
担当者の経験や判断に頼る営業・人材提案を会社の仕組みに変える
業務プロセスの標準化とノウハウ共有、人事評価の連動で
売上7,000万円・利益3,000万円増加につながった事例
ブランディング戦略立案の仕事は、企業ごとに課題や方向性が異なるため、高度な提案力や企画力が求められます。
人材支援会社の属人化を減らし、成約率と人材マッチングを安定させる組織づくり
法人向けの人材支援では、企業が求める人材を正しく理解し、その企業に合った人材を提案する力が求められます。
そのため、経験豊富な社員ほど成果を出しやすい一方で、
「成約できる社員が限られている」
「担当者によって企業へのヒアリング内容が違う」
「人材を選ぶ判断基準が担当者の経験に頼っている」
「成功した提案方法が会社に残らない」
「担当者によって成約率やマッチングの精度に差がある」
といった属人化が起こりやすくなります。
今回ご紹介するのは、東京都で法人向けの人材支援を行う従業員28名の企業で、営業から人材提案、成約、その後のフォローまでの属人化を見直した事例です。
目指したのは、優秀な社員の判断力をなくすことではありません。
「成果を出している社員は、何を確認し、どのように考え、なぜその人材を提案しているのか」を整理し、個人の経験を会社全体で活用できる知識へ変えていくことです。
お客様が抱えていた課題
今回のお客様は、東京都で法人向けの人材支援を行う従業員28名の企業です。
人材支援では、企業ごとに必要な人材や採用課題が異なるため、担当者の経験や判断が大切です。
しかし、その経験や判断が個人の中だけに蓄積されると、サービス品質や成約率にばらつきが生まれます。
【お客様の課題】
企業へのヒアリングや提案方法が、
担当者の経験やスキルに依存している。
企業が本当に必要としている人材を見極める判断が、
一部の経験豊富な社員に集中している。
案件ごとの進め方が担当者によって異なり、
成約率にばらつきが生まれている。
人材を提案する際の判断基準が十分に共有されず、
マッチングの精度が安定しにくい。
成果を出している社員の営業方法や判断基準が、
他の社員へ十分に共有されていない。
成約後のフォロー方法も担当者に依存しやすく、
継続的な取引につなげる仕組みが整っていない。
つまり、
「企業ごとに丁寧な人材提案を行いたい」
という考えと、
「担当者が変わっても一定の品質で支援できる会社にしたい」
という二つの課題を両立する必要がありました。
なぜ人材支援会社では営業やマッチングが属人化しやすいのか
人材支援は、人と企業の両方を理解する必要がある仕事です。
同じ職種を募集していても、
必要な経験
求める能力
仕事内容
会社の成長段階
職場環境
採用理由
などは企業によって異なります。
そのため、すべての案件を同じ方法で判断することはできません。
個別対応と属人化を分けて考える
重要なのは、
「企業や人材によって提案内容を変えること」
と、
「仕事の進め方や判断基準まで担当者任せになること」
を分けることです。
例えば、
企業へ最初に何を確認するか
採用理由をどう聞くか
必要な人材像をどう整理するか
人材のどこを確認するか
提案前に何を確認するか
成約後にどのようなフォローをするか
などは、会社として基本的な流れを共有できます。
一方で、
企業と人材の相性
本人の強み
企業が言葉にできていない要望
採用後に活躍できる可能性
などには、担当社員の経験や判断力が必要です。
標準化の目的は、
「全員が同じ人材を選ぶこと」
ではありません。
優秀な社員が持っている判断の視点を会社全体で共有し、他の社員もより適切な判断ができるようにすることです。
人材支援会社で起こりやすい10の属人化課題
自社に当てはまるものがないか確認してみてください。
1.成約率が営業担当者によって大きく違う
2.企業へのヒアリング内容が担当者ごとに違う
3.求人企業が求める人材像の整理方法が統一されていない
4.人材を選ぶ基準が担当者の経験や感覚に依存している
5.優秀な社員の判断方法が社内で共有されていない
6.企業や人材とのやり取りが担当者しか分からない
7.成約しなかった理由を十分に振り返っていない
8.成約後のフォロー方法が担当者によって異なる
9.新人が一人で案件を担当できるまで時間がかかる
10.案件が増えるほど経験豊富な社員へ仕事が集中する
複数当てはまる場合には、
「担当社員の能力を上げる」
だけでなく、
「成果を出している社員の考え方を会社に残せているか」
を確認することが大切です。
属人化を減らすために行った10の取り組み
今回の支援では、企業ごとの個別対応を大切にしながら、営業・提案・人材マッチングで共通化できる部分を整理しました。
1.案件獲得から成約後までの流れを見える化する
