
支援・教育・現場運営を標準化し、人事評価で改善を継続。
売上6,200万円・利益3,400万円増加につながった事例
ブランディング戦略立案の仕事は、企業ごとに課題や方向性が異なるため、高度な提案力や企画力が求められます。
福祉事業の属人化を解消し、職員が定着しやすい組織をつくる方法
「ベテラン職員がいないと現場が回らない」
「利用者様への対応方法が職員によって違う」
「新人職員の教育に時間がかかる」
「採用してもなかなか定着しない」
「新しい事業所を増やしたいが、同じ支援品質を保てるか不安」
就労継続支援B型事業所や障がい者グループホームでは、このようなお悩みが起こることがあります。
今回ご紹介するのは、愛知県で就労継続支援B型事業所と障がい者グループホームを運営する従業員24名の企業です。
利用者様一人ひとりに合わせた支援力を強みにする一方、現場の判断や支援ノウハウが経験豊富な職員へ集中し、業務の属人化や職員の定着が課題となっていました。
そこで、現場業務の標準化、マニュアル整備、研修内容の体系化などを社員一人ひとりの目標に設定し、その達成度を人事評価と賞与へ反映しました。
その結果、社員の属人化解消に対する意識が高まり、会社の課題改善が進み、売上6,200万円、利益3,400万円の増加につながりました。
お客様が抱えていた課題
愛知県で就労継続支援B型事業所と障がい者グループホームを運営する従業員24名の企業です。
利用者様に寄り添った支援や、オンライン研修、展示販売など独自の取り組みを行えることが強みでした。
一方で、日々の支援や現場運営には経験による判断が多く、特定の職員へ知識や業務が集中しやすい状態になっていました。
具体的には、
・利用者様への対応方法が職員によって異なる
・ベテラン職員へ判断や相談が集中する
・新人職員の教育方法が教える人によって違う
・申し送りや情報共有にばらつきがある
・現場ノウハウが十分に文書化されていない
・職員が休むと他の人が対応しにくい業務がある
・新人が一人で仕事をできるまで時間がかかる
・職員の負担が偏り、定着へ影響する可能性がある
・新しい拠点へ同じ支援方法を展開しにくい
・協業先やパートナー施設へノウハウを伝えにくい
という課題がありました。
そこで、「経験豊富な職員を増やす」だけではなく、「経験豊富な職員が持つ知識を、他の職員も活用できる組織の財産へ変えること」を重要な課題としました。
福祉事業で属人化が起こりやすい理由
就労継続支援やグループホームでは、利用者様一人ひとりによって必要な支援が異なります。
経験豊富な職員ほど、
「この方にはこの声掛けが安心につながる」
「この変化があったときは注意したほうがよい」
「この作業なら、このように説明すると理解しやすい」
といった現場で培った判断力を持っています。
これは事業所にとって、とても大切な財産です。
しかし、その知識が本人の頭の中だけに残っていると、
「この利用者様への対応は○○さんしか分からない」
という仕事が増えていきます。
属人化の解消は、利用者様への支援を画一化することではありません。
一人ひとりに合わせた支援を大切にしながら、共有できる情報、判断基準、業務手順を組織全体の財産へ変えることです。
福祉事業の属人化で起こりやすい10の課題
属人化が進むと、次のような問題が起こりやすくなります。
1.特定の職員へ業務や判断が集中する
2.利用者様への対応方法に差が出る
3.新人教育がベテラン職員任せになる
4.申し送りや情報共有に抜け漏れが出る
5.担当職員が休むと対応しにくくなる
6.職員によって支援品質にばらつきが出る
7.新人が独り立ちするまで時間がかかる
8.一部の職員へ負担が集中し、離職につながりやすくなる
9.新しい事業所を増やす際に人材育成が追いつかない
10.事業を拡大しても同じ支援品質を再現しにくい
特に注意したいのは、
「ベテラン職員が頑張っているから、今は問題なく運営できている」
という状態です。
一見すると問題がなくても、その職員の休職や退職、事業所の拡大をきっかけに、属人化の問題が一気に表面化することがあります。
属人化を解消するための10の取り組み
福祉事業では、すべての支援を同じにする必要はありません。
共通化できる業務と、利用者様ごとに判断する部分を分けて整理することがポイントです。
1.現場業務の流れを見える化する
勤務開始から申し送り、支援、記録、引き継ぎまでを整理します。
2.申し送り方法を標準化する
何を、誰へ、どのように伝えるかを明確にします。
3.利用者様ごとの支援情報を共有する
支援時の注意点や有効な声掛けなどを共有できる形にします。
4.緊急時の対応方法を整理する
困ったときに誰へ連絡し、どのように判断するかを明確にします。
5.新人教育の内容を体系化する
入社初日、1か月、3か月など段階ごとに覚える内容を整理します。
6.ベテラン職員のノウハウを文書化する
「何をしているか」だけでなく、「なぜそう判断したか」まで共有します。
7.研修内容を標準化する
職員ごとに教える内容が変わらないように、研修体系を整えます。
8.他の職員でも対応できる業務を増やす
一人にしかできない仕事を少しずつ減らします。
9.成功事例・改善事例を共有する
良かった支援や業務改善を組織全体へ横展開します。
10.属人化解消を人事評価の目標にする
マニュアル改善、後輩育成、情報共有、業務効率化などを正式に評価します。
職員が定着しやすい組織は「仕事の分かりやすさ」をつくる
