
特定社員に集中する営業・業務ノウハウを会社の仕組みに変える
業務の標準化・知識共有・役割分担と人事評価の連動で
売上5,000万円・利益2,600万円増加につながった事例
ブランディング戦略立案の仕事は、企業ごとに課題や方向性が異なるため、高度な提案力や企画力が求められます。
通信サービス会社の属人化を減らし、営業と顧客対応を安定させる組織づくり
法人向けの通信サービスや機器の導入支援では、商品知識だけでなく、お客様の状況を把握する力や提案力、導入までの調整力など、さまざまな経験が求められます。
そのため、経験豊富な社員が増えることは会社にとって大きな強みです。
一方で、その社員に営業や顧客対応、商品知識、判断業務が集中すると、
「この案件は○○さんに聞かないと分からない」
「難しい提案はいつも同じ社員が担当している」
「案件が増えても対応できる人数が増えない」
「新人を採用しても一人で仕事ができるまで時間がかかる」
といった属人化が起こりやすくなります。
さらに、受注が増えても特定の社員に仕事が集中すれば、対応できる案件数には限界があります。
結果として、
受注したくても対応できない
案件ごとの工数が増える
利益が残りにくくなる
採用しても育成が追いつかない
といった問題につながることがあります。
そこで大切なのが、優秀な社員の知識や経験を個人だけのものにせず、会社全体で活用できる仕組みに変えることです。
ここでは、大阪府の従業員21名の通信サービス会社の事例をもとに、業務の標準化、知識の共有、役割分担と人事評価を組み合わせ、属人化を減らす組織づくりについてご紹介します。
お客様が抱えていた課題
今回ご相談いただいたのは、大阪府で通信サービスの提供や、法人向け携帯・OA機器などの導入支援を行っている従業員21名の会社です。
営業やサービス提供に必要な知識が、
特定の社員に集中し、
業務の属人化が進んでいました。
そのため、
案件を受注してから実行するまで、
経験豊富な社員の判断や対応が必要になり、
一つの案件にかかる工数も増えやすい状態でした。
また、
対応できる社員が限られているため、
案件が増えても対応能力を、
簡単には増やせないことも課題でした。
さらに、
新しい社員を採用しても、
必要な知識や仕事の進め方が、
十分に整理されていなければ育成に時間がかかります。
採用や育成が受注の増加に追いつかなければ、せっかくの営業機会があっても受注できない可能性があります。
そこで、
「特定社員に集中している知識を会社に残す」
「誰でも確認できるように文書化する」
「業務プロセスを標準化する」
「誰が何を担当するのかを明確にする」
ことによって、特定の社員だけに頼らない組織をつくることが経営課題となりました。
なぜ通信サービス会社では業務が属人化しやすいのか
通信サービスや法人向け機器の提案では、お客様ごとに必要な商品や契約内容、利用環境などが異なります。
そのため、経験豊富な社員の知識や判断に頼りやすくなります。
商品知識と顧客対応の経験が必要になる
単に商品を説明するだけではなく、お客様の状況を確認し、適切な提案を行う必要があります。
こうした判断方法が個人の経験だけに蓄積されると、他の社員が同じように対応しにくくなります。
受注後にも多くの業務が発生する
営業が契約を取れば仕事が終わるわけではありません。
社内外との調整や導入準備、顧客対応などが必要になるため、受注から実行までの流れが整理されていないと工数が増えます。
新人が知識を身につけるまで時間がかかる
必要な知識や対応方法が文書化されていなければ、新人は先輩社員へ何度も質問しながら仕事を覚えることになります。
新人だけでなく、教える側の社員にも負担がかかります。
通信サービス会社で起こりやすい10の属人化課題
1.商品知識が特定の社員に集中する
詳しい社員がいなければ回答できない問い合わせが増えます。
2.営業方法が担当者によって違う
顧客へのヒアリングや提案方法が、営業担当者の経験に依存します。
3.難しい案件が同じ社員に集中する
経験豊富な社員ほど多くの案件を抱え、業務負担が偏ります。
4.受注後の業務に時間がかかる
役割分担が曖昧だと、誰が何を行うのかを案件ごとに確認する必要があります。
5.過去の対応方法を探せない
成功事例やトラブルへの対応方法が個人の中に残り、同じ問題を繰り返し調べることになります。
6.新人育成に時間がかかる
仕事の進め方が整理されていないため、先輩社員から教わらなければ判断できないことが増えます。
7.担当者によって対応品質が変わる
