
紹介や個人の営業力に頼らず、新規顧客を
安定して増やす営業体制のつくり方
ブランディング戦略立案の仕事は、企業ごとに課題や方向性が異なるため、高度な提案力や企画力が求められます。
不動産会社の営業が属人化する原因と解決方法
不動産会社では、営業担当者の経験、人脈、提案力がお客様との信頼関係をつくる大きな強みになります。
一方で、
「新規顧客の獲得が一部の営業担当者に偏っている」
「紹介がない月は商談数が減ってしまう」
「営業担当者によって成約率に大きな差がある」
「優秀な営業担当者のやり方を他の社員が再現できない」
といった課題を抱える企業も少なくありません。
東京都の不動産会社(従業員17名)でも、顧客獲得が営業担当者個人の能力や既存顧客からの紹介に依存し、新規顧客を安定して獲得する仕組みが十分に整っていないことが課題となっていました。
そこで、ターゲット別の顧客獲得経路を整理し、問い合わせから商談、提案、成約までの営業プロセスを見える化しました。
さらに、営業改善やノウハウ共有への取り組みを人事評価制度と連動させることで、社員一人ひとりが営業の仕組みづくりに参加する体制を整えました。
その結果、社員の属人化解消に対する意識が高まり、最終的には売上4,000万円、利益2,000万円の増加につながりました。
不動産会社で営業が属人化すると起こりやすい課題
不動産営業では、お客様の状況や希望条件が一人ひとり異なります。
そのため、営業担当者の経験や判断力が重要になりますが、営業方法まで個人任せになってしまうと、会社として成果を再現しにくくなります。
今回の企業でも、次のような課題がありました。
・新規顧客の獲得が営業担当者個人の能力に左右される
・既存顧客からの紹介に依存している
・新規開拓の方法が会社として確立されていない
・営業担当者によって商談数に差がある
・提案方法や商談の進め方が統一されていない
・成功している営業方法が社内で共有されていない
・営業活動を改善するための数字が十分に整理されていない
・営業担当者が増えても売上が比例して増えにくい
特に大きな問題は、「売れる人は売れるが、その方法を他の社員が再現できない」という状態です。
この状態では優秀な営業担当者が会社を支えてくれますが、組織が大きくなったときに、その人自身が会社の成長のボトルネックになってしまうことがあります。
なぜ紹介営業だけでは新規顧客の獲得が安定しにくいのか
既存顧客からの紹介は、信頼関係を土台にした非常に価値の高い顧客獲得方法です。
そのため、紹介営業そのものを減らす必要はありません。
問題になるのは、新規顧客を獲得する方法が「紹介しかない」状態です。
紹介の発生時期や件数を会社側で完全にコントロールすることは難しいため、
・今月は商談が多い
・来月は商談が少ない
・営業担当者によって紹介件数が違う
・新しい市場へ営業を広げられない
という状態が起こりやすくなります。
安定して成長するためには、紹介という強い営業チャネルを活かしながら、紹介以外にも新規顧客との接点をつくることが重要です。
そして、どの顧客に、どの方法で接触し、どのように商談へつなげるのかを会社の仕組みにしていく必要があります。
営業の属人化を解消するために実施した10の取り組み
今回の改善では、優秀な営業担当者の能力を否定するのではなく、その人が持つ経験やノウハウを会社全体で活用できる状態を目指しました。
1.狙う顧客を明確にする
最初に、どのようなお客様を新規顧客として獲得していくのかを整理しました。
ターゲットが曖昧なままでは、営業活動そのものも曖昧になります。
顧客層ごとの課題やニーズを整理し、営業活動の方向性を明確にしました。
2.ターゲット別に顧客獲得経路を整理する
すべてのお客様を同じ方法で獲得しようとするのではなく、ターゲットごとに適した顧客接点を検討しました。
紹介だけに依存せず、複数の顧客獲得経路を持つことで、新規商談を安定させる土台をつくります。
3.営業プロセスを見える化する
新規顧客との接点から、
問い合わせ
↓
初回対応
