
AI開発・業務自動化・データ活用支援のプロジェクトを標準化し、人事評価と連動。売上4,500万円・利益2,200万円増加につながった事例
ブランディング戦略立案の仕事は、企業ごとに課題や方向性が異なるため、高度な提案力や企画力が求められます。
開発会社の属人化を解消し、案件が増えても利益を残せる組織づくり
「案件ごとに毎回違う開発をしている」
「仕事のできる技術者へ案件が集中している」
「過去に似た案件をやっているのに、またゼロから作っている」
「受注は増えているのに、開発する人が足りない」
「売上が伸びても思ったほど利益が残らない」
企業や自治体向けにシステム開発や業務改善支援を行う会社では、このようなお悩みが起こることがあります。
今回ご紹介するのは、東京都で業務自動化やデータ活用を求める企業・自治体に対して、AI開発やコンサルティングを行う従業員18名の企業です。
高い専門性を活かして顧客ごとの課題へ柔軟に対応できる一方、受託型のプロジェクトが多いため、案件ごとに要件や成果物が異なり、担当者の経験や技術に業務が依存しやすい状態になっていました。
そこで、開発プロセスの標準化、成果物のテンプレート化、過去案件のノウハウ共有などを社員一人ひとりの目標へ設定し、その達成度を人事評価と賞与へ反映しました。
その結果、社員の属人化解消に対する意識が高まり、会社の課題改善が進み、売上4,500万円、利益2,200万円の増加につながりました。
お客様が抱えていた課題
東京都で、企業や自治体の業務自動化、データ活用などを支援する従業員18名の企業です。
お客様ごとの課題に合わせたAI開発やコンサルティングを提供できる高い専門性が強みでした。
一方で、案件ごとの個別対応が多いため、プロジェクトの進め方や開発ノウハウが担当者個人へ蓄積されやすくなっていました。
具体的には、
・案件ごとに要件や成果物が大きく異なる
・開発方法が担当技術者に依存する
・過去案件のノウハウを十分に再利用できていない
・似たような成果物を毎回ゼロから作成している
・案件ごとに必要な工数が大きく変わる
・仕事のできる社員へ案件が集中する
・新人が案件を担当できるまで時間がかかる
・案件が増えると開発リソースが不足する
・受注機会があっても対応できず機会損失が生じる
・売上が増えても利益率が安定しにくい
という課題がありました。
さらに、安定した受注経路を増やしながら、案件数が増えても無理なく対応できる組織をつくる必要がありました。
そこで、「優秀な技術者を増やす」だけではなく、「優秀な技術者が持つ知識や過去案件の成果を、会社全体で再利用できる仕組みに変えること」を重要な経営課題としました。
開発会社で属人化が起こりやすい理由
AI開発や業務自動化の支援では、お客様によって課題や既存システム、保有データ、業務フローなどが異なります。
そのため経験豊富な技術者ほど、
「この課題なら、この方法が使える」
「以前の案件で作った仕組みを応用できる」
「ここは最初に確認しないと後で手戻りになる」
といった判断を自然に行っています。
これは会社にとって非常に価値のある財産です。
しかし、その知識が本人の頭の中だけに残っていると、
「この案件は○○さんしか分からない」
「この開発は△△さんにしか任せられない」
という状態になります。
属人化を解消する目的は、技術者の専門性をなくすことではありません。
経験豊富な技術者が持つ優れた知識を、他の社員も活用できる「会社の技術資産」へ変えることです。
開発業務の属人化で起こりやすい10の課題
属人化が進むと、次のような問題が起こりやすくなります。
1.特定の技術者へ重要案件が集中する
2.案件ごとに開発方法が異なる
3.似た成果物を毎回ゼロから作る
4.過去案件の知識が再利用されない
5.担当者によって必要工数に差が出る
6.新人技術者の育成に時間がかかる
7.担当者が退職するとノウハウまで失われる
8.案件増加に人員が追いつかなくなる
9.受注できる案件を断らなければならなくなる
10.売上が伸びても利益率が安定しない
特に注意したいのは、
「優秀な技術者が頑張ってくれているので、今は仕事が回っている」
という状態です。
現在は問題なくても、案件が急増したときや、重要な技術者が退職したときに、属人化が一気に会社の成長を止める原因になることがあります。
開発業務の属人化を解消する10の取り組み
すべての案件を同じように開発する必要はありません。
共通化できる部分と、お客様ごとに個別対応する部分を分けることがポイントです。
1.初回ヒアリングを標準化する
目的、現状業務、データ、必要機能、成果目標など、最初に確認する内容を整理します。
2.要件整理の方法を統一する
担当者によって抜け漏れが出ないよう、確認項目を共有します。
3.開発工程を見える化する
相談、要件整理、設計、開発、テスト、導入までの基本的な流れを整理します。
4.成果物をテンプレート化する
提案書、設計資料、報告書など、共通化できるものを基本形として整えます。
5.過去案件を再利用できるようにする
類似案件の設計、プログラム、資料などを検索・利用できる形で蓄積します。
6.技術判断の理由を残す
「何をしたか」だけでなく、「なぜその方法を選んだか」も共有します。
7.案件終了後に振り返る
予定工数、実際の工数、問題点、成果などを整理します。
8.新人でも担当できる工程を増やす
一つの案件を細分化し、経験の浅い社員でも任せられる仕事を増やします。
9.成功事例を営業でも活用する
過去の成功案件を提案材料として整理し、営業の再現性も高めます。
10.属人化解消を人事評価の目標にする
標準化、資料作成、後輩育成、工数削減などを正式な評価対象にします。
