
担当者の経験や人脈に頼る人材紹介を会社の仕組みに変える
候補者探しから面談・採用までの標準化と人事評価の連動で
売上5,000万円・利益2,500万円増加につながった事例
ブランディング戦略立案の仕事は、企業ごとに課題や方向性が異なるため、高度な提案力や企画力が求められます。
人材紹介会社の属人化を減らし、営業と採用支援の成果を安定させる組織づくり
人材紹介会社では、企業が求める人材を理解し、適切な候補者を見つけ、双方の希望を確認しながら採用まで支援する必要があります。
特に専門性の高い人材を扱う場合には、担当者の業界知識、候補者との関係、企業とのネットワーク、面談力などが大きな強みになります。
一方で、
「成果を出せる担当者が限られている」
「優秀な担当者ほど多くの候補者情報を持っている」
「担当者によって候補者の探し方や提案方法が違う」
「成功した紹介方法が会社に残っていない」
「新人が成果を出せるまで時間がかかる」
という状態になることがあります。
その背景の一つにあるのが「社員の属人化」です。
属人化とは、仕事の進め方、判断基準、顧客情報、人脈、成功ノウハウなどが特定の社員に集中し、他の社員が同じように成果を再現しにくくなっている状態です。
今回は、東京都で専門分野に特化した人材紹介を行う従業員22名の企業で、候補者探しから採用までのプロセスを整理し、個人の経験を会社のノウハウへ変えていった事例をご紹介します。
お客様が抱えていた課題
今回のお客様は、東京都で専門分野に特化した人材紹介サービスを提供する従業員22名の企業です。
専門領域に詳しいコンサルタントが企業と候補者の双方を支援していましたが、担当者それぞれのスキルやネットワークへの依存が強く、採用成功までの進め方を会社全体で再現する仕組みが十分に整っていませんでした。
【お客様の課題】
候補者を見つける方法が、
担当者の経験や人脈に依存している。
企業へ候補者を提案する方法が、
コンサルタントによって異なっている。
候補者との面談や意思決定支援が、
経験豊富な社員のスキルに集中している。
採用に成功した事例があっても、
成功理由が十分に共有されていない。
企業や候補者との関係が、
担当者個人に集中しやすい。
新人コンサルタントが、
成果を出せるようになるまで時間がかかる。
案件を増やそうとすると、
経験豊富な社員へ仕事が集中する。
その結果、優秀なコンサルタントが成果を上げても、その方法を他の社員が再現しにくく、営業や人材紹介サービスを拡大する際の課題になっていました。
そこで、
「成果を出している社員へ、さらに案件を任せる」
のではなく、
「成果を出している社員が何をしているのかを整理し、会社全体で活用する」
という方向から改善を進めました。
なぜ人材紹介会社では社員の属人化が起こりやすいのか
人材紹介では、求人企業と候補者の双方に個別事情があります。
求人企業によって、
求める経験
必要な能力
仕事内容
組織の状況
採用背景
期待する人物像
などが異なります。
候補者側も、
これまでの経験
専門分野
転職理由
希望する仕事内容
希望条件
将来のキャリア
などが一人ひとり違います。
そのため、経験豊富なコンサルタントほど、
「この候補者なら、この企業に合いそうだ」
「この経験を企業へ伝えると評価されそうだ」
「この段階では、この情報を伝えた方が意思決定しやすい」
といった判断を自然に行っています。
問題は、その判断基準が本人にしか分からない状態です。
個人の専門性と属人化は分けて考える
専門性の高い人材紹介では、コンサルタント個人の業界知識やネットワークは大切な強みです。
属人化を解消するからといって、
「全員が同じ方法で候補者へ対応する」
必要はありません。
企業へのヒアリング
求人情報の整理
候補者の発掘
候補者への連絡
面談
企業への候補者提示
選考状況の確認
採用条件の調整
意思決定支援
採用後の振り返り
など、共通する業務を整理します。
共通部分を仕組みにすることで、コンサルタントは企業や候補者との関係構築など、人にしかできない仕事へ、より多くの時間を使えるようになります。
人材紹介会社で起こりやすい10の属人化・成長課題
自社に次のような状態がないか確認してみてください。
1.売上や採用実績が一部のコンサルタントに集中している
2.候補者を探す方法が担当者によって異なる
3.候補者情報や人脈が個人に集中している
4.企業へ候補者を提案する基準が統一されていない
5.面談方法や確認項目が担当者によって違う
6.採用成功の理由が会社に蓄積されていない
7.不採用・辞退になった理由が十分に共有されていない
8.新人が一人で案件を担当できるまで時間がかかる
9.案件が増えるほど経験豊富な社員へ仕事が集中する
10.優秀な社員が退職すると顧客・候補者との関係やノウハウまで失いやすい