企業との接点からヒアリング、人材提案、成約、フォローまでの業務を整理します。
2.企業へのヒアリング項目を整理する
募集職種だけではなく、採用理由、仕事内容、必要な能力、職場環境など、基本的な確認項目を共有します。
3.求める人材像の整理方法を共通化する
企業から聞いた内容を、経験、能力、人物面などに分けて整理します。
4.人材を提案する際の判断基準を共有する
「この人なら合いそう」という感覚だけではなく、なぜその人材を提案したのかを説明できるようにします。
5.成約事例を会社の知識として残す
企業の課題、求めていた人材、提案内容、成約理由などを記録します。
6.成約しなかった案件も振り返る
成功事例だけではなく、
なぜ成約しなかったのか
どこで認識のずれが起きたのか
次回は何を確認すべきか
まで共有します。
7.担当者の判断理由を言葉にする
何をしたかだけでなく、
「なぜこの質問をしたのか」
「なぜこの人材を提案したのか」
「どの情報から適合すると判断したのか」
まで共有します。
8.成約後のフォローを仕組みにする
契約や採用が決まったところで終わらず、企業側・人材側の状況を確認する基本的な流れを整えます。
9.新人が段階的に仕事を覚えられるようにする
企業ヒアリング、人材情報の整理、提案、フォローなどを分け、段階的に担当できる仕組みをつくります。
10.ノウハウ共有と後輩育成を人事評価へ反映する
個人の成約件数や売上だけではなく、成功事例の共有、業務改善、後輩育成などを社員目標として設定し、その達成度を賞与へ反映する人事評価を整えました。
企業との接点から成約後までの流れを標準化する
人材支援では、成約だけを見るのではなく、企業との最初の接点から成約後までを一つの流れとして考えることが重要です。
例えば、
見込み企業との接点
↓
問い合わせ・営業活動
↓
企業へのヒアリング
↓
採用課題の確認
↓
採用理由の確認
↓
必要な人材像の整理
↓
候補となる人材の確認
↓
企業との適合性を検討
↓
人材の提案
↓
企業からの反応を確認
↓
必要に応じて提案を調整
↓
選考・面談
↓
成約
↓
採用・契約後の確認
↓
企業側の状況確認
↓
人材側の状況確認
↓
新しい人材ニーズの確認
↓
継続的な支援
という流れです。
このように見える化すると、
企業との接点が不足しているのか
ヒアリングで必要な情報を聞けていないのか
人材像の整理に問題があるのか
提案する人材が合っていないのか
提案後のフォローが不足しているのか
を分けて考えられます。
「成約率が低い」という結果だけを見ない
成約率が低い場合、
「営業担当者の提案力が弱い」
とは限りません。
企業の採用理由を十分に聞けていない。
必要な人材像が曖昧なまま提案している。
人材の強みを企業へ十分に伝えられていない。
提案後のフォローが遅い。
など、成約前の工程に原因があることもあります。
営業・人材提案を一つの流れとして確認することで、改善すべき場所が見えやすくなります。
優秀な社員の「判断」を会社のノウハウに変える
人材支援の属人化を解決するうえで、特に重要なのが「判断基準」の共有です。
マニュアルに、
「企業へヒアリングする」
「候補者を探す」
「企業へ提案する」
と書くだけでは、優秀な社員の仕事を再現することは難しいからです。
「何をしたか」だけでなく「なぜそうしたか」を残す
例えば成約した案件について、
企業はどのような人材を求めていたか
なぜ採用する必要があったか
企業が最初に話していた条件は何か
ヒアリングによって何が分かったか
どの条件を特に重視したか
どの人材を提案したか
なぜその人材を選んだか
企業はどこを評価したか
成約につながった理由は何か
まで整理します。
こうすると、
「Aさんは営業が上手だから成約した」
という曖昧な理解から、
「Aさんは、この情報を確認し、この理由からこの人材を提案した」
という学べる情報に変わります。
失敗した案件も大切な会社の知識になる
成約しなかった案件にも、
企業が求める条件を十分に理解できていなかった
提案時期が遅かった
人材の強みを適切に伝えられなかった
企業側の本当の採用課題を把握できていなかった
など、次の案件に活かせる情報があります。
成功と失敗の両方を会社に蓄積することで、案件を経験するほど組織としての人材提案力を高めやすくなります。
会社の課題を社員目標と人事評価につなげる
営業・人材提案の仕組みを整えても、社員が継続的に使わなければ属人化は戻ってしまいます。
そこで、
会社の経営課題
↓
社員の具体的な目標
↓
日々の行動
↓
達成度の確認
↓
人事評価
↓
賞与への反映
という流れを整えました。
例えば、
「成約率が担当者によって違う」
という課題なら、
「成約・未成約案件を毎月振り返り、成約理由・未成約理由を共有する」
