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転職支援会社の社員の属人化の解決方法

転職支援や人材紹介の仕事では、求職者一人ひとりの経験や希望を理解し、その方に合った企業との出会いをつくることが大切です。

特に、これまでとは異なる業界や職種への転職を支援する場合には、担当者の経験、コミュニケーション力、企業との関係づくりなどが成果に大きく関わります。

その一方で、

「転職を成功させられる担当者が限られている」
「担当者によって求職者への支援方法が違う」
「成功した方法が会社に残っていない」
「案件を増やすと経験豊富な社員へ仕事が集中する」
「求人企業の開拓方法が一部の社員に依存している」

といった問題が起こることがあります。

こうした状態の背景にあるのが「社員の属人化」です。

属人化とは、仕事の進め方や判断基準、顧客との関係、成功ノウハウなどが特定の社員に集中し、他の社員が同じように再現しにくくなっている状態です。

今回は、東京都で転職支援を行う従業員26名の企業で、採用成功のノウハウを会社の仕組みに変え、事業拡大につなげた事例をご紹介します。

今回のお客様は、接客・サービス業などで培った経験を持つ求職者を対象に、異なる業界・職種への転職支援を行う東京都の従業員26名の企業です。

求職者へのきめ細かな支援という強みを持つ一方、採用成功までの進め方が担当者の経験に依存しやすく、成功事例を他の社員や案件へ展開する仕組みが十分に整っていませんでした。

【お客様の課題】

採用を成功させる方法が、
経験豊富な担当者に集中している。

求職者へのヒアリングや求人提案の方法が、
担当者によって異なっている。

採用に成功した事例があっても、
「なぜ成功したのか」が十分に共有されていない。

新しい社員が同じような成果を出すまでに、
時間がかかりやすい。

案件が増えるほど、
経験豊富な社員へ業務が集中する。

求人企業の開拓方法も、
一部の営業担当者の経験や人脈に依存している。

採用企業の業種が限られており、
求職者へ提案できる選択肢をさらに増やす余地がある。

広告以外から求職者や企業と接点を持つ方法も、
十分に体系化されていない。

その結果、良い成功事例が生まれても会社全体で再現しにくく、営業・運用を拡大する際の課題になっていました。

そこで、

「優秀な担当者にさらに多くの案件を任せる」

のではなく、

「優秀な担当者が行っていることを会社のノウハウに変える」

という方向から改善を進めました。

転職支援では、求職者によって状況が異なります。

例えば、

これまでの職歴
得意なこと
希望する仕事内容
希望する働き方
転職に対する不安
収入面の希望
将来の目標

などを理解したうえで、求人企業との適切な組み合わせを考える必要があります。

経験豊富な担当者は、面談をしながら、

「この経験は別の業界でも活かせそうだ」
「この方には、このような企業が合いそうだ」
「この部分を企業へ伝えると評価されやすい」

といった判断を行っています。

問題は、その判断方法が本人の頭の中にしかない場合です。

個別対応と属人化は違う

求職者一人ひとりに合わせた対応は必要です。

しかし、

「一人ひとりに合わせて支援すること」と
「担当者にしか支援方法が分からないこと」

は別の問題です。

例えば、

初回相談
求職者へのヒアリング
経験・強みの整理
希望条件の確認
求人企業の選定
求人提案
応募支援
面接準備
企業との調整
採用決定
入社前後のフォロー

など、共通する基本プロセスは整理できます。

共通部分を仕組みにすることで、担当者は求職者との対話や企業との調整など、人にしかできない仕事へ、より多くの時間を使えるようになります。

自社に次のような状態がないか確認してみてください。

1.採用成功率が担当者によって大きく違う
2.求職者へのヒアリング方法が統一されていない
3.求人企業を提案する基準が担当者の経験に依存している
4.成功事例が他の社員へ十分に共有されていない
5.不採用になった理由が会社のノウハウとして残っていない
6.経験豊富な社員へ重要な案件が集中している
7.新人が成果を出せるようになるまで時間がかかる
8.求人企業の開拓が一部社員の人脈や営業力に依存している
9.取引する企業の業種が限られ、求職者への提案先を増やしにくい
10.案件を増やすと社員の工数も増え、事業を拡大しにくい

