
営業とサービス提供の進め方を社内で共有し、人事評価制度と
連動させて売上8,000万円・利益4,000万円増加を実現した事例
ブランディング戦略立案の仕事は、企業ごとに課題や方向性が異なるため、高度な提案力や企画力が求められます。
複数のサービスを扱いながら、安定して成果を生み出せる会社をつくる
東京都で人材紹介とWebアプリ開発を行う企業(従業員8名)では、複数のサービスを展開し、お客様の幅広い課題に対応していました。
一方で、サービスごとに営業方法や仕事の進め方が異なるため、担当者個人の経験や判断に頼る場面が多くなっていました。成果につながる営業方法やサービス提供の手順も十分に共有されておらず、担当者によって成約率や案件の収益性に差が生じていたのです。
そこで、サービスごとの営業と提供プロセスを整理し、社内で共有することを社員の目標に設定しました。
さらに、その達成度を賞与に反映する人事評価制度を導入した結果、社員の意識と行動が変わり、売上8,000万円、利益4,000万円の増加につながりました。
複数のサービスを扱う会社で起こりやすい課題
人材紹介、システム開発、Web制作、コンサルティングなど、複数のサービスを提供する会社では、お客様のさまざまな要望に対応できることが大きな強みになります。
しかし、サービスの種類が増えるほど、営業方法や受注後の進め方も複雑になります。
その結果、
・サービスごとに営業の進め方が異なる
・提案内容が担当者の経験に左右される
・成果を上げた方法が社内で共有されない
・担当者によって成約率に差が生じる
・案件ごとの利益率が安定しない
・一部の社員に仕事が集中する
・新人が仕事を覚えるまでに時間がかかる
といった課題が起こりやすくなります。
能力の高い社員が成果を出していても、その方法が会社の知識として残らなければ、担当者が変わったときに同じ成果を再現することができません。
営業とサービス提供の属人化が利益を圧迫する理由
営業や仕事の進め方が担当者任せになっている状態を、属人化と呼びます。
属人化した組織では、社員ごとに対応方法が異なるため、必要以上に時間がかかったり、やり直しが発生したりすることがあります。
また、お客様に対する提案内容や提供品質にも差が生まれやすくなります。
成約率が担当者によって変わる
見込み顧客への説明方法、課題の聞き方、提案の組み立て方が共有されていないと、営業担当者によって成約率に大きな差が生じます。
会社として優れたサービスを持っていても、その価値を分かりやすく伝えられなければ、受注の機会を逃してしまいます。
案件ごとの利益にばらつきが生じる
受注後の進め方が標準化されていない場合、作業時間や人員配置が担当者の判断に委ねられます。
その結果、売上は上がっていても人的コストが増え、利益が残らない案件が生まれやすくなります。
優秀な社員に業務が集中する
経験豊富な社員しか対応できない仕事が増えると、その社員に相談や確認が集中します。
優秀な社員が目の前の業務に追われ、新しいサービスの開発や後輩育成に時間を使えなくなることも、会社の成長を妨げる要因になります。
複数のサービスを成長につなげるために必要な仕組み
複数の事業を安定して成長させるためには、それぞれのサービスに合った営業方法と提供手順を整理し、組織全体で共有することが大切です。
すべてのサービスを同じ方法で扱う必要はありません。
サービスごとの違いを明確にしたうえで、
・どのようなお客様を対象とするのか
・どのような課題を聞き取るのか
・何をどの順番で提案するのか
・受注後にどのような手順で進めるのか
・どの段階で確認や改善を行うのか
・成功事例をどのように共有するのか
を整理します。
これにより、個人の経験に頼っていた仕事を、組織全体で再現できる仕組みへと変えられます。
取り組んだ改善内容
サービスごとの営業プロセスを整理する
まず、人材紹介とWebアプリ開発について、それぞれの営業活動を整理しました。
・見込み顧客との接点づくり
・初回相談で確認する内容
・お客様の課題を整理する方法
・提案内容の組み立て方
・見積もりや契約までの流れ
・受注後のフォロー方法
・失注した場合の振り返り
サービスによって営業方法は異なりますが、成果を出した社員の行動を言葉にして共有することで、他の社員も活用できるようにしました。
サービス提供の手順と判断基準を共有する
営業活動だけでなく、受注後の仕事の進め方についても整理しました。
・案件開始時に確認する項目
・お客様との役割分担
・進捗確認の方法
・社内で相談すべきタイミング
・品質を確認する基準
・問題が発生した場合の対応方法
・案件終了後の振り返り
これにより、担当者が変わっても、一定の品質でサービスを提供しやすくなりました。
成功事例と改善点を会社の財産として残す
良い成果が生まれたときに、担当者だけの経験で終わらせず、社内で共有する仕組みを整えました。
例えば、
・なぜ受注できたのか
・お客様は何を評価したのか
・どの提案が効果的だったのか
・予定より時間がかかった原因は何か
・次回は何を改善するのか
を振り返り、他の案件にも活用できる形で蓄積しました。
この積み重ねによって、個人の経験が会社全体の営業力とサービス提供力へ変わっていきます。
人事評価制度でノウハウ共有を継続させる
業務の手順やマニュアルを作っても、それだけで社員の行動が変わるとは限りません。
日々の仕事が忙しくなると、ノウハウの共有や業務改善は後回しになりやすいからです。
そこで、この企業では営業とサービス提供の共有を社員の目標として設定し、その達成度を賞与に反映する人事評価制度を導入しました。
