
担当者に集中する開発・提案ノウハウを標準化し、人事評価で改善を継続。売上4,300万円・利益2,000万円増加につながった事例
ブランディング戦略立案の仕事は、企業ごとに課題や方向性が異なるため、高度な提案力や企画力が求められます。
システム開発会社の属人化を解消し、案件が増えても利益を残せる組織をつくる方法
「案件が増えるほど、できる社員ばかり忙しくなる」
「このシステムは○○さんしか分からない」
「同じような開発でも毎回一からつくっている」
「社員によって開発スピードや進め方に差がある」
「仕事の依頼はあるのに、人手が足りず断ることがある」
システム開発やIT支援を行う企業では、このようなお悩みが起こりやすくなります。
今回ご紹介するのは、東京都で企業のIT導入支援やシステム開発などを行う従業員13名の企業です。
お客様ごとにシステムをカスタマイズできることが強みである一方、その個別対応の多さから、開発工程やノウハウが社員個人に依存していました。
その結果、案件が増えるほど開発工数も増え、せっかくお問い合わせをいただいても対応できない機会損失や、納期・利益率への影響が課題となっていました。
そこで、開発・制作プロセスの標準化と再利用できる仕組みづくりを社員の目標に設定し、その達成度を人事評価と賞与へ反映しました。
その結果、社員の属人化解消に対する意識が高まり、会社の課題改善が進み、売上4,300万円、利益2,000万円の増加につながりました。
お客様が抱えていた課題
東京都で、企業のIT導入支援や独自システム開発を行う従業員13名の企業です。
お客様ごとの課題に合わせて柔軟にシステムを開発できることは大きな強みでした。
一方で、案件ごとのカスタマイズが多くなるほど、設計や開発方法が担当社員の経験や技術力へ依存しやすくなっていました。
具体的には、
・案件によって開発方法が大きく異なる
・一部の技術者へ難しい案件が集中する
・過去に作った機能を十分に再利用できていない
・担当者によって開発工数に差がある
・同じような機能でも毎回一から作ることがある
・開発ノウハウが社員個人に蓄積される
・新人や若手社員が育つまで時間がかかる
・案件が増えると納期管理が難しくなる
・人手不足によって新しい案件を受けられない
・売上が増えても開発工数が増え、利益が残りにくい
という課題がありました。
そこで、「もっと社員を増やす」だけではなく、「現在の社員でもより多くの案件に対応できる仕事の仕組み」をつくることを重要な課題としました。
システム開発会社で属人化が起こりやすい理由
システム開発では、お客様によって業務内容や求める機能が異なります。
そのため経験豊富な技術者ほど、
「この要望なら、この設計がよい」
「この機能は以前の案件を応用できる」
「この部分は事前に確認しないと後で手戻りになる」
といった判断力を身につけていきます。
これは会社にとって大切な財産です。
しかし、その知識が本人の頭の中だけに残ると、
「この案件は○○さんしかできない」
という仕事が増えていきます。
属人化解消とは、優秀な技術者の専門性をなくすことではありません。
その優れた経験や技術を、他の社員も活用できる会社の財産へ変えていくことです。
システム開発の属人化で起こりやすい10の課題
属人化が進むと、次のような問題が起こりやすくなります。
1.重要案件が一部の技術者へ集中する
2.担当者によって開発品質に差が出る
3.同じような機能を毎回一から開発する
4.過去の開発ノウハウが十分に共有されない
5.案件ごとの工数予測が難しくなる
6.新人や若手社員の育成に時間がかかる
7.担当社員が休むと開発が進みにくくなる
8.案件が増えるほど納期遅延のリスクが高まる
9.新しい案件を受注したくても人手が足りない
10.売上が増えても利益率が改善しにくい
特に注意したいのは、「優秀な社員が頑張っているので、今は問題なく回っている」という会社です。
仕事が増えたときや、その社員が退職したときに、それまで見えなかった属人化が一気に表面化することがあります。
属人化解消のために取り組む10の仕組み
システム開発では、すべての案件を同じにする必要はありません。
共通している部分を見つけ、繰り返し使える仕組みにすることがポイントです。
1.開発工程を見える化する
相談、要件整理、設計、開発、確認、納品までの流れを整理します。
2.成果を出している社員の進め方を共有する
優秀な技術者が何を確認し、どのように判断しているのかを明確にします。
3.過去の開発事例を蓄積する
どのような課題に対して何を開発したのかを会社の知識として残します。
4.繰り返し使える機能を整理する
毎回ゼロから作らず、過去に開発した機能を再利用できるようにします。
5.設計や確認項目を標準化する
担当者による抜け漏れや品質差を減らします。
6.案件ごとの工数を記録する
どの工程にどれだけ時間がかかったのかを把握します。
7.引き継ぎ方法を統一する
担当者が変わっても案件状況を把握できるようにします。
8.新人教育を仕組み化する
何をどの順番で覚えるのかを明確にし、早期戦力化を目指します。
9.社員でなくてもできる業務を切り分ける
専門技術者が、本当に価値の高い仕事へ集中できるようにします。
