
営業・提案・コンサルティングの属人化を解消し、優秀な社員の
ノウハウを会社の仕組みに変える。人事評価制度の活用により
売上5億円・利益2億6,000万円増加につながった事例
ブランディング戦略立案の仕事は、企業ごとに課題や方向性が異なるため、高度な提案力や企画力が求められます。
経営コンサル会社で特定社員に仕事が集中する状態を解消し、成長を続ける組織づくり
「優秀なコンサルタントに重要案件が集中している」
「担当者によって提案や支援の品質に差がある」
「○○さんでなければ対応できないお客様が増えている」
「社員数は増えているのに、一部の管理職やベテラン社員が忙しい」
「全国へ事業を広げたいが、同じ品質でサービスを提供できるか不安」
経営コンサルティング会社では、会社が成長するにつれて、このような課題が起こることがあります。
コンサルティングという仕事は、社員一人ひとりの経験、知識、判断力、提案力が大きな価値になります。
これは会社にとって、とても大切な財産です。
一方で、その財産が個人の中だけに蓄積されると、
「この案件は○○さんでなければできない」
「このお客様への提案は△△さんに任せるしかない」
という仕事が増えていきます。
こうした状態が「属人化」です。
今回ご紹介するのは、東京都で中小企業向けの経営コンサルティングを行う従業員191名の企業です。
自社で実践して得た高い効果のある経営ノウハウを持っていることが大きな強みでした。
その一方で、事業規模が拡大するにつれて、コンサルタント個人の経験に依存する業務が増え、全国どこでも同じ品質のサービスを提供できる体制づくりが重要な課題となっていました。
そこで、
・提供プロセスの明文化
・成功ノウハウの標準化
・コンサルティング品質の基準づくり
・成功事例の共有
・若手社員へのノウハウ移転
・誰が担当しても一定品質を保てる仕組みづくり
などを会社の重要課題としました。
さらに、その課題解決を社員一人ひとりの目標へ落とし込み、達成度を人事評価と賞与へ反映しました。
その結果、社員の属人化解消に対する意識が高まり、会社の課題改善が進み、
・売上5億円増加
・利益2億6,000万円増加
につながりました。
お客様の課題
東京都で中小企業向けの経営コンサルティングを提供する従業員191名の企業です。
自社で実際に取り組み、成果を上げた経営ノウハウをお客様へ提供できることが大きな強みでした。
一方で、サービスの価値がコンサルタント一人ひとりの経験や判断力に支えられているため、会社が成長するにつれて「誰が担当するか」で提供品質に差が生まれやすくなっていました。
具体的には、
・経験豊富なコンサルタントへ重要案件が集中する
・担当者によってヒアリングや提案の進め方が異なる
・成功しているコンサルタントのノウハウが十分に共有されない
・若手社員が一人前になるまで時間がかかる
・お客様によってサービス品質に差が生じる可能性がある
・拠点や社員数を増やした際に同じ品質を維持しにくい
という課題がありました。
そこで、「できる社員をさらに忙しくする」のではなく、「できる社員の優れた仕事を会社全体で活用できる状態へ変える」ことを重要な経営課題としました。
経営コンサル会社で属人化が起こりやすい理由
経営コンサルティングでは、お客様によって経営課題が違います。
例えば、
・売上を増やしたい
・利益率を改善したい
・営業を強化したい
・社員を育成したい
・離職を減らしたい
・組織を改善したい
・新規事業を立ち上げたい
・業務を効率化したい
など、相談内容はさまざまです。
そのため、経験豊富なコンサルタントほど、
「この会社には、まずこの課題から取り組んだ方がよい」
「社長はこの問題を話しているが、本当の原因は別のところにある」
「この業界なら、この方法が効果的だった」
といった判断ができるようになります。
これこそがコンサルティング会社の強みです。
しかし、その判断方法が本人の頭の中だけに残っていると、会社が大きくなるほど、
「難しい案件はベテランに集中する」
という状態になりやすくなります。
大切なのは、優秀なコンサルタントの個性や専門性をなくすことではありません。
その人が持っている優れた考え方や判断方法を、他の社員も学び活用できる「会社の財産」に変えていくことです。
経営コンサル会社の属人化で起こりやすい10の問題
経営コンサルティング会社で属人化が進むと、次のような問題が起こりやすくなります。
1.重要なお客様が特定のコンサルタントに集中する
