
担当者に集中する企画・制作・運用ノウハウを会社の
仕組みに変える業務プロセスの標準化と人事評価の連動で
売上5,000万円・利益2,600万円増加につながった事例
ブランディング戦略立案の仕事は、企業ごとに課題や方向性が異なるため、高度な提案力や企画力が求められます。
動画制作・運用会社の属人化を減らし、採用・集客支援を安定させる組織づくり
短い動画を活用して企業の採用や集客を支援する仕事では、お客様ごとに業種、商品、採用したい人材、ターゲット、伝えたい魅力などが異なります。
そのため、一社一社に合わせた企画や制作が必要になる一方で、
「企画を考えられる社員が限られている」
「担当者によって動画の品質や成果に差がある」
「撮影・編集・運用の進め方が人によって違う」
「成果を出した企画が次の案件で活用されていない」
「案件が増えるほど優秀な社員へ仕事が集中する」
といった属人化が起こりやすくなります。
今回ご紹介するのは、東京都で短い動画を軸に企業の採用・集客を支援する従業員22名の企業で、営業から企画・制作・運用までの属人化を見直した事例です。
目指したのは、すべてのお客様に同じ動画をつくることではありません。
「お客様ごとに変えるべき企画や表現」と「会社として共通化できる仕事の進め方」を分け、優秀な社員の経験や成功事例を会社全体で活用できる仕組みづくりを進めました。
お客様が抱えていた課題
今回のお客様は、東京都で短い動画を活用し、企業の採用や集客を支援する従業員22名の企業です。
お客様ごとの要望に合わせた対応が多く、営業、企画、制作、運用の方法が担当者の経験や判断に依存しやすい状態になっていました。
特に、成果を出している社員へ業務が集中し、案件が増えるほど社員の工数が増えることで、新しい案件への対応や納期にも影響が出やすくなっていました。
【お客様の課題】
案件ごとの個別対応が多く、
営業や制作方法が担当者の経験に依存している。
成果を出している社員の企画・制作ノウハウが、
他の社員へ十分に共有されていない。
同じような案件でも、
企画から納品までの進め方が担当者によって異なる。
優秀な社員へ企画・判断・確認業務が集中し、
新しい案件へ対応できる余力が不足しやすい。
案件が増えることで制作工数が膨らみ、
納期に影響が出やすい。
過去の成功事例を次の案件へ十分に活用できず、
受注できる案件数にも限界が生まれやすい。
つまり、
「お客様ごとに魅力のある動画をつくりたい」
という考えと、
「案件が増えても特定の社員だけに負担が集中しない会社にしたい」
という二つの課題を両立する必要がありました。
なぜ動画制作・運用会社では属人化が起こりやすいのか
採用や集客を目的とした動画では、企業ごとに伝える内容が異なります。
例えば採用であれば、
仕事内容
会社の雰囲気
社員の魅力
働く環境
求める人材
などを考える必要があります。
集客であれば、
商品・サービス
顧客の悩み
商品の強み
利用するメリット
購入・問い合わせにつながる内容
などを整理します。
こうした企画には、人の経験や発想が必要です。
クリエイティブと属人化は分けて考える
重要なのは、
「企画や表現を案件ごとに変えること」
と、
「営業・企画・制作・運用の進め方まで担当者任せになること」
を分けることです。
例えば、
最初に何を聞くか
目的をどう整理するか
誰に届ける動画なのか
企画前に何を確認するか
撮影前に何を準備するか
制作後に何を確認するか
運用結果をどう振り返るか
といった基本プロセスは共有できます。
標準化する目的は、クリエイティブを画一化することではありません。
繰り返し行う仕事を仕組みにし、社員が企画や改善など、人にしかできない仕事へ時間を使える状態をつくることです。
動画制作・運用会社で起こりやすい10の属人化課題
次のような状態がないか確認してみてください。
1.担当者によって企画の進め方が大きく違う
2.成果を出している社員へ企画や判断が集中している
3.顧客へのヒアリング内容が担当者によって異なる
4.撮影・編集・確認の手順が十分に共有されていない
5.過去に成果が出た企画を次の案件へ活かせていない
6.修正や手戻りが多く、案件ごとの工数が安定しない
7.営業から制作担当への引き継ぎにばらつきがある
8.新人が一人で案件を担当できるまで時間がかかる
9.案件数が増えるほど一部社員の残業や負担が増える
10.相談があっても制作体制が追いつかず機会損失が起こる
複数当てはまる場合には、
「制作できる社員を増やす」
だけではなく、
「これまでの案件で得た企画・制作・運用ノウハウを会社で再利用できているか」
を確認することが大切です。
属人化を減らすために行った10の取り組み
今回の支援では、動画そのものを画一化せず、企画・制作・運用の基本プロセスを整理しました。
