
担当者に集中する仕入れ・販売・顧客対応を会社の仕組みに
変える業務の標準化と顧客フォロー、人事評価の連動で
売上28億円・利益2億円増加につながった事例
ブランディング戦略立案の仕事は、企業ごとに課題や方向性が異なるため、高度な提案力や企画力が求められます。
不動産・資産支援会社の属人化を減らし、事業拡大と継続収益につなげる組織づくり
不動産を活用した資産形成や税務・資産戦略の支援では、専門的な知識だけでなく、お客様との長期的な信頼関係が重要です。
特に富裕層や経営者を対象とする事業では、
「この担当者だから相談したい」
「この人なら安心して任せられる」
という関係性が会社の大きな強みになります。
一方で、事業が成長して取扱量や顧客数が増えると、
「仕入れや販売を一部の社員に頼っている」
「案件が増えるほど社内の工数が不足する」
「顧客との関係が担当者個人に集中している」
「一度取引したお客様への継続的なフォローが仕組み化されていない」
「会社を大きくしたいのに、社員の業務量が限界になっている」
といった課題が表面化することがあります。
今回ご紹介するのは、東京都で不動産を活用した富裕層・経営者向けの税務・資産戦略支援を行う従業員92名の企業で、仕入れ・販売・顧客対応の仕組みを見直した事例です。
目指したのは、社員の専門性やお客様との信頼関係をなくすことではありません。
人にしかできない仕事を大切にしながら、仕組みにできる仕事は仕組みに変え、会社全体で継続的に価値を提供できる状態をつくることでした。
お客様が抱えていた課題
今回のお客様は、東京都で不動産を活用した富裕層・経営者向けの税務・資産戦略支援を行う従業員92名の企業です。
事業拡大に伴って仕入れ量や販売計画を増やしていましたが、一部の業務が社内に集中し、工数不足や社内調整の増加が事業拡大のボトルネックになっていました。
さらに、富裕層や経営者との継続的な関係が重要である一方、顧客接点や営業方法が担当者の経験に依存しやすく、継続的な顧客フォローを会社として行う仕組みにも改善の余地がありました。
【お客様の課題】
仕入れ量を増やしたくても、
一部の社員や社内工程へ業務が集中している。
販売計画を拡大すると、
社員の工数や社内調整も増えてしまう。
仕入れや販売の進め方が、
経験豊富な社員の判断に依存している。
富裕層・経営者への営業方法や顧客対応が、
担当者個人の経験や人間関係に依存しやすい。
取引後の顧客フォローが、
担当者によって異なっている。
既存顧客との継続的な関係づくりや、
次の相談につなげる仕組みが十分に体系化されていない。
その結果、事業を拡大しようとすると、
社員の工数不足や属人化が成長の壁になりやすい。
そこで、
「社員を増やして対応する」
だけではなく、
「仕組みにできる仕事は仕組みにし、人にしかできない仕事へ社員の能力を集中させる」
という方向から改善を進めました。
なぜ不動産・資産支援会社では属人化が事業拡大の壁になりやすいのか
不動産や資産に関する支援では、一つの案件に多くの判断や調整が必要になります。
例えば、
顧客の状況を確認する
希望や課題を聞く
物件を仕入れる
案件の条件を確認する
社内で調整する
顧客へ提案する
契約を進める
取引後にフォローする
といった複数の業務があります。
経験豊富な社員ほど、
「この案件はどこを確認すべきか」
「このお客様にはどのような説明が必要か」
「次にどのような提案をするとよいか」
といった判断を自然に行っています。
問題は、その判断方法や顧客情報が担当者本人に集中することです。
専門性と属人化は分けて考える
富裕層・経営者向けの支援では、社員の専門知識や信頼関係は大切です。
そのため、すべての仕事をマニュアル通りにすることが目的ではありません。
例えば、
案件受付
必要情報の確認
社内での情報共有
進捗管理
顧客情報の記録
取引後のフォロー
定期的な情報提供
過去案件の振り返り
など、共通化できる部分は整理できます。
共通業務を仕組みにすることで、社員が顧客との対話や専門的な判断など、より価値の高い仕事へ時間を使いやすくなります。
不動産・資産支援会社で起こりやすい10の属人化・成長課題
自社に次のような状態がないか確認してみてください。
1.仕入れ判断が一部の経験豊富な社員に集中している
2.案件が増えるほど社内の工数不足が大きくなる
3.担当者によって販売・営業の進め方が違う
4.顧客情報が担当者個人の中に残っている
5.過去の成約理由や失注理由が十分に共有されていない
6.一度取引した顧客へのフォロー方法が統一されていない
7.次の相談や取引につながるタイミングを会社で把握できていない
8.社内調整に時間がかかり、重要な仕事へ集中しにくい
9.経験豊富な社員へ顧客対応や判断が集中している
10.売上を増やそうとすると人員や工数も大幅に増えてしまう
