
財務・事業承継支援会社の業務負担と品質のばらつきを
減らし、社員が自ら改善に取り組む組織づくり
ブランディング戦略立案の仕事は、企業ごとに課題や方向性が異なるため、高度な提案力や企画力が求められます。
コンサルティング業務の属人化を解消するには?売上4,000万円・利益2,100万円増加につながった改善事例
財務コンサルティングや企業の合併・買収(M&A)支援では、お客様ごとに経営状況や課題が異なるため、担当者の専門知識や経験が重要になります。
一方で、仕事の進め方が特定の社員に依存していると、案件が増えるほど業務負担が大きくなり、サービス品質や利益率の維持が難しくなることがあります。
「経験豊富な社員に仕事が集中している」
「担当者によって提案や資料の品質が違う」
「案件が増えるほど社員の負担が大きくなる」
「売上は増えているのに利益が伸び悩んでいる」
このようなお悩みを抱える経営者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、東京都の財務コンサルティング・M&A支援会社(従業員18名)が、業務の部分的な標準化と人事評価制度の改善に取り組み、売上4,000万円、利益2,100万円の増加につながった事例をご紹介します。
お客様の課題|専門知識への依存が業務負担と利益率を圧迫
今回ご相談いただいたのは、東京都で財務コンサルティングとM&A支援を提供する従業員18名の企業です。
専門知識を生かし、お客様ごとの経営課題に対応するコンサルティング型・顧問型サービスを提供していました。
こうしたサービスでは、お客様ごとに異なる事情を踏まえた個別対応が欠かせません。
しかし、業務の多くが担当者個人の知識や経験に依存すると、案件数の増加に合わせてサービス品質を維持することが難しくなります。
また、業務手順が共有されていない場合、同じような作業でも担当者によって時間がかかり、利益率を圧迫する懸念がありました。
業務運営における課題
専門知識や業務ノウハウが特定の社員に集中しやすい
担当者によって業務の進め方が異なる
共通化できる業務も個別対応になりやすい
案件ごとの作業工数が増加しやすい
担当者間でノウハウを共有しにくい
事業拡大における課題
案件が増えると社員の業務負担が大きくなる
担当者によってサービス品質にばらつきが生じる
経験豊富な社員に業務が集中しやすい
新しい社員への業務引き継ぎに時間がかかる
事業を拡大するほど利益率を維持しにくい
このような課題を改善するため、専門的な判断が必要な業務は大切にしながら、共通化できる部分の標準化を進めることになりました。
なぜコンサルティング業務の属人化が利益率を下げるのか
① 経験豊富な社員に仕事が集中する
専門知識や顧客対応のノウハウが特定の社員に集中すると、その社員に確認や判断を求める業務が増えてしまいます。
その結果、業務の停滞や負担の偏りが生じやすくなります。
② 同じような作業を繰り返している
資料作成や情報整理など、共通化できる業務まで案件ごとにゼロから対応していると、必要以上に時間がかかります。
こうした作業の積み重ねが、利益率を圧迫する要因になります。
③ 担当者によってサービス品質が異なる
業務の進め方や確認項目が共有されていないと、担当者によって資料や説明内容にばらつきが生じる可能性があります。
一定の品質を維持するには、共通の業務手順や確認方法が必要です。
④ 案件数の増加に対応しにくい
案件が増えるたびに経験豊富な社員の作業時間も増える状態では、事業拡大に限界が生まれます。
共通業務を効率化し、専門的な判断やお客様への提案に時間を使える体制が重要です。
課題解決のために取り組んだ10の改善策
今回の企業では、すべての業務を一律に標準化するのではなく、共通化できる業務から改善する方針を取りました。
具体的には、次のような取り組みを改善目標として整理しました。
① 業務プロセスの見える化
相談受付から課題整理、資料作成、提案、支援までの基本的な流れを整理しました。
② 共通業務の洗い出し
案件ごとに異なる業務と、共通化できる業務を区別しました。
③ 資料作成手順の標準化
繰り返し作成する資料について、基本的な作成手順や確認事項を整理しました。
④ 資料テンプレートの整備
共通して使用できる資料のひな形を整え、作成時間の短縮を図りました。
⑤ 顧客ヒアリング項目の整理
お客様の経営課題や財務状況を把握する際の基本的な確認項目を整理しました。
⑥ 業務マニュアルの整備
担当者個人の経験に頼っていた業務のうち、標準化できる部分を文書化しました。
⑦ 専門知識・成功事例の共有
過去の支援で得られた知見や業務改善の工夫を、社内で共有する仕組みを整えました。
⑧ 業務の役割分担の見直し
専門的な判断が必要な業務と、他の社員が対応できる業務を整理しました。
⑨ 作業工数の把握
案件ごとの作業時間を確認し、負担が大きい工程や改善できる業務を把握しました。
⑩ 改善活動の継続と成果確認
業務の標準化を進めるだけでなく、作業時間やサービス品質への効果を確認しながら改善を続けました。
大切なのは、お客様ごとの個別対応をなくすことではありません。
共通化できる業務を効率化することで、専門性を生かした提案や支援に、より多くの時間を使えるようにすることです。
人事評価制度で社員が自ら改善する組織へ
業務マニュアルやテンプレートを整備しても、社員が継続して活用しなければ改善は定着しません。
