
経理代行・財務支援の業務プロセスを標準化し、人事評価で改善を
継続。売上6,700万円・利益3,400万円増加につながった事例
ブランディング戦略立案の仕事は、企業ごとに課題や方向性が異なるため、高度な提案力や企画力が求められます。
経理業務の属人化を解消し、少人数でも安定して成長できる組織づくり
「このお客様の経理は○○さんしか分からない」
「担当者によって仕事の進め方が違う」
「お客様が増えるほど社員も忙しくなる」
「新人を採用しても、一人で担当できるまで時間がかかる」
経理代行や財務支援など、お客様の業務を代わりに行う会社では、このような問題が起こりやすくなります。
今回ご紹介するのは、東京都でスタートアップや小規模企業を対象に、経理代行・財務支援・業務改善のコンサルティングを提供する従業員26名の企業です。
顧客ごとに異なる業務へ柔軟に対応できることが強みである一方、その対応方法が担当社員の経験に依存しやすく、顧客数が増えるほど工数も増えてしまうことが課題でした。
そこで、サービス提供の流れを標準化し、「誰が担当しても一定品質で仕事ができる仕組み」をつくることを社員の目標として設定。その達成度を人事評価と賞与へ反映しました。
その結果、社員の属人化解消への意識が高まり、会社の課題改善が進み、売上6,700万円、利益3,400万円の増加につながりました。
お客様が抱えていた課題
東京都で、スタートアップや小規模企業向けに経理代行、財務支援、業務改善支援を行う従業員26名の企業です。
お客様ごとに会計処理や請求方法、必要な資料、業務の進め方などが異なるため、担当社員が顧客に合わせて柔軟に対応していました。
しかし、その柔軟性が高いほど、
・顧客ごとの業務内容を担当者しか把握していない
・社員によって業務の進め方が違う
・判断基準が個人の経験に依存している
・引き継ぎに時間がかかる
・担当者が休むと他の社員が対応しにくい
・新人教育がベテラン社員任せになる
・同じ業務でも社員によって作業時間が違う
・顧客が増えるほど社員の工数も増える
・仕事のできる社員へ案件が集中する
・受注機会があっても人手不足で対応できない
という課題が生まれていました。
そこで、単純に社員を増やすのではなく、「今ある仕事をどこまで仕組みに変えられるか」を重要な経営課題としました。
経理代行で属人化が起こりやすい理由
経理代行では、お客様によって業務内容が異なります。
例えば、
・請求書の作成方法
・経費精算の方法
・入出金の確認
・必要となる資料
・月次処理の進め方
・お客様への確認事項
などです。
経験豊富な社員ほど、
「このお客様では、この時期にこの確認が必要」
「この処理では、この点に注意する」
といった知識を持っています。
これは会社にとって大切な財産です。
しかし、その知識が本人の頭の中だけに残ると、
「この顧客は○○さんしか分からない」
という属人化が起こります。
大切なのは、社員の経験をなくすことではありません。
経験から得た優れた方法を、他の社員も使える会社の仕組みに変えることです。
経理・バックオフィス業務の属人化で起こりやすい10の問題
1.特定社員に顧客や業務が集中する
2.担当者によって仕事の品質に差が出る
3.顧客ごとの情報が共有されない
4.担当者変更時の引き継ぎに時間がかかる
5.新人が一人で担当できるまで時間がかかる
6.社員によって同じ業務の作業時間が違う
7.繁忙期に一部社員へ仕事が集中する
8.顧客数を増やすほど人員も必要になる
9.受注できる案件を断る機会損失が発生する
10.売上が増えても利益率が改善しにくい
特に注意したいのは、「仕事のできる社員が頑張っているので問題なく回っている」という状態です。
今は問題がなくても、その社員の退職や休職、顧客の急増によって属人化が一気に表面化する場合があります。
経理業務の属人化を解消する10の取り組み
1.顧客ごとの業務を見える化する
誰が、何を、いつ行っているかを整理します。
2.共通業務を整理する
顧客が違っても共通する業務を洗い出します。
3.業務手順を標準化する
基本となる処理の順番を決めます。
4.チェックリストをつくる
確認漏れやミスを減らします。
5.顧客固有のルールを共有する
例外対応だけを分かりやすく管理します。
6.判断基準をマニュアル化する
「何をするか」だけでなく「なぜそうするか」も残します。
7.新人教育を段階化する
入社後に何を、どの順番で覚えるかを明確にします。
8.業務時間を見える化する
時間がかかっている仕事を改善します。
9.自動化できる仕事を探す
入力、転記、集計など定型作業を減らします。