2.担当者によって提案品質に差が生まれる
3.同じ経営課題でも解決方法が担当者によって大きく異なる
4.成功したコンサルティング方法が社内へ十分に共有されない
5.新人や若手社員の育成に時間がかかる
6.優秀な社員ほど案件が集中し、さらに忙しくなる
7.担当者が退職するとノウハウや顧客関係まで失われる
8.拠点を増やすとサービス品質にばらつきが出る
9.社員数を増やしても売上や利益が比例して伸びない
10.経営者や一部の管理職がいつまでも現場から離れられない
特に注意したいのは、
「優秀な社員が頑張ってくれているので、今は問題なく成長している」
という状態です。
一見すると問題がないように見えます。
しかし、その人にさらに案件が集中したり、異動や退職が発生したりすると、それまで見えなかった属人化の問題が一気に表面化する可能性があります。
属人化解消の第一歩は、優秀な社員の仕事を見える化すること
属人化を解消するとき、最初から大量のマニュアルを作る必要はありません。
まず行いたいのは、
「成果を上げている社員は、具体的に何をしているのか」
を明らかにすることです。
成果を生む判断や行動を言葉にする
例えば、
・初回面談では何を聞いているのか
・お客様の本当の課題をどのように見つけているのか
・どのような順番で質問しているのか
・どのタイミングで改善策を提示しているのか
・提案内容をどのように組み立てているのか
・お客様が行動しないときにどのような支援をしているのか
・成果が出た後、次の課題をどう見つけているのか
を整理します。
「○○さんはコンサルティング能力が高い」
という抽象的な評価で終わらせず、
「なぜ○○さんは成果を出せるのか」
を具体的な行動へ分解していきます。
コンサルティングの提供プロセスを標準化する
お客様ごとに経営課題が違っても、コンサルティングの基本的な流れには共通する部分があります。
例えば、
お問い合わせ・紹介
↓
初回相談
↓
現状把握
↓
経営課題の整理
↓
原因分析
↓
改善案の提示
↓
実行計画
↓
実行支援
↓
成果確認
↓
課題の再確認
↓
次の改善
という流れです。
このプロセスを見えるようにすると、
「どの段階で担当者による差が生まれているのか」
「成果を上げている社員と、そうでない社員の違いは何か」
を確認しやすくなります。
すべてのお客様へ同じコンサルティングを行うという意味ではありません。
共通化できる部分を標準化し、お客様ごとに判断する部分との境界を明確にすることが重要です。
成功したコンサルティング事例を会社の財産にする
コンサルティング会社にとって、過去の成功事例は非常に価値の高い財産です。
例えば、
・お客様はどのような状態だったか
・本当の原因は何だったか
・どのような提案をしたか
・何を実行したか
・どのような問題が起きたか
・どう改善したか
・どのような成果につながったか
・成功のポイントは何だったか
などを整理します。
さらに、
「製造業の営業改善」
「建設会社の人材育成」
「サービス会社の利益改善」
など、課題や業種ごとに事例を蓄積します。
そうすることで、新しい案件を担当する社員も、過去の成功事例を参考にしながら提案できるようになります。
一人のコンサルタントが100件経験するだけではなく、その100件を他の社員も学べる会社に変えていく考え方です。
ヒアリングや提案の基本形をつくる
コンサルティングの成果は、最初のヒアリングで大きく変わることがあります。
お客様が、
「売上を増やしたい」
と話していても、本当の問題は営業力ではなく、商品構成や人材育成、組織体制にあるかもしれません。
そこで、成果を上げているコンサルタントが確認している内容を整理します。
例えば、
・現在の売上と利益
・過去数年間の変化
・社員数
・顧客構成
・営業方法
・商品やサービス
・競合状況
・社員の状態
・社長が困っていること
・今後実現したい状態
などです。
ヒアリングの基本形があれば、若手社員でも重要な確認事項を漏らしにくくなります。
そこから先の分析や提案で、各コンサルタントの専門性を発揮していきます。
若手社員の育成を「先輩について覚える」だけにしない
属人化している会社では、新人教育も属人化しやすくなります。
「まず○○さんについて仕事を覚えてください」
という育成方法だけでは、教える社員によって内容が変わります。
そこで、
入社時
↓
基礎知識
↓
先輩同行
↓
一部業務を担当
↓
小規模案件を担当
↓
一人で案件を担当
↓