1.営業から運用までの流れを見える化する
問い合わせ、ヒアリング、企画、撮影、編集、確認、公開、運用までを書き出します。
2.顧客へのヒアリング項目を整理する
動画の目的、対象者、伝えたい内容、商品・会社の強みなど、基本的な確認事項を共有します。
3.企画前に確認する内容を共通化する
「誰に・何を伝え・どのような行動につなげたいのか」を企画前に整理します。
4.企画の基本的な考え方を共有する
成功した企画について、構成だけではなく「なぜこの内容にしたのか」まで共有します。
5.撮影・制作工程を標準化する
撮影準備、素材管理、編集、確認など、共通化できる作業を整理します。
6.再利用できるひな型を整備する
ヒアリングシート、企画書、撮影確認表、進行表、顧客確認項目などを再利用できる形にします。
7.営業から制作への引き継ぎを整える
受注前に聞いた顧客の目的や要望を、制作担当者へ漏れなく伝えられる仕組みをつくります。
8.成功・失敗事例を蓄積する
どの動画が成果につながったかだけでなく、企画理由や改善内容まで記録します。
9.運用結果を次の企画へ反映する
公開して終わりにせず、反応を確認し、次の企画や改善へ活かす流れを整えます。
10.業務改善とノウハウ共有を人事評価へ反映する
企画・制作の成果だけでなく、ノウハウ共有、業務改善、後輩育成などを社員目標とし、達成度を賞与へ反映する仕組みを整えました。
問い合わせから動画公開・改善までの流れを標準化する
動画制作の生産性を高めるには、編集作業だけを効率化するのではなく、営業から運用までを一つの流れとして考えることが大切です。
例えば、
問い合わせ・相談
↓
初回ヒアリング
↓
採用・集客など目的の確認
↓
対象となる人の整理
↓
企業・商品・サービスの強みを確認
↓
企画の方向性を検討
↓
提案
↓
見積り
↓
受注
↓
営業から制作へ引き継ぎ
↓
企画作成
↓
顧客確認
↓
撮影準備
↓
撮影
↓
素材整理
↓
編集
↓
社内確認
↓
顧客確認
↓
修正
↓
公開
↓
反応・成果の確認
↓
改善
↓
次の企画
という流れです。
全体を見える化すると、
受注後に顧客の要望を確認し直している
企画の方向性が途中で変わっている
撮影後に必要な素材が足りないことが分かる
顧客確認で大幅な修正が発生する
公開後の結果が制作担当者へ共有されていない
など、工数が増えている場所を確認しやすくなります。
納期遅延を制作担当者だけの問題にしない
納期が遅れた場合、
「編集作業に時間がかかった」
だけが原因とは限りません。
営業段階で顧客の目的が十分に整理されていなかった
企画段階で認識が合っていなかった
撮影前の確認が不足していた
顧客確認のタイミングが遅かった
など、前工程が原因になっていることもあります。
営業から公開までを一つのプロセスとして確認することで、本当に改善すべき場所を見つけやすくなります。
成果が出た動画の「考え方」を会社のノウハウに変える
動画制作会社にとって、過去の成功事例は大切な会社の財産です。
ただし、
「この動画は再生回数が多かった」
「この企画から応募があった」
という結果だけでは、次の案件で再現することは難しくなります。
「何を作ったか」より「なぜ作ったか」まで残す
例えば成功事例について、
顧客の目的
対象となる人
当初抱えていた課題
伝えたい強み
企画内容
その企画を選んだ理由
動画の構成
公開後の反応
改善した内容
まで整理します。
すると、
「Aさんは企画力があるから成果が出る」
という状態から、
「Aさんはこの顧客の、この課題を見つけ、この理由からこの企画を考えた」
という学べる情報へ変わります。
失敗した企画も会社の知識になる
思ったような反応が得られなかった動画も重要です。
誰に届けるのかが曖昧だった
企業が伝えたい内容を優先しすぎた
動画の最初で興味を持ってもらえなかった
次の行動が分かりにくかった
などを振り返ります。
成功と失敗の両方を蓄積することで、案件を経験するほど会社としての企画力を高めやすくなります。
会社の課題を社員目標と人事評価につなげる
業務フローやひな型を作っても、社員が日々使わなければ属人化は戻ってしまいます。
そこで、
会社の経営課題
↓
社員の具体的な目標
↓
日々の行動
↓
達成度の確認
↓
人事評価
↓
賞与への反映
という流れを整えました。
例えば、
「企画ノウハウが一部社員に集中している」
という課題なら、
「成果が出た企画について、企画理由と判断基準を毎月1件共有する」
という目標にできます。
「制作工数が安定しない」
という課題なら、
「担当案件の想定工数と実際の工数を確認し、工数超過の理由と改善策を毎月1件整理する」
という目標にできます。
「営業から制作への引き継ぎにばらつきがある」
