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制作会社の社員の属人化の解決方法

「仕事のできる社員に案件が集中している」

「担当者によって制作の進め方や品質が違う」

「営業から納品まで、その人に聞かなければ分からない」

「社員を増やしても、なかなか会社が楽にならない」

映像制作、SNS運用、Web制作など、クライアントごとに異なる要望へ対応する制作会社では、このような悩みが起こりやすくなります。

一つひとつの案件に合わせた柔軟な対応は、制作会社にとって大きな強みです。

しかし、営業、企画、制作、顧客対応などのノウハウが特定の社員に集中すると、「○○さんでなければできない仕事」が増え、案件が増えるほど一部の社員が忙しくなることがあります。

これが「属人化」です。

今回ご紹介するのは、神奈川県で映像制作やSNS運用、Web関連の開発など、企業のデジタル施策を一貫して支援する従業員16名の企業です。

案件ごとの個別対応が多く、社員の専門性を活かせる反面、営業から制作、納品までの進め方が担当者の経験に依存しやすく、工数の増加や利益率、成約率、納期などにばらつきが生じることが課題となっていました。

そこで、制作や営業の流れを標準化し、テンプレートを活用して業務を効率化。さらに、会社が解決したい課題を社員一人ひとりの目標に設定し、その達成度を賞与へ反映する人事評価制度を提供しました。

取り組みの結果、社員の属人化解消や業務改善に対する意識が高まり、会社の課題改善が進み、売上5,000万円、利益2,000万円の増加につながりました。

神奈川県で映像制作、SNS運用、Web関連の開発などを行う従業員16名の企業です。

クライアントの要望に合わせて幅広いデジタル施策を提供できることが強みである一方、案件ごとの個別対応が多いため、営業、企画、制作、顧客対応などが担当者個人の経験や専門スキルに依存しやすい状態でした。

具体的には、
・案件ごとに制作方法や進め方が異なる
・成果を出している社員のノウハウが十分に共有されない
・営業から納品までの流れが担当者によって異なる
・案件によって必要な工数が膨らむ
・担当者によって成約率や納期管理に差が生まれる
・既存顧客への追加提案や継続提案が担当者任せになる
といった課題です。

そこで、案件ごとの柔軟性を残しながら、共通する業務を標準化し、個人が持つノウハウを会社全体で活用できる仕組みづくりを進めました。

制作会社の仕事は、同じものを繰り返し販売する仕事とは異なります。

お客様によって、

・目的
・ターゲット
・予算
・納期
・制作内容
・使用する媒体
・求められる成果

などが異なるため、案件ごとに柔軟な対応が必要です。

そのため経験豊富な社員ほど、

「このお客様には、この提案が合う」

「この案件なら、この進め方が早い」

「ここは事前に確認しておかないと手戻りになる」

といった経験に基づく判断力を持っています。

これは会社にとって大切な財産です。

問題は、その財産が本人の頭の中だけに蓄積されることです。

「このお客様は○○さんしか対応できない」

「この制作は△△さんでなければ進められない」

という仕事が増えると、優秀な社員がいること自体が、会社の成長のボトルネックになってしまう場合があります。

大切なのは、社員の専門性をなくすことではありません。

優秀な社員の知識や経験を、他の社員も活用できる「会社の財産」へ変えることです。

1.仕事のできる社員へ案件が集中する
2.担当者によって制作物の品質に差が生まれる
3.案件ごとに必要な作業時間が大きく異なる
4.営業方法や提案方法が担当者任せになる
5.過去の成功事例が社内で十分に共有されない
6.新人が一人で案件を担当できるまで時間がかかる
7.担当者が休むと案件の進行状況が分からなくなる
8.売上が増えるほど残業や外注費も増える
9.既存顧客への追加・継続提案が担当者任せになる
10.社員を増やしても利益が思うように増えない

特に注意したいのは、「優秀な社員が頑張っているので、今のところ問題なく仕事が回っている」という会社です。

現在は問題が見えなくても、その社員への案件集中や退職、急激な受注増加などをきっかけに、属人化の問題が一気に表面化する可能性があります。

属人化を解消しようとして、最初から細かなマニュアルを作る必要はありません。

まず行いたいのは、

「成果を出している社員は、他の社員と何が違うのか」

を明らかにすることです。

例えば、

・お客様から何をヒアリングしているか
・案件開始時に何を確認しているか
・どのような順序で制作しているか
・どこでお客様に確認を取っているか
・手戻りを防ぐために何をしているか
・納期を守るために何を管理しているか
・制作終了後にどのような提案をしているか

