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人材派遣会社のの社員の属人化の解決方法

人材派遣会社では、求職者の採用、面談、仕事とのマッチング、配属、派遣先との調整、就業後のフォローなど、多くの場面で社員の経験や判断が必要になります。

そのため、会社が成長して社員や拠点が増えてくると、

「採用の進め方が担当者によって違う」
「人材の配置判断がベテラン社員に集中している」
「新人社員を育てる方法が拠点によって違う」
「派遣スタッフへのフォロー方法に差がある」
「成果を出している社員のノウハウが会社に残らない」

といった属人化が起こりやすくなります。

今回ご紹介するのは、東京都の人材派遣会社(従業員48名)で、採用から配属、教育、配属後フォローまでの仕事を見直した事例です。

目指したのは、すべての求職者や派遣スタッフに同じ対応をすることではありません。

一人ひとりに合わせた対応を大切にしながら、会社として共通化できる仕事の進め方や判断基準を整理し、「個人の経験を会社の力へ変える」組織づくりを進めました。

今回のお客様は、東京都の従業員48名の人材派遣会社です。

事業の拡大に伴い、拠点や担当社員によって採用・配置・教育の進め方に違いが生まれていました。

経験豊富な社員は自分なりの方法で成果を出せても、その方法が他の社員や別の拠点へ十分に共有されていない状態でした。

【お客様の課題】

求職者の採用方法が、
拠点や担当社員によって異なっている。

面談で確認する内容や判断方法が、
担当社員の経験に依存している。

人材をどの仕事へ配置するかという判断が、
一部の経験豊富な社員へ集中している。

新人社員への教育方法が、
拠点や教育担当者によって異なっている。

派遣スタッフの配属後フォローが、
担当社員それぞれの方法になっている。

成果を出している社員のノウハウが、
他の社員や拠点へ十分に共有されていない。

この状態でさらに事業を拡大すると、社員数や拠点数は増えても、サービス品質や業務効率にばらつきが生まれる可能性があります。

そこで、

「一人ひとりに合わせるべき仕事」

と、

「会社として共通化できる仕事」

を分けることから始めました。

人材派遣では「人」と「企業」の両方を理解する必要があります。

求職者については、

経験
能力
希望する仕事
勤務条件
働き方
本人の適性

などを確認します。

一方、派遣先企業については、

仕事内容
必要な能力
職場環境
勤務条件
求める人物像

などを理解する必要があります。

そのため、経験を積んだ社員ほど、

「この方には、この仕事が合いそうだ」
「この企業には、この人材が合いそうだ」
「このタイミングでフォローした方がよい」

といった判断ができるようになります。

この経験そのものは会社にとって大切な財産です。

問題になるのは、

「なぜそのように判断したのか」

が本人の中だけに残ることです。

個別対応と属人化を分けて考える

求職者や派遣スタッフへの対応をすべて同じにする必要はありません。

例えば、

面談前に確認する情報
面談時の基本的な確認事項
派遣先企業について確認する項目
配属前に確認する事項
配属後のフォロー時期
問題発生時の情報共有

などは、会社として基本的な流れを共有できます。

一方で、

本人にどのような仕事を提案するか
どのように不安を聞き取るか
派遣先とどのように調整するか

といった部分には社員の経験や対人能力を活かします。

標準化とは「人を同じように扱うこと」ではなく、社員が一人ひとりに向き合うための土台を整えることです。

自社に次のような状態がないか確認してみてください。

1.求職者の採用方法が拠点によって違う
2.面談で確認する内容が担当社員によって違う
3.人材配置の判断が一部のベテラン社員へ集中している
4.派遣先企業の情報が担当社員の中だけに残っている
5.新人社員への教育方法が教育担当者によって違う
6.配属後のフォロー方法や頻度が担当社員によって違う
7.問題が起きたときの対応ノウハウが共有されていない
8.成果を出している社員の方法を他の社員が再現できない
9.拠点が増えるほど管理職の確認業務も増えている
10.社員数や案件数が増えても利益が安定して増えない