という課題なら、
「制作開始後に追加確認が発生した内容を記録し、引き継ぎ項目を改善する」
という目標にできます。
「新人育成に時間がかかる」
という課題なら、
「後輩社員が一つの制作工程を一人で担当できる状態まで育成する」
という目標にできます。
「自分が良い動画をつくる」から「会社が良い動画をつくれる」へ
人事評価では、
担当案件
納期
顧客からの評価
制作成果
などの個人成果に加えて、
企画ノウハウの共有
業務改善
ひな型の改善
成功・失敗事例の蓄積
後輩育成
なども確認します。
優秀なクリエイターの価値を小さくするのではありません。
その社員が持っている経験や考え方を他の社員も活用できるようにすることも、会社への大切な貢献として評価します。
より具体的な解決方法についての無料セミナーを開催しています
取り組みによって生まれた変化|売上5,000万円・利益2,600万円増加につながった事例とご相談
今回の東京都・従業員22名の動画を活用した採用・集客支援会社では、
営業から運用までの業務の見える化
顧客ヒアリング項目の整理
企画前の確認事項の共通化
企画の考え方の共有
制作工程の標準化
再利用できるひな型の整備
営業から制作への引き継ぎ改善
成功・失敗事例の蓄積
社員目標の設定
人事評価と賞与への連動
などに取り組みました。
その結果、
・社員の属人化解消に対する意識が高まった
・営業から制作までの進め方を共有しやすくなった
・企画や制作のノウハウを他の社員へ伝えやすくなった
・優秀な社員へ業務が集中する状態の改善につながった
・会社が抱えていた課題の改善につながった
という変化が生まれました。
結果として、
売上は5,000万円増加、
利益は2,600万円増加
につながりました。
ただし、同じ取り組みを行えば、すべての企業で同じ売上・利益の増加が実現するという意味ではありません。
成果は、案件数、契約単価、制作内容、社員数、顧客の状況、市場環境などによって異なります。
今回の事例で大切なのは、
「クリエイティブを標準化すること」
ではなく、
「クリエイティブが生まれるまでの仕事の進め方と、成果につながった考え方を会社に残すこと」
です。
この考え方は動画制作・運用会社だけではありません。
Web制作
広告・マーケティング
SNS運用
デザイン・制作
システム開発
IT支援
営業支援
人材・採用支援
コンサルティング
製造業
など、営業・企画・制作・技術のノウハウが特定社員に集中している企業にも応用できます。
サービスは全国のあらゆる業種の企業に対応できます。
「優秀な社員に案件が集中している」
「担当者によって企画や制作の品質が変わる」
「案件が増えるほど納期が厳しくなる」
「過去の成功事例を次の案件に活かせていない」
「社員を増やしてもなかなか戦力化できない」
このようなお悩みがある場合には、
「もっと制作できる人を増やすにはどうするか」
だけではなく、
「優秀な社員がどのように考えて成果を出しているのかを、会社の知識として残せているか」
という視点から確認してみる方法があります。
ご相談はこちらからお送りいただけます。
よくあるご質問 FAQ
企画、撮影、編集、運用などで担当者の経験や判断が必要になり、成果を出している社員へ業務が集中しやすいためです。ヒアリング、企画確認、制作、顧客確認、運用などの基本プロセスを共有することで、個性を残しながら属人化を減らせます。
動画の企画や表現そのものを統一する必要はありません。ヒアリング項目、企画前の確認、撮影準備、制作工程、顧客確認など、共通化できる仕事を標準化し、企画や表現には担当者の創造性を活かします。
編集工程だけでなく、営業、ヒアリング、企画、撮影準備、撮影、編集、顧客確認、修正までを確認します。納期遅延は前工程の情報不足や認識のずれから発生する場合もあるため、制作全体を一つの流れとして確認することが重要です。
完成した動画だけでなく、顧客の目的、対象者、課題、企画内容、その企画を選んだ理由、公開後の反応、改善内容まで記録します。「何を作ったか」だけでなく「なぜそう考えたか」を共有すると、次の案件へ活かしやすくなります。
担当案件や制作成果だけでなく、企画ノウハウの共有、業務改善、ひな型の整備、成功・失敗事例の蓄積、後輩育成などを社員目標に設定し、その達成度を評価する方法があります。個人の能力を会社全体の能力へ広げる行動も評価することがポイントです。
この記事を書いた人

土山 誠
経営アドバイザー合同会社 代表
ブランディング戦略立案の仕事は、企業ごとに課題や方向性が異なるため、高度な提案力や企画力が求められます。
-
前の記事
AI導入支援会社の社員の属人化の解決方法
-
次の記事
経営コンサル会社の社員の属人化の解決方法
課題解決事例 キーワード検索