共通する判断基準がなければ、お客様への説明や対応にばらつきが生まれます。
8.案件が増えるほど社員の工数が増える
業務の標準化が進んでいないと、売上増加とともに社員の負担も増えていきます。
9.受注機会を逃す可能性がある
営業機会があっても対応できる社員が不足していれば、新しい案件を受けにくくなります。
10.売上が増えても利益が残りにくい
受注からサービス提供までに想定以上の工数がかかると、売上に対して十分な利益を確保しにくくなります。
業務の属人化を減らす10の取り組み
今回の支援では、業務プロセスとサービス提供方法を標準化し、特定社員に集中する知識を会社全体で活用できる状態にすることを目標にしました。
1.現在の業務プロセスを見える化する
問い合わせから提案、受注、導入、顧客対応までの仕事の流れを整理します。
2.特定社員に集中している業務を確認する
「この人しかできない仕事」「この人に質問が集中する仕事」を洗い出します。
3.必要な知識を文書化する
商品知識、顧客への説明方法、よくある質問、注意点などを他の社員が確認できる形にします。
4.成功した営業方法を共有する
成果を出している社員のヒアリング方法や提案の進め方を言語化します。
5.業務プロセスを標準化する
案件ごとに一から進め方を考えるのではなく、共通する基本的な流れを決めます。
6.確認項目をテンプレート化する
ヒアリング項目、受注時の確認事項、導入時のチェック項目などを共通化します。
7.役割分担を明確にする
営業、受注後の手続き、導入支援、顧客対応などについて、誰が何を担当するのかを整理します。
8.新人が自分で確認できる仕組みをつくる
分からないことをすべて先輩へ質問するのではなく、文書やマニュアルから確認できる環境を整えます。
9.属人化の解消を社員目標にする
マニュアル作成、業務改善、知識共有などを具体的な社員目標として設定します。
10.達成度を人事評価と賞与につなげる
自分の担当業務だけでなく、会社全体の対応力を高める取り組みも評価し、その達成度を賞与に反映します。
受注からサービス提供までを標準化し、対応できる社員を増やす
属人化を減らすためには、個人が持っている知識を共有するだけでは十分ではありません。
その知識を「仕事の流れ」の中で使えるようにすることが大切です。
例えば、
問い合わせを受ける
↓
顧客の状況を確認する
↓
必要なサービスや機器を整理する
↓
提案する
↓
受注する
↓
必要な手続きを確認する
↓
導入準備を行う
↓
顧客へ提供する
↓
導入後の対応を行う
↓
成功事例や改善点を会社に残す
という流れを整理します。
そして、それぞれの工程について、
誰が担当するのか
何を確認するのか
どの資料を使うのか
判断に迷った場合は何を確認するのか
を明確にします。
これによって、新しい社員も仕事の全体像を理解しやすくなります。
また、すべての仕事を一人でできる社員を育てる必要もありません。
例えば、
営業が得意な社員
商品説明に詳しい社員
受注後の手続きに詳しい社員
顧客フォローが得意な社員
というように役割を整理し、チームとして案件を進める方法もあります。
「一人の優秀な社員が最初から最後まで担当する組織」から、
「複数の社員が役割を分担して成果を出せる組織」
へ変えることができれば、特定社員への負担を減らしながら対応できる案件を増やしやすくなります。
会社の課題を社員目標と人事評価につなげる
属人化は会社にとって大きな経営課題でも、社員から見ると、
「自分が仕事をできているので問題はない」
と感じる場合があります。
また、
「マニュアルを作ってください」
「後輩へノウハウを教えてください」
と伝えても、目の前の営業や顧客対応が優先され、仕組みづくりが後回しになることがあります。
そこで、
会社の経営課題
↓
社員の具体的な目標
↓
日々の改善活動
↓
達成度の確認
↓
人事評価
↓
賞与への反映
という流れをつくります。
例えば、
「特定社員に知識が集中している」
という会社の課題を、
「よくある問い合わせを文書化する」
「商品別の提案資料を整備する」
「受注後の業務をマニュアル化する」
「新人向けの確認資料を作成する」
「役割分担を明確にする」
といった具体的な社員目標に変えます。
こうすることで、
「会社が何を改善したいのか」
「自分がどのように貢献すればよいのか」
が社員にも分かりやすくなります。
そして、
「自分にしかできない仕事を増やす」
のではなく、
「自分が持っている知識を他の社員も使えるようにする」
ことも会社への貢献として評価します。