職員の定着を考えるとき、給与や休日などの待遇はもちろん大切です。
しかし、
「教える人によって言うことが違う」
「困ったときに誰へ相談すればよいか分からない」
「仕事のできる人ばかり忙しい」
「何を頑張れば評価されるのか分からない」
という環境も、職員にとって大きな負担になります。
そこで、
採用
↓
初期研修
↓
現場教育
↓
業務標準化
↓
定期的なフォロー
↓
能力向上
↓
定着
↓
次の人材育成
という流れを整えます。
採用だけを増やすのではなく、「採用した人が安心して育つ仕組み」をつくることが、人手不足や離職への対応にもつながります。
人事評価で属人化解消と人材育成を職員の目標にする
経営者や管理者が、
「マニュアルを作ってください」
「新人を育ててください」
「情報共有をしっかりしてください」
と言うだけでは、忙しい現場では改善活動が後回しになりがちです。
そこで、会社が解決したい課題そのものを社員一人ひとりの目標へ落とし込みます。
例えば、
・現場業務を標準化する
・申し送り方法を改善する
・支援ノウハウを共有する
・新人教育の仕組みをつくる
・マニュアルを作成・更新する
・他の職員でも対応できる仕事を増やす
・後輩職員を育成する
・業務時間を削減する
・職員の負担を減らす改善を行う
・支援品質を安定させる
といった目標です。
その達成度を人事評価で確認し、賞与へ反映します。
「自分が仕事のできる職員」だけでなく、
「他の職員も仕事ができる仕組みをつくった職員」
を評価する考え方です。
売上6,200万円・利益3,400万円増加につながった取り組み
今回の企業では、現場業務の標準化とマニュアル整備を進め、経験豊富な職員だけに依存しない運営体制づくりを目標にしました。
さらに、研修内容や現場運用を整え、新しい職員や他拠点でも一定の品質を再現しやすい仕組みづくりを進めました。
そして、こうした改善活動を社員一人ひとりの目標へ落とし込み、その達成度を人事評価と賞与へ反映しました。
その結果、社員の属人化解消に対する意識が高まり、会社の課題改善が進み、
・売上6,200万円増加
・利益3,400万円増加
につながりました。
重要なのは、
「もっと利用者様を増やしてください」
「もっと働いてください」
と求めただけではないことです。
「どうすればベテラン職員の知識を他の職員へ伝えられるか」
「どうすれば新人が安心して仕事を覚えられるか」
「どうすれば拠点が増えても支援品質を維持できるか」
という会社の課題そのものを、社員が改善する仕組みにしたことです。
この仕組みは介護・福祉以外にも活用できます
今回の考え方は、就労継続支援B型事業所や障がい者グループホームだけに限定されるものではありません。
訪問介護、訪問看護、高齢者施設、児童福祉事業、放課後等デイサービス、保育事業、医療・介護関連企業などにも応用できます。
さらに、製造業、建設業、IT企業、サービス業など、「○○さんがいないと仕事が回らない」という課題を持つ企業にも活用できます。
特に、
「ベテラン職員に業務が集中している」
「新人がなかなか育たない」
「採用しても定着しにくい」
「拠点を増やしたいが品質が心配」
「現場ノウハウが十分に共有されていない」
という組織では、属人化が事業成長を妨げていないか確認することが大切です。
ご相談について
人事評価制度は、職員に点数をつけるためだけの制度ではありません。
会社が今解決したい課題を社員一人ひとりの目標へ落とし込み、その改善行動を評価することで、属人化解消、人材育成、職員定着、支援品質の安定、業務効率化、事業拡大を同じ方向へつなげることができます。
「ベテラン職員がいないと現場が回らない」
「採用しても職員が定着しない」
「新人教育を仕組み化したい」
「複数事業所で同じ支援品質を実現したい」
「人事評価制度を会社の業績向上につなげたい」
このようなお悩みがございましたら、まず「誰に、どの業務やノウハウが集中しているのか」「どこまで標準化できるのか」を整理するところから、丁寧にお手伝いいたします。
全国の企業・法人に対応しております。
ご相談はこちらからお送りいただけます。
よくあるご質問 FAQ
利用者様ごとに必要な支援が異なり、経験豊富な職員の判断や対応方法に依存しやすいためです。支援内容だけでなく、判断の考え方や申し送り方法まで共有することが重要です。
できます。ただし、すべての指導を同じにする必要はありません。基本技術、指導工程、確認項目など共有できる部分を標準化し、講師の個性や高度な判断を活かす部分は残します。
A.画一化することが目的ではありません。共有すべき基本や情報を明確にすることで、職員が利用者様一人ひとりに向き合うための時間と余裕をつくることが目的です。
新人育成、ノウハウ共有、マニュアル改善、業務標準化、職員の負担軽減などを正式な目標にし、達成度を評価・賞与へ反映することで、改善活動を継続しやすくなります。
活用できます。新しい事業所や協業先へ展開する際には、特定の職員だけに依存しない業務手順、研修内容、支援品質の基準が重要です。標準化された運営基盤を整えることで、拠点が増えても品質を維持しやすくなります。
この記事を書いた人

土山 誠
経営アドバイザー合同会社 代表
ブランディング戦略立案の仕事は、企業ごとに課題や方向性が異なるため、高度な提案力や企画力が求められます。
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