
担当者に集中する営業・提案ノウハウを仕組みに変え、人事評価で
改善を促進。売上7,000万円・利益3,000万円増加につながった事例
ブランディング戦略立案の仕事は、企業ごとに課題や方向性が異なるため、高度な提案力や企画力が求められます。
コンサル会社の属人化を解消し、営業と提案の成果を安定させる方法
「営業のできる社員と、なかなか成約できない社員の差が大きい」
「お客様ごとに提案内容が違い、毎回ゼロから考えている」
「経験豊富な社員でなければ難しい案件を任せられない」
「新規案件は取れても、その後のリピートにつながっていない」
「社員を増やしているのに、売上や利益が思うように伸びない」
専門的な知識を提供するコンサルティング会社では、このようなお悩みが起こることがあります。
お客様ごとに異なる課題へ柔軟に対応できることは、コンサルティング会社の大きな強みです。
一方、その強みが特定社員の経験や知識だけに支えられていると、
「この案件は○○さんでなければ提案できない」
「このお客様については△△さんしか分からない」
という仕事が増えていきます。
その結果、優秀な社員へ案件が集中し、会社が成長するほど一部の社員が忙しくなることがあります。
今回ご紹介するのは、大阪府で食品製造業に特化し、補助金申請支援、食品工場の設計、設備調達などを一貫して支援する従業員28名の企業です。
お客様ごとの個別対応が多く、専門性の高いサービスを提供できる一方、営業や提案、サービス提供が社員個人の経験に依存しやすく、成約率のばらつきや既存顧客への継続提案などに課題がありました。
そこで、サービス内容や成果指標を整理し、営業・提案から実行までのプロセスを標準化。さらに既存顧客への継続提案や、外部パートナーも活用できる仕組みづくりを社員の目標に設定し、その達成度を人事評価と賞与へ反映しました。
その結果、社員の属人化解消や会社の課題改善に対する意識が高まり、
・売上7,000万円増加
・利益3,000万円増加
につながりました。
お客様の課題
大阪府で食品製造業に特化した補助金申請支援、食品工場設計、設備調達などをワンストップで提供する従業員28名の企業です。
製造現場を持つ中堅・中小企業を中心に、お客様ごとの状況に合わせた専門性の高い支援を行っていました。
一方、案件ごとにカスタマイズが必要なため、営業、提案、案件遂行の方法が担当者の経験や知識に依存しやすい状態になっていました。
具体的には、
・担当者によって営業方法が異なる
・案件ごとに提案を一から考える
・成約率にばらつきがある
・専門的なノウハウが一部社員に集中する
・既存顧客への継続提案が担当者任せになる
・外部パートナーへ仕事を任せにくい
といった課題です。
そこで、個人の能力だけに依存するのではなく、成果につながった営業・提案・支援方法を会社全体で活用できる仕組みへ変えることを重要な課題としました。
コンサル会社で属人化が起こりやすい理由
コンサルティング会社は、同じ商品を同じ方法で販売する仕事とは異なります。
例えば食品工場に関する相談でも、
・新しい工場をつくりたい
・設備を入れ替えたい
・生産能力を高めたい
・補助金を活用したい
・工場のレイアウトを改善したい
・新しい設備を導入したい
など、お客様によって課題は異なります。
そのため、経験豊富な社員ほど、
「この会社なら、この方法が適している」
「この課題なら、この順番で進めたほうがよい」
「この段階で確認しておかないと、後から問題になる」
といった判断ができるようになります。
これは会社にとって大切な財産です。
しかし、その判断基準が本人の頭の中だけにあると、難しい案件ほど優秀な社員へ集中します。
属人化を解消するということは、社員の専門性をなくすことではありません。
優秀な社員が持つ知識や経験を、他の社員も活用できる「会社の財産」に変えていくことです。
営業や提案の属人化で起こりやすい10の問題
専門性の高いコンサルティング会社で属人化が進むと、次のような問題が起こりやすくなります。
1.営業のできる社員へ案件が集中する
2.担当者によって成約率に差が生まれる
3.お客様ごとに毎回ゼロから提案を考える
