
顧客ごとに増える個別対応を会社の仕組みに変える
業務の標準化・テンプレート化と人事評価の連動で
売上6,500万円・利益3,000万円増加につながった事例
ブランディング戦略立案の仕事は、企業ごとに課題や方向性が異なるため、高度な提案力や企画力が求められます。
SNS運用会社の属人化を減らし、案件が増えても品質と利益を安定させる組織づくり
SNSコンサルティングやSNS運用代行では、お客様ごとに商品やサービス、ターゲット、発信内容が異なります。
そのため、
「このお客様には、この方法がよい」
「この投稿は、この見せ方のほうが反応がよい」
といった担当者の経験や判断力が、とても大切です。
一方で、顧客ごとの個別対応が増え続けると、
案件が増えるほど社員が忙しくなる
経験者に仕事が集中する
担当者によって品質に差が出る
売上が増えても利益が残りにくい
という問題が起こることがあります。
大切なのは、顧客に合わせた柔軟な対応をなくすことではありません。
共通化できる仕事は会社の仕組みに変え、顧客ごとに考えるべき部分に社員が力を使える状態をつくることです。
ここでは、東京都の従業員28名の企業で行った事例をもとに、SNS運用業務の属人化を減らし、案件が増えても品質と利益を安定させやすい組織をつくる考え方をご紹介します。
お客様が抱えていた課題
今回ご相談いただいたのは、東京都でSNSコンサルティングとSNS運用代行を中心に、企業のブランド認知向上や集客を支援している従業員28名の会社です。
お客様の課題は、
SNS運用の方法が、
案件ごとに細かくカスタマイズされていました。
その結果、仕事の進め方や判断方法が、
担当者個人の経験に依存しやすくなっていました。
顧客が増えるにつれて、
一つひとつの案件に必要な工数も増加。
売上を伸ばしても業務量が増えやすく、
利益率を圧迫することが経営課題となっていました。
SNS運用では、顧客ごとに柔軟な対応が必要です。
しかし、すべてを毎回ゼロから考える必要があるわけではありません。
「標準化できる部分」と「顧客ごとに考える部分」を整理することが、属人化を減らす第一歩になります。
なぜSNS運用会社では属人化と工数増加が起こりやすいのか
SNS運用は、単純な投稿作業だけではありません。
顧客の目的を理解し、ターゲットを考え、企画を立て、投稿を制作し、結果を分析して次の改善につなげます。
さらに、顧客によって求める成果も異なります。
認知度を高めたい企業もあれば、問い合わせを増やしたい企業、商品購入につなげたい企業もあります。
そのため、担当者の経験に頼りやすい仕事でもあります。
顧客ごとに仕事の進め方が変わる
顧客に合わせることを優先するあまり、企画、制作、確認、投稿、分析、報告まで、案件ごとに異なる方法になりやすくなります。
成功ノウハウが担当者に蓄積する
「どのような投稿が反応されたか」「どの導線が成果につながったか」という経験が担当者の中だけに残ると、他の社員が活用できません。
成果を判断する指標が統一されていない
顧客の目的に応じた指標が整理されていないと、担当者によって成果の捉え方が変わります。
結果として、改善方法にもばらつきが生まれやすくなります。
SNS運用の属人化で起こりやすい10の課題
1.顧客ごとに進め方が違う
案件ごとに業務フローが変わり、担当者しか分からない仕事が増えていきます。
2.投稿企画が担当者の経験頼みになる
企画の考え方が共有されていないため、経験のある社員に負担が集中します。
3.制作方法にばらつきが生まれる
文章、画像、動画などの制作基準が明確でないと、担当者によって品質が変わります。
4.確認や修正の工数が増える
顧客ごとに確認方法が異なると、細かなやり取りや修正が増えやすくなります。
5.成功事例を他の案件に活用できない
成果が出た理由が共有されず、似た案件でも一から考えることになります。
6.成果を判断する指標が曖昧になる
顧客ごとの目的と指標が整理されていないと、何を改善すべきか分かりにくくなります。
7.新人の育成に時間がかかる
仕事の進め方が担当者の頭の中にあるため、先輩社員が一つずつ教える必要があります。
8.案件増加とともに社員の負担が増える
受注を増やすほど作業量も増えるため、売上の増加がそのまま利益の増加につながらないことがあります。
9.担当者が休みにくくなる
顧客情報や判断基準が共有されていないと、他の社員が代わりに対応しにくくなります。
10.会社を拡大しにくくなる
特定の社員の能力に依存したままでは、採用してもすぐに同じ品質でサービスを提供することが難しくなります。
SNS運用の属人化を減らす10の取り組み
今回の支援では、顧客ごとの柔軟性を残しながら、共通化できる仕事を整理していきました。
1.SNS運用の業務フローを見える化する
契約、ヒアリング、企画、制作、確認、投稿、分析、改善、報告までの流れを整理します。
2.共通業務と個別業務を分ける
すべてを標準化するのではなく、全顧客に共通する部分と個別対応が必要な部分を分けます。
3.ヒアリング項目をテンプレート化する
顧客の目的、商品、ターゲット、強みなど、運用開始時に確認する項目を整理します。
4.企画方法を標準化する
投稿テーマや企画を考える際の基本的な手順を共有します。
5.制作工程をテンプレート化する
投稿制作から確認・修正までの流れを整理し、不要なやり直しを減らします。
6.顧客ごとの指標を明確にする
認知、反応、問い合わせなど、顧客が目指す成果に合わせて確認する指標を設定します。
7.SNSから成果までの導線を整理する
投稿を見るだけで終わらせず、問い合わせや購入など、顧客が求める成果につながる流れを考えます。
8.成功事例を社内で共有する
成果の出た投稿や施策について、「なぜ成果につながったのか」まで共有します。
9.業務改善を社員の目標にする
