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経営コンサル会社の社員の属人化の解決方法

経営コンサルティングでは、お客様ごとに経営課題や組織、人材、事業環境が異なるため、一社一社に合わせた支援が求められます。

その一方で、

「優秀なコンサルタントに案件が集中する」
「担当者によって提案や支援の進め方が違う」
「成果を出している社員のノウハウが共有されていない」
「担当者が変わると支援品質に差が生まれる」
「新規契約は取れても継続契約につながらない」

といった属人化も起こりやすくなります。

今回ご紹介するのは、東京都で経営コンサルティングを行う従業員26名の企業で、営業・提案から顧客支援・継続契約までの属人化を見直した事例です。

大切にしたのは、コンサルタントの個性や専門性をなくすことではありません。

優秀な社員が、

何を確認しているのか
どのように課題を整理しているのか
なぜその提案をしているのか
どのように成果を確認しているのか

を整理し、個人の経験を会社全体で活用できる仕組みに変えていきました。

今回のお客様は、東京都で経営コンサルティングを行う従業員26名の企業です。

クライアントごとに高度な個別対応が必要になるため、提案内容や支援方法が担当コンサルタントの経験・判断に依存しやすい状態になっていました。

また、案件獲得も担当者の提案力や顧客との関係性に左右されやすく、継続的な契約を会社として安定させる仕組みに改善の余地がありました。

【お客様の課題】

クライアントごとに支援内容が異なり、
担当者の経験や判断に業務が依存している。

成果を出しているコンサルタントの考え方が、
他の社員へ十分に共有されていない。

担当者によって課題の整理や提案方法が異なり、
支援品質にばらつきが生まれやすい。

案件獲得が一部社員の提案力や関係性に依存し、
営業成果を会社全体で再現しにくい。

契約後の成果確認や次の課題発見が担当者任せで、
継続契約につながる流れが十分に整っていない。

優秀な社員へ重要案件や判断業務が集中し、
案件数を増やしにくい。

つまり、

「お客様ごとに最適なコンサルティングを提供したい」

という考えと、

「担当者が変わっても安定した支援を提供できる会社にしたい」

という二つの課題を両立する必要がありました。

経営コンサルティングでは、お客様が抱える課題によって支援内容が変わります。

売上を伸ばしたい
利益率を改善したい
営業力を高めたい
人材を育成したい
組織を改善したい
新しい事業を育てたい

など、相談内容はさまざまです。

そのため、すべてのお客様へ同じ答えを提示することは適切ではありません。

個別対応と属人化を分けて考える

重要なのは、

「お客様ごとに提案内容を変えること」

と、

「課題を発見し、提案し、支援する方法まで担当者任せになること」

を分けることです。

例えば、

最初に何を確認するか
経営課題をどう整理するか
課題の優先順位をどう決めるか
どのように目標を設定するか
成果を何で確認するか
いつ支援内容を見直すか

といった基本プロセスは共有できます。

一方で、具体的な解決策や顧客とのコミュニケーションには、コンサルタントの専門性や経験を活かします。

標準化する目的は、全員が同じコンサルティングを行うことではありません。

優秀なコンサルタントの「考え方」を会社で共有し、それぞれの社員が自分の強みを発揮しやすい土台をつくることです。

次のような状態がないか確認してみてください。

1.担当者によってヒアリング内容が大きく違う
2.経営課題の整理方法がコンサルタントごとに異なる
3.提案内容や提案品質が一部社員の能力に依存している
4.成果を出している社員のノウハウが共有されていない
5.過去の成功事例を別の案件へ十分に活用できていない
6.営業や案件獲得が一部社員の人脈・関係性に偏っている
7.契約後の支援方法が担当者任せになっている
8.継続契約につながった理由・終了した理由を分析していない
9.新人コンサルタントが一人で案件を担当するまで時間がかかる
10.案件数が増えるほど優秀な社員の負担が増える