4.優秀な社員の提案方法が社内で共有されない
5.新人が一人で案件を担当できるまで時間がかかる
6.案件が増えるほど一部の社員が忙しくなる
7.担当者が退職すると顧客との関係やノウハウまで失われる
8.既存顧客への追加提案や継続提案が担当者任せになる
9.外部パートナーへ仕事を任せにくい
10.売上が増えても社員の工数が増え、利益が残りにくくなる
特に注意したいのが、
「優秀な社員が頑張ってくれているから、今は問題ない」
という状態です。
現在は仕事が回っていても、その社員へさらに案件が集中したり、休職・退職したりすると、属人化していた問題が一気に表面化する可能性があります。
属人化解消の第一歩は、成果を出している社員の仕事を見える化すること
最初から細かなマニュアルを作る必要はありません。
まず、
「成果を出している社員は、他の社員と何が違うのか」
を整理します。
優秀な社員の営業・提案方法を見える化する
例えば、
・どのようなお客様をターゲットにしているか
・最初の面談で何を質問しているか
・お客様の本当の課題をどう見つけているか
・どのような順番で提案しているか
・見積りをどのように提示しているか
・成約までどのようにフォローしているか
・受注後にどのような関係を築いているか
などを整理します。
「○○さんは営業力がある」で終わらせず、
「なぜ○○さんは成約できるのか」
を具体的な行動へ分解することが大切です。
サービスを整理し、毎回ゼロから提案しない仕組みをつくる
専門的なコンサルティングでは、お客様ごとの個別対応が必要です。
だからといって、すべてを毎回ゼロからつくる必要はありません。
例えば、
・初回相談
・現状分析
・課題整理
・改善提案
・計画策定
・申請支援
・工場設計
・設備選定
・導入支援
・導入後のフォロー
など、提供しているサービスを整理します。
さらに、
「このような課題のお客様には、この支援」
という基本的な組み合わせをつくります。
お客様に合わせる部分を大切にしながら、共通部分を標準化することで、提案時間の短縮や品質の安定につなげます。
営業から契約までの流れを標準化する
営業成果を安定させるためには、成約している社員の営業プロセスを見えるようにします。
例えば、
見込み顧客の発掘
↓
問い合わせ・紹介
↓
初回相談
↓
ヒアリング
↓
課題整理
↓
提案
↓
見積り
↓
フォロー
↓
契約
という流れです。
この流れを整理すると、
「どこで見込み客が離れているのか」
「成約する社員としない社員では何が違うのか」
「どのような提案が成約につながっているのか」
が見えやすくなります。
営業を個人の経験や勘だけに頼らず、会社全体で改善できる仕事に変えていきます。
提案内容と成果指標を標準化する
コンサルティングでは、提供するサービスそのものだけでなく、
「お客様がどのような状態になれば成功なのか」
を明確にすることも大切です。
例えば、
・生産能力
・作業時間
・人員
・生産性
・設備稼働率
・コスト
・納期
・品質
など、案件に応じた成果指標を設定します。
提案段階から成果の考え方を明確にすることで、お客様にもサービスの価値を理解していただきやすくなります。
社員にとっても、「何を実現すればよいのか」が分かりやすくなり、担当者によるサービス品質のばらつきを減らしやすくなります。
成功事例を会社の財産にする
良い成果が出た案件を、その担当者だけの経験で終わらせるのは、とてももったいないことです。
案件終了後に、
・お客様は何に困っていたか
・どのような提案をしたか
・なぜ受注できたか
・どのような支援を行ったか
・どのような成果が出たか
・何に時間がかかったか
・どのような問題が起きたか
・次回は何を改善するか
を整理します。
すると、次に似た相談があったとき、別の社員も過去の成功事例を参考にできます。
案件を経験するほど、個人だけでなく会社全体が成長する仕組みをつくります。
既存顧客への継続提案を仕組みにする
新規顧客の獲得だけが、売上を増やす方法ではありません。
食品工場の支援では、一つの課題を解決した後にも、新しい課題が生まれることがあります。
