
担当者による提案力や成約率の差を減らし、顧客との長期的な
関係と安定した売上につなげる人事評価と仕組みづくり
ブランディング戦略立案の仕事は、企業ごとに課題や方向性が異なるため、高度な提案力や企画力が求められます。
金融・保険の営業が担当者任せになる原因と、提案力を組織の力に変える方法
「営業成績が一部の社員に集中している」
「お客様への提案内容が担当者によって違う」
「経験豊富な社員の営業方法を若手にうまく伝えられない」
「紹介や個人の人脈に頼った営業から抜け出せない」
「既存のお客様との関係を、次の相談や提案につなげたい」
金融商品、保険、相続、資産運用などを扱う会社では、このようなお悩みが起こることがあります。
金融に関する相談は、お客様の年齢、家族構成、資産状況、将来への希望などによって必要な提案が変わります。
そのため社員の経験や提案力は大切ですが、一方で「このお客様は○○さんでなければ対応できない」という状態が増えると、会社の成長を妨げる原因にもなります。
今回の事例は、静岡県で金融商品仲介、保険販売、相続・資産運用のコンサルティングを行う従業員14名の企業です。
2024年3月28日に、営業や提案の属人化を減らし、顧客との継続的な関係をつくるための仕組みと、それを社員の目標にする人事評価についてご支援しました。
お客様の課題
この会社の強みは、お客様一人ひとりの状況に合わせたきめ細かな提案ができることでした。
一方で、個別対応が中心になるため、一件のお客様に必要な時間が増えやすく、提案方法も担当者の経験や知識に依存しやすい状態になっていました。
また、既存のお客様と長期的な関係を築き、次の相談や提案につなげていく仕組みも十分に整備されていませんでした。
紹介や面談を中心に顧客を獲得していたため、担当者によって成約率や案件獲得に差が生まれやすいことも課題でした。
つまり、「優秀な営業担当者が頑張る会社」から「誰が担当しても一定水準以上の提案ができる会社」へ変えていくことが重要だったのです。
金融・保険会社で営業が属人化する原因
金融や保険の営業は、単純に同じ商品をすべてのお客様へ提案する仕事ではありません。
お客様によって、資産状況、家族構成、年齢、将来設計、相続への考え方などが異なるため、担当者には高い判断力が求められます。
その結果、経験豊富な社員ほど「何を聞くか」「どのタイミングで何を提案するか」といったノウハウを自然に身につけます。
問題は、その知識が本人の頭の中だけに蓄積されてしまうことです。
会社に必要なのは、優秀な社員の個性をなくすことではありません。
その社員が持っている良い考え方や行動を見える化し、他の社員も活用できる「会社の財産」に変えていくことです。
営業の属人化で起こりやすい10の課題
金融・保険・コンサルティング型の営業では、次のような問題が起こりやすくなります。
1.売上が一部の営業担当者に集中する
2.担当者によってヒアリング内容が異なる
3.お客様への提案品質に差が生まれる
4.商談から成約までの流れが統一されていない
5.優秀な社員の営業ノウハウが共有されない
6.若手社員の育成に時間がかかる
7.紹介や個人的な人脈への依存度が高くなる
8.既存顧客への継続提案が担当者任せになる
9.担当者が退職すると顧客との関係やノウハウまで失いやすい
10.社員を増やしても売上や利益が思うように伸びない
こうした問題は、一つひとつ別々に見えても、根本には「仕事の進め方が個人の能力に依存している」という共通点があります。
課題解決のために取り組む10の仕組み
今回のような会社では、すべての営業を画一的にするのではなく、「共通化できる部分」を仕組みにすることが重要です。
1.成果を出している社員の営業方法を見える化する
成果を出している社員が、お客様に何を質問し、どのように課題を整理しているのかを明確にします。
2.初回面談のヒアリング項目を標準化する
お客様の状況を把握するために必要な質問を整理し、重要な情報の聞き漏らしを防ぎます。
3.商談から提案までの流れを整理する
初回相談→課題整理→提案→フォロー→成約という基本的な営業プロセスを見える化します。
4.提案の成功事例を共有する
「どのようなお客様に、どのような提案が喜ばれたか」を社内で蓄積します。
5.成約に至らなかった理由も共有する
成功事例だけでなく失注理由を確認することで、提案方法の改善につなげます。
6.顧客情報を会社の財産にする
担当者だけが顧客情報を持つ状態を避け、必要な情報を組織で共有できる状態を整えます。
7.既存顧客への継続的な接点をつくる
契約後も定期的に状況を確認し、お客様の変化に応じた相談や支援につなげます。
8.紹介につながる仕組みを整える
紹介を個人の人間関係だけに頼らず、お客様に喜ばれるサービス提供そのものから紹介が生まれる状態を目指します。
9.若手が学べる営業の基本形をつくる
優秀な社員の考え方や行動を整理し、若手社員が成長しやすい環境をつくります。
