
法人向け専門サービス会社が営業と業務を標準化し、
売上5,000万円・利益2,500万円増加につながった改善事例
ブランディング戦略立案の仕事は、企業ごとに課題や方向性が異なるため、高度な提案力や企画力が求められます。
営業の属人化を解消する方法|担当者に頼らず成果を生み出す仕組みづくり
専門性の高い法人向けサービスでは、お客様の状況を理解したうえで、一社一社に合わせた提案を行うことが大切です。
一方で、専門知識を必要とするサービスほど、
「営業できる社員が限られている」
「担当者によって成約率が違う」
「優秀な社員の営業方法を他の社員が再現できない」
「新人が一人前になるまで時間がかかる」
「案件が増えると社員も忙しくなり、利益が思うように増えない」
といった営業や業務の属人化が起こりやすくなります。
静岡県で法人の利益を守り、個人に残る資金を最大化するサービスを提供する企業(従業員19名)でも、営業・サービス提供プロセスの属人化が課題となっていました。
そこで、業務プロセスの可視化と標準化を進め、再現性の高い営業導線を構築するとともに、その取り組みを人事評価制度と連動させました。
その結果、社員の属人化解消への意識が高まり、会社の課題改善が進み、最終的には売上5,000万円、利益2,500万円の増加につながりました。
専門性の高い会社ほど営業が属人化しやすい理由
専門的なサービスを提供する会社では、商品を説明するだけでは受注につながりません。
お客様の現在の状況や課題を理解し、その企業に適した方法を考えながら提案する必要があります。
そのため、経験を積んだ社員ほど、
「このお客様には、この順番で説明した方がよい」
「この課題なら、この質問をした方がよい」
「このタイミングでこの提案をすると理解してもらいやすい」
といった営業ノウハウを持つようになります。
ところが、そのノウハウが本人の頭の中にしかなければ、会社の営業力にはなりません。
今回の企業でも、次のような課題が考えられました。
営業担当者ごとに商談の進め方が異なる。
お客様へのヒアリング内容が統一されていない。
提案方法が担当者の経験や知識に左右される。
営業担当者によって成約率にばらつきが生じやすい。
成果を出している社員の営業方法が共有されていない。
営業からサービス提供までの流れが十分に標準化されていない。
新人教育やオンボーディングに時間がかかる。
案件が増えるほど社員の工数も増加する。
社員を増やしても短期間では戦力化しにくい。
結果として事業拡大や利益率改善の妨げになりやすい。
社員一人ひとりが頑張っていても、個人の能力に依存したままでは、人数を増やすだけで会社が成長するとは限りません。
営業の属人化が売上と利益の成長を妨げる理由
営業が属人化すると最も大きな問題になるのが、「成果の再現性」です。
例えば、優秀な営業担当者Aさんの成約率が高かったとしても、その理由を会社が把握していなければ、BさんやCさんは同じ方法を再現できません。
Aさんだけが、
どのようなお客様を優先するのか。
商談前に何を調べるのか。
最初にどのような質問をするのか。
お客様の課題をどのように整理するのか。
どのタイミングでサービスを提案するのか。
断られたときにどのように対応するのか。
を理解している状態だからです。
この状態では、社員を増やしても営業力が比例して高まらない可能性があります。
さらに受注後のサービス提供まで担当者ごとに進め方が異なれば、案件が増えるほど工数が膨らみます。
つまり、属人化は単なる「社員教育の問題」ではありません。
売上の拡大、利益率、人材育成、事業の拡張性に関係する経営課題として考える必要があります。
属人化を解消するために実施した10の取り組み
今回の改善では、単に営業マニュアルを作るのではなく、営業からサービス提供までの流れを整理し、社員が再現できる仕組みづくりを進めました。
1.営業プロセスを見える化する
最初に、見込み客との接点から契約までの流れを整理しました。
「問い合わせ→初回面談→ヒアリング→提案→検討→契約」