複数当てはまる場合には、

「さらに人を採用する」

ことだけではなく、

「今いる社員が持っている経験を、会社全体で使える状態になっているか」

という視点から業務を見直すことが大切です。

1.求職者との接点から採用までの流れを整理する

応募から面談、仕事の提案、採用までに行っている仕事を見える化しました。

2.面談時の基本的な確認項目を整理する

経験、希望、勤務条件など、基本的に確認すべき事項を共有しました。

3.配置を考えるための情報を整理する

担当者の感覚だけでなく、本人の希望や経験、派遣先の仕事内容などを確認できるようにしました。

4.派遣先企業の情報を共有する

仕事内容や必要な能力など、マッチングに必要な情報を会社で活用できるようにしました。

5.採用後の受け入れ手順を整える

採用した人が仕事を始めるまでに必要な説明や確認事項を整理しました。

6.新人社員の教育方法を整理する

新人社員が何をどの順番で覚えるのかを見える化し、教育担当者による違いを減らしました。

7.配属後フォローの基本的な流れを共有する

派遣スタッフの状況を確認する時期や基本的な確認事項を整理しました。

8.トラブルや成功事例を共有する

結果だけではなく、「なぜその対応をしたのか」まで共有できるようにしました。

9.拠点間でノウハウを共有する

ある拠点で成果につながった方法を、その拠点だけの経験で終わらせず、他拠点でも検討できる状態にしました。

10.業務改善とノウハウ共有を人事評価につなげる

人材派遣会社では、採用だけを改善しても十分ではありません。

採用した人が適切な仕事へ配置され、配属後も安定して働けるところまで一連の流れとして考えることが重要です。

例えば、

求職者との接点

応募

基本情報の確認

面談

希望条件・経験の確認

仕事の提案

派遣先との調整

仕事内容・条件の確認

採用・契約に必要な手続き

配属前の確認

就業開始

配属後の状況確認

本人へのフォロー

派遣先企業への確認

課題があれば対応

継続的なフォロー

という流れです。

この流れを見える化すると、

応募はあるが面談につながらない
採用しても配置まで時間がかかる
配属後のフォローが担当者任せになっている
特定社員に相談や判断が集中している

など、どの段階に課題があるのかを確認しやすくなります。

「結果」だけではなく「判断理由」を共有する

人材配置では、

「AさんをB社へ配置した」

という結果だけを共有しても、他の社員が同じような判断をできるようにはなりません。

そこで、

本人は何を希望していたのか
どのような経験があったのか
派遣先は何を求めていたのか
どの点が合うと考えたのか
配属後にどのような問題があったのか
どのようにフォローしたのか