毎回ゼロから開発する仕事を減らす
受託開発会社では、
「お客様ごとに要望が違うので、標準化は難しい」
と思われることがあります。
しかし、すべてを標準化する必要はありません。
例えば、
相談
↓
現状確認
↓
課題整理
↓
要件定義
↓
提案
↓
設計
↓
開発
↓
テスト
↓
導入
↓
成果確認
↓
振り返り
という基本的なプロセスは共有できます。
さらに、過去の案件から、
・よく使う機能
・共通する処理
・設計方法
・提案資料
・確認項目
・テスト方法
・報告書
などを再利用できれば、毎回ゼロから作る仕事を減らせます。
つまり、
「すべてをオーダーメイドにする」
のではなく、
「基本形+顧客ごとの個別対応」
へ変えていく考え方です。
案件を経験するたびに会社全体へノウハウが蓄積されれば、案件数が増えても工数が同じ割合で増える状態から抜け出しやすくなります。
人事評価で属人化解消を社員の目標にする
経営者が、
「ノウハウを共有してください」
「過去案件を再利用してください」
「新人を育ててください」
と伝えるだけでは、納期のある開発業務が優先され、改善活動は後回しになりがちです。
そこで、会社が解決したい課題そのものを社員一人ひとりの目標へ落とし込みます。
例えば、
・開発プロセスを標準化する
・成果物をテンプレート化する
・過去案件のノウハウを整理する
・再利用できる開発資産を増やす
・案件の工数を削減する
・新人でも担当できる工程を増やす
・後輩技術者を育成する
・成功事例を営業へ共有する
・プロジェクトの利益率を改善する
・会社全体の生産性を高める
といった目標です。
そして、その達成度を人事評価で確認し、賞与へ反映します。
「自分一人で難しい開発ができる社員」だけではなく、
「自分の技術や成功方法を、他の社員も使える仕組みにした社員」
を評価する考え方です。
売上4,500万円・利益2,200万円増加につながった取り組み
今回の企業では、プロジェクトごとに異なっていた開発プロセスを整理し、共通部分の標準化を進めました。
さらに、成果物のテンプレート化や過去案件のノウハウ共有などを進め、「案件を経験するほど会社へ知識が蓄積される状態」を目指しました。
こうした改善活動を社員一人ひとりの目標へ設定し、その達成度を人事評価と賞与へ反映しました。
その結果、社員の属人化解消に対する意識が高まり、会社の課題改善が進み、
・売上4,500万円増加
・利益2,200万円増加
につながりました。
重要なのは、
「もっと案件をこなしてください」
「もっと開発してください」
と求めただけではないことです。
「どうすれば同じ仕事を毎回ゼロから作らなくて済むか」
「どうすれば過去の知識を別の社員も利用できるか」
「どうすれば案件が増えても工数を増やし過ぎずに対応できるか」
という会社の課題そのものを、社員が改善する仕組みにしたことがポイントです。
この仕組みは開発会社以外にも活用できます
今回の考え方は、AI開発会社だけに限定されるものではありません。
システム開発会社、ITコンサルティング会社、Web制作会社、映像制作会社、設計会社、コンサルティング会社、広告会社、各種専門サービス会社などにも応用できます。
特に、
「仕事のできる社員ばかり忙しい」
「案件ごとに毎回ゼロから考えている」
「過去案件のノウハウが共有されていない」
「案件をもっと取りたいが人手が足りない」
「社員を増やしても利益が思ったほど伸びない」
という企業では、属人化が会社の成長を妨げていないか確認することが大切です。
ご相談について
人事評価制度は、社員の売上や案件数だけを見るための制度ではありません。
会社が今解決したい課題を社員一人ひとりの目標へ落とし込み、その改善行動を評価することで、属人化解消、技術共有、人材育成、工数削減、受注対応力向上、利益改善を同じ方向へつなげることができます。
「優秀な技術者に仕事が集中している」
「過去案件の成果をもっと再利用したい」
「案件を増やしたいが人手が足りない」
「新人技術者を早く育成したい」
「人事評価制度を会社の業績向上につなげたい」
このようなお悩みがございましたら、まず「どの業務や技術が誰に集中しているのか」「何を標準化・再利用できるのか」を整理するところから、丁寧にお手伝いいたします。
全国の企業に対応しております。
ご相談はこちらからお送りいただけます。
よくあるご質問 FAQ
案件ごとに要件や成果物が異なるため、設計や開発の判断が経験豊富な技術者へ集中しやすいことが主な原因です。開発工程、判断基準、過去案件のノウハウを共有できる形にすることが重要です。
できます。開発内容そのものをすべて同じにするのではなく、ヒアリング、要件整理、設計、開発、テスト、導入、振り返りなど共通する工程を標準化します。
提案書、設計資料、報告書、テスト項目などを基本形として整えることで、毎回ゼロから作る時間を減らし、品質のばらつきや確認漏れを抑えやすくなります。
技術資料の作成、過去案件の整理、後輩育成、開発プロセスの標準化、工数削減などを正式な目標に設定し、その達成度を評価・賞与へ反映することで、ノウハウ共有を継続しやすくなります。
役立ちます。案件数を増やす前に、特定社員へ集中している業務、再利用できる成果物、標準化できる工程を整理することで、同じ人数でもより多くの案件へ対応しやすい組織づくりにつながります。
この記事を書いた人

土山 誠
経営アドバイザー合同会社 代表
ブランディング戦略立案の仕事は、企業ごとに課題や方向性が異なるため、高度な提案力や企画力が求められます。
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