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酒類卸会社の社員の属人化の解決方法

「取引先ごとに営業のやり方が違う」

「得意先のことを担当営業しか分からない」

「注文方法や納品条件が取引先ごとに違い、確認に時間がかかる」

「営業担当が休むと、お客様対応が止まってしまう」

「売上は増えているのに、営業や配送の負担も増えている」

飲食店向けの酒類卸や食品卸などでは、このようなお悩みが起こることがあります。

今回ご紹介するのは、神奈川県で飲食店向けの酒類卸を中心に、オンラインショップや定期購入などの直販事業も展開する従業員28名の企業です。

長年築いてきた飲食店との取引基盤が大きな強みである一方、営業方法、注文方法、配送条件などが取引先ごとに異なり、担当社員の経験や記憶に業務が依存しやすい状態になっていました。

そこで、営業から受注、在庫確認、配送までの流れを整理し、誰が担当しても一定の対応ができる仕組みづくりを社員一人ひとりの目標に設定。その達成度を人事評価と賞与へ反映しました。

その結果、社員の属人化解消に対する意識が高まり、会社の課題改善が進み、売上6,800万円、利益3,200万円の増加につながりました。

神奈川県で飲食店向けの酒類卸を行い、オンラインショップや定期購入などの直販チャネルも展開する従業員28名の企業です。

長年の取引によって築かれた飲食店との関係や、顧客ごとの細かな要望に対応できることが大きな強みでした。

一方で、長い取引関係があるからこそ、

・この店舗はこの曜日に注文する
・この取引先にはこの商品を提案する
・この顧客にはこの配送条件がある

といった情報が担当営業の頭の中に蓄積されやすくなっていました。

具体的には、

・営業方法が担当者によって異なる
・得意先情報が担当営業に集中している
・受注方法が取引先ごとに異なる
・商品提案のノウハウが共有されていない
・在庫確認や発注判断が担当者任せになる
・配送条件や注意事項が個人の記憶に依存している
・担当者が休むと他の社員が対応しにくい
・新人営業が顧客を担当できるまで時間がかかる
・営業件数が増えるほど事務や配送の負担も増える
・売上を伸ばしても業務効率や利益率が安定しにくい

という課題がありました。

そこで、「営業力の高い社員を増やす」だけではなく、「成果を出している社員の営業方法や顧客対応を会社全体で共有できる仕組みに変えること」を重要な経営課題としました。

卸売業では、同じ商品を販売していても、取引先によって求められる対応が大きく異なります。

例えば、

・注文する曜日
・注文方法
・配送時間
・取扱商品
・価格条件
・支払い条件
・季節ごとの需要
・新商品の提案方法

などです。

経験豊富な営業社員ほど、

「この飲食店なら、この時期にこの商品が動く」

「このお客様には、この提案をすると喜ばれる」

「この店舗は金曜日の注文が多い」

といった情報を自然に覚えています。

これは会社にとって非常に価値のある財産です。

しかし、その情報が担当者の頭の中だけに残っていると、

「このお客様は○○さんしか分からない」

という状態になります。

属人化を解消する目的は、お客様との人間関係をなくすことではありません。

担当者が築いた素晴らしい顧客関係や営業ノウハウを、会社全体でも支えられる仕組みにすることです。

酒類卸や卸売会社で属人化が進むと、次のような問題が起こりやすくなります。

1.売上が一部の営業担当者に集中する
2.顧客情報を担当者しか把握していない
3.担当者によって商品提案の質に差が出る
4.注文方法や配送条件が十分に共有されない
5.営業担当者が休むと他の社員が対応しにくい
6.新人営業が顧客を担当できるまで時間がかかる
7.在庫確認や発注判断に時間がかかる
8.営業と受注・配送の連携に手戻りが生じる
9.取引先が増えるほど業務負担も増える
10.売上を増やしても利益率が安定しにくい