などを整理します。

「○○さんは仕事ができる」で終わらせず、「なぜ仕事ができるのか」を具体的な行動に分解することが重要です。

次に、一つの案件が始まってから終了するまでの流れを整理します。

例えば、

問い合わせ・紹介

初回ヒアリング

課題整理

企画

提案

見積り

受注

制作準備

制作

確認・修正

納品

効果確認

追加・継続提案

という形です。

流れを見えるようにすると、

「どこで時間がかかっているのか」

「どこで手戻りが発生しているのか」

「どこが特定社員に依存しているのか」

「なぜ担当者によって利益率が違うのか」

が見えやすくなります。

すべての案件を同じにするのではなく、「共通化できる部分」と「個別対応が必要な部分」を分けることがポイントです。

制作会社では「毎回内容が違うから標準化できない」と考えてしまいがちです。

しかし、案件そのものが違っても、共通する工程はあります。

例えば、

・ヒアリングシート
・企画書
・提案書
・見積書
・制作スケジュール
・確認事項
・顧客への連絡文
・進行管理表
・納品前チェックリスト
・終了後の振り返りシート

などです。

毎回ゼロから作る仕事を減らし、「基本形+案件ごとの個別対応」に変えることで、制作時間を削減しながら品質を安定させやすくなります。

良い仕事をしても、その経験が担当者だけのものになってしまえば、次の案件ではまたゼロから考えることになります。

そこで案件終了後に、

・どのような課題があったか
・どのような提案をしたか
・何がお客様から評価されたか
・どこに時間がかかったか
・どんな問題が発生したか
・どう解決したか
・利益はどの程度残ったか
・次回は何を改善するか

を残します。

案件を経験するたびに「社員個人だけが成長する」のではなく、「会社全体にノウハウが蓄積される」状態を目指します。

制作会社では、制作だけでなく営業も属人化しやすい仕事です。

「社長しか新規顧客を獲得できない」

「○○さんの紹介からしか仕事が来ない」

「営業担当によって成約率が大きく違う」

という状態では、安定した成長が難しくなります。

そこで、

見込み顧客の発掘

問い合わせ・紹介

ヒアリング

課題整理

企画・提案

見積り

商談

受注

までを整理します。

さらに、成果を出している社員について、

・どのような顧客を狙っているのか
・最初に何を質問しているのか
・顧客の課題をどう整理しているのか
・どのような提案をしているのか
・どのタイミングでフォローしているのか

を分析します。

営業を「センス」だけで終わらせず、再現可能な行動へ変えていくことが重要です。

制作会社の売上を安定させるには、新規顧客だけでなく既存顧客との継続的な関係も大切です。

映像制作を依頼された企業であれば、その後、

・SNSでの活用
・新しい動画制作
・Webサイトでの活用
・採用活動への展開
・定期的なコンテンツ制作

など、次の課題が生まれることがあります。

しかし、追加提案が担当者の判断だけに任されていると、せっかくの機会を逃すことがあります。

そこで、

納品

成果確認

新しい課題の確認

改善提案

追加・継続支援

という流れも仕組みにします。

一度のお取引で終わらず、お客様の課題を継続的に解決する関係をつくることで、売上の安定化にもつながります。

ここが今回の取り組みの大切なポイントです。

経営者が、

「ノウハウを共有してほしい」

「もっと効率化してほしい」

「後輩を育ててほしい」

と伝えるだけでは、日々の案件を抱える社員にとって、どうしても目の前の仕事が優先されます。

そこで、会社が解決したい課題そのものを、社員一人ひとりの目標へ落とし込みました。

例えば、

・制作工程を標準化する
・テンプレートを作成する
・制作時間を短縮する
・成功事例を共有する
・新人でもできる業務を増やす
・営業方法を標準化する
・提案資料を改善する
・成約率を改善する
・既存顧客への継続提案を仕組み化する
・案件の利益率を改善する

