけます。
よくあるご質問 FAQ
顧客ごとに業務内容や課題、必要なシステムが異なり、営業・提案・導入で担当者の経験や判断が必要になるためです。個別提案は残しながら、ヒアリング、課題整理、引き継ぎ、導入確認などの共通プロセスを整えることで属人化を減らせます。
問い合わせから受注までの流れを見える化し、初回ヒアリング項目、顧客課題の整理方法、提案の基本構成、受注理由などを共有することから始めます。成果を出している社員の判断理由を整理することも重要です。
はい。システムの仕様そのものを同じにする必要はありません。営業からの引き継ぎ、導入前の確認、顧客確認、利用開始、導入後のフォローなど、案件に共通する仕事の進め方を標準化できます。
導入したシステムだけでなく、導入前の課題、提案した理由、導入時の問題、解決方法、導入後の活用状況まで整理します。顧客の課題から結果までを一連の事例として残すことで、類似した課題を持つ企業への提案に活用しやすくなります。
個人の売上や担当案件だけでなく、成功事例の共有、営業方法の標準化、導入ノウハウの蓄積、既存顧客への活用支援、後輩育成などを具体的な社員目標に設定する方法があります。個人の経験を会社全体で活用できる状態にした行動も評価することがポイントです。
この記事を書いた人

土山 誠
経営アドバイザー合同会社 代表
ブランディング戦略立案の仕事は、企業ごとに課題や方向性が異なるため、高度な提案力や企画力が求められます。
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