複数当てはまる場合には、
「もっと人を採用する」
だけではなく、
「現在の業務のうち、人が行うべき仕事と仕組みにできる仕事は何か」
を整理することが大切です。
属人化を減らして事業拡大につなげる10の取り組み
今回の支援では、業務負荷を減らすことと、顧客との継続的な関係をつくることを両面から進めました。
1.仕入れから販売までの業務を見える化する
誰が、どの段階で、何を行っているのかを整理しました。
2.共通する業務プロセスを標準化する
担当者ごとに異なっていた確認事項や進行方法を整理しました。
3.社内で行う仕事と外部化できる仕事を分ける
すべてを内製するのではなく、自社で行うべき仕事と外部へ任せられる仕事を整理しました。
4.定型業務の自動化を検討する
繰り返し発生する業務について、社員が毎回手作業で行う必要があるかを見直しました。
5.仕入れ方法の展開可能性を整理する
仕入れを特定社員だけの能力にせず、外部との連携も含めて供給を安定させる方法を検討しました。
6.販売業務の役割を明確にする
販売を担うチームの役割を整理し、専門性を高めながら案件へ集中できる体制を目指しました。
7.顧客情報を会社で活用できる状態にする
顧客の属性、相談内容、取引履歴などを、継続的な顧客対応に活かせる形へ整理しました。
8.取引後の顧客フォローを仕組み化する
成約をゴールにせず、取引後も適切なタイミングで関係を継続できる仕組みを整えました。
9.継続的な顧客体験を設計する
会員向けの情報提供なども含め、一度の取引で関係が終わらない顧客接点を検討しました。
10.業務改善と顧客対応を人事評価につなげる
業務の標準化、ノウハウ共有、顧客フォローなどを社員目標として設定し、その達成度を賞与へ反映しました。
仕入れから販売までの業務プロセスを見える化する
事業を拡大するためには、売上だけを見るのではなく、
「売上が増えたとき、どこの仕事が増えるのか」
を見ることが重要です。
例えば、
案件・物件情報の収集
↓
仕入れ候補の確認
↓
必要情報の整理
↓
社内判断
↓
仕入れ
↓
販売準備
↓
顧客候補の検討
↓
顧客への情報提供
↓
相談・ヒアリング
↓
提案
↓
条件調整
↓
契約・取引
↓
取引後のフォロー
↓
次の相談・提案
という流れです。
この流れを見える化すると、
どこに仕事が集中しているのか
どこで社内調整が増えているのか
誰に判断が集中しているのか
どの業務なら標準化できるのか
どの仕事を外部へ任せられるのか
どの仕事を自動化できるのか
を確認しやすくなります。
「内製すること」が目的になっていないか確認する
社内にノウハウを残すことは大切です。
しかし、事業規模が大きくなると、すべてを社内で抱えることが必ずしも最適とは限りません。
そこで、
自社の競争力に直結する仕事
顧客との信頼関係に関わる仕事
専門的な判断が必要な仕事
定型化できる仕事
外部へ任せられる仕事
自動化できる仕事
を分けて考えます。
人にしかできない重要な仕事へ社員の時間を使える状態をつくることが、事業拡大を支える一つの方法です。
一度の成約で終わらない顧客との関係を仕組みにする
富裕層や経営者を対象とする事業では、新規顧客の獲得だけでなく、既存顧客との継続的な関係も重要です。
一方で、
「次の相談時期を担当者だけが知っている」
「顧客との過去のやり取りが担当者の記憶にある」
「担当者によってフォロー頻度が違う」
という状態では、顧客数が増えるほど対応が難しくなります。
そこで、
顧客の基本情報
過去の相談内容
取引履歴
関心のあるテーマ
過去の提案
次回確認したいこと
フォロー履歴
などを会社で活用できる形に整理します。
顧客データは「売るため」だけに使わない
顧客情報を蓄積する目的は、追加販売だけではありません。
例えば、
「以前相談された課題はその後どうなったか」
「新しい悩みが生まれていないか」
「現在必要としている情報は何か」
を確認するためにも活用できます。
さらに、顧客の希望に応じて、
定期的な情報提供
相談機会
会員向けの情報
継続的なフォロー
などを設計することで、一度の取引で終わらない関係をつくりやすくなります。
重要なのは、
「何を追加で販売できるか」
から考えるのではなく、
「このお客様に継続してどのような価値を提供できるか」
から考えることです。
会社の課題を社員目標と人事評価につなげる
業務フローや顧客管理の仕組みを整えても、社員が使い続けなければ定着しません。
そこで今回の支援では、
会社の経営課題
↓
社員の具体的な目標
↓
日々の改善行動
↓
達成度の確認
↓
人事評価
↓
賞与への反映
という流れを整えました。
例えば、
「業務が一部の社員へ集中している」
という課題なら、
「担当業務を整理し、他の社員でも対応できる手順を月○件作成する」
という目標にできます。
「社内調整に時間がかかる」
