
案件ごとに異なる企画・制作ノウハウを仕組みに変える
業務の標準化・サービスのパッケージ化と人事評価で
売上5,200万円・利益2,700万円増加につながった事例
ブランディング戦略立案の仕事は、企業ごとに課題や方向性が異なるため、高度な提案力や企画力が求められます。
イベント制作会社の属人化を減らし、企画・制作・運営の利益を安定させる組織づくり
「案件ごとに企画を一から考えている」
「できる社員に企画や制作が集中している」
「売上は増えても、案件によって利益に大きな差がある」
「新規案件を増やしたいが、営業方法が安定していない」
イベントや体験型コンテンツを企画・制作する会社では、このようなお悩みが起こることがあります。
今回ご紹介するのは、静岡県で謎解きなどの体験型コンテンツを企画・制作する従業員22名の企業です。
常設店舗でのサービスに加え、商業施設やレジャー施設などに向けて、施設内を回遊するゲームやスマートフォンと連動した企画などを提供していました。
お客様ごとに異なる企画を提供できることが強みである一方、案件ごとのカスタマイズが多く、企画・制作・運営の進め方が社員個人の経験に依存しやすい状態になっていました。
その結果、案件ごとの工数や利益に差が生まれ、同程度の利益を継続して確保することが難しくなっていました。
そこで、制作・運営業務の標準化とサービスのパッケージ化を進め、新規顧客の獲得についても再現性のある営業導線を整えました。
さらに、こうした会社の課題を社員一人ひとりの目標へ設定し、達成度を人事評価と賞与へ反映しました。
その結果、社員の属人化解消への意識が高まり、会社の課題改善が進み、
売上 5,200万円増加
利益 2,700万円増加
につながりました。
お客様が抱えていた課題
この企業では、企画力を活かし、お客様ごとに特色のある体験型コンテンツを提供していました。
一方で、次のような課題がありました。
案件ごとに企画を一から考えることが多い
企画力のある社員へ仕事が集中する
制作方法が担当者によって異なる
イベント運営のノウハウが十分に共有されていない
案件ごとの制作工数を予測しにくい
売上はあっても案件によって利益率が異なる
過去に成功した企画を十分に再利用できない
新規案件の獲得方法が担当者の営業力に依存する
イベントやコンテンツ制作では、お客様の要望に合わせた個別対応が大切です。
しかし、すべてを毎回ゼロから作っていると、
「案件が増えるほど社員の仕事も増える」
という状態になってしまいます。
そこで、
「個別に企画する部分」
と
「共通化できる部分」
を分けることから改善を進めました。
イベント制作会社で属人化が起こりやすい理由
体験型イベントでは、開催場所、参加者、目的、予算、開催期間などが案件ごとに異なります。
経験豊富な社員ほど、
「この施設なら、この企画が合いそうだ」
「この参加者層なら、難易度をこうしたほうがよい」
「この運営方法なら、少ない人数でも対応できる」
といった判断ができるようになります。
これは会社にとって大切な財産です。
しかし、その知識や判断方法が担当者本人の中だけにあると、
経験者へ案件が集中する
↓
案件ごとの制作時間が増える
↓
他の社員へ任せにくくなる
↓
受注できる案件数に限界が生まれる
↓
売上・利益を安定して増やしにくくなる
という状態になりやすくなります。
属人化を解消するとは、企画の自由度をなくすことではありません。
成果につながった企画や制作方法のうち、再利用できる部分を会社のノウハウとして蓄積することです。
イベント・コンテンツ制作の属人化で起こりやすい10の課題
1.企画が特定社員のアイデアに依存する
2.案件ごとに制作方法が異なる
3.過去の成功企画を再利用できない
4.制作時間を事前に予測しにくい
5.運営方法が担当者によって異なる
6.新人へ仕事を任せるまで時間がかかる
7.案件ごとの利益率に差が生まれる
8.受注が増えるほど社員の負担も増える
9.新規顧客の獲得方法が営業担当者に依存する
10.売上を増やしても利益が安定しにくい
特に注意したいのは、
「クリエイティブな仕事だから標準化できない」
と考えてしまうことです。
企画そのものに独自性が必要でも、ヒアリング、見積り、制作、確認、運営などの工程には共通化できる部分があります。
企画・制作・運営を仕組みに変える10の取り組み
1.過去案件を分類する
施設、顧客層、目的、規模などで過去案件を整理します。
2.初回ヒアリングを標準化する
目的、参加者、予算、開催場所などの確認項目を統一します。
3.企画の基本パターンを整理する
毎回ゼロから考えなくてもよい土台をつくります。
4.制作工程を見える化する
企画決定から納品・開催までの作業を整理します。
5.制作物を部品化する
再利用できる仕組みや素材を蓄積します。
6.運営方法をマニュアル化する
準備、当日運営、終了後の対応を共通化します。
7.成功事例を社内で共有する
成果の高かった企画や運営方法を会社の財産にします。
8.サービスをパッケージ化する
一定の条件で提供できるサービスを分かりやすく整理します。
9.新規案件の営業導線を整える
問い合わせから提案・受注までの流れを標準化します。
10.仕組みづくりを人事評価する
標準化、利益改善、ノウハウ共有も社員の正式な成果として評価します。
個別対応を残しながらサービスをパッケージ化する
イベント制作会社にとって、お客様ごとに異なる企画を提案できることは大きな強みです。
その強みを失わずに標準化するには、
「すべてを同じ商品にする」
のではなく、
「共通部分を仕組みにして、必要な部分だけ個別対応する」
という考え方が有効です。
例えば、
問い合わせ
↓
目的・対象者の確認
↓
基本プランの選択
↓
必要部分を個別企画
↓
見積り
↓
制作
↓
確認
↓
開催・運営
↓
効果確認