標準化やテンプレート作成などを社員の具体的な目標として設定します。
10.目標の達成度を人事評価と賞与につなげる
会社の課題解決に取り組んだ社員を評価し、その達成度を賞与にも反映できる仕組みをつくります。
「顧客ごとの個別対応」と「標準化」を両立させる
SNS運用を標準化すると、
「どの会社にも同じ投稿をするのでは?」
「顧客に合わせた提案ができなくなるのでは?」
と思われるかもしれません。
しかし、目指すのはサービスを画一化することではありません。
例えば、
ヒアリング方法
企画までの手順
制作工程
確認方法
分析方法
報告方法
などは共通化できます。
一方、
顧客の強み
ターゲット
発信テーマ
表現方法
成果につなげる導線
などは、顧客に合わせて考えます。
つまり、
共通業務を標準化する
↓
社員の作業負担を減らす
↓
顧客ごとに考えるべき部分へ時間を使う
↓
成果を分析する
↓
成功した方法を社内で共有する
↓
次の案件に活かす
という循環をつくります。
標準化は「考えないための仕組み」ではなく、「本当に考えるべき仕事に時間を使うための仕組み」です。
会社の課題を社員目標と人事評価につなげる
業務を標準化するために、
「もっと情報共有してください」
「マニュアルを作ってください」
と社員へ伝えるだけでは、なかなか進まないことがあります。
日々の顧客対応が優先されるからです。
そこで今回の取り組みでは、
会社の経営課題
↓
社員の具体的な目標
↓
日々の行動
↓
達成度の確認
↓
人事評価
↓
賞与への反映
という流れをつくりました。
例えば、
「SNS運用業務の標準化を進める」
という会社の課題を、
「運用工程をテンプレート化する」
「顧客ごとの指標を明確にする」
「成果につながる導線を整理する」
「成功事例を社内で共有する」
といった社員の具体的な目標に変えます。
そして、その達成度を評価します。
これにより、社員にとっても、
「会社が何を改善したいのか」
「自分は何をすれば評価されるのか」
が分かりやすくなります。
会社の課題解決と社員の評価を同じ方向に向けることで、属人化の解消を継続的な取り組みにしやすくなります。
売上6,500万円・利益3,000万円増加につながった事例
今回の東京都・従業員28名の企業では、2025年6月12日から、SNS運用業務の標準化・テンプレート化を進めました。
さらに、成果を継続的に高めるため、顧客ごとの指標と成果につながる導線を整理することを社員の目標として設定しました。
その達成度を賞与に反映する人事評価の仕組みも取り入れました。
取り組みを進める中で、社員の間に「属人化は個人の問題ではなく、会社全体で解決する課題」という意識が高まり、会社が抱えていた課題の改善につながりました。
その結果として、
売上は6,500万円増加、
利益は3,000万円増加
につながりました。
もちろん、人事評価制度や業務の標準化だけで、すべての会社が同じ結果になるということではありません。
大切なのは、自社の利益を圧迫している業務や属人化している部分を見つけ、それを具体的な社員目標に変えていくことです。
この事例が参考になりやすい企業
SNS運用会社だけではありません。
営業方法が特定の社員に依存している
制作ノウハウが担当者に蓄積している
案件ごとに仕事の進め方が変わる
経験者に仕事が集中している
売上は伸びているのに利益が増えにくい
社長や管理職が現場対応から抜けられない
新人育成に時間がかかっている
こうした課題を抱えている企業にも応用できます。
営業・制作・技術・生産・顧客対応などのノウハウが属人化している企業であれば、全国・業種を問わず取り入れられる考え方です。
より具体的な解決方法についての無料セミナーを開催しています
業務の属人化や人事評価についてご相談いただけます
「案件が増えるほど社員が忙しくなる」
「優秀な社員に仕事が集中している」
「マニュアルを作っても、なかなか活用されない」
「会社の課題を社員自身が改善する組織にしたい」
「人事評価制度を会社の成長につなげたい」
このようなお悩みがありましたら、まず現在の業務や組織の状況を整理するところからご相談いただけます。
属人化を減らすために、すべての仕事をマニュアル化する必要はありません。
「何を標準化するのか」
「何を社員の判断に任せるのか」
「会社の課題をどのような社員目標にするのか」
を整理することが大切です。
SNS運用やWeb関連企業に限らず、営業・制作・生産などのノウハウが特定の社員に集中している企業にも対応しています。
全国・業種を問わずご相談いただけます。
ご相談はこちらからお送りいただけます。
よくあるご質問 FAQ
SNSの企画、制作、投稿、分析、改善などの進め方や判断基準が特定の担当者に集中し、その人がいなければ同じ品質で業務を進めにくい状態です。
業務の流れを整理し、ヒアリング、企画、制作、確認、分析、報告など、共通化できる工程をテンプレートやチェックリストにすることで、担当者への依存を減らしやすくなります。
すべてを同じにする必要はありません。共通業務を標準化し、顧客の強み、ターゲット、発信内容、成果につながる導線などは個別に設計することで、効率化と柔軟な対応を両立できます。
業務の標準化、テンプレート作成、成功事例の共有などを社員の具体的な目標に設定し、その達成度を評価することで、会社の課題解決を日常業務として進めやすくなります。
はい。営業、制作、生産、技術、顧客対応などのノウハウが特定の社員に集中している企業であれば、業種を問わず応用できる考え方です。
この記事を書いた人

土山 誠
経営アドバイザー合同会社 代表
ブランディング戦略立案の仕事は、企業ごとに課題や方向性が異なるため、高度な提案力や企画力が求められます。
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