そこで、この企業では業務の部分的な標準化を、社員一人ひとりの目標として設定しました。
具体的な人事評価の目標設定例
共通業務の標準化
資料テンプレートの作成・改善
業務マニュアルの整備
専門知識や成功事例の共有
作業時間の短縮
業務の引き継ぎ方法の改善
後輩社員の育成
サービス品質向上への取り組み
社員の役割に応じて、会社全体の業務効率や品質向上につながる具体的な目標を設定することがポイントです。
目標達成度を賞与へ反映
設定した目標について達成状況を確認し、その結果を賞与に反映する人事評価制度を導入しました。
個人の担当案件や売上だけではなく、会社全体の業務改善につながる取り組みも評価しました。
これにより、
「自分の担当案件をこなす」
という意識から、
「会社全体の仕事を進めやすくする」
という意識へ変わり、社員が主体的に属人化の解消へ取り組むようになりました。
改善の成果|売上4,000万円・利益2,100万円増加
業務の部分的な標準化と、人事評価制度を通じた改善活動に取り組んだ結果、社員の属人化解消に対する意識が高まりました。
社員一人ひとりが会社の課題を理解し、業務改善に取り組むことで、組織全体の課題解決が進みました。
その結果、次の成果につながりました。
売上:4,000万円増加
利益:2,100万円増加
この事例のポイントは、専門性の高い業務をすべて標準化したわけではないことです。
お客様ごとの個別対応や専門的な判断を大切にしながら、共通化できる業務を改善し、その取り組みを人事評価制度と連動させました。
※上記は本事例における実績であり、すべての企業で同様の成果を保証するものではありません。
この仕組みが役立つ企業と経営者
今回の改善方法は、財務コンサルティング会社やM&A支援会社だけでなく、専門知識や個別対応に依存する企業にも応用できます。
例えば、次のような企業です。
財務コンサルティング会社
M&A支援会社
経営コンサルティング会社
人事・組織コンサルティング会社
税理士事務所
社会保険労務士事務所
法律事務所
ITコンサルティング会社
その他、専門サービスを提供する企業
特に、次のようなお悩みを抱える経営者に役立つ考え方です。
「経験豊富な社員に仕事が集中している」
「案件が増えても利益が伸びない」
「担当者によってサービス品質に差がある」
「社員が自ら業務改善に取り組んでくれない」
当社では、全国のさまざまな業種の企業に対応しています。
専門性を大切にしながら、会社全体の利益を高める
財務コンサルティングやM&A支援では、お客様の経営状況に応じた専門的な判断が欠かせません。
そのため、すべての業務を一律に標準化する必要はありません。
大切なのは、専門的な判断が必要な部分と、共通化できる業務を分けることです。
共通業務の標準化によって社員の負担を減らし、専門性を生かした支援に時間を使えるようにします。
さらに、こうした改善活動を人事評価制度に組み込み、達成度を賞与へ反映することで、社員が自ら会社の課題解決に取り組むことを促します。
人事評価制度は、社員を評価するだけでなく、会社全体の生産性と利益を高めるための経営の仕組みでもあるのです。
より具体的な解決方法についての無料セミナーを開催しています
ご相談・お問い合わせ
「コンサルティング業務の属人化を解消したい」
「専門知識やノウハウを社内で共有したい」
「案件数が増えても品質と利益率を維持したい」
「社員が自ら業務改善に取り組む会社にしたい」
「人事評価制度を業績向上につなげたい」
このようなお悩みがございましたら、現在の業務体制や人事評価制度を整理するところから、丁寧にお手伝いいたします。
会社ごとの専門性や強みを大切にしながら、無理なく続けられる改善方法を一緒に考えてまいります。
全国の企業様からのご相談に対応しています。
ご相談はこちらからお送りいただけます。
よくあるご質問 FAQ
まず、特定の社員しか対応できない業務と、共通化できる業務を整理することが重要です。資料作成や情報整理など、標準化しやすい業務からマニュアル化やテンプレート化を進めることで、属人化の解消につながります。
案件ごとの作業工数を把握し、共通業務の標準化や役割分担の見直しを進めることが重要です。専門的な判断が必要な業務に時間を集中できる体制を整えることで、生産性と利益率の改善が期待できます。
人事評価制度を活用することで、属人化の解消を促すことができます。業務マニュアルの整備、ノウハウ共有、後輩育成、作業時間の短縮などを社員の目標に設定し、その達成度を賞与に反映する方法があります。
標準化するのは、資料作成や情報整理など、共通化できる業務です。お客様ごとの経営判断や専門的な提案まで一律にする必要はありません。基本業務を効率化することで、専門性を生かした支援に時間を使いやすくなります。
はい。経営コンサルティング会社、税理士事務所、社会保険労務士事務所、IT企業、製造業、建設業など、幅広い業種に応用できます。会社ごとの課題を整理し、その解決につながる具体的な目標を社員一人ひとりに設定することが重要です。
この記事を書いた人

土山 誠
経営アドバイザー合同会社 代表
ブランディング戦略立案の仕事は、企業ごとに課題や方向性が異なるため、高度な提案力や企画力が求められます。
-
前の記事
デジタル制作会社の社員の属人化の解決方法
-
次の記事
環境製品製造会社の社員の属人化の解決方法
課題解決事例 キーワード検索