特に注意したいのは、

「ベテラン営業が頑張ってくれているから、今は問題ない」

という状態です。

現在は順調でも、その社員の退職や長期休暇、取引先の急増などをきっかけに、これまで見えていなかった属人化が一気に表面化することがあります。

すべての取引先へ同じ対応をする必要はありません。

共通する業務を標準化し、顧客ごとの特別対応だけを明確にすることがポイントです。

担当者、注文方法、配送条件、取扱商品などを組織で確認できるようにします。

訪問、ヒアリング、商品提案、フォローなどの基本的な流れを整理します。

どの業態に、どの商品が、どのような理由で売れたのかを蓄積します。

電話、メール、オンラインなど受注経路ごとの処理方法を明確にします。

商品、数量、納期、配送先などの確認漏れを防ぎます。

欠品や過剰在庫を減らすため、確認方法や発注判断を整理します。

時間指定、納品場所、注意事項などを担当者以外でも確認できるようにします。

商品知識、顧客対応、営業方法を段階的に学べるようにします。

成功した提案やトラブル事例を共有し、次の対応へ活かします。

ノウハウ共有、後輩育成、業務改善などを正式な評価対象にします。

営業の属人化というと、

「顧客との関係を会社で管理するのは冷たいのではないか」

と感じる場合があります。

しかし、目的は担当営業とお客様との関係を弱くすることではありません。

むしろ、

担当者の営業力

会社の情報共有

受注・配送の仕組み

を組み合わせることで、お客様への対応品質を高めることができます。

例えば、

顧客への訪問

ニーズ確認

商品提案

注文

受注処理

在庫確認

配送手配

納品

次回フォロー

という流れを整理します。

この中で、

「誰にしかできない仕事なのか」

「会社全体で共有できる仕事なのか」

を分けていきます。

担当者しか分からない業務を減らすことで、営業社員自身も顧客との関係づくりや新規営業など、より価値の高い仕事へ時間を使いやすくなります。

今回の企業では、飲食店向けの卸売だけでなく、オンラインショップや定期購入などの直販チャネルも持っていました。

これは売上の安定化を考えるうえで大切なポイントです。

飲食店向けの卸売は、取引先の繁忙期や景気などの影響を受ける場合があります。

そこで、

・既存飲食店への継続提案
・休眠顧客への再提案
・新規飲食店の開拓
・オンライン販売
・定期購入
・季節商品の提案

など、複数の売上経路を持つことで、一つの顧客層だけに依存し過ぎない体制をつくりやすくなります。

大切なのは、販売チャネルを増やすだけではありません。

「どこから売上が生まれているのか」

「どの顧客が継続購入しているのか」

「どの商品が利益につながっているのか」

まで確認し、成果の高い営業方法を会社の仕組みへ変えていくことです。

経営者が、

「顧客情報を共有してください」

「営業ノウハウを教えてください」

「受注業務を効率化してください」

と伝えるだけでは、目の前の営業や配送が忙しいほど改善活動は後回しになります。

そこで、会社が解決したい課題を社員一人ひとりの正式な目標へ落とし込みます。

例えば、

・顧客情報を共有する
・営業方法を標準化する
・成功した商品提案を共有する
・受注処理を効率化する
・在庫確認の時間を短縮する
・配送ミスを減らす
・新人営業を育成する
・他の社員でも対応できる顧客を増やす
・新しい販売チャネルを改善する
・会社全体の利益につながる改善を行う

といった目標です。

そして、その達成度を人事評価で確認し、賞与へ反映します。

「自分だけが売れる営業社員」だけではなく、

「自分の成功方法を他の社員へ共有した社員」

「会社全体の業務を効率よくした社員」

も評価する考え方です。

今回の企業では、営業活動、受注処理、在庫確認、配送までの流れを整理し、担当者個人に依存していた業務を少しずつ会社の仕組みへ変えていきました。

さらに、営業の成功事例や顧客対応方法を共有し、担当者が変わっても一定品質で対応できる体制づくりを進めました。

こうした会社の課題解決を社員一人ひとりの目標へ設定し、その達成度を人事評価と賞与へ反映しました。

その結果、社員の属人化解消に対する意識が高まり、会社の課題改善が進み、

・売上6,800万円増加
・利益3,200万円増加

につながりました。

重要なのは、

「もっと営業してください」

「もっと商品を売ってください」

と求めただけではないことです。

「どうすれば優秀な営業社員の方法を他の社員も使えるか」

「どうすれば取引先が増えても受注・配送業務が混乱しないか」

「どうすれば売上増加と利益増加を同時に実現できるか」

という会社の経営課題そのものを社員の目標にしたことがポイントです。

今回の考え方は、酒類卸会社だけに限定されるものではありません。

食品卸、専門商社、建材卸、機械工具商社、部品商社、食品メーカー、営業会社、物流会社などにも応用できます。

特に、

「得意先を担当営業しか分からない」

「営業担当によって売上に大きな差がある」

「受注方法が顧客ごとにバラバラ」

「社員を増やしても仕事が楽にならない」

「売上は増えているが利益が伸びにくい」

という企業では、営業や受注業務の属人化が成長を妨げていないか確認することが大切です。

人事評価制度は、営業社員の売上だけを見るための制度ではありません。

会社が今解決したい課題を社員一人ひとりの目標へ落とし込み、その改善行動を評価することで、属人化解消、営業力向上、人材育成、受注・配送の効率化、顧客対応力向上、利益改善を同じ方向へつなげることができます。

「得意先を担当営業しか把握していない」

「営業方法を会社の財産として残したい」

「受注や配送業務をもっと効率化したい」

「新人営業を早く育成したい」

「人事評価制度を会社の業績向上につなげたい」

このようなお悩みがございましたら、まず「どの顧客情報や業務が誰に集中しているのか」「どの部分を標準化できるのか」を整理するところから、丁寧にお手伝いいたします。

全国の企業に対応しております。

ご相談はこちらからお送りいただけます。

Q
卸売会社で営業の属人化が起こる原因は何ですか?
A

取引先ごとに注文方法、商品、価格条件、配送条件などが異なり、その情報が担当営業個人へ蓄積されやすいためです。顧客情報と営業ノウハウを会社で共有できる形にすることが重要です。

Q
取引先ごとに対応方法が違っても業務を標準化できますか?
A

できます。すべてのお客様へ同じ対応をするのではなく、受注、在庫確認、配送手配、顧客フォローなど共通する工程を標準化し、顧客固有の条件だけを個別情報として管理します。

Q
営業の属人化を解消すると顧客との関係が弱くなりませんか?
A

必ずしも弱くなりません。担当営業とお客様との関係を大切にしながら、会社側でも必要な顧客情報を共有することで、担当者不在時にも安心して対応できる体制をつくれます。

Q
人事評価制度で営業ノウハウの共有を進められますか?
A

成功事例の共有、顧客情報の整備、後輩育成、営業プロセスの標準化、受注業務の改善などを正式な目標に設定し、その達成度を評価・賞与へ反映することで継続しやすくなります。

Q
卸売業で売上と利益を同時に伸ばすには何が重要ですか?
A

販売量を増やすだけでなく、営業・受注・在庫・配送の各工程で無駄な時間や手戻りを減らすことが重要です。売上を生み出す営業の仕組みと、利益を残す業務の仕組みを同時に整えることがポイントです。

土山 誠
経営アドバイザー合同会社 代表

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