複数当てはまる場合には、

「優秀な人材をさらに採用する」

ことだけでなく、

「現在の成功ノウハウを、他の社員も活用できる状態になっているか」

という視点から確認してみることが大切です。

1.相談から採用成功までの流れを見える化する

求職者との最初の接点から採用・入社まで、基本的な支援プロセスを整理します。

2.求職者へのヒアリング項目を整理する

職歴、経験、強み、希望条件、将来像など、基本的に確認する項目を共有します。

3.求職者の強みを整理する方法を共有する

本人が当たり前だと思っている経験の中から、企業が評価できる能力を見つける方法を共有します。

4.求人企業を提案する判断基準を整理する

どのような経験・希望を持つ求職者に、どのような企業を提案するのか、成功事例から判断材料を蓄積します。

5.採用成功事例をテンプレート化する

求職者の属性、課題、提案企業、支援内容、結果をセットで記録します。

6.不採用事例も会社のノウハウにする

成功事例だけでなく、不採用になった理由を振り返り、次の支援へ活用します。

7.求人企業の開拓方法を共有する

一部社員の人脈だけに頼らず、企業へのアプローチ方法や商談の進め方を整理します。

8.取引企業の業種を広げる

求職者の経験を活かせる業界・職種を分析し、求人企業の選択肢を増やします。

9.広告以外の顧客接点を増やす

紹介、提携なども含め、特定の集客経路だけに依存しない状態を検討します。

10.ノウハウ共有と改善を人事評価につなげる

属人化を減らすには、採用結果だけを見るのではなく、

「なぜ採用につながったのか」

を確認することが大切です。

例えば、

求職者との接点
↓
初回相談
↓
職歴・経験のヒアリング
↓
本人の強みの整理
↓
希望条件の確認
↓
求人企業の選定
↓
求人提案
↓
応募意思の確認
↓
応募書類の準備
↓
面接準備
↓
企業との調整
↓
採用決定
↓
入社準備
↓
入社後のフォロー
↓
成功・不採用理由の振り返り

という流れです。

これを見える化すると、

「どこで求職者が離脱しているのか」
「どのような提案が採用につながっているのか」
「担当者によって何が違うのか」
「どこを改善すれば採用成功率を高められるのか」

を確認しやすくなります。

成功事例は「結果」だけでなく「理由」を残す

例えば、

「AさんがB社へ転職できた」

という結果だけでは、次の案件で再現することは難しいでしょう。

そこで、

どのような経験を持っていたか
本人は何を希望していたか
どのような不安があったか
どの経験を強みとして整理したか
なぜその企業を提案したか
企業はどこを評価したか
面接前にどのような支援をしたか
なぜ採用につながったと考えられるか

