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システム開発会社の社員の属人化の解決方法

「同じような案件でも、担当者によって工数が大きく違う」

「見積りを作れる社員が限られている」

「ベテラン技術者に重要案件が集中している」

「営業担当者によって受注率に差がある」

「案件は増えているのに利益率が安定しない」

受託型のシステム開発会社では、このようなお悩みが起こることがあります。

今回ご紹介するのは、大阪府で物流搬送や半導体工場向けの制御系ソフトウェア、非破壊検査システムなどを受託開発する従業員27名の企業です。

高い技術力が強みである一方、案件ごとの個別対応が多く、提案、見積り、設計、開発、導入までの進め方が担当技術者の経験に依存しやすい状態になっていました。

その結果、似た案件でも必要工数や利益率に差が生じ、営業面でも商談から受注までの進め方が担当者ごとに異なっていました。

そこで、提案・見積り・開発などの主要プロセスを標準化し、過去の技術や成功事例を再利用できる仕組みづくりを社員一人ひとりの目標に設定。その達成度を人事評価と賞与へ反映しました。

その結果、社員の属人化解消に対する意識が高まり、会社の課題改善が進み、売上7,000万円、利益3,600万円の増加につながりました。

大阪府で物流搬送設備や半導体工場向けの制御系ソフトウェア、非破壊検査システムなどを開発する従業員27名の企業です。

お客様ごとの設備や仕様に合わせた高度な開発を行えることが大きな強みでした。

一方で、個別案件が多いため、開発や提案のノウハウが担当技術者個人に蓄積されやすくなっていました。

具体的には、

・案件ごとに開発方法が異なる
・見積り精度が担当者によって違う
・ベテラン技術者へ案件が集中する
・過去の開発ノウハウが十分に共有されていない
・同じような案件でも必要工数が大きく違う
・仕様変更への対応方法が担当者任せになっている
・新人技術者が案件を担当できるまで時間がかかる
・営業担当者によって提案内容に差が出る
・商談から受注までの成約率が安定しない
・売上が増えても案件ごとの利益率が安定しない

という課題がありました。

そこで、「優秀な技術者を増やす」だけではなく、「優秀な技術者が持つ知識や経験を、会社全体で再利用できる仕組みに変えること」を重要な経営課題としました。

制御系ソフトウェアや検査システムの開発では、お客様ごとに設備環境、制御対象、仕様、安全基準などが異なります。

そのため、経験豊富な技術者ほど、

「この仕様ならこの設計がよい」

「この機器ならこの点に注意したほうがよい」

「この工程は後で変更になる可能性が高い」

といった判断を短時間で行えるようになります。

これは会社にとって非常に大切な財産です。

しかし、その判断方法が本人の経験や頭の中だけに残ると、

「この案件は○○さんでないと分からない」

「見積りは△△さんにしか出せない」

という状態が生まれます。

属人化を解消するとは、高度な技術を単純な作業へ変えることではありません。

過去案件から再利用できる設計、工程、判断基準、注意点などを整理し、技術者個人の経験を会社の技術資産へ変えることです。

属人化が進むと、次のような問題が起こりやすくなります。

1.特定の技術者に重要案件が集中する
2.担当者によって見積り工数に差が出る
3.同じようなシステムを毎回ゼロから開発する
4.過去案件の設計やプログラムが再利用されない
5.担当者によって品質や納期に差が出る
6.新人技術者の育成に時間がかかる
7.担当者が退職するとノウハウまで失われる
8.営業担当者によって提案・成約率に差が出る
9.案件数が増えるほどベテラン社員が忙しくなる
10.売上が増えても利益率が安定しない