10.業務改善を人事評価の対象にする
標準化、再利用、工数削減、後輩育成などを社員の正式な目標にします。
開発プロセスを標準化して工数を減らす
システム開発では、
相談
↓
ヒアリング
↓
要件整理
↓
設計
↓
開発
↓
テスト
↓
修正
↓
納品
↓
運用支援
といった基本的な流れがあります。
この中から、案件が違っても共通している部分を見つけます。
例えば、
・ヒアリング項目
・要件整理シート
・設計時の確認項目
・開発ルール
・テスト項目
・納品前チェック
・顧客への説明方法
・案件終了後の振り返り
などです。
さらに、過去に開発した機能のうち再利用できるものを整理しておけば、毎回ゼロから作る仕事を減らすことができます。
「すべてをオーダーメイド」から「基本となる仕組み+お客様ごとの個別対応」へ変えていくことで、品質を維持しながら工数を減らしやすくなります。
人事評価で属人化解消を社員の目標にする
経営者が、
「ノウハウを共有してほしい」
「開発時間を短くしてほしい」
「若手社員を育ててほしい」
と言うだけでは、目の前の案件が忙しいほど改善活動は後回しになります。
そこで、会社が解決したい課題そのものを社員の目標へ落とし込みます。
例えば、
・開発工程を標準化する
・再利用できる機能を増やす
・過去案件のノウハウを共有する
・開発時間を短縮する
・手戻りを減らす
・他の社員でもできる業務を増やす
・若手社員を育成する
・案件の利益率を改善する
といった目標です。
そして、その達成度を人事評価で確認し、賞与へ反映します。
「自分が優秀な技術者であること」だけでなく、「会社全体の開発力を高めたこと」も評価する仕組みです。
売上4,300万円・利益2,000万円増加につながった取り組み
今回の企業では、開発・制作プロセスを標準化し、再利用できる機能や仕事の進め方を増やすことを目標としました。
そして、それらの改善を社員一人ひとりの目標へ落とし込み、達成度を人事評価と賞与へ反映しました。
その結果、社員の属人化解消への意識が高まり、会社の課題改善が進み、
・売上4,300万円増加
・利益2,000万円増加
につながりました。
重要なのは、社員に単純に、
「もっと早く開発してください」
「もっと案件をこなしてください」
と求めたのではないことです。
「どうすれば同じ機能をもう一度使えるか」
「どうすれば自分のノウハウを他の社員も使えるか」
「どうすれば同じ人数でも対応できる案件を増やせるか」
という会社の課題そのものを社員の目標にしたことがポイントです。
この仕組みはシステム開発会社以外にも活用できます
今回の考え方は、システム開発会社だけに限定されるものではありません。
IT企業、Web制作会社、動画制作会社、広告会社、設計会社、コンサルティング会社、建設会社、専門サービス会社など、案件ごとの個別対応が多い企業にも応用できます。
特に、
「仕事のできる社員ほど忙しい」
「○○さんしかできない仕事が多い」
「受注したいのに人手が足りず断っている」
「社員数を増やしても利益が増えない」
「過去の仕事を次の案件に十分活かせていない」
という企業では、属人化が会社の成長を妨げていないか確認することが大切です。
ご相談について
人事評価制度は、社員に点数をつけるだけの制度ではありません。
会社が解決したい課題を社員一人ひとりの目標へ落とし込み、その改善行動を評価することで、属人化解消、工数削減、人材育成、利益率向上を同じ方向へつなげることができます。
「一部の技術者に案件が集中している」
「開発工数を減らしたい」
「過去の開発ノウハウを会社に残したい」
「人手不足で案件を断ることを減らしたい」
「人事評価制度を会社の業績向上につなげたい」
このようなお悩みがございましたら、まず「どの仕事が誰に集中しているのか」「どの工程なら標準化・再利用できるのか」を整理するところから、丁寧にお手伝いいたします。
全国の企業に対応しております。
ご相談はこちらからお送りいただけます。
よくあるご質問 FAQ
案件ごとに仕様や要望が異なるため、設計や開発方法が経験豊富な技術者の知識や判断に依存しやすいことが主な原因です。経験を共有できる仕組みに変えることが重要です。
できます。すべてのシステムを同じにするのではなく、ヒアリング、要件整理、設計、テスト、納品など共通する工程や、再利用できる機能を標準化します。
専門性をなくすことが目的ではありません。優秀な技術者が持つ知識を共有し、本人にはより高度な設計や判断など、その人ならではの仕事へ集中してもらうことが目的です。
標準化、再利用できる機能の整備、ノウハウ共有、若手育成、工数削減などを社員の目標に設定し、その達成度を評価・賞与へ反映することで、改善を継続しやすくなります。
システム開発、Web制作、設計、コンサルティングなど、案件ごとの個別対応が多く、一部の専門社員へ仕事やノウハウが集中している企業に活用しやすい仕組みです。
この記事を書いた人

土山 誠
経営アドバイザー合同会社 代表
ブランディング戦略立案の仕事は、企業ごとに課題や方向性が異なるため、高度な提案力や企画力が求められます。
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