複数当てはまる場合には、
「優秀なコンサルタントを採用する」
ことだけでなく、
「現在の優秀な社員が持つ知識や判断方法を、会社の財産にできているか」
を確認することも大切です。
人材紹介会社の属人化を減らす10の取り組み
今回の企業では、候補者の発掘から採用までの流れを整理し、担当者個人の経験を会社全体で活用できる状態づくりを進めました。
1.企業から求人内容を聞く方法を整理する
募集条件だけでなく、採用背景や求める人物像など、基本的に確認する内容を共有します。
2.候補者を探す方法を整理する
成果を出している社員が、どのような条件や考え方で候補者を探しているのかを共有します。
3.候補者への連絡方法を共有する
どのような情報を伝えると候補者が興味を持ちやすいのか、成功・失敗事例から学びます。
4.面談時の確認項目を整理する
職歴、経験、希望条件、転職理由、将来像など、基本となるヒアリング項目を共有します。
5.企業へ候補者を提示する方法を整理する
経歴だけではなく、候補者のどのような強みを企業へ伝えるかという考え方を共有します。
6.採用成功事例を蓄積する
どのような企業と候補者の組み合わせが、なぜ採用につながったのかを残します。
7.不採用・辞退事例も共有する
成功事例だけでなく、不採用や辞退になった理由を振り返り、次の案件へ活かします。
8.企業・候補者情報を会社で共有する
担当者個人の記憶だけに頼らず、必要な情報や対応履歴を会社に残します。
9.採用までの進捗を見える化する
候補者が現在どの段階にあり、次に何をする必要があるのかを確認できる状態にします。
10.ノウハウ共有と業務改善を人事評価につなげる
成功事例の共有、業務改善、後輩育成などを社員目標に設定し、その達成度を賞与へ反映します。
候補者探しから採用までのプロセスを見える化する
人材紹介会社の再現性を高めるには、
「採用できた・できなかった」
という結果だけを見るのではなく、採用までの流れを確認することが大切です。
例えば、
求人企業へのヒアリング
↓
求人内容・採用背景の整理
↓
候補者条件の整理
↓
候補者の発掘
↓
候補者への連絡
↓
候補者との面談
↓
経験・希望の整理
↓
求人企業の提案
↓
企業への候補者提示
↓
選考
↓
面接後の確認
↓
条件調整
↓
候補者の意思確認
↓
採用決定
↓
入社
↓
成功・不採用・辞退理由の振り返り
という流れです。
これを見える化すると、
「候補者がどの段階で離れているのか」
「担当者によって成果に差がある工程はどこか」
「採用につながった案件には何が共通しているのか」
「どこを改善すれば採用成功につながりやすいのか」
を確認しやすくなります。
成功事例は「人脈」だけで終わらせない
例えば、
「○○さんの人脈から良い候補者を紹介できた」
だけでは、会社のノウハウにはなりにくいでしょう。
そこで、
どのような企業だったか
どのような採用課題があったか
どのような候補者を探したか
どこから候補者との接点が生まれたか
候補者は何に興味を持ったか
企業へどの強みを伝えたか
なぜ採用につながったと考えられるか
まで振り返ります。
こうした情報を蓄積することで、個人の成功経験を次の案件で活用できる会社の知識へ変えやすくなります。
面談・紹介ノウハウを会社に残し、採用の再現性を高める
人材紹介では、候補者との信頼関係がとても大切です。
そのため、面談を完全にマニュアル化し、
「全員が同じ会話をする」
ことが目的ではありません。
標準化するのは、会話そのものではなく、
何を確認するか
何を整理するか
どのような判断材料を持つか
何を記録するか
という基本部分です。
例えば、採用に成功した案件について、
候補者の経験
本人が希望していたこと
転職理由
企業が求めていた人材
双方の共通点
候補者が不安に感じていたこと
企業が評価したポイント
意思決定につながった要因
などを残します。
不採用や辞退も重要なノウハウになる
成功事例だけではなく、
なぜ書類選考を通過しなかったのか
なぜ面接後に企業が見送ったのか
なぜ候補者が辞退したのか
どの段階で認識の違いが生まれたのか
も振り返ります。
成功と失敗の両方を共有することで、
「経験豊富な社員しか分からない」
という判断を少しずつ会社全体へ広げられます。
会社の課題を社員目標と人事評価につなげる
仕組みを作っても、社員が自分のノウハウを共有しなければ属人化は残ります。
そこで今回の企業では、
会社の課題
↓
社員の具体的な目標
↓
日々の改善行動
↓
達成度
↓
人事評価
↓
賞与
という流れを整えました。
例えば、
「採用成功事例を月○件、成功理由まで含めて共有する」
「不採用・辞退案件を月○件振り返り、改善点を蓄積する」
「候補者発掘の成功方法を月○件共有する」