というように、営業活動を段階ごとに見えるようにします。
2.成果を出している社員の行動を整理する
成約率の高い社員が、
何を聞いているのか。
どのような順番で話しているのか。
どのように課題を整理しているのか。
を確認します。
優秀な社員の「感覚」を、他の社員にも理解できる形へ変えていきます。
3.ヒアリング項目を標準化する
お客様によって質問内容をすべて変えるのではなく、必ず確認する基本項目を整理します。
これによって必要な情報の聞き漏らしを防ぎ、提案品質を安定させます。
4.提案の基本パターンを整理する
お客様の課題ごとに、どのような考え方で提案を組み立てるのかを整理しました。
すべてのお客様へ同じ提案をするのではありません。
提案を考えるための「基本となる型」を共有することが目的です。
5.成功事例を共有する
成約につながった案件について、
どのようなお客様だったのか。
どのような悩みがあったのか。
どのような質問をしたのか。
どのような提案をしたのか。
なぜ契約につながったのか。
を社内で共有します。
6.失注事例も共有する
成功事例だけでなく、受注できなかった案件も大切な情報です。
「なぜ契約につながらなかったのか」を振り返ることで、営業方法の改善材料にします。
7.受注後の業務プロセスを標準化する
営業だけを仕組み化しても、受注後の業務が担当者依存では利益率改善につながりにくくなります。
そこで、契約後のサービス提供についても、共通化できる業務を整理しました。
8.営業からサービス提供への引き継ぎを標準化する
営業担当者が把握したお客様の課題や要望を、サービス提供担当者へ正確に伝えられる仕組みを整えます。
これによって、引き継ぎ不足による手戻りや認識違いを減らします。
9.新人が学べる仕組みをつくる
新人が先輩社員の営業へ同行するだけではなく、成功事例、ヒアリング項目、提案方法、営業プロセスなどから学べる環境を整えました。
これにより、教育を特定の上司や先輩だけに依存しにくくします。
10.標準化と改善への取り組みを人事評価へ反映する
最後に、
・営業ノウハウの共有
・成功事例の共有
・営業プロセスの改善
・業務マニュアルの整備
・サービス提供方法の改善
・後輩への指導
・工数削減への取り組み
などを社員の目標として設定しました。
そして、その達成度を賞与へ反映する人事評価制度を導入しました。
なぜ人事評価制度まで変える必要があるのか
営業や業務の属人化を解消しようとして、
「これからノウハウを共有してください」
「マニュアルを作ってください」
と社員へ伝える会社は少なくありません。
しかし、それだけでは続かないことがあります。
社員にとっては、目の前のお客様への対応や自分の売上目標の方が優先されるからです。
そこで、人事評価の中に「会社全体を良くする行動」を取り入れます。
例えば、
「自分が受注する」
だけではなく、
「自分の受注方法を他の社員が使えるようにする」
ことも評価します。
「自分の担当業務を終わらせる」
だけではなく、
「他の社員でも同じ仕事ができるように仕組みを改善する」
ことも評価します。
この考え方を目標設定と賞与に反映することで、社員の意識を「個人で成果を出す」から「組織全体で成果を出す」へ変えていきます。
取り組みによって生まれた変化
業務プロセスの可視化と標準化、人事評価制度の連動を進めたことで、社員の属人化解消に対する意識が高まりました。
営業プロセスを社員同士で共有しやすくなった。
成功事例や営業ノウハウが会社に蓄積されるようになった。
営業担当者による成果のばらつきを改善しやすくなった。
新人教育を行いやすい環境が整った。
受注後の業務についても標準化が進んだ。
社員が業務改善を自分自身の目標として考えるようになった。
事業を拡大するときの工数増加を抑えやすい体制になった。
会社全体で売上と利益を考える意識が高まった。
その結果、会社の課題改善が進み、
売上5,000万円増加
利益2,500万円増加
という成果につながりました。