↓
ヒアリング
↓
商談
↓
提案
↓
フォロー
↓
成約
までの流れを整理しました。
「営業が上手な人の感覚」だったものを、会社全体で確認できる営業プロセスへ変えていきました。
4.ヒアリング項目を整理する
成果を出している営業担当者が、お客様に何を聞いているのかを整理しました。
お客様の希望だけではなく、背景にある課題や判断基準まで把握できるよう、基本となるヒアリング内容を共有しました。
5.成功している商談方法を共有する
成約した案件について、
・どのようなお客様だったのか
・どのような悩みがあったのか
・どのような提案を行ったのか
・何がお客様の決断につながったのか
を振り返り、成功事例として共有しました。
成功した営業担当者の経験を、その人だけのものにしないことがポイントです。
6.提案方法を標準化する
営業担当者の個性は活かしながら、提案時に必ず伝える内容や資料、説明の基本的な流れを整理しました。
これによって担当者による提案品質の差を小さくし、新人でも一定水準の営業活動を行いやすくします。
7.商談プロセスの数字を把握する
営業活動を感覚だけで判断するのではなく、
・新規接点数
・問い合わせ数
・商談数
・提案数
・成約数
・成約率
など、営業活動の状況を把握するための指標を整理しました。
数字が見えるようになると、「営業が悪い」という曖昧な判断ではなく、どの段階に改善余地があるのかを考えやすくなります。
8.失注理由も共有する
成功事例だけでなく、成約しなかった案件からも学びます。
価格なのか、提案内容なのか、タイミングなのか、競合との違いなのか。
失注理由を蓄積することで、次の商談を改善する材料にしました。
9.営業改善のサイクルをつくる
営業方法は、一度仕組みを作れば完成するものではありません。
営業活動の数字や成功・失敗事例を確認し、
実行
↓
結果確認
↓
課題発見
↓
改善
↓
再実行
という流れを繰り返せる体制を整えました。
10.営業改善を人事評価制度と連動させる
最後に重要なのが、人事評価制度との連動です。
新規顧客獲得の仕組みづくり、成功事例の共有、営業方法の改善などを社員の目標として設定し、その達成度を賞与へ反映しました。
なぜ営業改善を人事評価制度と連動させるのか
会社が営業マニュアルを作っただけでは、営業の属人化が自然に解消されるとは限りません。
日々の営業活動が忙しくなると、
「成功事例を共有する」
「営業方法を改善する」
「他の社員へノウハウを伝える」
といった活動は後回しになりやすいためです。
そこで、
・新しい顧客獲得方法への取り組み
・営業プロセスの改善
・成功事例の共有
・失注事例からの改善提案
・後輩への営業指導
・営業ノウハウの蓄積
・組織全体の成約率向上への貢献
などを評価対象にしました。
そして、その達成度を賞与へ反映します。
これによって、
「自分だけが売れれば評価される」
という状態から、
「自分の成功方法を共有し、会社全体の営業力を高めることも評価される」
という状態へ変えていきました。
取り組みによって生まれた変化と成果
営業プロセスの整理と人事評価制度を連動させた結果、社員の属人化解消への意識が高まりました。
具体的には、
・営業方法の共有が進んだ
・ターゲット別の顧客獲得方法が整理された
・新規開拓に取り組みやすくなった
・商談プロセスを数字で確認できるようになった
・成功事例が会社に蓄積されるようになった
・営業担当者同士で改善方法を話し合えるようになった
・営業活動の再現性が高まった
という変化につながりました。
その結果、最終的には、
売上4,000万円増加
利益2,000万円増加
という成果につながりました。
ただし、同じ取り組みを行えば、すべての企業で同じ成果が出るという意味ではありません。
企業規模、営業人数、商品・サービス、商圏、顧客単価、現在の営業体制などによって成果は異なります。
今回の事例で重要なのは、一部の営業担当者へさらに負荷をかけることで売上を伸ばしたのではなく、営業ノウハウを会社全体で活用する仕組みを整えたことです。