複数当てはまる場合には、

「優秀なコンサルタントを採用する」

ことだけでなく、

「現在の優秀な社員がどのように考え、成果につなげているのか」

を会社の知識に変えることが重要です。

1.相談から継続支援までを見える化する

問い合わせ、ヒアリング、課題整理、提案、契約、支援、成果確認までの流れを整理します。

2.初回ヒアリング項目を整理する

顧客の事業、経営状況、課題、目標など、基本的に確認する内容を共有します。

3.経営課題を整理する基本的な流れを決める

聞いた情報をそのまま並べるのではなく、現状、原因、課題、目標などに分けて整理します。

4.提案の基本構成を整える

現状、経営課題、目標、取り組み内容、確認する成果など、提案の基本的な流れを共有します。

5.成果指標を明確にする

「支援した」で終わらず、何がどのように変われば成果と考えるのかを顧客と確認します。

6.成功事例を会社の知識にする

実施した施策だけでなく、なぜその施策を選んだのかまで共有します。

7.うまくいかなかった事例も蓄積する

期待した成果が出なかった理由や途中で変更した内容も、次の案件で活用します。

8.定期的な成果確認を仕組みにする

目標に対する進捗と新しい課題を定期的に確認する流れを整えます。

9.継続支援につながる課題発見を仕組みにする

契約更新前だけでなく、支援中から顧客の変化や新しい課題を確認します。

10.ノウハウ共有と業務改善を人事評価へ反映する

コンサルティングの再現性を高めるには、提案書だけを標準化するのではなく、顧客との最初の接点から成果確認までを一つの流れとして考えることが大切です。

例えば、

問い合わせ・紹介

初回相談

現在の状況を確認

経営者が感じている問題を確認

事実・数字を確認

原因を整理

優先課題を決定

目標を設定

支援内容を検討

提案

契約

具体的な取り組みを開始

進捗確認

課題の再確認

必要に応じて支援内容を修正

成果指標を確認

顧客と成果を振り返る

新しい課題を確認

必要に応じて次の支援を提案

継続支援

という流れです。

この流れを見える化すると、

ヒアリングはできているのに課題を整理できていない
課題は分かっているのに提案へつながらない
契約後に目標が曖昧になっている
担当者によって成果の確認方法が違う
支援終了直前になって次の課題を探している

など、改善すべき場所が分かりやすくなります。

継続契約を「更新の営業」だけで考えない

継続契約を増やそうとすると、契約期間が終わる前に次のサービスを提案することへ意識が向きがちです。

しかし、より大切なのは、

当初の課題はどう変化したか
目標に対してどこまで進んだか
まだ残っている課題は何か
新しく生まれた課題は何か

を顧客と一緒に確認することです。

その結果、引き続き支援が必要であれば、次の目標と支援内容を検討します。

継続契約を目的にするのではなく、顧客への継続的な価値提供を仕組みにすることが大切です。

コンサルティングで共有すべきものは、提案書や資料だけではありません。

特に重要なのは、

「なぜ、その提案をしたのか」

という判断の過程です。

「何をしたか」だけでなく「なぜそうしたか」を残す

例えば成功事例について、

顧客が最初に相談した内容
実際に確認できた事実
本当の経営課題
課題が起きていた原因
優先順位を決めた理由
検討した解決方法
採用した方法
その方法を選んだ理由
設定した成果指標
実施後に起きた変化