これが、個人の力を組織の力へ変えていく人事評価の考え方です。
売上5,000万円・利益2,600万円増加につながった事例
今回の大阪府・従業員21名の企業では、2025年7月11日から、業務プロセスとサービス提供方法の標準化を進めました。
さらに、特定社員に集中していた知識の文書化や役割分担の明確化を社員の具体的な目標として設定し、その達成度を賞与へ反映する人事評価の仕組みを取り入れました。
取り組みを進める中で、社員にも、
「自分だけが知っている状態ではなく、他の社員も仕事ができる状態をつくることが会社への貢献になる」
という意識が高まり、属人化をはじめとする会社の課題改善につながりました。
その結果として、
売上は5,000万円増加、
利益は2,600万円増加
につながりました。
もちろん、業務を標準化したり、人事評価制度を取り入れたりすれば、すべての企業で同じ結果になるという意味ではありません。
重要なのは、
「誰に仕事が集中しているのか」
「その社員しか知らない情報は何か」
「どの業務なら標準化できるのか」
「どの知識を文書として残すべきなのか」
「どの仕事を役割分担できるのか」
を自社の状況に合わせて整理することです。
この事例が参考になりやすい企業
通信サービス会社だけではありません。
営業が社長や一部の社員に集中している
特定社員しか分からない商品や業務がある
難しい案件がいつも同じ社員に集中する
新人を採用しても育成に時間がかかる
先輩社員への質問が多く、業務が止まりやすい
案件が増えるほど社員の負担が増える
受注後の業務に想定以上の工数がかかる
人手不足によって受注機会を逃している
売上は増えても利益が残りにくい
営業や技術のノウハウを会社に残したい
といった企業にも参考にしていただきやすい考え方です。
営業、制作、生産、技術、顧客対応などのノウハウが特定の社員に集中している企業であれば、全国・業種を問わず応用できます。
より具体的な解決方法についての無料セミナーを開催しています
業務の属人化や人材育成、人事評価についてご相談いただけます
「特定の社員に仕事や知識が集中している」
「その社員が休むと業務が進まない」
「新人を採用しても一人前になるまで時間がかかる」
「受注を増やしたいが対応できる社員が足りない」
「社員によって営業や顧客対応の品質が違う」
「マニュアルを作っても活用されない」
「会社の課題解決を社員自身の目標にしたい」
このようなお悩みがありましたら、現在の業務や組織の状況を整理するところからご相談いただけます。
属人化を減らすことは、経験豊富な社員の価値を下げることではありません。
むしろ、その社員が長い時間をかけて身につけた知識や経験を会社の仕組みに変えることで、その価値を組織全体へ広げることができます。
また、すべての社員を同じ能力にする必要もありません。
業務を標準化したうえで、それぞれの社員の得意分野を活かした役割分担を行うことで、特定社員への依存を減らしながら、組織全体の対応力を高めることができます。
通信サービス会社に限らず、営業、制作、生産、技術、顧客対応などの属人化や、人材育成に課題を感じている企業にも対応しています。
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よくあるご質問 FAQ
業務に必要な知識、判断方法、作業手順、顧客対応などが特定の社員に集中し、その社員がいなければ同じ品質や速度で仕事を進めにくい状態です。
まず「特定の人しかできない仕事」と「特定の人に質問が集中している仕事」を洗い出します。そのうえで、仕事の手順や判断基準を整理し、文書化・標準化・役割分担を進めることが基本となります。
はい。商品知識、業務手順、よくある質問、判断基準などを社員が自分で確認できる状態にすることで、新人が仕事を理解しやすくなり、教える側の社員の負担軽減にもつながります。
すべての仕事を同じ方法にする必要はありません。繰り返し行う業務や基本的な確認事項を標準化し、提案や判断など個人の強みを活かす部分を残すことで、再現性と社員の個性を両立できます。
はい。営業、制作、生産、技術、顧客対応などの知識やノウハウが特定の社員に集中している企業であれば、業種を問わず応用できる考え方です。
この記事を書いた人

土山 誠
経営アドバイザー合同会社 代表
ブランディング戦略立案の仕事は、企業ごとに課題や方向性が異なるため、高度な提案力や企画力が求められます。
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