特に注意したいのは、

「技術力の高い社員が頑張っているので、今は問題なく仕事が回っている」

という状態です。

現在は問題がなくても、受注増加や社員の退職をきっかけに、属人化が事業成長の大きな壁になることがあります。

受託開発では、すべての案件を同じにする必要はありません。

共通化できる部分を整理し、個別開発が必要な部分と分けることが重要です。

設備、仕様、目的、納期、予算など、初期段階で必ず確認する内容を整理します。

課題、解決方法、開発範囲、スケジュールなど、提案書の基本形を整えます。

工程別の標準工数や過去案件を参考にし、担当者による差を減らします。

要件確認、設計、開発、テスト、導入までを工程として整理します。

過去に作成したプログラム、設計資料、部品などを再利用できる形にします。

不具合、仕様変更、トラブルなどを記録し、次の案件へ活かします。

予定工数と実際の工数、利益、問題点を確認します。

ベテランしかできない仕事を細分化し、若手へ段階的に移します。

商談時の情報を開発担当へ正確に伝えられる仕組みを整えます。

技術共有、後輩育成、標準化、工数削減などを正式な評価対象にします。

受託開発会社では、

「お客様ごとに仕様が違うので標準化できない」

と考えられがちです。

しかし、案件そのものが異なっても、すべての工程が毎回違うわけではありません。

例えば、

顧客ヒアリング

要求整理

提案

見積り

要件定義

設計

開発

テスト

導入

検収

振り返り

という基本的な流れは共通化できます。

さらに、過去の案件から、

・共通する制御部分
・よく使用する機能
・標準的な画面
・検査ロジック
・通信処理
・テスト項目

などを再利用できれば、毎回ゼロから開発する必要が減ります。

「完全なオーダーメイド」から、

「再利用できる基本部分+お客様ごとのカスタマイズ」

へ変えることで、工数削減と利益率改善を目指しやすくなります。

技術力の高いシステム会社でも、良い技術を持っているだけで安定して受注できるとは限りません。

営業段階では、

顧客の相談

課題確認

技術的な実現可能性の確認

解決方法の提案

見積り

技術説明

条件調整

受注

という流れがあります。

この進め方が営業担当者個人に依存すると、担当者によって成約率に差が出ます。

そこで、

・最初に何を聞くのか
・どの段階で技術者を同席させるのか
・どのように過去実績を提示するのか
・どのように費用を説明するのか
・失注した理由をどう記録するのか

を整理します。

優秀な営業担当者の「売り方」と、優秀な技術者の「説明方法」を会社の仕組みとして残すことで、受注の再現性を高めやすくなります。

経営者が、

「ノウハウを共有してください」

「後輩を育ててください」

「開発を効率化してください」

と伝えるだけでは、目の前の納期が優先され、改善活動は後回しになりがちです。

そこで、会社が解決したい課題を社員一人ひとりの正式な目標へ落とし込みます。

例えば、

・開発工程を標準化する
・過去の設計やプログラムを再利用できるようにする
・見積り精度を高める
・標準工数を整備する
・技術ノウハウを文書化する
・新人技術者を育成する
・他の社員でも担当できる工程を増やす
・開発時間を削減する
・営業へ技術情報を共有する
・案件の利益率を改善する

といった目標です。

そして、その達成度を人事評価で確認し、賞与へ反映します。

「難しい案件を自分一人で解決できる社員」だけではなく、

「自分の技術を他の社員も活用できる仕組みにした社員」

を評価する考え方です。

今回の企業では、提案、見積り、開発といった主要プロセスを整理し、個人の経験に依存していた仕事を会社として再現できる仕組みへ変えていきました。

さらに、過去案件から再利用可能な技術やノウハウを整理し、営業から受注までの進め方についても標準化を進めました。

こうした会社の課題解決を社員一人ひとりの目標へ落とし込み、その達成度を人事評価と賞与へ反映しました。

その結果、社員の属人化解消に対する意識が高まり、会社の課題改善が進み、

・売上7,000万円増加
・利益3,600万円増加

につながりました。

重要なのは、

「もっと開発してください」

「もっと案件を取ってください」

だけを求めたのではないことです。

「どうすれば同じような開発を毎回ゼロから作らずに済むか」

「どうすれば見積りの精度を高められるか」

「どうすればベテラン技術者のノウハウを若手へ移せるか」

「どうすれば営業担当者が変わっても安定して受注できるか」

という会社の経営課題そのものを、社員が改善する仕組みにしたことです。

今回の考え方は、制御系ソフトウェア会社だけに限定されるものではありません。

システム開発会社、ソフトウェア会社、機械設計会社、電気設計会社、設備メーカー、FA関連企業、検査装置メーカー、製造業、IT企業などにも応用できます。

特に、

「技術がベテラン社員に集中している」

「見積りができる社員が限られている」

「同じような案件でも毎回ゼロから設計している」

「新人技術者が育つまで時間がかかる」

「案件は増えるが利益率が安定しない」

という企業では、属人化が会社の成長を妨げていないか確認することが大切です。

人事評価制度は、社員の売上や作業量だけを見るための制度ではありません。

会社が今解決したい課題を社員一人ひとりの目標へ落とし込み、その改善行動を評価することで、属人化解消、技術継承、人材育成、開発効率化、営業力向上、利益改善を同じ方向へつなげることができます。

「ベテラン技術者に案件が集中している」

「見積りや設計が特定社員にしかできない」

「過去の技術をもっと再利用したい」

「案件を増やしても利益が残る会社にしたい」

「人事評価制度を会社の業績向上につなげたい」

このようなお悩みがございましたら、まず「どの技術や業務が誰に集中しているのか」「どこまで標準化・再利用できるのか」を整理するところから、丁寧にお手伝いいたします。

全国の企業に対応しております。

ご相談はこちらからお送りいただけます。

Q
システム開発会社で属人化が起こる原因は何ですか?
A

案件ごとに仕様が異なり、設計や開発の判断が経験豊富な技術者へ集中しやすいためです。過去案件の設計、判断基準、注意点、プログラムなどを共有できる形にすることが重要です。

Q
受託開発でも業務を標準化できますか?
A

できます。すべてのシステムを同じにするのではなく、ヒアリング、見積り、要件定義、設計、テスト、導入など共通する工程を標準化します。そのうえで案件固有の部分を個別設計します。

Q
過去案件の技術を再利用すると品質向上にもつながりますか?
A

再利用できる設計やプログラムを整理することで、開発時間を減らすだけでなく、過去に検証された技術を活用しやすくなります。結果として品質や納期の安定にもつなげやすくなります。

Q
人事評価制度で技術継承を進められますか?
A

技術資料の作成、後輩育成、標準化、再利用可能な部品の整備、開発時間短縮などを正式な目標に設定し、達成度を評価・賞与へ反映することで、技術共有を継続しやすくなります。

Q
営業の属人化にも同じ仕組みを活用できますか?
A

活用できます。ヒアリング方法、提案手順、技術説明、成功事例、見積り、フォローなどを整理することで、営業担当者個人の経験だけに頼らない受注体制をつくりやすくなります。

土山 誠
経営アドバイザー合同会社 代表

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