10.会社の課題解決を人事評価につなげる
営業方法の改善、ノウハウ共有、後輩育成、既存顧客への継続支援などを社員の目標として設定します。
人事評価で「会社を良くする行動」を評価する
経営者が、
「営業ノウハウを共有してほしい」
「若手を育ててほしい」
「既存のお客様をもっと大切にしてほしい」
と伝えるだけでは、社員はどうしても目の前の営業活動を優先します。
そこで、会社が解決したい課題を社員一人ひとりの具体的な目標にします。
例えば、
・営業プロセスを標準化する
・成功事例を共有する
・提案資料を改善する
・若手社員を育成する
・成約率を改善する
・既存顧客との接点を増やす
・継続相談につながる仕組みをつくる
といった内容です。
そして目標の達成度を人事評価で確認し、賞与にも反映します。
「自分の売上をつくった社員」だけでなく、「会社全体が成果を出せる仕組みをつくった社員」も評価する考え方です。
顧客との長期的な関係を会社の成長につなげる
金融、保険、相続、資産運用などのサービスでは、一度の契約だけでお客様との関係が終わるとは限りません。
結婚、住宅購入、子どもの誕生、退職、事業承継、相続など、お客様の環境は時間とともに変化します。
そのため、契約後も定期的にお客様の状況を確認できる仕組みを整えることが大切です。
「新規顧客を獲得し続けなければ売上がつくれない会社」から、「既存のお客様との信頼関係から次の相談が自然に生まれる会社」へ変わることで、営業活動も安定しやすくなります。
営業の仕組み化と人事評価を組み合わせる理由
営業マニュアルを作っただけでは、社員が活用しなくなることがあります。
反対に、人事評価制度だけを導入しても、何を改善すれば会社の業績につながるのかが明確でなければ十分な効果は期待できません。
大切なのは、
会社の課題
↓
改善すべき業務
↓
社員の目標
↓
具体的な行動
↓
達成度の確認
↓
人事評価
↓
賞与
という流れをつくることです。
こうすることで、「会社を良くすること」と「社員自身の評価」がつながります。
今回の企業についても、提案プロセスの標準化とノウハウ共有を進め、顧客との継続的な接点をつくることを目標として設定し、その達成度を賞与へ反映する人事評価の仕組みをご提供しました。
このようなお悩みを持つ企業に活用できます
今回の考え方は、金融・保険業だけに限定されません。
営業担当者によって成約率が大きく違う会社、優秀な社員に顧客が集中している会社、コンサルティングなど個別対応の多い会社、社長自身がトップ営業を続けている会社などにも活用できます。
社員の能力を均一にすることが目的ではありません。
一人ひとりの強みを活かしながら、優秀な社員が持っている知識や経験を会社全体へ広げ、「社員が成長するほど会社にもノウハウが残る組織」をつくっていくことが大切です。
ご相談について
「営業が特定の社員に頼っている」
「担当者によって成約率に大きな差がある」
「営業ノウハウを若手へ引き継ぎたい」
「既存のお客様との関係をもっと売上につなげたい」
「人事評価を会社の業績向上につなげたい」
このようなお悩みがございましたら、最初から大きな制度変更をする必要はありません。
まずは「誰が、どのような方法で成果を出しているのか」「会社のどの仕事が特定の社員に集中しているのか」を整理するところから始められます。
全国の企業に対応しております。
ご相談はこちらからお送りいただけます。
よくあるご質問 FAQ
お客様ごとに状況や課題が異なるため、ヒアリング、提案、フォローの方法が担当者個人の経験や判断に依存しやすいことが主な原因です。成果を出している社員の行動を見える化し、共有できる仕組みをつくることが重要です。
すべての提案を同じにする必要はありません。ヒアリング項目、商談の基本的な流れ、情報共有など「共通化できる部分」を標準化し、お客様ごとに必要な部分は個別対応する方法が適しています。
成果を出している社員が「誰に、何を質問し、どのように課題を整理し、どのタイミングで提案しているか」を具体的な行動に分解します。それを営業プロセスや成功事例として共有することで、個人の経験を会社の財産へ変えやすくなります。
活用できます。ノウハウ共有、営業プロセスの改善、後輩育成、提案資料の改善、既存顧客への継続支援などを社員の目標として設定し、その達成度を評価することで、属人化解消を日常業務の一部として進めやすくなります。
社員数だけで判断するものではありません。営業や顧客対応が特定の社員に集中している企業であれば、小規模な会社でも検討できます。今回の事例は従業員14名の企業ですが、業種を問わず全国の企業に提供できます。
この記事を書いた人

土山 誠
経営アドバイザー合同会社 代表
ブランディング戦略立案の仕事は、企業ごとに課題や方向性が異なるため、高度な提案力や企画力が求められます。
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