評価の対象とした取り組み
人事評価では、売上や受注件数だけでなく、会社全体の成長につながる行動も評価しました。
・営業方法の共有
・成功事例の発表
・提案資料の改善
・サービス提供手順の整理
・業務上の問題点の発見
・改善案の提案と実行
・後輩への指導
・他部門への情報共有
社員が「自分の担当案件だけを成功させればよい」と考えるのではなく、「自分の経験を会社全体の成果につなげる」という意識を持てる仕組みを整えました。
達成度を賞与に反映する
設定した目標について、一定期間ごとに達成状況を確認し、その結果を賞与に反映しました。
会社が求める行動と評価の基準が明確になったことで、社員は何に取り組めばよいのかを理解しやすくなります。
その結果、ノウハウの共有や業務改善が一時的な活動ではなく、日常業務の一部として定着していきました。
取り組みによって生まれた変化
営業とサービス提供のプロセスを共有し、人事評価制度と連動させたことで、社員の意識と行動に変化が生まれました。
・営業方法を積極的に共有するようになった
・提案内容の質が高まった
・担当者による成約率の差が小さくなった
・受注後の業務が進めやすくなった
・サービス品質が安定した
・仕事のやり直しや無駄が減った
・社員同士で助け合う場面が増えた
・会社全体の営業力と提供力が向上した
その結果、
・売上8,000万円増加
・利益4,000万円増加
という成果につながりました。
単に売上を増やしただけではなく、営業活動とサービス提供の効率が高まり、利益を残しやすい組織へ変わったことが大きな成果です。
売上よりも利益の増加が重要な理由
会社の成長を考えるとき、売上だけを見るのではなく、どれだけ利益が残ったかを確認することが大切です。
受注件数が増えても、社員の残業や外注費、手戻りなどが増えれば、利益は十分に残りません。
今回の取り組みでは、営業方法の共有によって成約率を高めるだけでなく、受注後の仕事の進め方も整えました。
そのため、人的コストを抑えながらサービス品質を高めることができ、売上8,000万円の増加に対して、利益4,000万円の増加につながりました。
この取り組みが役立つ企業
今回の仕組みは、次のような課題を抱える企業に役立ちます。
・複数のサービスを提供している
・営業方法が担当者ごとに異なる
・受注率にばらつきがある
・仕事の進め方が社員によって違う
・優秀な社員に業務が集中している
・成功事例が社内で共有されていない
・売上は増えているのに利益が残らない
・新人育成に時間がかかる
・人事評価制度を業績向上につなげたい
人材紹介会社やWebアプリ開発会社だけでなく、システム開発会社、Web制作会社、広告会社、動画制作会社、コンサルティング会社、士業事務所、建設会社、製造業、医療・介護事業など、さまざまな業種で活用できます。
属人化をなくすことは、社員の個性をなくすことではない
仕事の標準化という言葉を聞くと、「社員の自由な発想が失われるのではないか」と心配される経営者の方もいらっしゃいます。
しかし、標準化の目的は、社員全員を同じ方法で働かせることではありません。
基本的な営業の流れや品質基準を共有することで、社員は毎回ゼロから考える必要がなくなります。余裕が生まれた分、お客様に合わせた提案や新しいアイデアに力を注げるようになります。
守るべき基本と、社員が工夫できる部分を分けることが、サービス品質と社員の主体性を両立させるポイントです。
会社の成長は、社員の経験を共有できる仕組みから始まる
優秀な社員が持つ営業力やサービス提供の知識は、会社にとって大切な財産です。
しかし、その経験が個人の中にとどまっているだけでは、会社全体の成長にはつながりません。
・サービスごとの営業方法を整理する
・仕事の進め方と品質基準を共有する
・成功事例と失敗事例を蓄積する
・ノウハウ共有や改善行動を評価する
・目標の達成度を賞与へ反映する
こうした取り組みによって、社員一人ひとりの経験を、会社全体の営業力とサービス提供力へ変えることができます。
「サービスが増え、社内の仕事の進め方が複雑になっている」
「営業やサービス提供が特定の社員に頼っている」
「売上を増やすだけでなく、利益が残る会社にしたい」
このようなお悩みがございましたら、現在の営業体制や人事評価制度を一緒に整理するところから、丁寧にお手伝いいたします。
FAQ
営業の属人化とは、顧客情報、提案方法、商談の進め方、成約につながるノウハウなどが特定の社員だけに蓄積されている状態です。その社員が不在になると営業活動が進まなかったり、他の社員が同じ成果を再現できなかったりする問題が起こります。
まず、サービスごとに対象となる顧客、相談時に確認する内容、提案の手順、契約までの流れを整理します。そのうえで、成果を上げている社員の行動や成功事例を共有し、他の社員も実践できる形にまとめることが重要です。
サービス提供の手順や品質基準を共有すると、担当者による品質の差や仕事のやり直しを減らせます。新人教育がしやすくなり、業務時間や人的コストの削減にもつながるため、利益を残しやすい会社づくりに役立ちます。
はい。営業方法の共有、成功事例の発表、業務改善、後輩育成などを評価項目に設定し、達成度を賞与へ反映することで、社員がノウハウ共有へ継続的に取り組みやすくなります。
適切な標準化であれば、社員の主体性を低下させるものではありません。基本的な手順や品質基準を共有したうえで、顧客に合わせた提案や業務改善について社員が工夫できる余地を残すことが大切です。
この記事を書いた人

土山 誠
経営アドバイザー合同会社 代表