例えば、
工場設計
↓
設備導入
↓
稼働
↓
生産性の確認
↓
新しい課題の発見
↓
改善提案
↓
設備更新・追加
↓
次の支援
という流れです。
ところが、既存顧客へのフォローが担当者任せになっていると、次の相談をいただける機会を逃してしまうことがあります。
そこで、
「いつ、誰が、何を確認するのか」
を仕組みにします。
お客様との関係を一度の取引で終わらせず、長く課題解決をお手伝いできる関係をつくることが、売上の安定にもつながります。
外部パートナーを活用できる仕事の仕組みをつくる
社員だけですべての仕事を抱えていると、案件が増えるほど社員の負担も増えます。
そこで、
「自社社員でなければできない仕事」
と、
「一定の基準をつくれば外部パートナーにもお願いできる仕事」
を分けます。
そのためには、
・業務内容
・作業手順
・必要な資料
・品質基準
・確認方法
・報告方法
・納期
・責任範囲
などを明確にします。
業務を標準化することは、社員の仕事を単純化するためではありません。
社員がより専門性の高い仕事や、お客様との重要なコミュニケーションに時間を使えるようにするためでもあります。
人事評価制度で「会社の課題解決」を社員の目標にする
ここが今回の取り組みの重要なポイントです。
経営者が、
「営業方法を共有してください」
「もっと効率よく仕事をしてください」
「既存のお客様へ提案してください」
と言うだけでは、忙しい社員にとって改善活動は後回しになりがちです。
そこで、会社が解決したい経営課題を、社員一人ひとりの具体的な目標へ落とし込みます。
売上・利益につながる改善行動を評価する
例えば、
・営業方法を標準化する
・提案資料を改善する
・成約率を高める
・サービス内容を標準化する
・成功事例を社内共有する
・業務時間を短縮する
・新人でも担当できる仕事を増やす
・既存顧客への継続提案を増やす
・外部パートナーへ移管できる業務を増やす
・案件ごとの利益率を改善する
といった目標です。
そして、その達成度を人事評価で確認し、賞与へ反映します。
単に、
「自分でたくさん売上をつくった社員」
だけではなく、
「他の社員も売れる仕組みをつくった社員」
「会社全体の生産性を高めた社員」
「将来の利益につながる仕組みをつくった社員」
も評価する考え方です。
人事評価と賞与を連動させ、改善が続く組織にする
属人化の解消が難しい理由の一つに、
「自分でやったほうが早い」
という問題があります。
短期的にはその通りでも、会社全体で見ると、優秀な社員へ仕事が集中し続ける原因になります。
そこで、
会社の課題
↓
部署の課題
↓
社員一人ひとりの目標
↓
具体的な改善行動
↓
人事評価
↓
賞与
までをつなげます。
営業方法の共有、提案書の標準化、後輩育成、既存顧客への継続提案などを、「時間があれば行う仕事」ではなく、会社が正式に評価する仕事として位置づけます。
社員にとっても、
「会社を良くすることが、自分自身の評価にもつながる」
という関係が分かりやすくなります。
取り組みにより売上7,000万円・利益3,000万円増加
今回の企業では、営業・提案・サービス提供における属人化を減らすため、提供サービスの整理や標準化、成果指標の明確化、既存顧客への継続提案、外部パートナーを活用できる仕組みづくりなどを進めました。
さらに、これらの会社の課題を社員一人ひとりの目標へ落とし込み、その達成度を人事評価と賞与へ反映しました。
その結果、社員の属人化解消や会社の課題解決に対する意識が高まり、改善が進んだことで、
・売上7,000万円増加
・利益3,000万円増加
につながりました。
重要なのは、社員へ単純に、
「もっと売上を上げてください」
と求めたのではないことです。
「どうすれば他の社員も同じように提案できるのか」
「どうすれば一つの成功を次の案件でも活用できるのか」
「どうすれば既存のお客様へ継続的に価値を提供できるのか」
「どうすれば売上だけでなく利益も残せるのか」
という会社の課題そのものを社員の目標にしたことがポイントです。
この仕組みは専門性の高いさまざまな企業で活用できます