このような不動産会社・営業組織におすすめです
次のようなお悩みがある場合は、営業の仕組みを見直す余地があるかもしれません。
・新規顧客が安定して増えない
・既存顧客からの紹介に依存している
・営業担当者によって成約率が大きく違う
・トップ営業のノウハウが共有されていない
・新人営業がなかなか育たない
・営業会議が結果報告だけになっている
・商談数を安定させたい
・営業担当者を増やしても売上が伸びない
・営業の属人化を解消したい
・人事評価制度を売上や利益の向上につなげたい
この仕組みは不動産会社だけに限定されるものではありません。
営業担当者の知識や経験によって成果が左右されやすい、IT企業、システム会社、Web制作会社、広告会社、コンサルティング会社、士業、製造業、建設業などでも応用できます。
営業を「個人の能力」から「会社の仕組み」へ変える
営業の属人化を解消するというと、
「営業トークを全員同じにする」
「優秀な営業担当者の個性をなくす」
という印象を持たれるかもしれません。
しかし、目指すものは営業担当者の個性をなくすことではありません。
成果につながっている基本的な流れを会社全体で共有し、その土台の上で一人ひとりの強みを活かせる状態をつくることです。
そのためには、
・顧客ターゲットを整理する
・顧客獲得経路を増やす
・営業プロセスを見える化する
・ヒアリング方法を共有する
・成功事例を蓄積する
・失注理由から学ぶ
・営業活動を数字で確認する
・改善を繰り返す
・ノウハウ共有を評価する
・成果や改善への貢献を賞与へ反映する
ことが大切です。
社員が持っている営業ノウハウを「個人の財産」で終わらせず、「会社の財産」へ変える。
それができると、営業担当者が増えたときにも成果を再現しやすくなり、会社の持続的な成長につながります。
より具体的な解決方法についての無料セミナーを開催しています
営業の属人化・新規顧客開拓・人事評価制度についてのご相談
「紹介以外からの新規顧客を増やしたい」
「営業担当者による成績の差を小さくしたい」
「トップ営業のやり方を若手社員へ伝えたい」
「商談数や成約率を安定させたい」
「営業の仕組みづくりと人事評価を連動させたい」
このようなお悩みがございましたら、現在の営業体制を確認したうえで、貴社に合った改善方法を一緒に考えていきます。
当社の仕組みは全国の企業に対応可能です。不動産業だけでなく、営業や制作のノウハウが社員個人に依存している企業にも活用できます。
ご相談はこちらからお送りいただけます。
よくあるご質問 FAQ
不動産会社で営業が属人化する主な原因は、顧客獲得、ヒアリング、提案、フォロー、成約までの方法が営業担当者個人の経験や人脈に依存し、成功事例や営業ノウハウが会社全体で共有されていないことです。
紹介営業をやめる必要はありません。紹介という強い顧客獲得経路を維持しながら、ターゲット別に新しい顧客獲得経路を設計し、問い合わせから商談、成約までの数字を継続的に確認・改善することが重要です。
営業プロセスの見える化、ヒアリング項目の整理、提案方法の標準化、成功・失注事例の共有、商談数や成約率などの数値管理が有効です。優秀な営業担当者の判断方法を組織で共有することで、担当者が変わっても一定水準の営業活動を行いやすくなります。
営業改善やノウハウ共有は、日々の営業活動が忙しいと後回しになりやすいためです。成功事例の共有、後輩育成、新規開拓、営業プロセス改善などを目標として設定し、その達成度を評価や賞与へ反映することで、組織全体の営業力向上につながる行動を継続しやすくなります。
はい。営業担当者の経験、人脈、専門知識に成果が左右されやすい企業であれば応用できます。IT企業、システム会社、Web制作会社、広告会社、コンサルティング会社、士業、製造業、建設業など、幅広い業種で活用できます。
この記事を書いた人

土山 誠
経営アドバイザー合同会社 代表
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