まで振り返ります。

これによって、一人の担当者の成功経験を、次の社員が活用できる会社のノウハウへ変えやすくなります。

転職支援会社が成長するためには、社内業務の標準化だけでなく、求職者へ紹介できる企業の選択肢を広げることも重要です。

特に、これまで特定の仕事を経験してきた求職者の場合、

「過去に何の仕事をしていたか」

だけで求人を考えると、選択肢が狭くなることがあります。

そこで、

接客力
コミュニケーション力
顧客との関係構築力
提案力
目標達成に向けた行動力
状況に応じた対応力

など、過去の仕事で身につけた能力を整理し、

「その能力を必要としている企業はどこか」

という視点から求人企業を広げていきます。

求人企業の開拓も属人化させない

企業開拓でも、

「営業が得意な○○さんしか新規企業を獲得できない」

という状態になれば、別の属人化が発生します。

そこで、

どのような企業へアプローチしたか
企業がどのような採用課題を抱えていたか
どのような提案に反応したか
なぜ契約につながったか
なぜ契約につながらなかったか

を共有します。

求職者側の採用成功ノウハウと、求人企業側の開拓ノウハウの両方を会社に残すことがポイントです。

さらに、広告だけに依存せず、紹介や他社との連携など複数の接点を持つことで、顧客獲得経路の偏りを減らすことにもつながります。

業務フローや成功事例を整理しても、社員が継続して共有しなければ、再び属人化してしまうことがあります。

そこで今回の企業では、

会社の課題
↓
社員の具体的な目標
↓
日々の改善行動
↓
達成度
↓
人事評価
↓
賞与

という流れを整えました。

例えば、

「採用成功事例を月○件、成功理由まで含めて共有する」

「不採用となった案件を振り返り、改善点を月○件蓄積する」

「求職者へのヒアリング方法を改善し、社内へ共有する」

「新たな業種の求人企業を開拓し、求職者への提案先を増やす」

「後輩社員が一人で担当できる業務を増やし、判断方法まで伝える」

といった目標です。

評価するのは、

「自分が何人転職させたか」
「自分がいくら売上をつくったか」

という個人の成果だけではありません。

「成功方法を他の社員へ共有した」
「失敗を次の成功に活かせる状態にした」
「新しい求人企業を開拓した」
「後輩が成果を出せるようにした」

という組織への貢献も評価します。

「自分ができる」から「他の社員もできる」へ。

個人の経験を会社の能力へ変える行動を評価することで、属人化の解消を継続的な取り組みにしやすくなります。

今回の東京都・従業員26名の転職支援会社では、

採用成功プロセスの見える化
ヒアリング方法の整理
成功事例のテンプレート化
不採用事例の振り返り
求人企業の開拓方法の共有
取引企業の業種拡大
顧客獲得経路の見直し
ノウハウ共有
後輩育成
人事評価と賞与への連動

などに取り組みました。

その結果、

・社員の属人化解消に対する意識が高まった
・採用成功事例を会社で共有しやすくなった
・担当者以外も成功ノウハウを活用しやすくなった
・求人企業の開拓を組織的に進めやすくなった
・営業・運用を拡大するための体制づくりにつながった
・会社が抱えていた課題の改善につながった

という変化が生まれました。

そして最終的に、

売上は6,000万円増加、
利益は3,000万円増加

につながりました。

ただし、同じ取り組みを行えば、すべての企業で同じ売上や利益の増加が実現するという意味ではありません。

成果は、求職者数、求人企業数、契約条件、社員数、市場環境、支援内容などによって異なります。

今回の事例で大切なのは、

「マニュアルを作ったから売上が増えた」

と単純に考えることではありません。

採用成功のプロセス、成功・不採用事例、企業開拓、顧客獲得、人材育成、人事評価をつなぎ、会社全体で改善を続けられる状態を目指した点です。

この考え方は、転職支援・人材紹介会社だけに限りません。

採用支援
人材サービス
営業支援
コンサルティング
Web制作
広告・マーケティング
システム開発
製造業
建設業
専門サービス

など、営業やサービス提供のノウハウが特定社員に集中している企業にも応用できます。

全国のさまざまな業種の企業に対応できます。

「優秀な社員に案件が集中している」
「成功事例が会社に残らない」
「新人が成果を出すまで時間がかかる」
「営業を増やしても組織として拡大できない」
「社員が退職すると顧客やノウハウまで失われそう」

このようなお悩みがある場合には、社員を増やす前に、

「現在の成功方法を、他の社員も再現できる状態になっているか」

という視点から組織を見直してみる方法があります。

属人化の解消とは、優秀な社員を必要なくすることではありません。

優秀な社員の経験や判断を会社全体へ広げ、その社員自身も、より難しい仕事や新しい取り組みに力を使える状態をつくることです。

ご相談はこちらからお送りいただけます。

Q
なぜ転職支援・人材紹介会社では社員の属人化が起こりやすいのですか?
A

求職者ごとに職歴、希望、強み、転職理由などが異なり、求人提案や面接支援に担当者の経験や判断が必要になるためです。採用成功までの共通プロセスと判断理由を共有することで、個別対応を残しながら属人化を減らせます。

Q
転職支援の成功事例を再現できる仕組みにするにはどうすればよいですか?
A

採用結果だけでなく、求職者の経験・希望・課題、提案した企業、支援内容、企業が評価した点、採用につながった理由まで記録します。「何をしたか」と「なぜ成功したと考えられるか」をセットで共有することが重要です。

Q
求人企業の開拓を属人化させないためには何が必要ですか?
A

営業担当者個人の人脈だけに頼らず、対象企業、企業が抱える採用課題、アプローチ方法、商談内容、契約・失注理由を共有します。成功した企業開拓の方法を会社のノウハウとして蓄積することがポイントです。

Q
転職支援会社が事業を拡大するには何を標準化すればよいですか?
A

初回相談、ヒアリング、求職者の強みの整理、求人選定、応募支援、面接準備、企業との調整、入社後フォローなど、案件に共通する業務から標準化します。求職者一人ひとりへの個別対応まで一律にする必要はありません。

Q
属人化解消を人事評価へどう反映すればよいですか?
A

個人の売上や採用実績だけでなく、成功・不採用事例の共有、業務改善、新規求人企業の開拓、後輩育成などを具体的な社員目標に設定する方法があります。個人の経験を会社の能力へ変える行動を評価することがポイントです。

土山 誠
経営アドバイザー合同会社 代表

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