という課題なら、
「繰り返し発生している調整業務を洗い出し、月○件の改善提案を行う」
という目標にできます。
「顧客情報が担当者に集中している」
という課題なら、
「面談後に相談内容・提案内容・次回対応を記録する」
という目標にできます。
「既存顧客へのフォローが属人化している」
という課題なら、
「担当顧客の取引後フォローを実施し、相談内容や次の課題を共有する」
という目標にできます。
評価するのは、
「自分が売上をつくった」
という個人の成果だけではありません。
「仕事を他の社員もできる状態にした」
「業務時間を減らす改善を行った」
「顧客情報を会社へ残した」
「他の社員へノウハウを共有した」
という組織への貢献も評価します。
個人の経験を会社の能力へ変える行動を評価することで、属人化の解消を一時的な取り組みで終わらせにくくなります。
より具体的な解決方法についての無料セミナーを開催しています
取り組みによって生まれた変化|売上28億円・利益2億円増加につながった事例とご相談
今回の東京都・従業員92名の企業では、
業務プロセスの見える化
共通業務の標準化
一部工程の外部化
定型業務の自動化
仕入れ体制の見直し
販売チームの役割整理
顧客情報の共有
取引後のフォローの仕組み化
継続的な顧客接点の整備
人事評価と賞与への連動
などに取り組みました。
その結果、
・社員の属人化解消に対する意識が高まった
・業務のボトルネックを見直しやすくなった
・仕入れや販売の体制を拡大しやすくなった
・顧客情報を組織で活用しやすくなった
・既存顧客との継続的な関係づくりを進めやすくなった
・会社が抱えていた課題の改善につながった
という変化が生まれました。
結果として、
売上は28億円増加、
利益は2億円増加
につながりました。
ただし、同じ取り組みを行えば、すべての企業で同じ売上・利益の増加が実現するという意味ではありません。
成果は、取扱規模、物件、顧客数、社員数、市場環境、事業モデルなどによって異なります。
また、税務・資産戦略に関する個別具体的な判断では、それぞれの分野の専門家による確認が必要になる場合があります。
今回の事例で重要なのは、
「すべてを社員に任せる」
「すべてを仕組みにする」
という二者択一ではありません。
仕組みにできる仕事は仕組みにし、人にしかできない専門的な判断や顧客との対話へ、社員の能力を集中させることです。
この考え方は、不動産・資産関連企業だけでなく、
コンサルティング
金融関連サービス
保険
人材サービス
IT・システム開発
Web・広告
営業支援
製造業
建設業
専門サービス
など、専門的な営業や業務ノウハウが特定社員へ集中している企業にも応用できます。
全国のさまざまな業種の企業に対応できます。
「事業を拡大すると社員の工数が足りなくなる」
「仕入れや営業が特定社員に依存している」
「顧客との関係が担当者個人に集中している」
「既存顧客へのフォローを仕組み化したい」
「売上規模を大きくしたいが、現在の組織体制に限界を感じている」
このようなお悩みがある場合には、
「もっと人を増やすにはどうするか」
だけではなく、
「現在の仕事のうち、仕組みにできる仕事は何か」
「社員にしかできない価値の高い仕事は何か」
という視点から組織を見直してみる方法があります。
ご相談はこちらからお送りいただけます。
よくあるご質問 FAQ
仕入れ、販売、顧客対応などに経験や人間関係、個別の判断が必要となり、ノウハウや顧客情報が特定社員へ集中しやすいためです。共通する業務や情報を会社で共有することで、社員の専門性を残しながら属人化を減らせます。
できます。専門的な判断そのものを一律にするのではなく、案件受付、必要情報の確認、進捗管理、情報共有、顧客フォローなど、案件に共通する業務から標準化します。
まず業務プロセスを見える化し、社員にしかできない仕事、標準化できる仕事、外部化できる仕事、自動化できる仕事に分けます。社員が専門的な判断や顧客対応など価値の高い業務へ集中できる体制をつくることが重要です。
顧客の相談内容、取引履歴、過去の提案、フォロー履歴などを会社で共有し、適切なタイミングで情報提供や相談機会を設けられる状態をつくります。追加販売を目的にするだけでなく、顧客へ継続的に価値を提供する視点が大切です。
個人の売上だけでなく、業務の標準化、工数削減、ノウハウ共有、顧客情報の蓄積、後輩育成などを具体的な社員目標に設定する方法があります。個人の経験を会社の能力へ変える行動を評価することがポイントです。
この記事を書いた人

土山 誠
経営アドバイザー合同会社 代表
ブランディング戦略立案の仕事は、企業ごとに課題や方向性が異なるため、高度な提案力や企画力が求められます。
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