10.属人化解消を人事評価する
標準化、マニュアル改善、後輩育成などを正式な目標にします。
「お客様ごとに違う仕事」でも標準化できる
経理代行では、
「お客様ごとにやり方が違うから標準化できない」
と思われることがあります。
しかし、すべてを同じにする必要はありません。
例えば、
資料受領
↓
内容確認
↓
入力・処理
↓
チェック
↓
不足資料の確認
↓
月次処理
↓
顧客への報告
という基本的な流れは共有できます。
そのうえで、
「この顧客だけはこの処理が必要」
という個別条件を別に管理します。
つまり、
「毎回すべて違う仕事」
ではなく、
「基本の仕組み+顧客ごとの個別対応」
へ変えていく考え方です。
これによって、担当者が変わっても一定品質でサービスを提供しやすくなります。
人事評価で属人化解消を社員の目標にする
経営者が、
「マニュアルを作ってください」
「ノウハウを共有してください」
「新人を育ててください」
と言うだけでは、日々のお客様対応が優先され、改善活動は後回しになりがちです。
そこで、会社が解決したい課題を社員一人ひとりの目標へ落とし込みます。
例えば、
・業務手順を標準化する
・マニュアルを作成・改善する
・チェックリストを整備する
・顧客情報を共有する
・他の社員でも担当できる業務を増やす
・新人を育成する
・作業時間を短縮する
・ミスや手戻りを減らす
・定型業務を自動化する
・会社全体の利益につながる改善を行う
といった目標です。
そして、その達成度を人事評価で確認し、賞与へ反映します。
「自分がたくさん仕事をこなす社員」だけでなく、「他の社員も仕事ができる仕組みをつくった社員」も評価する考え方です。
売上6,700万円・利益3,400万円増加につながった取り組み
今回の企業では、顧客ごとに異なっていた業務を整理し、共通するサービス提供プロセスの標準化を進めました。
さらに、属人化解消や業務改善を社員一人ひとりの目標として設定し、その達成度を人事評価と賞与へ反映しました。
その結果、社員が会社の課題解決を自分自身の仕事として考えるようになり、
・売上6,700万円増加
・利益3,400万円増加
につながりました。
重要なのは、
「もっと多くのお客様を担当してください」
と求めただけではないことです。
「どうすれば同じ仕事を短い時間でできるか」
「どうすれば自分にしかできない仕事を減らせるか」
「どうすれば顧客が増えても人員を増やし続けずに対応できるか」
という会社の課題そのものを社員の目標にしたことがポイントです。
この仕組みが役立つ企業とご相談について
今回の考え方は、経理代行会社だけに限定されません。
税理士事務所、社会保険労務士事務所、コンサルティング会社、IT企業、Web制作会社、人材会社、営業会社、各種業務代行会社などにも応用できます。
特に、
「○○さんがいないと仕事が分からない」
「顧客が増えるほど社員が忙しくなる」
「新人が一人前になるまで時間がかかる」
「マニュアルを作っても活用されない」
「社員数を増やしても利益が伸びにくい」
という企業では、属人化が成長を妨げていないか確認することが大切です。
人事評価制度を「社員に点数をつける制度」ではなく、「会社の課題を社員全員で解決する仕組み」として活用することで、属人化解消、人材育成、業務効率化、利益改善を同時に目指すことができます。
このようなお悩みがございましたら、まず現在の業務の中で「誰に、どの仕事やノウハウが集中しているのか」を整理するところから、丁寧にお手伝いいたします。
全国の企業に対応しております。
ご相談はこちらからお送りいただけます。
よくあるご質問 FAQ
顧客ごとの処理方法や判断基準が特定社員に集中し、その社員がいないと他の人では十分に対応できない状態です。
できます。資料受領、処理、確認、報告など共通する工程を標準化し、顧客固有のルールだけを個別に管理します。
マニュアルだけでは十分ではありません。実際に使いながら内容を改善し、教育、情報共有、業務分担まで含めて運用することが重要です。
業務標準化、マニュアル改善、後輩育成、作業時間削減などを個人目標に設定し、達成度を評価・賞与へ反映することで継続しやすくなります。
共通業務の標準化、役割分担、マニュアル化、自動化などを進め、一人あたりの対応可能件数を高める仕組みづくりが重要です。
この記事を書いた人

土山 誠
経営アドバイザー合同会社 代表
ブランディング戦略立案の仕事は、企業ごとに課題や方向性が異なるため、高度な提案力や企画力が求められます。
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