という基本的な流れを整えます。
さらに、
企画の基本パターン
制作物の基本構成
必要スタッフ数
標準的な制作期間
運営マニュアル
価格設定
などを整理します。
これによって毎回ゼロから考える業務が減り、社員はお客様ごとに本当に工夫が必要な部分へ時間を使えるようになります。
営業導線を整えて新規案件を安定して獲得する
制作を標準化して対応できる案件数を増やしても、新規相談が安定しなければ売上は伸びません。
そこで営業についても、
情報発信
↓
問い合わせ
↓
ヒアリング
↓
基本プランの提示
↓
個別提案
↓
見積り
↓
受注
という流れを整理します。
ここで重要なのは、
「何でも作れます」
という伝え方だけにしないことです。
例えば、
「商業施設の回遊を増やしたい」
「親子で楽しめるイベントを開催したい」
「施設への滞在時間を長くしたい」
「スマートフォンを使った参加型イベントを行いたい」
など、お客様が抱えている課題からサービスを見つけてもらえるようにします。
過去の成功事例についても、
どのようなお客様だったのか
どのような課題があったのか
どのような企画を行ったのか
どのような結果につながったのか
を整理して発信します。
これにより、営業担当者個人の説明力だけに頼らない営業導線をつくりやすくなります。
会社の課題を社員目標と人事評価につなげる
標準化やパッケージ化は、日々の案件が忙しいほど後回しになりがちです。
そこで、
・企画方法を整理する
・制作工程を標準化する
・制作時間を短縮する
・運営マニュアルを作成する
・成功事例を共有する
・再利用できる制作物を増やす
・サービスをパッケージ化する
・案件ごとの利益率を改善する
・新規顧客獲得の営業導線を改善する
・会社全体の利益につながる仕組みをつくる
といった経営課題を社員一人ひとりの目標へ落とし込みます。
そして、その達成度を人事評価で確認し、賞与へ反映します。
会社の課題
↓
社員の目標
↓
改善行動
↓
企画・制作・運営の標準化
↓
生産性・利益率向上
↓
評価・賞与
という流れです。
これによって、
「自分自身が良い企画を作れる社員」
だけではなく、
「他の社員も良い企画や運営を再現できる仕組みをつくった社員」
も評価できるようになります。
売上5,200万円・利益2,700万円増加につながった事例
今回の企業では、属人化していた制作・運営業務を整理し、標準化とサービスのパッケージ化を進めました。
さらに、新規案件についても再現性のある営業導線を整えることを会社の課題として設定しました。
こうした改善を社員一人ひとりの目標へ落とし込み、その達成度を人事評価と賞与へ反映しました。
その結果、社員自身が、
「自分が良い仕事をする」
だけではなく、
「会社として同じ成果を繰り返せる仕組みをつくる」
ことを意識するようになりました。
会社の課題改善が進んだ結果、
売上 5,200万円増加
利益 2,700万円増加
につながりました。
重要なのは、
「もっと案件を取ってください」
「もっと制作してください」
と求めただけではないことです。
「どうすれば制作時間を減らせるか」
「どうすれば成功した企画を次の案件へ活かせるか」
「どうすれば案件ごとの利益を安定させられるか」
という経営課題そのものを社員目標にしたことがポイントです。
より具体的な解決方法についての無料セミナーを開催しています
このようなお悩みをご相談いただけます
今回の考え方は、イベント・コンテンツ制作会社だけに限定されません。
Web制作会社、広告会社、映像制作会社、デザイン会社、システム開発会社、コンサルティング会社など、案件ごとの個別対応が多い企業にも活用できます。
特に、
「一部の社員に企画や制作が集中している」
「案件によって利益率が大きく違う」
「毎回一から制作している」
「受注を増やすと社員が忙しくなる」
「営業方法が担当者に依存している」
という企業では、業務と営業の属人化を一度見直すことが大切です。
人事評価制度を「社員を採点する制度」だけではなく、「会社の課題を社員全員で解決する仕組み」として活用することで、属人化解消、人材育成、生産性向上、営業力向上、利益改善を同じ方向へ進めやすくなります。
全国のさまざまな業種の企業に対応しています。
現在の組織、人事評価、営業・企画・制作業務の属人化についてお悩みがございましたら、お気軽にご相談ください。
ご相談はこちらからお送りいただけます。
よくあるご質問 FAQ
案件ごとに開催場所、目的、参加者、予算などが異なり、企画・制作・運営が経験豊富な社員の判断に依存しやすいためです。共通する工程や判断基準を整理することで属人化を減らせます。
できます。企画そのものをすべて同じにするのではなく、ヒアリング、見積り、制作進行、品質確認、運営など共通する部分を標準化します。個性を残しながら業務効率を高めることができます。
案件ごとの制作工数を把握し、再利用できる企画や制作物を増やすことが重要です。サービスのパッケージ化や価格設定も整理することで、案件ごとの利益差を小さくしやすくなります。
できます。制作時間の短縮、マニュアル整備、成功事例共有、後輩育成、利益率改善などを社員目標として設定し、その達成度を人事評価と賞与へ反映する方法があります。
すべての案件を毎回ゼロから作るのではなく、共通業務を標準化し、再利用できるノウハウを会社に蓄積することが重要です。さらに営業導線を仕組みにすることで、特定社員に依存せず、新規案件の獲得と利益改善を進めやすくなります。
この記事を書いた人

土山 誠
経営アドバイザー合同会社 代表
ブランディング戦略立案の仕事は、企業ごとに課題や方向性が異なるため、高度な提案力や企画力が求められます。
-
前の記事
美容サロンの接客・施術の属人化の解決方法
-
次の記事
ネット通販支援会社の社員の属人化の解決方法
課題解決事例 キーワード検索