後輩を指導
というように、成長段階を整理します。
さらに、
・何を理解すればよいのか
・何ができれば次へ進めるのか
・どこまでは一人で判断してよいのか
・どこからは上司へ相談するのか
を明確にします。
若手社員から見ても、
「何ができるようになれば一人前なのか」
が分かりやすくなります。
全国で同じ品質を提供できる仕組みをつくる
会社の規模が大きくなるほど重要になるのが、品質の均一化です。
東京都の社員が提供するサービスと、別の地域の社員が提供するサービスで、大きな品質差があってはなりません。
そのため、
・ヒアリング基準
・課題分析方法
・提案書の基本構成
・支援プロセス
・進捗確認
・顧客への報告
・成果確認
・案件終了後の振り返り
など、共有できる部分を整理します。
これは社員を同じ型にはめることが目的ではありません。
会社として最低限守る品質基準をつくり、そのうえで社員一人ひとりの専門性や個性を活かす考え方です。
業務品質だけでなく利益につながる仕組みをつくる
コンサルティング会社では、
「良い仕事をする」
ことはもちろん大切です。
しかし、会社として継続的に成長するためには、
「良い仕事を適正な時間と工数で提供する」
という視点も必要です。
例えば、
・案件に何時間使っているのか
・どの工程で時間がかかっているのか
・どの業務を標準化できるのか
・どの資料を再利用できるのか
・どの会議を短縮できるのか
・どの業務を若手へ移管できるのか
を確認します。
優秀な社員がすべて自分で行うのではなく、専門性の高い仕事へ集中できる体制をつくることが、会社全体の利益改善にもつながります。
人事評価制度で「属人化解消」を社員の正式な目標にする
ここが今回の取り組みで非常に重要なポイントです。
経営者が、
「ノウハウを共有してください」
「若手を育成してください」
「業務を標準化してください」
と呼びかけるだけでは、改善活動はなかなか続きません。
なぜなら、忙しい社員ほど、
「自分の案件を進める方が先」
となるからです。
そこで、会社が解決したい「属人化」という経営課題を、社員一人ひとりの正式な目標にしました。
会社の仕組みを良くした社員を評価する
例えば、
・コンサルティング手順を標準化する
・成功事例を共有する
・ヒアリング方法を整理する
・提案資料を改善する
・若手社員を育成する
・他の社員でも担当できる案件を増やす
・業務マニュアルを作成、改善する
・案件時間を短縮する
・顧客満足度を高める
・会社全体の利益につながる改善を行う
といった内容です。
つまり、
「自分で大きな売上を上げた社員」
だけを評価するのではありません。
「自分の成功方法を他の社員でも活用できるようにした社員」
「会社全体の能力を高めた社員」
も評価します。
人事評価と賞与を連動させ、ノウハウ共有を続けられる会社にする
属人化解消でよく起こるのが、
「自分でやった方が早い」
という問題です。
確かに、一つの案件だけを考えればその通りかもしれません。
しかし、それを続けていると、
できる社員に仕事が集中
↓
さらに忙しくなる
↓
後輩を育成できない
↓
さらにその社員へ仕事が集中
という悪循環が生まれます。
そこで、
会社の課題
↓
部署の課題
↓
社員一人ひとりの目標
↓
具体的な改善行動
↓
人事評価
↓
賞与
までをつなげます。
これにより、ノウハウ共有、後輩育成、マニュアル作成、仕組み化などを、
「時間があれば行う仕事」
ではなく、
「会社が正式に評価する仕事」
へ変えていきます。
取り組みにより売上5億円・利益2億6,000万円増加
今回の企業では、コンサルティングサービスの属人化を解消するため、提供プロセスの明文化やノウハウの標準化を進めました。
さらに、
・成功方法の共有
・サービス品質の均一化
・若手社員へのノウハウ移転
・担当者が変わっても一定品質を提供できる仕組みづくり
などを社員一人ひとりの目標へ落とし込みました。
そして、その達成度を人事評価と賞与へ反映しました。
その結果、社員の属人化解消に対する意識が高まり、会社の課題改善が進み、
・売上5億円増加
・利益2億6,000万円増加
につながりました。
大切なのは、社員へ単純に、
「もっと売上を上げてください」
と求めたのではないことです。
「どうすれば自分の成功を他の社員も再現できるのか」
「どうすれば若手社員が早く成長できるのか」
「どうすれば全国で同じ品質を提供できるのか」
「どうすれば会社全体の生産性と利益を高められるのか」