同じ取り組みをすれば、すべての会社で同じ金額の成果が出るということではありません。
重要なのは、営業担当者の個人的な能力だけに頼るのではなく、成果を生み出している方法を組織全体で再現できるようにしたことです。
このような企業におすすめです
今回の考え方は、次のようなお悩みをお持ちの企業に活用できます。
営業担当者によって成約率が大きく違う。
社長や一部の優秀な社員しか営業できない。
営業ノウハウが社員の頭の中にしかない。
新人営業の育成に時間がかかっている。
社員を増やしているのに売上が思うように増えない。
案件が増えるほど社員が忙しくなる。
受注後の仕事の進め方も担当者によって違う。
社員が退職するとノウハウまで失われてしまう。
売上は増えているのに利益率が改善しない。
人事評価制度を業績向上につなげたい。
法人向け専門サービスだけでなく、コンサルティング会社、士業、IT企業、システム開発会社、Web制作会社、広告会社、人材会社、製造業など、社員の専門知識や営業経験によって成果が左右される企業にも応用できます。
優秀な社員の「営業力」を会社の財産に変える
属人化を解消する目的は、優秀な社員の個性をなくすことではありません。
むしろ、その社員が長い時間をかけて身につけた知識や経験を、会社全体で活用できるようにすることです。
重要なのは、
・営業プロセスを見える化する
・成功している社員の行動を整理する
・ヒアリング項目を標準化する
・提案方法の基本型をつくる
・成功事例と失注事例を共有する
・受注後の業務も標準化する
・新人教育の仕組みをつくる
・改善活動を評価する
ことです。
優秀な社員一人の経験を10人が活用できるようになれば、その経験は「個人の力」から「会社の財産」へ変わります。
営業の属人化を解消することは、単なる業務効率化ではありません。
営業力、人材育成、利益率、事業拡大を同時に考えるための組織づくりでもあります。
より具体的な解決方法についての無料セミナーを開催しています
営業・業務の属人化、人事評価制度についてのご相談
「社長や一部の社員しか受注できない」
「営業担当者によって成約率が違う」
「優秀な社員のノウハウを会社全体へ広げたい」
「社員を増やしても利益が思うように増えない」
「営業と業務を仕組み化したい」
「人事評価制度を売上・利益の向上につなげたい」
このようなお悩みがございましたら、現在の営業方法、業務プロセス、組織体制などを確認しながら、貴社に合った改善方法を一緒に考えていきます。
営業や制作、専門業務の属人化にお悩みの企業へ全国対応しています。
ご相談はこちらからお送りいただけます。
よくあるご質問 FAQ
営業の属人化とは、顧客獲得、ヒアリング、提案、クロージングなどの方法が特定の社員の経験や能力に依存し、その社員以外では同じ成果を再現しにくい状態です。
まず、成果を出している社員の営業プロセスを見える化することから始めます。顧客の選び方、ヒアリング項目、提案方法、成功事例などを整理し、他の社員でも活用できる形へ変えることが重要です。
営業標準化の目的は、すべての社員に同じ話し方をさせることではありません。成果につながりやすい基本的な営業プロセスや確認項目を共有したうえで、担当者それぞれの強みを活かすことが大切です。
ノウハウ共有や業務改善は、通常業務が忙しくなると後回しになりやすいためです。営業ノウハウの共有、マニュアル作成、後輩育成、業務改善などを目標として設定し、その達成度を評価や賞与へ反映することで、改善活動を継続しやすくなります。
はい。むしろ少人数の会社では、一人の社員が営業や業務の大きな部分を担っていることが多いため、属人化による影響が大きくなります。早い段階から営業・業務ノウハウを共有し、誰でも一定水準で対応できる仕組みを整えることが、安定した成長につながります。
この記事を書いた人

土山 誠
経営アドバイザー合同会社 代表
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