
担当者に集中する提案・運用ノウハウを会社の仕組みに
変える業務の標準化と継続支援、人事評価の連動で
売上5,000万円・利益2,200万円増加につながった事例
ブランディング戦略立案の仕事は、企業ごとに課題や方向性が異なるため、高度な提案力や企画力が求められます。
Webマーケティング会社の属人化を減らし、受注と利益を安定させる組織づくり
Webマーケティング会社では、お客様ごとに商品・サービス、顧客層、競合、予算、課題などが異なるため、一社一社に合わせた提案や運用が必要です。
その一方で、
「案件ごとに運用方法が違う」
「担当者によって提案の内容や質に差がある」
「成果を出している社員のノウハウが共有されていない」
「案件が増えるほど社員の作業時間も増えてしまう」
「新規受注はできても継続的な支援につながらない」
といった問題も起こりやすくなります。
今回ご紹介するのは、群馬県でWebマーケティング事業を行う従業員23名の企業で、営業・提案から運用・継続支援までの属人化を見直した事例です。
ポイントは、すべてのお客様へ同じ提案や運用を行うことではありません。
「お客様ごとに変えるべき部分」と「会社として共通化できる部分」を分け、社員の経験や成功事例を会社全体で活用できる仕組みに変えていきました。
お客様が抱えていた課題
今回のお客様は、群馬県でWebマーケティング事業を行う従業員23名の企業です。
案件ごとの個別対応や手作業が多く、担当社員に業務が集中しやすい状態になっていました。
さらに、営業・提案方法の標準化も十分ではなく、新規受注後のサービス提供方法にも担当者ごとの差が生まれていました。
【お客様の課題】
案件ごとの個別対応や手作業が多く、
担当社員へ業務が集中している。
運用方法や判断基準が、
担当者個人の経験に依存している。
同じような案件でも進め方が異なり、
過去の成功事例を十分に活用できていない。
営業や提案方法が担当者によって異なり、
受注効率にばらつきがある。
案件を受注するほど作業工数も増え、
利益率が圧迫されやすい。
新規顧客の獲得に力が偏り、
既存顧客への継続支援や追加提案を十分に仕組み化できていない。
つまり、
「お客様に合わせたマーケティング支援を続けたい」
という考えと、
「案件が増えても社員の負担だけが増えない会社にしたい」
という二つの課題を両立する必要がありました。
なぜWebマーケティング会社では業務が属人化しやすいのか
Webマーケティングでは、お客様ごとに目標や状況が違います。
集客を増やしたい企業
問い合わせを増やしたい企業
商品の購入を増やしたい企業
採用応募を増やしたい企業
既存顧客との関係を深めたい企業
など、目的によって施策も変わります。
そのため、すべての案件を同じ方法で運用することは適切ではありません。
個別対応と属人化は分けて考える
重要なのは、
「お客様に合わせて施策を変えること」
と、
「仕事の進め方や判断基準まで担当者任せになること」
を分けることです。
例えば、
最初に何を確認するか
課題をどう整理するか
どの数字を確認するか
どのように提案するか
いつ成果を振り返るか
改善内容をどう決めるか
といった基本プロセスは共有できます。
一方、
どの施策を選ぶか
どのような表現にするか
どの顧客層を重視するか
数字を見てどの改善策を選択するか
などには担当社員の専門性が必要です。
標準化する目的は、担当者の考える力をなくすことではありません。
繰り返し行っている仕事を仕組みにし、社員がお客様への提案や改善など、より価値の高い仕事へ時間を使える状態をつくることです。
Webマーケティング会社で起こりやすい10の属人化課題
次のような状態がないか確認してみてください。
1.担当者によって提案内容や進め方が大きく違う
2.成果を出している社員のノウハウが共有されていない
3.案件ごとに同じような資料や作業を一から行っている
4.運用状況を担当社員しか十分に把握していない
5.手作業が多く、案件数とともに社員の負担が増える
6.営業から運用担当への引き継ぎ方法が統一されていない
7.成功・失敗事例が次の案件に活用されていない
8.新規受注はできても継続契約につながりにくい
9.新人が一人で案件を担当できるまで時間がかかる
10.売上が増えても工数が増え、利益率が安定しない
複数当てはまる場合には、
「もっと案件を獲得する」
ことだけでなく、
「受注した案件をどのように提供し、継続につなげるか」
まで一つの流れとして確認することが重要です。
属人化を減らすために行った10の取り組み
今回の支援では、お客様ごとの個別性を残しながら、営業・提案・運用で共通化できる仕事を整理しました。
1.営業から継続支援までの業務を見える化する
問い合わせ、商談、提案、受注、運用、成果確認、改善提案までの流れを整理します。