という経営課題そのものを社員の目標にしたことがポイントです。
この仕組みはコンサルティング会社以外でも活用できます
今回の考え方は、経営コンサルティング会社だけに限定されるものではありません。
・IT企業
・システム開発会社
・Web制作会社
・広告会社
・士業事務所
・人材サービス会社
・設計会社
・建設会社
・製造業
・専門知識を提供するサービス会社
などでも応用できます。
特に、
「○○さんにしかできない仕事がある」
「優秀な社員ほど忙しくなっている」
「社員が増えても社長や管理職が楽にならない」
「新人を採用しても育成に時間がかかる」
「担当者によってサービス品質に差がある」
という企業では、属人化が会社の成長を妨げていないか確認することが大切です。
会社が大きくなるほど「個人の力」を「組織の力」に変えることが重要
会社が小さいうちは、優秀な社員数人が頑張ることで大きな成果を上げられる場合があります。
しかし、社員数が増えてくると、
優秀な社員へ案件が集中
↓
その社員が忙しくなる
↓
若手を育てられない
↓
重要案件がさらに優秀な社員へ集中
↓
会社を拡大しにくくなる
という問題が生まれます。
目指したいのは、
優秀な社員の仕事を見える化
↓
成功ノウハウを共有
↓
提供プロセスを標準化
↓
若手社員が早く成長
↓
複数の社員が高品質なサービスを提供
↓
社員の負担を平準化
↓
会社全体の生産性向上
↓
売上・利益の増加
という好循環です。
人事評価制度を「社員に点数をつける制度」ではなく、「会社の経営課題を社員全員で解決する仕組み」として活用することで、属人化の解消と業績向上を同時に目指すことができます。
ご相談・お問い合わせ
「優秀な社員に重要案件が集中している」
「担当者によってサービス品質に差がある」
「社員数は増えたのに、一部の社員の負担が減らない」
「若手社員へベテランのノウハウを引き継ぎたい」
「全国へ事業を広げても同じ品質を保てる会社にしたい」
「人事評価制度を会社の売上・利益向上につなげたい」
このようなお悩みがございましたら、まず現在の会社の中で、
「誰に、どの仕事・知識・顧客・判断が集中しているのか」
を整理するところから、丁寧にお手伝いいたします。
全国の企業に対応しています。
ご相談はこちらからお問い合わせください。
よくあるご質問 FAQ
経営コンサルティング会社の属人化とは、顧客へのヒアリング、課題分析、提案、改善方法、顧客対応などが特定のコンサルタントの経験や知識に依存し、「その人でなければ同じ品質のサービスを提供できない」状態になることです。優秀な社員の経験や判断方法を見える化し、会社全体で活用できる仕組みに変えることが属人化解消の基本です。
すべてのコンサルティング内容を同じにする必要はありません。初回相談、ヒアリング、課題整理、提案、実行支援、成果確認など、共通するプロセスを標準化し、お客様ごとに個別判断する部分と分けます。「共通する基本形+個別対応」にすることで、柔軟性を維持しながらサービス品質のばらつきを減らしやすくなります。
まず、成果を上げている社員が「何を見て、何を考え、どのように行動しているのか」を具体的に整理します。ヒアリング項目、判断基準、提案の順番、成功事例、失敗事例などを記録し、研修や案件レビューで共有します。単にマニュアルを作るだけでなく、実際の案件を通じて改善を続けることが重要です。
特定社員に顧客、判断、専門知識、重要案件が集中している可能性があります。社員数だけを増やしても、仕事の進め方や判断基準が共有されていなければ、若手社員がベテランへ確認する回数が増え、かえってベテラン社員が忙しくなる場合があります。業務の見える化、標準化、人材育成を同時に進めることが重要です。
人事評価制度を導入するだけで属人化が自動的に解消されるわけではありません。ノウハウ共有、業務標準化、若手育成、成功事例の共有、業務時間の短縮など、会社が解決したい課題を社員の具体的な目標に設定し、その達成度を評価や賞与へ反映することで、「自分だけが成果を出す」だけではなく「会社全体が成果を出せる仕組みをつくる」行動を促しやすくなります。
この記事を書いた人

土山 誠
経営アドバイザー合同会社 代表
ブランディング戦略立案の仕事は、企業ごとに課題や方向性が異なるため、高度な提案力や企画力が求められます。
-
前の記事
システム開発会社の社員の属人化の解決方法
-
次の記事
フィットネスジム運営社の社員の属人化の解決方法
課題解決事例 キーワード検索