今回の考え方は、食品製造業向けのコンサルティング会社だけに限定されるものではありません。
・経営コンサルティング会社
・ITコンサルティング会社
・設計会社
・建設会社
・システム開発会社
・Web制作会社
・広告会社
・人材サービス会社
・士業事務所
・案件ごとの個別対応が多い専門サービス会社
などでも応用できます。
特に、
「社長や一部の社員しか営業できない」
「担当者によって成約率が違う」
「専門知識が一部の社員に集中している」
「案件が増えるほど社員が忙しくなる」
「新規顧客は獲得できてもリピートにつながらない」
という企業では、営業やサービス提供の属人化が成長を妨げていないか確認することが大切です。
コンサル会社の成長には「個人の能力」を「会社の仕組み」に変えることが大切
専門性の高い会社ほど、優秀な社員の存在は大きな強みです。
しかし、
優秀な社員が案件を取る
↓
その社員に仕事が集中する
↓
さらに忙しくなる
↓
他の社員を育てる時間がなくなる
↓
属人化がさらに進む
↓
会社の成長が一部社員の能力に左右される
という状態になることがあります。
目指したいのは、
優秀な社員の仕事を見える化
↓
営業・提案方法を標準化
↓
成功事例を共有
↓
他の社員も成果を出せる
↓
既存顧客への継続提案を仕組み化
↓
社員の負担を平準化
↓
売上と利益を改善
↓
会社が継続的に成長
という好循環です。
人事評価制度を「社員に点数をつける制度」ではなく、「会社の課題を社員全員で解決する仕組み」として活用することで、社員の成長と会社の業績向上を一緒に目指すことができます。
ご相談・お問い合わせ
「営業のできる社員に案件が集中している」
「担当者によって成約率に大きな差がある」
「専門的なノウハウを若手社員へ引き継ぎたい」
「新規顧客だけでなく既存顧客からの継続受注も増やしたい」
「人事評価を会社の売上や利益につなげたい」
このようなお悩みがございましたら、まず現在の仕事の中で「誰に、どの営業・提案・専門ノウハウが集中しているのか」を整理するところから、丁寧にお手伝いいたします。
全国の企業に対応しています。
ご相談はこちらからお問い合わせください。
よくあるご質問 FAQ
コンサルティング会社の属人化とは、営業方法、顧客へのヒアリング、提案、専門知識、案件の進め方などが特定の社員に集中し、「その社員がいなければ同じような成果を出せない」状態になることです。成果を出している社員の行動や判断基準を整理し、会社全体で活用できる仕組みに変えることが属人化解消のポイントです。
まず、成果を出している社員の営業プロセスを見える化します。ターゲット、初回面談での質問、課題の聞き出し方、提案内容、見積り、成約までのフォローなどを比較することで、成果につながる行動を見つけます。それを営業の基本形として共有し、実践と改善を繰り返すことで成約率のばらつきを減らしていきます。
すべてを同じにする必要はありません。お客様ごとに個別対応する部分を残しながら、ヒアリング、課題分析、提案書、見積り、進行管理、成果確認など、共通する部分を標準化することは可能です。「共通部分+個別対応」という考え方にすることで、専門性を維持しながら業務の再現性を高めやすくなります。
案件終了後のフォローを担当者個人に任せず、成果確認、新しい課題の確認、改善提案、次回提案までを会社の営業プロセスとして設計することが重要です。一度のお取引で終わるのではなく、お客様の変化に合わせて継続的に課題解決を支援する仕組みをつくることで、リピートや追加受注につなげやすくなります。
人事評価制度を導入するだけで属人化が自動的に解消されるわけではありません。しかし、営業方法の標準化、成功事例の共有、後輩育成、業務時間の短縮、既存顧客への継続提案など、会社が解決したい課題を社員の具体的な目標に設定し、その達成度を評価や賞与へ反映することで、属人化解消に向けた行動を促しやすくなります。
この記事を書いた人

土山 誠
経営アドバイザー合同会社 代表
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