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税理士事務所の属人化の解決方法

「決算期になると一部の職員に仕事が集中する」

「担当者が休むと、お客様への対応状況が分からない」

「同じ業務でも職員によって進め方が違う」

「新人を採用しても、一人前になるまで時間がかかる」

税理士事務所や会計事務所では、このようなお悩みが起こりやすくなります。

今回ご紹介するのは、東京都で税務・会計サービスを提供する従業員12名の税理士法人です。

年末調整や決算期など特定の時期に業務が集中する一方、設立後の業務プロセスやマニュアル整備が十分ではなく、職員個人の経験に仕事が依存しやすいことが課題となっていました。

そこで、定型業務の標準化とマニュアル化、繁忙期の業務分散などを社員の目標として設定し、その達成度を人事評価と賞与へ反映しました。

その結果、社員の属人化解消に対する意識が高まり、会社の課題改善が進み、売上3,800万円、利益2,100万円の増加につながりました。

東京都で税務・会計サービスを提供する従業員12名の税理士法人です。

税務や会計には毎月・毎年繰り返し発生する業務が多い一方、年末調整や決算など一定時期に業務が集中する特徴があります。

また、業務プロセスやマニュアルが十分に整備されていない状態では、職員それぞれの経験や仕事の進め方に依存しやすくなります。

具体的には、

・担当者によって業務の進め方が異なる
・年末調整や決算期に仕事が集中する
・一部の職員へ重要業務が偏る
・担当者が休むと他の職員が対応しにくい
・顧客情報や対応状況が個人に蓄積される
・新人教育が先輩職員任せになる
・同じ業務でも必要時間に差がある
・繁忙期には新しい仕事を受けにくくなる
・サービス品質を一定に保ちにくい
・売上が増えるほど職員の負担も増えやすい

という課題がありました。

そこで、「人を増やす前に、今ある仕事をどう仕組みに変えるか」という視点から改善を進めました。

税務・会計業務では、お客様によって会社規模や取引内容、処理方法などが異なります。

そのため経験豊富な職員ほど、

「この会社ではここを確認する」

「この処理では、この資料が必要になる」

「この時期までに、ここを確認しておく」

といった知識を持つようになります。

これは事務所にとって大切な財産です。

しかし、その知識が担当者の頭の中だけに残ると、

「○○さんに聞かなければ分からない」

という仕事が増えていきます。

属人化解消とは、経験豊富な職員の専門性をなくすことではありません。

その知識や経験を、他の職員も活用できる事務所の財産へ変えることです。

税務・会計業務の属人化が進むと、次のような問題が起こりやすくなります。

1.特定の職員に顧客や重要業務が集中する
2.担当者が休むと仕事が止まりやすくなる
3.職員によって作業方法に差が出る
4.繁忙期に残業や負担が集中する
5.新人教育に時間がかかる
6.顧客対応の品質にばらつきが生まれる
7.過去の対応方法が十分に共有されない
8.仕事量が増えると新規案件を受けにくくなる
9.社員数を増やしても生産性が上がりにくい
10.売上が増えても利益が思うように残らない

特に注意したいのは、「ベテラン職員が頑張っているので今は問題なく回っている」という状態です。

繁忙期や担当者の退職をきっかけに、それまで見えなかった属人化が一気に表面化することがあります。

税理士事務所の場合、定型業務が多いため、比較的標準化しやすい部分があります。

記帳、月次確認、決算準備、申告など、各業務の流れを整理します。

同じ業務でも職員によって異なっている手順を洗い出します。

確認漏れを防ぐため、業務ごとの確認項目を共通化します。

新人や別の担当者でも基本的な業務を進められる状態をつくります。

担当者しか分からない情報を減らし、必要な情報を組織で確認できるようにします。

年末調整や決算時期に集中する作業のうち、早めに準備できるものを整理します。

「この人しかできない仕事」を減らし、複数人で対応できる状態をつくります。

専門職員でなくても行える仕事については、外部リソースの活用も検討します。

入社後に何を、どの順番で習得するのかを明確にします。

標準化、マニュアル改善、後輩育成、業務時間削減などを正式な評価対象にします。

経営者が、

「マニュアルを作ってほしい」

「業務をもっと効率化してほしい」

「新人を育ててほしい」

と言っても、繁忙期にはどうしても目の前の仕事が優先されます。

そこで、会社が解決したい課題を社員の目標にします。

例えば、

・業務手順を標準化する
・マニュアルを作成・改善する
・処理時間を短縮する
・顧客情報の共有方法を改善する
・他の職員でもできる業務を増やす
・新人教育を仕組み化する
・繁忙期の業務量を減らす