2.初回ヒアリングの基本項目を整理する
顧客の事業、商品、顧客層、現在の集客方法、課題、目標など、基本的に確認する項目を共有します。
3.提案の基本構成を整える
現状、課題、目標、施策、実施内容など、提案時に必要となる基本的な構成を整理します。
4.営業から運用への引き継ぎを標準化する
営業段階で聞いた情報や顧客との約束を、運用担当者へ正しく引き継げる仕組みを整えます。
5.運用業務を分類する
毎回必要な共通業務と、お客様ごとに変える個別業務を分けます。
6.繰り返し業務をひな型・マニュアルにする
確認表、報告資料、分析項目、運用手順など、再利用できるものを整理します。
7.成功・失敗事例を共有する
どの施策を行ったかだけでなく、なぜその施策を選び、どのような結果になったのかまで残します。
8.定期的な成果確認と改善提案を仕組みにする
運用作業だけで終わらず、顧客の目標に対する進捗を確認し、必要に応じて改善を提案する流れを整えます。
9.継続・追加支援につながる課題を確認する
既存顧客の新しい課題や変化を確認し、必要な支援を検討できるようにします。
10.業務改善とノウハウ共有を人事評価へ反映する
個人売上だけではなく、業務標準化、ノウハウ共有、後輩育成、継続支援の改善などを社員目標に設定し、達成度を賞与へ反映する仕組みを整えました。
問い合わせから継続支援までの流れを標準化する
Webマーケティング会社では、新規顧客を獲得するところだけでなく、その後の支援まで一つの流れとして考えることが大切です。
例えば、
見込み顧客との接点
↓
問い合わせ・相談
↓
初回ヒアリング
↓
現在の集客・販売状況の確認
↓
課題の整理
↓
目標の設定
↓
施策の検討
↓
提案
↓
見積り
↓
受注
↓
営業から運用担当へ引き継ぎ
↓
運用開始
↓
数値・反応の確認
↓
課題の分析
↓
改善施策の検討
↓
顧客への報告
↓
改善提案
↓
施策の実行
↓
新しい課題の確認
↓
継続・追加支援
という流れです。
この流れを見える化すると、
問い合わせはあるのに商談にならない
商談はできても受注できない
受注後の引き継ぎに時間がかかる
運用工数が想定より増えている
成果報告だけで改善提案ができていない
契約終了の理由を把握できていない
など、改善すべき場所を確認しやすくなります。
「受注数」だけで営業成果を判断しない
例えば新規受注が増えていても、
運用工数が大きい
利益が残らない
短期間で契約が終了する
のであれば、会社全体として改善の余地があります。
そのため、
問い合わせ数
商談化率
成約率
案件ごとの工数
継続状況
追加提案の状況
などをつなげて確認します。
営業と運用を別々に考えず、
「どのようなお客様を獲得し、どのように支援し、どのように関係を継続するか」
までを一つの仕組みとして考えることがポイントです。
成功事例を会社のノウハウに変え、継続支援につなげる
Webマーケティングでは、成功した施策だけを記録しても十分ではありません。
例えば、
「広告を変更したら問い合わせが増えた」
という結果だけでは、別の社員が次の案件で再現するのは難しいからです。
「何をしたか」だけでなく「なぜそうしたか」を残す
成功・失敗事例では、
顧客の業種
商品・サービス
対象となる顧客層
当初の課題
確認した数字
実施した施策
その施策を選んだ理由
実施後の変化
うまくいかなかったこと
次に行った改善
まで整理します。
すると、
「Aさんはマーケティングが得意だから成果が出た」
という状態から、
「Aさんはこの数字を見て、この理由から施策を変更した」
という会社で学べる情報に変わります。
継続契約は「売り込む」のではなく新しい課題を確認する
既存顧客との継続的な関係を考えるときに大切なのは、追加サービスを一方的に勧めることではありません。
当初の目標はどうなったか
現在どこに問題があるか
以前とは何が変わったか
次に改善したいことは何か
を定期的に確認します。
例えば、
集客数は増えたが成約率が低い
問い合わせは増えたが対応が追いつかない
新規顧客は増えたが再購入が少ない
など、新しい課題が見えてくることがあります。
その課題に必要な支援が自社で提供できる場合に、次の改善策を提案します。
この流れを整えることで、新規顧客の獲得だけに依存せず、既存顧客への継続的な価値提供を考えやすくなります。
会社の課題を社員目標と人事評価につなげる
マニュアルや業務フローを作っても、社員が日常業務で活用しなければ属人化は戻ってしまいます。
そこで、
会社の経営課題
↓
社員の具体的な目標
↓
日々の行動
↓
達成度の確認
↓
人事評価
↓
賞与への反映
という流れを整えました。
例えば、
「運用ノウハウが担当者に集中している」
という課題なら、
「成功・失敗事例を毎月1件整理し、判断理由とともに共有する」