まで整理します。

すると、

「Aさんは経験豊富だから良い提案ができる」

という状態から、

「Aさんはこの情報を確認し、この理由から課題を判断している」

という他の社員が学べる情報へ変わります。

成功事例だけでなく失敗事例も共有する

期待した成果が出なかった案件も大切な会社の財産です。

課題設定が違っていた
目標が曖昧だった
実行する社員を巻き込めなかった
進捗確認が不足していた
施策の修正が遅かった

などを振り返ります。

成功・失敗の両方を蓄積することで、案件を経験するほど会社全体の提案力・支援力を高めやすくなります。

支援プロセスや事例を整理しても、社員が日々活用しなければ属人化は戻ってしまいます。

そこで、

会社の経営課題

社員の具体的な目標

日々の行動

達成度の確認

人事評価

賞与への反映

という流れを整えました。

例えば、

「提案方法が担当者によって違う」

という課題なら、

「成約・未成約案件を毎月振り返り、提案内容と判断理由を1件以上共有する」

という目標にできます。

「支援ノウハウが一部社員に集中している」

という課題なら、

「成功・失敗事例について、課題、施策、判断理由、結果を毎月1件整理する」

という目標にできます。

「継続契約につながりにくい」

という課題なら、

「担当顧客の目標と進捗を定期的に確認し、新たな課題を整理する」

という目標にできます。

「新人育成に時間がかかる」

という課題なら、

「後輩社員がヒアリングから課題整理までを一人で担当できる状態まで育成する」

という目標にできます。

「自分が成果を出す」から「会社が成果を出せる」へ

人事評価では、

個人売上
担当案件
顧客成果

などに加えて、

ノウハウ共有
業務改善
成功・失敗事例の蓄積
後輩育成
会社全体の支援品質向上への貢献

なども確認します。

優秀なコンサルタントの価値を小さくするのではありません。

その社員の経験や判断方法を会社全体へ広げたことも、大切な成果として評価します。

今回の東京都・従業員26名の経営コンサルティング会社では、

相談から継続支援までの業務の見える化
初回ヒアリング項目の整理
経営課題を整理する方法の共有
提案の基本構成づくり
成果指標の明確化
成功・失敗事例の蓄積
定期的な成果確認
新しい経営課題を確認する仕組みづくり
社員目標の設定
人事評価と賞与への連動

などに取り組みました。

その結果、

・社員の属人化解消に対する意識が高まった
・提案や顧客支援の進め方を共有しやすくなった
・優秀な社員の判断方法を他の社員が学びやすくなった
・顧客への成果確認と継続支援を行いやすくなった
・会社が抱えていた課題の改善につながった

という変化が生まれました。

結果として、

売上は6,000万円増加、
利益は3,000万円増加

につながりました。

ただし、同じ取り組みを行えば、すべての企業で同じ売上・利益の増加が実現するという意味ではありません。

成果は、顧客数、契約単価、サービス内容、社員数、顧客企業の状況、市場環境などによって異なります。

今回の事例で大切なのは、

「コンサルティングを画一化すること」

ではなく、

「成果につながった考え方と仕事の進め方を、会社に残すこと」

です。

この考え方は経営コンサルティング会社だけではありません。

IT・システム開発
Web制作
広告・マーケティング
営業支援
人材・採用支援
士業・専門サービス
設計・制作
製造業
建設業
法人向けサービス

など、営業・提案・制作・技術のノウハウが特定社員に集中している企業にも応用できます。

サービスは全国のあらゆる業種の企業に対応できます。

「優秀な社員に重要案件が集中している」
「担当者によって提案や支援品質が変わる」
「成功事例が他の社員へ共有されていない」
「新規契約は取れるが継続契約につながりにくい」
「社員を増やしても一人前になるまで時間がかかる」

このようなお悩みがある場合には、

「もっと優秀な人を採用するにはどうするか」

だけではなく、

「現在の優秀な社員は、何を見て、どのように考え、なぜその提案をしているのか」

を会社の知識として残せているか、という視点から確認してみる方法があります。

ご相談はこちらからお送りいただけます。

Q
経営コンサル会社では、なぜ属人化が起こりやすいのですか?
A

顧客ごとに経営課題が異なり、課題発見や提案がコンサルタントの経験・判断に依存しやすいためです。ヒアリング、課題整理、提案、成果確認などの基本プロセスを共有することで、個別対応を残しながら属人化を減らせます。

Q
コンサルティングを標準化すると、顧客ごとの柔軟な提案ができなくなりませんか?
A

すべての顧客へ同じ解決策を提案する必要はありません。ヒアリング項目、課題整理、提案の基本構成、成果確認などを標準化し、具体的な解決策にはコンサルタントの専門性を活かします。

Q
コンサルティングの品質を担当者に左右されにくくするにはどうすればよいですか?
A

成果物だけでなく、顧客から何を確認したか、どのように課題を整理したか、なぜその施策を選んだか、何を成果指標にしたかまで共有します。判断の過程を会社の知識として残すことが重要です。

Q
経営コンサル会社で継続契約を増やすには何が重要ですか?
A

契約更新時だけ営業するのではなく、支援中から当初の目標、現在の成果、残っている課題、新しく生まれた課題を定期的に確認します。そのうえで必要な支援があれば、次の目標と支援内容を提案する流れを整えることが大切です。

Q
コンサルタントの属人化解消を人事評価へどう反映すればよいですか?
A

個人売上や担当案件だけでなく、ノウハウ共有、成功・失敗事例の蓄積、業務改善、後輩育成などを具体的な社員目標に設定し、その達成度を評価する方法があります。個人の経験を会社全体の力へ変える行動も評価することがポイントです。

土山 誠
経営アドバイザー合同会社 代表

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