といった目標です。

そして、それぞれの目標に対する達成度を人事評価で確認し、賞与へ反映します。

「自分がたくさん仕事をする人」だけではなく、

「他の社員も仕事ができる仕組みをつくった人」

「会社全体の利益につながる改善をした人」

も評価する考え方です。

属人化を解消するうえで難しいのは、優秀な社員ほど、

「自分でやったほうが早い」

と感じやすいことです。

そこで、

会社の課題

部署の課題

社員一人ひとりの目標

具体的な改善行動

人事評価

賞与

までをつなげます。

これによって、マニュアル作成、テンプレート化、後輩育成、業務改善などを「時間があったらやる仕事」ではなく、正式な仕事として位置づけます。

社員にとっても、「会社を良くすることが自分自身の評価にもつながる」という関係が分かりやすくなります。

今回の企業では、制作や営業の属人化を解消するため、業務の標準化やテンプレート化、営業・商談の仕組み化などを進め、それらを社員一人ひとりの目標へ落とし込みました。

さらに、その達成度を人事評価と賞与へ反映しました。

その結果、社員の属人化解消や会社の課題解決に対する意識が高まり、改善が進んだことで、

・売上5,000万円増加
・利益2,000万円増加

につながりました。

重要なのは、社員へ単純に「もっと案件を取ってください」「もっと制作してください」と求めたのではないことです。

「どうすれば同じ仕事を短い時間でできるのか」

「どうすれば自分のノウハウを他の社員も使えるのか」

「どうすれば一つの案件から適正な利益を残せるのか」

という会社の課題そのものを、社員の目標にしたことがポイントです。

今回の考え方は、映像制作やSNS運用を行う会社だけのものではありません。

・Web制作会社
・広告会社
・デザイン会社
・システム開発会社
・IT企業
・コンサルティング会社
・イベント会社
・建設会社
・専門サービス会社
・案件ごとの個別対応が多い企業

などにも応用できます。

特に、

「優秀な社員ほど忙しい」

「社員を増やしても売上や利益が比例して増えない」

「社長や一部の社員しか営業できない」

「担当者によって仕事の品質や利益率が違う」

「社員が辞めると、その人のノウハウまで失ってしまう」

という会社では、属人化が成長を妨げていないかを確認することが大切です。

案件型のビジネスでは、

案件が増える

社員が忙しくなる

残業や外注が増える

利益率が下がる

さらに人を増やす必要が出る

という状態になることがあります。

これでは、売上は増えても経営者や社員の負担ばかりが大きくなってしまいます。

目指したいのは、

営業の仕組み化

受注の安定

制作工程の標準化

工数削減

属人化の解消

社員の負担軽減

案件利益の改善

会社の成長

という好循環です。

人事評価制度を「社員に点数をつけるための制度」ではなく、「会社の課題を社員全員で解決するための仕組み」として活用することで、社員の成長と会社の業績向上を一緒に目指すことができます。

「案件は増えているのに利益が残らない」

「仕事のできる社員ばかり忙しい」

「営業や制作のノウハウが一部の社員に集中している」

「新人を採用しても育成に時間がかかる」

「人事評価を会社の業績向上につなげたい」

このようなお悩みがございましたら、まずは「誰に、どの仕事が、どの程度集中しているのか」を整理するところから、丁寧にお手伝いいたします。

経営・組織づくりのご相談フォーム

ご相談はこちらからお問い合わせください。

Q
制作会社の属人化とは何ですか?
A

制作会社の属人化とは、営業、企画、制作、顧客対応などの仕事が特定の社員の経験や知識に依存し、「その人がいなければ仕事が進まない」状態になることです。優秀な社員のノウハウを見える化し、他の社員も活用できる仕組みに変えることが属人化解消の基本です。

Q
制作会社で案件が増えても利益が増えないのはなぜですか?
A

案件ごとの個別対応が多く、制作工数、修正、打ち合わせ、外注などが増えると、売上の増加以上にコストが増えることがあります。案件ごとの工数と利益を確認し、共通業務の標準化やテンプレート化を進めることが利益改善につながります。

Q
制作業務は案件ごとに違うのに標準化できますか?
A

すべてを同じにする必要はありません。ヒアリング、見積り、制作準備、進行管理、確認、納品など、共通する部分を標準化し、案件ごとに個別対応が必要な部分と分ける方法があります。「基本形+個別対応」にすることがポイントです。

Q
人事評価制度で属人化を解消するにはどうすればよいですか?
A

業務の標準化、ノウハウ共有、テンプレート作成、後輩育成、制作時間短縮、営業方法の共有など、会社が解決したい課題を社員の具体的な目標にします。その達成度を人事評価や賞与へ反映することで、業務改善を正式な仕事として継続しやすくします。

Q
制作会社の売上や利益を伸ばすには何から始めればよいですか?
A

まず「誰が、どの仕事を、どのように行っているのか」を見える化することから始めます。そのうえで、属人化している業務、時間がかかっている工程、利益を圧迫している作業、営業上の課題を特定し、会社の課題から部署の課題、社員一人ひとりの目標へ落とし込んで改善していくことが大切です。

土山 誠
経営アドバイザー合同会社 代表

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