まで振り返ります。

これによって、経験豊富な社員が持つ判断の背景を、他の社員も学びやすくなります。

事業を拡大するときに大切なのは、

「優秀な社員を増やすこと」

だけではありません。

「入社した社員が育ちやすい会社にすること」

も重要です。

新人教育が、

「先輩の仕事を見て覚える」
「分からなければ聞く」

だけになっていると、教育担当者によって成長の速度や習得内容に差が生まれやすくなります。

そこで、

会社・事業の基本を理解する

採用業務を学ぶ

面談へ同席する

面談の一部を担当する

配置の考え方を学ぶ

先輩と一緒に担当する

配属後フォローを学ぶ

一人で担当できる仕事を増やす

というように、育成の流れを見える化します。

拠点ごとの成功を会社全体の成功へ変える

複数拠点を持つ会社では、

「この拠点は採用がうまくいっている」
「この担当者は定着につながるフォローが上手い」

という違いが生まれます。

そこで、

どのような募集方法だったか
面談では何を確認したか
どのように仕事を提案したか
配属前に何を確認したか
配属後にどのようなフォローをしたか

を共有します。

成功した社員の方法をそのまま全員に押し付けるのではなく、他の社員でも活用できる共通部分を見つけます。

これによって、

「Aさんだからできた」

から、

「Aさんの経験から会社全体が学べる」

状態へ変えていきます。

業務手順を整理しても、社員が日常的に使い、改善し続けなければ仕組みは定着しません。

そこで今回の支援では、

会社の経営課題

社員の具体的な目標

日々の改善行動

達成度の確認

人事評価

賞与への反映

という流れを整えました。

例えば、

「採用方法が拠点によって違う」

という課題なら、

「採用につながった事例について、募集方法・面談・採用理由を毎月1件共有する」

という目標にできます。

「配置判断がベテラン社員に集中している」

という課題なら、

「配置がうまくいった事例について、本人と企業の情報、判断理由を毎月1件共有する」

という目標にできます。

「新人教育が属人化している」

という課題なら、

「新人が一人で担当できる業務を3か月で○項目まで増やす」

という目標にできます。

「配属後フォローに差がある」

という課題なら、

「フォロー時の確認項目を活用し、必要な情報を記録・共有する」

という目標にできます。

評価するのは、

「自分が採用した」
「自分が売上を上げた」

という個人の成果だけではありません。

「自分の成功方法を他の社員へ共有した」
「新人を育成した」
「他拠点でも使える仕組みをつくった」
「会社全体の業務を改善した」

という行動も評価します。

個人の能力を会社の能力へ変えていくことが、人事評価を連動させる目的です。

今回の東京都・従業員48名の人材派遣会社では、

採用から配属までの流れの見える化
面談時の確認項目の整理
配置判断に必要な情報の共有
派遣先企業情報の共有
採用後の受け入れ方法の整理
新人教育の仕組み化
配属後フォローの整理
成功・トラブル事例の共有
拠点間のノウハウ共有
人事評価と賞与への連動

などに取り組みました。

その結果、

・社員の属人化解消に対する意識が高まった
・採用・配置・教育の進め方を共有しやすくなった
・拠点間でノウハウを活用しやすくなった
・個人の経験を会社の仕組みへ変えやすくなった
・会社が抱えていた課題の改善につながった

という変化が生まれました。

結果として、

売上は2億円増加、
利益は1億円増加

につながりました。

ただし、同じ取り組みを行えば、すべての企業で同じ売上・利益の増加が実現するという意味ではありません。

成果は、事業規模、拠点数、取引先数、人員構成、市場環境などによって異なります。

今回の事例で大切なのは、

「社員全員を同じやり方にする」

ことではありません。

求職者や派遣スタッフ、派遣先企業に合わせた対応は残しながら、

「毎回一から考えなくてもよい仕事」

を会社の仕組みに変えることです。

この考え方は人材派遣会社だけでなく、

人材紹介
採用支援
営業支援
コンサルティング
介護・福祉
店舗型サービス
Web制作
システム開発
製造業
建設業

など、営業・採用・教育・技術などのノウハウが特定社員に集中している企業にも応用できます。

全国のあらゆる業種の企業に対応できます。

「拠点によって仕事のやり方が違う」
「成果を出す社員が限られている」
「新人が育つまで時間がかかる」
「ベテラン社員に判断が集中している」
「社員を増やしても管理職ばかり忙しくなる」
「事業を拡大したいが、今の方法では品質を維持できるか不安」

このようなお悩みがある場合には、

「さらに人を増やすにはどうするか」

だけでなく、

「今いる社員の経験を、他の社員や拠点でも活用できる状態になっているか」

という視点で組織を見直してみる方法があります。

ご相談はこちらからお送りいただけます。

Q
人材派遣会社では、なぜ業務が属人化しやすいのですか?
A

求職者と派遣先企業の双方に合わせた判断が必要で、採用・面談・配置・フォローなどに社員の経験が活かされるためです。個別対応を残しながら、基本的な業務プロセスや確認項目、判断理由を共有することで属人化を減らせます。

Q
人材派遣会社で標準化しやすい業務は何ですか?
A

応募から面談までの流れ、面談時の基本確認項目、派遣先情報の整理、配属前の確認、配属後フォロー、担当変更時の引き継ぎなどは標準化しやすい業務です。人材一人ひとりへの具体的な対応は、個別性を残します。

Q
人材派遣会社の新人教育を効率化するにはどうすればよいですか?
A

入社後に学ぶ業務を順番に整理し、「見学する」「先輩と一緒に行う」「一人でできる」といった習熟段階を明確にします。教育担当者が変わっても、何をどこまで学んだかを共有できる状態をつくることが重要です。

Q
複数拠点でサービス品質を安定させるには何が必要ですか?
A

各拠点の仕事を完全に同じにするのではなく、採用、面談、配置、配属後フォローなどの基本プロセスを共有し、成功事例や問題対応の判断理由を拠点間で蓄積することが大切です。

Q
属人化の解消を人事評価へどう反映すればよいですか?
A

個人の売上や採用人数だけでなく、成功事例の共有、新人育成、業務改善、他拠点へのノウハウ展開などを具体的な社員目標に設定し、その達成度を評価する方法があります。個人の経験を会社全体で活用できるようにした行動も評価することがポイントです。

土山 誠
経営アドバイザー合同会社 代表

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