という目標にできます。
「手作業が多い」
という課題なら、
「毎月1件以上の繰り返し業務を抽出し、ひな型化・手順化を検討する」
という目標にできます。
「営業と運用の引き継ぎにばらつきがある」
という課題なら、
「引き継ぎ時の不足情報を記録し、確認項目を改善する」
という目標にできます。
「継続支援につながりにくい」
という課題なら、
「担当顧客の成果と新しい課題を定期的に確認し、必要な改善策を提案する」
という目標にできます。
「自分が成果を出す」から「会社が成果を出せる」へ
人事評価では、
売上
担当案件
顧客成果
などの個人成果に加えて、
ノウハウ共有
業務改善
後輩育成
仕組みづくり
継続支援への貢献
なども確認します。
成果を出している社員の価値を小さくするのではありません。
その社員が持っている知識や経験を会社全体へ広げたことも、組織への大切な貢献として評価します。
より具体的な解決方法についての無料セミナーを開催しています
取り組みによって生まれた変化|売上5,000万円・利益2,200万円増加につながった事例とご相談
今回の群馬県・従業員23名のWebマーケティング会社では、
営業から継続支援までの業務の見える化
初回ヒアリング項目の整理
提案の基本構成づくり
営業から運用への引き継ぎの標準化
共通業務と個別業務の整理
繰り返し業務のひな型・マニュアル化
成功・失敗事例の共有
定期的な成果確認
継続・追加支援につながる課題確認
人事評価と賞与への連動
などに取り組みました。
その結果、
・社員の属人化解消に対する意識が高まった
・営業・提案・運用の進め方を共有しやすくなった
・成功事例や判断理由を次の案件へ活かしやすくなった
・新規受注後の業務を進めやすくなった
・会社が抱えていた課題の改善につながった
という変化が生まれました。
結果として、
売上は5,000万円増加、
利益は2,200万円増加
につながりました。
ただし、同じ取り組みを行えば、すべての企業で同じ売上・利益の増加が実現するという意味ではありません。
成果は、顧客数、契約単価、サービス内容、社員数、既存顧客の状況、市場環境などによって異なります。
今回の事例で大切なのは、
「案件を増やすこと」だけを目標にするのではなく、
「案件を経験するほど会社にノウハウが蓄積され、次の提案・運用・改善に活かせる状態をつくる」
という考え方です。
この考え方はWebマーケティング会社だけではありません。
広告・PR
Web制作
SNS運用
動画制作
システム開発
IT支援
営業支援
人材・採用支援
コンサルティング
法人向けサービス
など、営業・提案・制作・運用ノウハウが特定社員に集中している企業にも応用できます。
サービスは全国のあらゆる業種の企業に対応できます。
「案件が増えても利益が増えにくい」
「担当者によってサービス品質が変わる」
「営業と運用の連携がうまくいかない」
「成功事例が他の社員に共有されていない」
「新規顧客は獲得できても継続につながらない」
このようなお悩みがある場合には、
「もっと新規顧客を増やすにはどうするか」
だけではなく、
「一度獲得した顧客へ継続して価値を提供できる仕組みがあるか」
という視点から確認してみる方法があります。
ご相談はこちらからお送りいただけます。
よくあるご質問 FAQ
顧客ごとに商品、顧客層、課題、施策が異なり、提案や運用の判断が担当者の経験に依存しやすいためです。ヒアリング、提案、運用、成果確認などの基本プロセスを共有することで、個別対応を残しながら属人化を減らせます。
すべての顧客へ同じ施策を行う必要はありません。ヒアリング項目、提案の基本構成、運用手順、成果確認など共通化できる仕事を標準化し、施策選択や改善には担当者の専門性を活かします。
案件ごとの売上だけでなく、営業、提案、運用、報告、修正などにかかる工数を確認します。繰り返し作業や担当者だけが行っている業務を見つけ、ひな型化・標準化できる部分を整理することが重要です。
契約後も顧客の目標、成果、現在の課題を定期的に確認します。当初の課題が改善した後に生まれた新しい課題を把握し、必要な改善策を提案できる流れを整えることが継続的な支援につながります。
個人売上だけでなく、ノウハウ共有、業務の標準化、成功・失敗事例の蓄積、後輩育成、継続支援の改善などを具体的な社員目標に設定し、その達成度を評価する方法があります。個人の成果を会社全体へ広げる行動も評価することがポイントです。
この記事を書いた人

土山 誠
経営アドバイザー合同会社 代表
ブランディング戦略立案の仕事は、企業ごとに課題や方向性が異なるため、高度な提案力や企画力が求められます。
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