「担当案件の進捗情報を更新し、他の社員も状況を把握できる状態にする」
「後輩社員へ面談や企業提案の判断理由を伝え、一人で担当できる業務を増やす」
といった目標です。
評価するのは、
「自分が何人採用につなげたか」
「自分がいくら売上を上げたか」
という個人の成果だけではありません。
「成功方法を他の社員へ共有した」
「候補者情報を会社へ残した」
「業務の進め方を改善した」
「後輩が成果を出せる状態をつくった」
という組織への貢献も評価します。
「自分ができる」から「他の社員もできる」へ。
個人の経験やネットワークを会社全体の人材紹介力へ変えていく行動を評価することがポイントです。
より具体的な解決方法についての無料セミナーを開催しています
取り組みによって生まれた変化|売上5,000万円・利益2,500万円増加につながった事例とご相談
今回の東京都・従業員22名の人材紹介会社では、
企業へのヒアリング方法の整理
候補者発掘方法の共有
候補者への連絡方法の整理
面談プロセスの標準化
企業への候補者提示方法の整理
成功事例の蓄積
不採用・辞退理由の共有
企業・候補者情報の共有
後輩育成
人事評価と賞与への連動
などに取り組みました。
その結果、
・社員の属人化解消に対する意識が高まった
・候補者発掘から採用までの流れを共有しやすくなった
・成功事例を他のコンサルタントが活用しやすくなった
・担当者ごとの経験差を補いやすくなった
・営業・紹介業務を拡大するための体制づくりにつながった
・会社が抱えていた課題の改善につながった
という変化が生まれました。
そして最終的に、
売上は5,000万円増加、
利益は2,500万円増加
につながりました。
ただし、同じ取り組みを行えば、すべての企業で同じ売上・利益の増加が実現するという意味ではありません。
成果は、求人企業数、候補者数、契約条件、紹介する職種、社員数、市場環境などによって異なります。
今回の事例で大切なのは、
「業務を標準化したから売上が増えた」
と単純に考えることではありません。
候補者発掘、面談、企業への提案、採用支援、成功・失敗事例の共有、人材育成、人事評価をつなぎ、組織全体で改善を続けられる状態を目指した点です。
この考え方は、人材紹介会社だけに限りません。
採用支援
人材派遣
営業支援
コンサルティング
Web制作
広告・マーケティング
システム開発
制作会社
製造業
建設業
など、営業やサービス提供のノウハウが特定社員に集中している企業にも応用できます。
全国のさまざまな業種の企業に対応できます。
「優秀な営業担当者に売上が集中している」
「社員個人の人脈に頼っている」
「成功事例が会社に残っていない」
「新人が成果を出せるまで時間がかかる」
「社員を増やしても事業が思うように拡大しない」
このようなお悩みがある場合には、
「さらに優秀な人を採用するにはどうするか」
だけではなく、
「今いる優秀な社員の経験を、どうすれば会社の力に変えられるか」
という視点から組織を見直してみる方法があります。
属人化の解消とは、優秀なコンサルタントの個性や専門性をなくすことではありません。
優秀な社員が持つ経験、判断方法、成功ノウハウを会社全体へ広げ、その社員自身も、より高度な顧客支援や新しい仕事へ力を使える状態をつくることです。
ご相談はこちらからお送りいただけます。
よくあるご質問 FAQ
候補者の発掘、企業への提案、面談、条件調整などでコンサルタントの経験や人脈が成果に影響しやすいためです。採用までの共通プロセスと判断理由を共有することで、個人の専門性を残しながら属人化を減らせます。
企業へのヒアリング、候補者の発掘、候補者への連絡、面談時の確認項目、企業への候補者提示、進捗管理、採用後の振り返りなど、案件に共通する業務から整理する方法があります。
候補者や企業の情報だけでなく、「どのように接点をつくったか」「なぜその候補者を選んだか」「なぜ採用につながったか」という判断理由まで記録・共有することが重要です。
採用成功事例だけでなく、不採用や辞退事例も振り返り、候補者発掘、面談、企業への提案、選考、意思決定のどこに改善点があるかを確認します。成功・失敗の両方を会社のノウハウとして蓄積することが大切です。
個人の売上や採用人数だけでなく、成功・失敗事例の共有、候補者発掘方法の共有、業務改善、後輩育成などを具体的な社員目標に設定する方法があります。個人の経験を会社全体の成果へ広げる行動を評価することがポイントです。
この記事を書いた人

土山 誠
経営アドバイザー合同会社 代表
ブランディング戦略立案の仕事は、企業ごとに課題や方向性が異なるため、高度な提案力や企画力が求められます。
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