といった内容です。

そして、その達成度を人事評価で確認し、賞与へ反映します。

「自分の仕事をたくさんこなした人」だけではなく、「他の職員も仕事をしやすい仕組みをつくった人」を評価する考え方です。

今回の税理士法人では、定型業務の標準化とマニュアル化を優先し、特定職員への業務集中を減らすことを目標にしました。

さらに、繁忙期の業務を分散し、必要に応じて外部リソースも活用できる体制づくりを進めました。

こうした改善を社員の正式な目標へ落とし込み、人事評価と賞与へ反映しました。

その結果、社員の属人化解消への意識が高まり、会社の課題改善が進み、

・売上3,800万円増加
・利益2,100万円増加

につながりました。

ポイントは、

「もっと長い時間働いてください」

と求めたのではなく、

「どうすれば同じ仕事を短い時間でできるか」

「どうすれば○○さんにしかできない仕事を減らせるか」

「どうすれば繁忙期でも余裕を持って対応できるか」

を社員自身が考え、改善する仕組みにしたことです。

今回の考え方は、税理士事務所だけに限定されるものではありません。

社労士事務所、行政書士事務所、司法書士事務所、コンサルティング会社、IT企業、Web制作会社、設計会社など、専門知識を持つ社員へ仕事が集中しやすい企業にも応用できます。

特に、

「○○さんしか分からない仕事が多い」

「繁忙期になると残業が急増する」

「新人がなかなか育たない」

「社員数は増えたのに社長や管理職が忙しい」

「売上は増えているのに利益が増えない」

という企業では、属人化が成長を妨げていないか確認することが大切です。

人事評価制度は、職員を評価するためだけの制度ではありません。

会社が解決したい課題を社員一人ひとりの目標へ落とし込み、その改善行動を評価することで、属人化解消、業務効率化、社員育成、業績向上を同じ方向へつなげることができます。

「決算期や年末調整時期の負担を減らしたい」

「ベテラン職員に仕事が集中している」

「業務マニュアルを整備したい」

「新人を早く育てたい」

「人事評価制度を事務所の業績向上につなげたい」

このようなお悩みがございましたら、まずは「どの業務が、誰に、どの程度集中しているのか」を整理するところから、丁寧にお手伝いいたします。

全国の企業に対応しております。

ご相談はこちらからお送りいただけます。

Q
税理士事務所の属人化とは何ですか?
A

税務処理、決算、顧客対応などが特定職員の経験や知識に依存し、その職員がいなければ他の人が同じように対応しにくい状態です。

Q
税理士事務所ではどの業務から標準化すればよいですか?
A

まず、毎月・毎年繰り返し発生する定型業務から始める方法が適しています。業務手順、必要資料、確認項目などを整理すると標準化しやすくなります。

Q
マニュアルを作れば属人化は解消できますか?
A

マニュアルだけでは十分ではありません。実際に現場で使い、内容を更新し、ノウハウ共有や後輩育成を評価する仕組みまでつくることが重要です。

Q
人事評価制度で繁忙期の負担軽減にもつなげられますか?
A

業務時間の短縮、作業の標準化、業務の前倒し、他の職員への引き継ぎなどを社員の目標として評価することで、繁忙期の負担軽減につながる改善を促しやすくなります。

Q
小規模な税理士事務所でも活用できますか?
A

活用できます。むしろ少人数の事務所ほど、一人の職員へ仕事が集中したときの影響が大きいため、早い段階から業務の標準化やノウハウ共有を進めることが重要です。

土山 誠
経営アドバイザー合同会社 代表

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