という目標にできます。
「人材提案の判断基準が属人化している」
という課題なら、
「担当案件について、人材を選んだ理由を記録し、月3件共有する」
という目標にできます。
「新人育成に時間がかかる」
という課題なら、
「後輩社員が一人で企業への基本ヒアリングを実施できる状態まで育成する」
という目標にできます。
「成約後のフォローが担当者任せ」
という課題なら、
「成約後の確認項目と実施時期を整理し、担当案件で実施する」
という目標にできます。
「自分が成約した」だけではなく「会社が成約できるようにした」も評価する
個人成果だけを評価していると、優秀な社員が持っているノウハウを共有する動機が弱くなることがあります。
そこで、
個人売上
成約件数
などに加えて、
ノウハウ共有
後輩育成
業務改善
成功・失敗事例の蓄積
人材提案方法の改善
なども評価します。
目指すのは、
「自分だけが成果を出せる社員」
ではなく、
「自分も成果を出しながら、周囲の社員も成果を出せるようにする社員」
が評価される組織です。
より具体的な解決方法についての無料セミナーを開催しています
取り組みによって生まれた変化|売上7,000万円・利益3,000万円増加につながった事例とご相談
今回の東京都・従業員28名の法人向け人材支援会社では、
営業から成約後までの業務の見える化
企業ヒアリング項目の整理
必要な人材像の整理方法の共有
人材提案の判断基準の共有
成約事例の蓄積
未成約案件の振り返り
担当者の判断理由の言語化
成約後のフォローの仕組み化
社員目標の設定
人事評価と賞与への連動
などに取り組みました。
その結果、
・社員の属人化解消に対する意識が高まった
・営業や人材提案の進め方を共有しやすくなった
・成約・未成約の理由を会社に蓄積しやすくなった
・人材提案の判断基準を共有しやすくなった
・会社が抱えていた課題の改善につながった
という変化が生まれました。
結果として、
売上は7,000万円増加、
利益は3,000万円増加
につながりました。
ただし、同じ取り組みを行えば、すべての企業で同じ売上・利益の増加が実現するという意味ではありません。
成果は、案件数、契約単価、人材数、社員数、市場環境、既存の営業体制などによって異なります。
今回の事例で大切なのは、
「優秀な社員の経験や判断を、会社全体で使える知識へ変える」
という考え方です。
この考え方は人材支援会社だけでなく、
人材紹介
採用支援
営業支援
コンサルティング
IT・システム開発
広告・マーケティング
Web・制作会社
製造業
建設業
専門サービス
など、営業・制作・専門業務のノウハウが特定社員に集中している企業にも応用できます。
サービスは全国のあらゆる業種の企業に対応できます。
「成約率が担当者によって大きく違う」
「ベテラン社員の経験や判断を共有できていない」
「新人が育つまで時間がかかる」
「案件が増えると一部社員へ仕事が集中する」
「担当者が変わるとサービス品質が変わってしまう」
このようなお悩みがある場合には、
「優秀な社員が何をしているのか」
だけではなく、
「その社員は、何を見て、なぜその判断をしているのか」
まで整理するところから始める方法があります。
ご相談はこちらからお送りいただけます。
よくあるご質問 FAQ
企業ごとに採用理由や求める人材が異なり、ヒアリング、人材選定、提案などが担当者の経験や判断に依存しやすいためです。基本プロセスと判断基準を会社で共有することが属人化を減らすポイントです。
すべての企業へ同じ人材を提案するわけではありません。企業へのヒアリング、人材像の整理、提案前の確認など基本的な進め方を標準化し、企業と人材の個別性については担当者の判断を活かします。
企業へのヒアリング、人材像の整理、人材選定、提案、提案後のフォローなどに分け、担当者による違いを確認します。成約案件と未成約案件の両方を振り返ることで、改善点を見つけやすくなります。
提案した人材だけでなく、企業の採用課題、ヒアリング内容、重視した条件、人材を選んだ理由、企業の反応、成約・未成約の理由まで記録します。「何をしたか」だけでなく「なぜそう判断したか」を残すことが重要です。
個人売上や成約件数だけでなく、ノウハウ共有、後輩育成、業務改善、成功・失敗事例の蓄積などを具体的な社員目標に設定し、その達成度を評価する方法があります。個人の成果を会社全体へ広げた行動も評価することがポイントです。
この記事を書いた人

土山 誠
経営アドバイザー合同会社 代表
ブランディング戦略立案の仕事は、企業ごとに課題や方向性が異なるため、高度な提案力や企画力が求められます。
-
前の記事
ECサイト制作会社の社員の属人化の解決方法
-
次の記事
ロボット開発会社の社員の属人化の解決方法
課題解決事例 キーワード検索